不当廉売についての公取委の変節:怪しからぬ
タイトルとは関係なく、今日は、公取委が、大規模小売り業者による魚の一夜干しや鶏肉加工食品や家具に係る表示についての不当表示(景表法違反)の警告を行った、というのがあります。
→ http://www.jftc.go.jp/pressrelease/07.december/071220.pdf
で、怪しからぬ本題に
昨日の公取委事務総長の記者会見として公取委サイトに公表されています。怪しからぬ。
以下は公取サイトの事務総長定例会見の概要
詳しくは → http://www.jftc.go.jp/teirei/h19/kaikenkiroku071219.html
その一部を後に載せます。ちょっと、サイズの関係で文章は変えてます。
【追記】(12/21)
何故怪しからぬのかは、
→ 「不当廉売規制と安売り規制は違うよ」(11/13)
→ 「不当廉売と課徴金(昨日の続き)」(11/14)
会見概要
(問)独禁法調査会において,不当廉売に課徴金を適用すべきという声が非常に多く出ましたが,どのように考えていますか。
(事務総長)確かに,今朝の独禁法調査会において,不当廉売,あるいは差別対価等を課徴金の対象にすべきであるという強い意見があり,引き続き,その具体的な内容について議論していこうということであったと聞いております。私どもも,そういう強い声があるということも踏まえまして,具体的にどういう制度設計があり得るのかということを真剣に考えていきたいと思います。
(問)大まかな方向性としては適用対象にする方向で,その制度設計,構成要件等を今後検討していくということですか。
(事務総長)どういう制度設計があり得るのかということを真剣に検討していきたいということです。
(問)公取委「独占禁止法の改正等の基本的考え方」では,不当廉売に起因する排除型私的独占には課徴金を課すとしていますが,自民党の主張は,排除型私的独占に達する前に不当廉売に課徴金をかけられないかという議論と思いますが,不当廉売にも課徴金を課すということに関して前向きなのかどうか,現段階での見解を聞かせてください。
(事務総長)「基本的考え方」では,不当廉売等によって競争が実質的に制限される私的独占に該当する行為を課徴金の対象とすることによって,不当廉売等についての抑止もある程度図られるのではないかという考えであったわけですが,競争の実質的制限に至る前の段階でも課徴金の対象にすべきではないかという声が非常に強いということですので,そういう点についてどういう具体的な制度設計があり得るのかを検討していきたいということです。
(問)どういう制度設計があり得るかを考えたいという御発言の意味は,「基本的考え方」において示された課徴金の対象をもう少し幅広に考え,純粋な意味での不当廉売についても対象にするということが考え得るので,それを前提に制度設計を考えたいということですか。
(事務総長)不当廉売を課徴金の対象とすることはなかなか難しいということで「基本的考え方」はまとめているわけですが,具体的にどういう制度設計があり得るのかということを考えたいということです。
(問)与党の声なども踏まえて,方針が変わりつつあると考えてよいのですか。
(事務総長)方針が変わりつつあるといいますか,従来の「基本的考え方」で課徴金の対象にしたいと考えておりました類型に加えて,そのような強い要請がある不当廉売等につきまして,課徴金の対象にできるかどうか,あるいは,できるとした場合,どういう具体的な内容,制度があり得るのかということを検討したいということです。
(問)不当廉売には,消費者に資する安売りと,不公正な安売りがあり,線引きが難しいという意見もありますが,課徴金のの構成要件を検討するに当たって,どのような尺度,考え方で線引きしていくのですか。
(事務総長)不当廉売については,基本的に競争を阻害するおそれがあるかどうかとなってまして,不当廉売の考え方については,従来から小売業を中心に明らかにしてきております。そういう従来の運用等も踏まえまして,課徴金の対象ということになりますと,要件をさらに明確化し,こういう要請もあるわけですから,そういう点も踏まえながら具体的な制度をどうするかということを検討しなければならないと思っております。
(問)今日の独禁法調査会では,累犯性が要件になり得るのではないかという意見もありしたが,その点についても検討対象になるのですか。
(事務総長)そういう内容も含めて検討したいと考えております。
« ヤフーBB個人情報漏洩事件最高裁決定を受領 | トップページ | 船場吉兆の梅酒製造販売と酒税法 »
「ニュース」カテゴリの記事
- 「クレベリン」(大幸薬品)措置命令まとめ(2022.05.05)
- 「弁護士法72条違反で」とは(2021.10.18)
- メルカリなどフリマへの出品と違法行為(2021.10.13)
- 「消費者法ニュース」7月号・消費者法白書(2021.08.02)
- 新型コロナワクチンの副反応メモ(モデルナ)(2021.07.30)
「法律」カテゴリの記事
- 「食べログ」東京地裁判決と公取委実態調査報告書(2022.06.16)
- ドライヤーの広告に関する差止訴訟(ダイソンvsパナソニック)(2022.06.12)
- スシロー「おとり広告」で措置命令(景表法)(2022.06.09)
- 台風被害によるマラソン大会の中止と参加費の返金(2022.05.13)
- 「クレベリン」(大幸薬品)措置命令まとめ(2022.05.05)
コメント