ガン診断一時金についての不当表示(公取委)
本日、アメリカン・ライフ・インシュアランス・カンパニー(アリコ)のガン診断一時金についての表示に対する排除命令が、公正取引委員会から出されています。
→ http://www.jftc.go.jp/pressrelease/07.october/07101901.pdf
これは、アリコの「元気によくばり保険」と称する生命保険の新聞広告とパンフレットの表示について、景品表示法4条1項1号(優良誤認)違反の事実が認められたため、同社に対して排除命令が出されたものです。
〔違反事実の概要〕
アリコは、元気によくばり保険を通信販売の方法により一般消費者に販売するに当たり、新聞広告及び当該広告を見て資料請求を行った一般消費者に配付したパンフレットの記載により、あたかも、この保険に加入すれば、被保険者が上皮内新生物にり患していると診断された場合には一時金が60万円支払われるかのように示す表示をしているが,実際には、当該一時金は、被保険者が上皮内新生物にり患していると診断され、かつ、その治療を目的とした入院中に所定の手術をしたときに支払われるものであり、上皮内新生物にり患していると診断されただけでは支払われないものであった。
なお、「上皮内新生物」は、一般に早期のがんといわれ、治療は切除手術によることが一般的であるところ、近年、内視鏡による切除手術が主流となり、医療機関においては、患者を入院させることなく日帰りで切除手術することが多くなっている、とのことです。
【追記】(10/19)
少し前になりますが、平成15年5月9日、公正取引委員会は、日本生命に対して、ガン保険の表示について排除命令を行うとともに、消費者に対する適正な情報提供の観点から、保険商品の新聞広告やパンフレットの表示について行った調査結果を公表しています。
「日本生命に対する排除命令及び保険商品の新聞広告等における表示について」→ http://www.jftc.go.jp/pressrelease/03.may/030509.pdf
これは、日本生命が「ニッセイがん保険EX」というがん保険のがん入院給付金に関し、がんと診断確定された日等から支払われるものであるにもかかわらず、あたかも医師からがんの疑いがあるとして入院を指示され、入院中にがんと診断確定された場合、入院期間の1日目にさかのぼって入院給付金が支払われるかのような表示を行っていたということで、景品表示法4条1号(優良誤認)に違反するとして排除命令を行ったものです。
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» 保険会社のアリコ、「元気によくばり保険」、問題ありで排除命令。保険会社事態終わってるのに、、、(2007/10/20) [痛いニュース情報☆ 痛いニュースとアフィリエイトと音楽やその他]
生命保険は表示でだますところがまだあるはず、アリコだけじゃない!!「ほっ」なんてふざけたキャラクター出すからこういうことになる。あのキャラの名前何??保険会社は資料請求したらこれでもかってくらい電話掛かってくるし。必死杉だ。お金払わないくせに。医師の診断書いらない保険でまともに払うのがあるわけない。そんなことしたらつぶれちゃうのは目に見えてるんだから。約款見たら小さい文字でうまく出さないように書いてる。考えた人はきっと恨まれるだろうな。 保険会社め、日本はなめられてる。アリコ...... [続きを読む]
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