ヤフー事件控訴審判決 減額の理由
ヤフーBB個人情報漏洩事件の控訴審判決の追記の追記です。
一審判決では6000円の損害賠償なのに、控訴審判決では5500円になったのは、損害額を少なく認定したのではありません。
損害としては、同じく6000円を認めているのですが、当初、会員に500円の郵便振替支払通知書を郵送したことをもって、一部金額の弁済がなされたから、500円を引き算するという判断です。
しかし、この郵便振替支払通知書は、郵便局で換金しなければ、現実にお金にはなりません。そして、2ヶ月という期間もあります。
控訴審判決では、実際に換金したかどうかを問わず、郵便振替通知書を送ったという事実だけで、現金の支払いと同様に、弁済にあたるとして、500円を控除したのです。
いろいろな事情で、実際には換金していない人も多いのです。
その金額分はヤフー側は結果的に支払わなくて済んでいるのです。勤務時間の都合や、郵便局まで行く時間や交通費のことを考えたら、わざわざ換金しないという場合も決して珍しくはないのですから、この判断はおかしいでしょ。
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