カテゴリー「法律」の428件の記事

2008年7月24日 (木)

「著作物再販協議会」議事録・資料の公開(公取委)

 公正取引委員会が、本日公表したものですが、先月(6月19日)に開催された「著作物再販協議会」(第8回会合)の議事録、資料が公開されています。

 → 公取委サイト報道発表資料

 この著作物再販協議会は、平成13年以降、毎年開催されているものです。議事録を読むと、高橋取引企画課長が、配付資料の説明に先立ち、独占禁止法「著作物再販適用除外」についての考え方について説明されています。公取委の考え方として別に目新しいものではないと思いますが、このブログの読者の参考にもなるかと思い、抜粋しておきます。なお、若干の文章の圧縮・要約は川村の責任でやってますので了承下さい。

著作物の再販は,独占禁止法第23 条第4項に著作物の再販の適用除外の規定があります。これが『再販制度』と呼ばれていたこともあり,あたかも国が著作物の再販を義務付ける法制度があるかのような誤解が過去においてはありましたが,現在でもそういった誤解が見受けられるところです。著作物の再販については,独禁法の適用除外がありますので,事業者の方が再販を取引の相手方に義務付けるということは可能ですが,あくまでも取引当事者の契約によって生じる義務で,法律上の義務ではありません。
 したがいまして,再販に関する契約が守られているかどうかを問題にできるのは,再販に関する契約の当事者に限られるということで,契約当事者以外の者が再販を行うように働きかけることや,再販を行うことを団体で取り決めるというようなことは,独禁法の適用除外の対象ではありません。

公取委の著作物再販適用除外についての考え方ですが,平成13 年に考え方を公表しているところで,この適用除外は廃止するべきであると考えていることには変わりはありません。したがいまして,関係業界におきまして流通,あるいは取引において問題点を是正する取組が著作物再販適用除外の存置の条件になっているという関係にはありません。公取委としては著作物の再販適用除外を廃止したいと考え続けているということです。また,現在,著作物再販適用除外の下にある関係業界における流通・取引慣行の問題は様々であると考えられますので,期待される取組,あるいは必要と考えられる取組も,いわゆる再販に関する契約の弾力的な運用ということに限られるものではないと考えております。いわゆる是正6項目(注)という形で従来から申し上げていますけれども,もちろん再販の弾力化も,そのうちの重要な一つですが,それに限られるものではないということです。こうした点につきましても若干誤解があるということで,昨年末に出版業界の方に関しましては説明をさせていただいたところです。

 そして、高橋課長が資料として、

○ 「書籍・雑誌の流通・取引慣行の現状」
○ 「新聞の流通・取引慣行の現状」
○ 「音楽用CD等の流通・取引慣行の現状」

という公取委による調査資料(会合当日6/19付)の説明をしています。この資料は、上記報道発表の資料1~3としてPDFファイルで公開されているものです。

 もうちょっと突っ込んだ検討もしたいのですが、時間の関係もありますので、この程度の紹介にしておきます。新聞の特殊指定の問題を含めて、種々問題のある著作物再販制度の問題を検討するには、なかなか興味深い資料ではないか、と思います。

(注)是正6項目
  ○時限再販・部分再販等再販制度の運用の弾力化
  ○各種の割引制度の導入等価格設定の多様化
  ○再販制度の利用・態様についての発行者の自主性の確保
  ○サービス券の提供等小売業者の消費者に対する販売促進手段の確保
  ○通信販売、直販等流通ルートの多様化及びこれに対応した価格設定
   の多様化
  ○円滑合理的な流通を図るための取引関係の明確化・透明化その他取
   引慣行上の弊害の是正
 の6項目。要するに、平成13年に業界の強い意向を受けて、著作物再販制度を廃止しない代わりに、公取委が出した是正方針です。上の「著作物再販協議会」が平成13年から始まっているのも、同じ意味がありますね。

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2008年7月23日 (水)

20年度旧司法試験論文式試験問題の公表(法務省)

