新聞販売店が新聞社を訴えた事件についてのその後
ブログ記事のタイトルに(その1)とつけたまま、続編を書いていない記事があります。それは、福岡高裁の昨年6月19日の判決に関する
「新聞販売店が新聞社を訴えた裁判の控訴審判決(その1)」(07/6/28)
です。
事案を繰り返しますと、
新聞販売店経営者X1が、被告読売新聞社がした新聞販売店契約の更新拒絶には正当な理由がないと主張して、新聞販売店契約上の地位を有することの確認を求めるとともに、読売新聞社が継続的取引関係における供給者側の優越的地位を濫用し営業権を違法に侵害したとして、損害賠償請求をし、
同じく別の新聞販売店経営者X2が、読売新聞社が新聞販売店契約を不当に解除しようとしたことにより精神的苦痛を受けたとして損害賠償請求をしたものです。
控訴審の福岡高裁は、X1については220万円、X2については110万円の支払を認容しました。
上のブログ記事のタイトルが(その1)となっているのは、この判決をもう少し読んで後で続編を書くつもりだったためなのですが、すっかりそのままになってしまってました。
ところが、昨日のLivedoorニュースで、「My News Japan」に「読売、最高裁が地位保全した店主を解任 また司法判断を無視 」という黒薮哲哉氏の記事(8/2付)があるのを知りました。
それを見て調べると、上記の福岡高裁判決に対しては、読売側が上告(上告受理)申立をしており、それに対して昨年12月25日に最高裁(第3小法廷)が上告不受理の決定をして、結局、福岡高裁の判決内容で確定したようです。なお、上告不受理については、毎日が12月28日付で報じていたようですが、期間が経過したため、毎日サイトでも読めません(別のところに転載されていたものは見ました。)。
今回の黒藪氏の記事は、原告であった真村氏に対し、読売新聞社が今年7月に解任(契約解除?)したことに関するもので、真村氏は既に福岡地裁に地位保全の仮処分を申請したという、ことです。他の同氏の記事によれば、今年5月に上記の真村氏が読売や首脳陣個人たちなどを被告として、さらに損害賠償請求訴訟を提起したというものや、読売が新聞供給再開の仮処分に従わず6月に裁判所から間接強制の決定が出されているというものなどもあり、まだまだ、紛争は続くようですね。
このようにMy News Japanには、このテーマについてのこれまでの黒藪氏のいくつかの記事がありました。記事全部は会員登録(有料)しないと駄目なようですが、ある程度は無料で登録なしでも読めますので、興味のある方は読んで見て下さい。黒藪氏は常に販売店側の視点から書いておられるのですが、前にも書いたように、この手の具体的問題については、他社を含めてマスコミ側が取り上げることはほとんどありませんので、なかなか参考になります。
余談ですが、「My News Japan」というのは、「Oh my News」とは別なのですね。最初勘違いしてました。ちとややこしい、と思ったら、「Oh my News」のほうは9月にリニューアルして、名前も「Oh! MyLife」に変わるようです。
「My News Japan」については、wikipediaで見ると、これはこれで面白い。
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