「おふくろさん」問題つづき
森進一氏と川内康範氏とのトラブルは、どうやら著作権の話を離れて、すっかり正統派のワイドショーネタになってしまったようですね。
このブログ左下でリンクさせてもらってる壇弁護士のブログでも、この話題を取り上げてます。JASRACとの契約関係はさすがに私なんかより具体的に指摘されてますね。おかげで、JASRACの信託契約約款というのを初めて読むことができました。
紅白などでの問題の歌唱内容について、同一性保持権侵害があるかどうかについては、壇弁護士の指摘通り、私もあれで侵害になるという見解には疑問を持っています。
ただ、ワイドショーなどでも混同してるかなと思うのは・・・・・
あの「おふくろさん」の前に別のメロディと歌詞をひっつけた作品、一応「おふくろさん+α」と命名しておきますが、
(1)この「おふくろさん+α」が、川内氏の著作権(同一性保持権)を侵害するかどうか、という問題と、
(2)川内氏が今後一切「おふくろさん」を含めた自分の作品を歌うことを森氏に禁止できるか、という問題とは
別問題であることです。まぁ、最初に書いた通り、ワイドショーでは、そんな法的にどうたらということは既に超越してしまってるようですけどね。
(※なお、ここではややこしいので、JASRACの存在は無視します。)
仮に「おふくろさん+α」が、川内氏の権利を侵害しているのだとすれば、当然ながら、川内氏は森氏が「おふくろさん+α」を歌うことを拒否できるでしょう。著作権侵害行為をやめろということは権利者としてできます。
しかし、だからといって、本来の「おふくろさん」を歌うことまでやめろと言えるかどうかは法律的には別の問題になります。感情的には大きなつながりがあるでしょうけども。
かえって、ややこしくなったかな。どっちにしても、深入りすると疲れそうな話題ですね。
« 刑事事件の時効(時効談義:その2) | トップページ | まだ「おふくろさん」 »
「ニュース」カテゴリの記事
- 「NMRパイプテクタ-」(日本システム企画)についての記事(週刊新潮)(2020.09.18)
- コンビニ本部と加盟店との取引に関する実態調査報告書(公取委)(2020.09.02)
- ステマ規制の厳格化(韓国公取委)(2020.08.13)
- 次亜塩素酸水の新型コロナへの有効性についての関係省庁の公表(2020.06.27)
- 「花粉を水に変えるマスク」DR.C社に課徴金納付命令(景表法)(2020.06.21)
「文化・芸術」カテゴリの記事
- 自民党への公取委説明の報道(芸能界と独禁法)(2019.09.08)
- 元SMAPメンバーの出演への圧力行為についての公取委の注意(独禁法)(2019.07.17)
- 「花粉を水に変える」など光触媒マスクに対する措置命令(景表法)(2019.07.04)
- 「ダークツーリズム」(井出明著)を読んで(2018.08.04)
- 「八ツ橋」老舗の創業年表示についての訴訟(不正競争防止法)(2018.06.05)
「芸能・アイドル」カテゴリの記事
- ステマ規制の厳格化(韓国公取委)(2020.08.13)
- 「デジタル時代の競争政策」(杉本和行・公取委委員長)を読んで(2019.09.18)
- 自民党への公取委説明の報道(芸能界と独禁法)(2019.09.08)
- 元SMAPメンバーの出演への圧力行為についての公取委の注意(独禁法)(2019.07.17)
- mixi子会社運営「チケットキャンプ」商標法違反事件の続報(2018.06.22)
「法律」カテゴリの記事
- 「NMRパイプテクタ-」(日本システム企画)についての記事(週刊新潮)(2020.09.18)
- 「京都芸術大学」名称差止訴訟判決を引き続き考える。(2020.09.09)
- 「京都芸術大学」の名称の差止訴訟判決(請求棄却・不競法)(2020.09.07)
- コンビニ本部と加盟店との取引に関する実態調査報告書(公取委)(2020.09.02)
- 経産省「電子商取引等準則」改訂(債権法改正関係)(2020.09.01)
私はむしろ紅白で二名の作詞家のテロップをつけなかったNHKも、歌詞の捏造していたことの方が大きな問題です。
だれだって紅白バージョンと紹介されたら、作詞者が特別に書き足したものと想いますよ。
ああ、ショックだ。
投稿: たーぼー777 | 2007年3月 9日 (金) 16時32分