カルテル制裁金 YKK(EU欧州委員会)
今日の朝刊各紙によれば、日本のYKKグループなど日米欧の会社がファスナー等の製品の最低販売価格を設定するなどしたとして、欧州連合(EU)の欧州委員会が、日本の独占禁止法にあたるEU競争法に基づき高額の制裁金の支払いが命じられた、とのことです。
YKKに対しては、約242億円の支払いが命じられています。
日本の独占禁止法でも、このところ課徴金の引き上げがなされていて、さらに上げようという動きもあります。これに対して、経済界は反対したりするのですが、欧米の制裁金、罰金や損害賠償の金額から比べれば、まだ日本の課徴金額は安いですね。
先日(9/17)に、マイクロソフトに対する欧州委員会の制裁金の裁判について書いたところですが、このほか、先週には、東芝、サムスン、サンディスクなど半導体大手について、フラッシュメモリーに関して、米国司法省が反トラスト法(独禁法)違反の疑いで調査を開始した、と報じられました。
世界の競争法の概要について興味のある方は、公正取引委員会のサイトを参照下さい。
→ http://www.jftc.go.jp/kokusai/kaigaiindex.html#eu
【追記】(9/20)
EU競争法の制裁金(fine)と日本の独占禁止法の課徴金との比較の資料が、独占禁止法基本問題懇談会(内閣府)の報告書(平成19年6月26日)の資料集の中の「資料7」(資料集33ページ)にあります。この資料集には、EUや米国の制度との比較の資料などが他にもあり、概要を知るにはよいと思います。
→ http://www8.cao.go.jp/chosei/dokkin/kaisaijokyo/finalreport/materials.pdf
ちなみに、ファスナーとチャックとジッパーの違いについては、YKKサイトのFAQで
→ http://www.ykkfastening.com/japan/faq/a007/info002.html
チャックは、巾着をもじった日本語だったんですねぇ。
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