「銀イオンの除菌効果」不当表示の自主公表
今日、小林製薬が、「銀イオンの除菌効果」をうたった消臭剤などの商品につき、実際には銀による十分な効果がなく、消費者に誤解を招く表示をしており、申し出があれば返品に応じる旨、発表しています。
このブログでも書いてきたところですが、先日来の景品表示法に基づく排除命令ニュース(燃費向上やらカビ取り納豆菌商品やら)と同様に、同社も、これらの商品について、公正取引委員会から銀の効果を表示する根拠を示すよう要求されたことに対し、その充分な根拠資料が提出できなかったということのようですね。広告(表示)された効果が実証できなかったということになります。景品表示法4条2項の「不実証広告」規定の威力ですね。末尾に条文載せておきました。
これらの商品に配合された銀の量では、除菌や消臭の効果は確認できなかったらしいです。
企業のコンプライアンス(法令順守:法令遵守)としては、もちろん当初から違法行為をしないことが一番大切であるけれど、やってしまった違法行為について、検証し公表して対応することは大事です。
この1つ前の記事のブリヂストンも同様かもしれませんが、企業が自ら、過去の違法行為について勇気をもって公表して対処することについては、正当な評価がされるべきです。違法行為への批判は批判として、一方では、その後の適切な対処の積み重ねによって企業の評価が高められるということも大切だと思います。
もっとも、これは企業だけでなく、個人も一緒かもしれませんね。悪いことをしたときに隠そうとするか、素直に明らかにするか、それが、結局他人の評価にどう影響するか。。。
ワシントンの桜の木の逸話のようなもんでしょうかね(若い人は知らない話かな)。
〔景品表示法 4条 2項〕
公正取引委員会は、前項第1号(注:優良誤認)に該当する表示か否かを判断するため必要があると認めるときは、当該表示をした事業者に対し、期間を定めて、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。この場合において、当該事業者が当該資料を提出しないときは、第6条第1項及び第2項の規定(注:排除命令)の適用については、当該表示は同号に該当する表示とみなす。
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