 昨日、平成20年度旧司法試験(第2次試験)論文式試験問題が、法務省サイトで公表されています。
 → 法務省サイト公表ページ

 憲法、民法、刑法、商法、民事訴訟法、刑事訴訟法の論文式試験問題です。それぞれの科目で2問ずつになっています。

 参考のため、民法の問題をコピーしておきましょう。頭の体操にどうぞ。

 ちゃんと検討したわけではありませんが、比較的単純な事案で、基本的な問題となっていますね。でも、生半可な法律知識では書けませんよ。当たり前ですが。

【民 法】
第1問
 Aは,工作機械(以下「本件機械」という。)をBに代金3000万円で売却して,引き渡した。この契約において,代金は後日支払われることとされていた。本件機械の引渡しを受けたBは,Cに対して,本件機械を期間1年,賃料月額100万円で賃貸し,引き渡した。この事案について,以下の問いに答えよ。
1  その後,Bが代金を支払わないので,Aは,債務不履行を理由にBとの契約を解除した。この場合における,AC間の法律関係について論ぜよ。
2  AがBとの契約を解除する前に,Bは,Cに対する契約当初から1年分の賃料債権をDに譲渡し,BはCに対し,確定日付ある証書によってその旨を通知していた。この場合において,AがBとの契約を解除したときの,AC間,CD間の各法律関係について論ぜよ。

第2問
 Aは,Bに対して,100万円の売買代金債権(以下「甲債権」という。)を有している。Bは,Cに対して,自己所有の絵画を80万円で売却する契約を締結した。その際,Bは,Cに対して,売買代金を甲債権の弁済のためAに支払うよう求め,Cもこれに同意した。これに基づき,CはAに対して80万円を支払い,Aはこれを受領した。この事案について,以下の問いに答えよ。なお,各問いは,独立した問いである。
1  甲債権を発生させたAB間の売買契約がBの錯誤により無効であったとき,Cは,Aに対して80万円の支払を求めることができるか。Bに対してはどうか。
2  甲債権を発生させたAB間の売買契約は有効であったが,BC間の絵画の売買契約がBの詐欺を理由としてCによって取り消されたとき,Cは,Aに対して80万円の支払を求めることができるか。Bに対してはどうか。

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2008年7月22日 (火)

「ロコ・ロンドン商法業者」に対する業務停止命令(特商法)

 7月24日に大阪弁護士会、「ロコ・ロンドン商法110番」が開催されることは、先日書きました。
 → 「『ロコ・ロンドン商法110番』の実施(大阪弁護士会)」(7/15)

 本日、経済産業省は、訪問販売により「ロコ・ロンドン商法」を行っていたワールドビジネスバンク株式会社(東京都中央区)に対し、特定商取引法8条1項に基づき、6か月間、訪問販売に関する勧誘、申込みの受付及び契約の締結を停止するよう命じています。
 → 経済産業省サイト報道発表

 昨年7月に、政令で、ロコ・ロンドンまがい取引などが特商法の指定役務に追加され、本件は、2度目の行政処分ということです。

(取引の概要)
 ワールドビジネスバンクは、「店頭ロンドン渡し貴金属証拠金取引」と称する金現物取引(証拠金の預託を受けて海外商品市場の貴金属の現物取引価格を利用し米国ドル建てで行う金を対象とした貴金属に係る物品の差金決済による売買取引)に関する役務の提供に係る事業を行い、同社営業担当社員からの電話に関心を示した消費者の住居等に営業員を訪問させ、当該消費者に対し役務提供契約の締結について勧誘させることにより、当該住居等において当該契約の申込みを受け、当該契約を締結させていた。

1.法定交付書面の記載不備(特定商取引法5条1項)
 同社が契約の締結に当たって消費者に対して交付する契約書面等において、契約の解除に関する事項に係る記載並びに事業者の代表者の氏名に係る記載及び事業者の契約担当者の氏名に係る記載に不備があった。

2.不実告知(特定商取引法6条1項)「判断に影響を及ぼす重要なもの」(同項7号)
 同社は、勧誘に当たり、「これから金は上がることに間違いありません。」、「必ず、利益が出ると私の方で保証できます。」、「必ず利益を返します。」等と虚偽の説明を行って消費者を勧誘していた。

