ビデオテープとブラウン管の国際カルテル
昨日3つもエントリーを投稿したうえに、そのうち2つが、NIFTYの「旬の話題ブログ」に取り上げられ、ずいぶん賑わってましたので、今日は閉店にしようかと思ったのですが・・・・・
今朝の各紙は、欧州連合(EU)欧州委員会は20日、ソニー、富士フイルム、日立マクセルの日本企業3社が業務用のビデオテープで価格カルテルを結んだEU競争法(独禁法)違反があったとして、総額で約7500万ユーロ(約120億円)という極めて高額の制裁金の支払いを命じた、と報道しています。このうち、ソニーについてはカルテル調査を妨害したとして制裁金を基準額から30%上積みする厳格な措置を取った、とされています。
この報道で思い出したのが、先日(11/8)、テレビに使われるブラウン管の販売に関して、日本、中国、韓国、台湾のメーカーが国際的な価格カルテルを結んでいた疑いがあるとして、公正取引委員会が、松下電器の子会社「MT映像ディスプレイ」に、独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで立ち入り検査をした、という報道です。
これは、日本の公取委が韓国、EU欧州委員会、米国の当局と連携をとりながら摘発を進めているものとされています。 これも、そのうち続報があるものと思います。
この2つの報道が頭の中でつながったのは、もちろん、電機製品に関する国際的価格カルテル事件で、各国、特にEUが積極的に違反摘発に乗り出しているという点の共通性ということになります。
しかし、それよりも、私の頭の中でつながった第1の理由は、日本の一般消費者から見ればビデオテープもブラウン管も過去のものになりつつあるなぁ、と妙なところで郷愁というか哀愁というか共通のイメージが湧き起こってきたという点でした。
当事者の企業はそれどころではないでしょうけども。
【追記】(08/2/22)
富士フイルムは、ビデオテープのカルテルに関してEU欧州委員会から命じられた制裁金1320万ユーロ(約21億円)の納付に応じたことを明らかにした、と報道されています。
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