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2007年6月 7日 (木)

グッドウィルグループ-コムスン事件は巨額詐欺事件ですよ

 介護サービスのコムスンの事件ですが、事業譲渡についての是非に話が移ってきてるようです。

 事業譲渡(営業譲渡)会社分割というような制度によって、責任がうやむやになるというのはこの事件に限らず、最近、目立つような気がします。
 企業再生、再チャレンジというきれいな名目で、債権者の切り捨てにつながるような行為が行われているのではないでしょうか。ここで切り捨てられる「債権者」というのは、何も銀行などの大企業だけではありません。それだけであれば、「弱者の再生のために我慢せい」という理屈も一般向けには良いかもしれませんが、多くの顧客であるとか、被害者であるとかも、立派な「債権者」なのです。以前からある問題では、多額の預託金を預けているゴルフクラブの会員もそうですし、最近では、貸金業者に対して過払い返還請求権を持つ顧客も、切り捨てられるかもしれない「債権者」なのです。
 会社法の改正?がどんどんと経済界の要請で凄い勢いで進められていることには、近ごろ危惧を感じます。

 それとは、別に、今回のコムスン事件で忘れてはならないのに、今の所マスコミも明確に表現していない問題があります。
 この事件は、単なる経営の失敗とか怠慢とかいう次元ではありません。
 「不正請求」というのは、はっきり言って、国に対する、つまり我々国民の財産に対する詐欺行為であり、医師の健康保険不正受給と同様に、明らかな犯罪行為です。
 このことは、コムスンという一つの株式会社がどうこうではなく、このような我々に対する詐欺行為を働いたのが誰なのか、親会社のグッドウィルとは、全く無関係になされたのか、グループの経営責任者のあずかり知らぬ所で行われたのか。
 つまり、この仕組みを作ったのは誰だったのかが、しっかりと追及されなければなりません。この事件が、単なる末端の営業所の不正ではなく、企業ぐるみの違法行為であることは明らかなのですから、コムスン単体で決定されたのかどうか明確にされなければなりません。それが分からないうちに、事業譲渡によってグループ企業に事業を継続させるかどうかの結論を出すのは早計でしょう。

 この国民全体に対する巨額の詐欺を誰が話し合って決めたのか、国もマスコミも、そこを追及することを忘れないでほしいです。単に事業譲渡の形式的な合法違法の問題で済ませる問題ではありません。

【追記】6/8夜

 今日、やっとグッドウィルの会長とコムスンの社長の記者会見があったようですね。

 それにしても、謝るのはいいですが、何を謝っているのか、なぜこの不正請求がなされたのか、さっぱり分からない内容でしたね。というより、それをはっきり言えないのだ、ということがはっきりした会見でした。

 管理責任について認めてますが、こんな全社的な不正請求が現場サイドだけの判断でできるはずないでしょ。管理を怠っていたという「過失」の事件であったとすり替えてます。今日の記者会見は、悪質さを上塗りしただけの恥さらしだったと思いますが、それしか生き残りの道はないと判断されたのでしょうね。また、どこかの大臣のような「サムライ」を出さないように、司直の早急な対応をお願いしたいもlのです。

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