(業務停止命令の内容)
 特定商取引法2条1項に規定する訪問販売に関する業務のうち、次の業務を停止すること(平成20年7月24日から平成21年1月23日まで6か月間)。
① 訪問販売に係る役務を有償で提供する契約(「役務提供契約」)の締結について勧誘すること。
② 訪問販売に係る役務提供契約の申込みを受けること。
③ 訪問販売に係る役務提供契約を締結すること。

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2008年7月20日 (日)

ライブドア事件証人尋問傍聴記についての「著作物」性(知財高裁)

 この知的財産高等裁判所の判決は、いわゆるプロバイダ責任制限法に基づいて、「発信者情報の開示」などを求めた裁判に関するものです。ただし、この控訴審判決は、著作権法上の「著作物」の該当性の判断についてのものとなっています。
 この判決は、最高裁サイトの知的財産裁判例に掲載されています。

 平成20年7月17日知的財産高裁判決 発信者情報開示等請求控訴事件
                        (控訴棄却)

 原告が、ライブドアの刑事訴訟事件(被告人堀江貴文に関する証券取引法等被告事件)での証人尋問を傍聴した結果をまとめた「傍聴記」をインターネットを通じて公開しました。ところが、とあるブログに、原告の「傍聴記」を複製した記事が原告に無断で掲載されました。
 このブログは「Yahoo!ブログ」で、これを管理・運営するヤフー株式会社を被告とし、著作権侵害を理由として、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(通称「プロバイダ責任制限法」)4条1項に基づいて、ブログ記事の発信者の情報開示を求めるとともに、著作権法112条2項に基づいて、記事の削除を求めた、というものです。

 原判決(東京地裁)は、原告の傍聴記は著作権法2条1項1号「著作物」に該当しないという理由で、プロバイダ責任制限法4条1項及び著作権法112条2項の適用はないとして原告の請求を棄却していました。

 知財高裁の判決は、まず、「著作権法2条1項1号所定の『創作的に表現したもの』というためには,当該記述が,厳密な意味で独創性が発揮されていることは必要でないが,記述者の何らかの個性が表現されていることが必要である。言語表現による記述等の場合,ごく短いものであったり,表現形式に制約があるため,他の表現が想定できない場合や,表現が平凡かつありふれたものである場合は,記述者の個性が現われていないものとして,『創作的に表現したもの』であると解することはできない。」とし、また、
 「同条所定の『思想又は感情を表現した』というためには,対象として記述者の『思想又は感情』が表現されることが必要である。言語表現による記述等における表現の内容が,専ら「事実」(この場合における「事実」と,特定の状況,態様ないし存否等を指すものであって,例えば「誰がいつどこでどのようなことを行った」,「ある物が存在する」,「ある物の態様がどのようなものである」ということを指す。)を,格別の評価,意見を入れることなく,そのまま叙述する場合は,記述者の「思想又は感情」を表現したことにならないというべきである(著作権法10条2項参照)。」
 としました。

 そのうえで、知財高裁は、原告の傍聴記の内容を検討して、証人が実際に証言した内容を原告が聴取したとおり記述したか、又は仮に要約したものであったとしてもごくありふれた方法で要約したものであって、原告の個性が表れている部分はなく、創作性を認めることはできず、付加的表記の部分も、証言内容のまとめとして、ごくありふれた方法でされたものであったり、原告の個性が発揮されている表現部分はなく、創作性を認めることはできない、などとして、原告の傍聴記を著作物であると認めることはできず、本件ブログ記事のウエブサイトへの掲載がプロバイダ責任制限法4条1項に該当するとはいえず、著作権侵害行為ともいえない、と判断して、原告の控訴を棄却したものです。

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2008年7月18日 (金)

リフォーム等の訪問販売業者に対する12ヶ月の業務停止命令と刑事告発(特商法:経産省)

 本日、経済産業省は、訪問販売業者の株式会社石田建設、株式会社川角建設(両社とも登記上の本店は名古屋市)に対し、特定商取引法8条1項に基づき、12か月間、訪問販売に関する勧誘、申込み受付及び契約締結の業務を停止するよう命じています

