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2008年3月 1日 (土)

ネットの記載と名誉毀損罪(無罪判決)

 今朝の朝刊で報道されているように、インターネットのwebサイト(ホームページ)上にラーメンチェーン店を中傷するような内容を書き込んだことが刑法上の名誉毀損罪に該当するとして起訴された被告人に対して、昨日(2/29)、東京地裁が無罪判決を言い渡しています。

 名誉毀損罪(刑230条)は、「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する」となっています。

 今回の判決は、マスコミと一般個人を区別したうえで、内容の真実性を信じていた、として無罪にしたようですが、新聞記事のみでは、法的な構成が必ずしも明確ではないように見えますので、現時点では論評しにくいですが、今後、この判決内容についてはいろいろと議論が出てくることと思います。私もブログでいろいろと書いている立場であり、大きな関心があります。

 ただ、書き込む側として、この無罪判決が出たからと言って、中傷的な記事を書くことが広く許された、というわけではありません。
 今回の判決は刑事事件の判決ですが、犯罪は成立しなくても、民事の損害賠償責任の要件は異なるので、事案によっては、刑事は無罪でも民事では賠償責任が生じるということは充分に考えられます。刑事の名誉毀損罪故意犯しか罰せられないが、民事の損害賠償は故意がなくても過失で責任を問われる、というような大きな違いもあります。

 なお、本件の刑事弁護人を務めた紀藤正樹弁護士のサイトでも、この判決について触れられています。

【追記】(3/12)
 本日、東京地検が控訴したようです。

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