ヤフーBB個人情報漏洩事件の「500円」
ヤフーBB個人情報漏洩事件の控訴審判決については、原告らは、結論を不服として、上告および上告受理申立を行いました。
一方、被告2社のうち、控訴審で新たに賠償責任を認められたヤフー株式会社は上告し、ソフトバンクBBは上告しなかったようです。(注:ヤフーが上告か、上告受理申立か、あるいはその両方をしたのか、未確認ですが。)
これにより、少なくとも、ソフトバンクBBに対して原告1人あたり5500円および遅延損害金を支払え、という範囲については、事実上確定することとなります。
ところで、先日(6/24付)も書いたのですが、ヤフーBB個人情報漏洩事件控訴審判決で、原判決の1人あたり6000円の賠償命令が、5500円に減額された理由は、会社から契約者らに送付された500円の郵便振替支払通知書です。
→ https://stuvwxyz.cocolog-nifty.com/blog/2007/06/post_bb1d.html
これを受け取った人が実際に換金したかどうかすら問わずに、500円の弁済と大阪高裁は判断したのですが、これに関連して、面白い記事がオーマイニュースに出ていました。
『ソフトバンクBB情報漏洩事件は、どう後始末されているのか』(林一浩)
→ http://www.ohmynews.co.jp/news/20070713/13133
要するに、筆者のところに、以前500円分送られてきたが換金しなかった。書面には未換金分は寄付しますとあるので、ソフトバンクに電話で聞いてみたら、通信に関する情報技術関連の研究団体へ寄付完了した、とカスタマーセンターが回答したので、どんな研究団体へ、いくら寄付したのか、重ねて聞いても、開示していないということで教えてくれないというものでした。筆者は、この対応に納得できない、としています。
この記事をさっき弁護団の皆さんに紹介したら、某弁護士から、自社関連団体に寄付したのでは?という内容のメールが返ってきました。もちろん、その推測の当否については私はわかりませんが、もしそうだったら、問題でしょうね。
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