 この件の特殊性、悪質性としては、単なる違反行為というだけではなく、2社の取締役及び従業員の大半が、今年1月に違法行為を理由に業務の一部停止命令を受けた訪問販売業者の役職員であった者だった、ということで、既処分事業者の営業方法(点検商法)を継承した点が挙げられます。要するに、業務停止を受けたので、別会社で同様の行為を続けた、ということになります。この手のケースは特に厳格に処分をしなければ、抜け道を許してしまうことになりますね。

 今回、認定された特商法違反行為は、勧誘目的不明示不実告知迷惑勧誘です。
 内容的には、経済産業省の公表によれば、

◎ 2社は、「家屋等の住宅リフォーム」、「衛生用器具(シェルウオーター(浄活水器)等)の取付販売の事業を行うに際し、消費者に「水道の浄化装置の点検に行きたい、前の会社から点検の引き継ぎを受けた会社です。点検内容は前の会社と同じです。」、「風呂の無料点検にお伺いします。」、「風呂の無料定期点検の時期がきましたので伺いたい。」、「いつものように定期検査にお邪魔したい。」、「風呂の無料点検に行きたい。」等と告げるだけで、勧誘に先立って本件役務の提供契約又は本件商品の売買契約の締結について勧誘をする目的である旨を明らかにしなかった。(勧誘目的不明示)

◎ 2社は、無料点検が終わった後、「水漏れがして湿気で家がダメになる。」、「水道管が錆び付いていて腐っており1年以内には穴が開きますよ。放っておくと金が倍かかりますよ。」、「こんなに水道管の中に錆がある。このままにしておくと管が破裂して大変なことになります。」、「風呂場の配水管や洗面台から水が漏れている。」「床下に湿気がある。補強する必要がある。」などと不実のことを告げ、ことさらに消費者の不安を煽り、本件役務の提供契約や本件商品の売買契約の締結について勧誘を行っていた。(不実告知)

◎ 2社は、消費者が断っているにもかかわらず、夜の遅い時間や、長時間にわたり執拗に勧誘を行うなど、消費者に迷惑を覚えさせるような仕方で勧誘を行っていた。(迷惑勧誘)

 経済産業省は、7月10日、愛知県警に刑事告発を行ったとのことです。

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2008年7月17日 (木)

住民訴訟判決とガラス工芸展

 今日(7/17)は、午前中に、顧問をさせていただいている会社で朝一番からの会議があり、その後、事務所にも寄れないまま、昼過ぎの新幹線で東京地裁での裁判に向かいました。

 実は、私も代理人の1人となっている事件の判決が1時15分から大阪高裁であったのですが、上のような予定だったので、判決言い渡しには出席せず。
 一般的に言って、民事裁判では、ほとんどの場合、判決期日は、当事者の予定とは無関係に裁判所が期日を決めますので、弁護士が判決に立ち会わないことのほうが多いです。普通は当日なり、数日中に裁判所に判決書を取りに行くことができますし、特に早く結果が知りたい場合は、事務員さんに判決を聴きに行ってもらったり、判決の後で、裁判所に電話で問い合わせたり、ということになります。

 ただ、今日の判決の場合は、結果を知ったのは、帰りの新幹線の中でした。というのも、携帯で見た時事通信のニュースに出ていたからです。

 この事件は、南河内清掃施設組合(大阪府)発注のごみ焼却炉工事の談合事件に関して、住民が日立造船に同組合への損害賠償を求めた住民訴訟の控訴審判決です。結論は、約7億860万円の支払いを命じた一審判決を支持して、日立造船側の控訴を棄却しました。
 1審判決の時の当ブログ記事はこれ。
 → 「南河内ごみ焼却炉談合事件住民訴訟の判決」(07/9/14)

 さて、東京地裁の裁判が終わってから、銀座で「渡邊明展-ガラス・光色めく-」に立ち寄ってきました。渡邊明氏は、京都在住のガラス工芸作家で、同氏は小学校から高校まで同級生でした。
 銀座の和光でやっているというので(最初、和光と聞いたときは、埼玉県でやっているのかと思いましたが)、地下鉄から銀座4丁目の交差点を上がったら、和光のビルは工事中で焦りつつ、何とか近くの和光並木館(5階)にたどりつくことができ、ご本人ともお話することができました。
 芸術作品の感想を文章にする才能はありませんが、いつものことながら、切子(きりこ)による光の輝きは、見ている者の心まで澄みわたるような感動を覚えます。23日までやっているそうなので(20,21は休業)、お近くの方にはお奨めします。入場無料。
 これまで和光など入ったことなかったですが、私には全く似合わない場所ではありました(苦笑)。

