国民生活センター等の統合案と大阪のシンポ
消費生活のトラブル救済や防止に取り組んでいる国民生活センターについて、昨日(11/21)の朝日の報道では、独立行政法人の見直しの一環として、製品評価技術基盤機構、農林水産消費安全技術センターとの統合を政府が検討している、とされています。
統合の是非について簡単に判断できるものではありませんが、内閣府所管の国民生活センター、経産省所管の製品評価技術基盤機構、農水省所管の農林水産消費安全技術センターが一緒になって、縦割り行政システムの中で円滑な業務遂行が可能なのか、また、福田首相のいう「消費者の目線」での改革となるのか、という視点で検討されなければならないと思います。単なる数合わせや予算削減では意味がありません。
同じ21日の中日新聞の社説は、「生活センター むしろ強化が必要だ」と題するものでした。
この社説は、事業者側の不祥事が次々と発覚する中、「国民」は以前にも増してよりどころを求めている中での国民生活センターの業務縮小案が具体化を批判するもので、一律に独立行政法人の縮小計画を割り当てるのは、合理的とは言いがたい、と断じています。
そして、「悪質商法の手口や製品の構造などが複雑多様になる中で、直接相談による迅速な情報入手、自前の商品テストに基づく啓発活動が、重大なトラブルや大事故の防止につながることは明らか」とし、「モノや食品の安全性に多くの消費者が不安を抱く今、中立、公正で、消費者の立場に立った相談機能、検査機能の強化こそ、むしろ時代の要請ではないか。」と結論づけています。
統合するにせよ、改組するにせよ、そのまま存続させるにせよ、どっちを向いた政策なのか、が問われることになりますね。
なお、まだ正式案内は外部に出ていないようですが、12/6(木)午後6時30分~9時(当初、日を間違って記載してました。ご容赦下さい。)に近畿弁護士会連合会・大阪弁護士会の主催による「国民生活センターの縮小問題を考えるフォーラム~あるべき消費者行政の実現に向けて」というシンポジウムが、ホテルイルグランデ梅田(大阪市北区西天満3-5-23)で開催されるやに聞いています。近々、詳細は大阪弁護士会のサイトなどで公表されると思いますが、ひとまずここで紹介させていただきます。
(11/28)大阪弁護士会サイトに案内が出ました。
【追記】(11/27)
上記の大阪のシンポの開催日を間違えて書いていたので、本文を訂正して、会場を付け加えておきました。お詫びします。
シンポでの報告者は、参議院議員の森まさこ氏、国民生活センター理事の島野康氏、元内閣府国民生活局の弁護士二宮義人氏、消費者支援機構関西常任理事の飯田秀男氏が予定されています。入場は無料。問い合わせ先は大阪弁護士会(06-6364-1227)。
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