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また、カシミヤ製品の不当表示(景表法)

 本日、公正取引委員会は、日本生活協同組合連合会(日本生協連)が販売する衣料品に係る表示について、景品表示法4条1項1号(優良誤認)に違反するとして、排除命令を行いました。中国から輸入した衣料品のカシミヤの使用割合の表示に関するものです。
 → 公取委報道発表資料(PDF)

 本件と同じような、カシミヤに関する最近の排除命令の当ブログ記事は以下の通りです。
 → 「中国製カシミヤ製品の不当表示と景品表示法」(07/8/4)
 → 「使っていないのに『カシミヤ70%』(景表法)」(07/12/26)

(違反事実の概要)
 日本生活協同組合連合会は、遅くとも平成19年9月ころから平成20年3月ころまでの間、衣料品9品目について、各カタログに、あたかも、衣料品9品目の原材料としてカシミヤが50パーセント用いられているかのように示す表示をしていたが、実際には、衣料品9品目の大部分については、原材料としてカシミヤがほとんど用いられていないものであった。

(排除措置の概要)
ア 前記(1)の表示は、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示すものである旨を公示すること。
イ 再発防止策を講じて、これを役員及び従業員に周知徹底すること。
ウ 今後、同様の表示を行わないこと。

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2008年7月16日 (水)

「振り込め詐欺救済法」と「預金保険機構」

 私自身は仕事の関係で、預金保険機構さんとは、ちょっとつながりはあるのですが、一般の方には直接的には縁遠い組織かと思います。

 今般、通称「振り込め詐欺救済法」、本名「犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律」に関して、預金保険機構のwebサイトに、ページが増えました。
 → 「振り込め詐欺救済法に基づく公告」
 → 法律全文

 この法律は、振り込め詐欺などによって資金が振り込まれた口座を、金融機関が凍結し、 口座名義人の権利を消滅させる手続を行った後、 被害者の方から資金分配の申請を受け付け、 被害回復分配金を支払うことなどが定められているものです。平成20年6月21日に施行されています。
 ここで、対象となる「振込利用犯罪行為」とは、詐欺その他の人の財産を害する罪の犯罪行為であって、財産を得る方法としてその被害を受けた者からの預金口座等への振込みが利用されたものをいう、とされています。(「振り込め詐欺」という言い方が、このごろは公的に使われるようで、最初に使われた「オレオレ詐欺」というような言葉は、ちょっと限定的なこともあって使わないようになりましたね。それなりに味わいのある言葉(?)とは思いますが。

 したがって、この法律は、いろんな詐欺商法の全てに適用されるわけではありません。
 しかし、これまでなら、このような振り込め詐欺の被害については、それぞれの被害者が、個別に詐欺会社からの被害回収は極めて困難だったのですが、この法律により、振り込んだ口座を金融機関が凍結して、預金保険機構が法律に従って、被害者に分配をするという救済システムができたわけです。

 手続の詳細については、上記の預金保険機構のサイトの当該ページをご覧ください。
 もちろん、このシステムができたからといって、常に完全な救済が保証が期待できるものではありませんが、これまでの民事救済システムを超えた新たな制度であることは確かですね。

 このような集団被害事件についての全体的な被害救済制度は、今後、我が国でも拡大すべき分野であるところと思います。
 消費者契約法などの消費者団体訴訟による損害賠償制度(現在は、賠償請求はできない)や、アメリカのクラスアクション制度、父権訴訟制度などのような制度、つまり、犯罪収益などの被害者への返還システムを導入していく第一歩として今後注目していきたいところです。

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2008年7月15日 (火)

NTT「ひかり電話」広告についての排除命令(景表法)

 本日、公正取引委員会は、東日本電信電話株式会社(NTT東日本)、西日本電信電話株式会社(NTT西日本)の2社が提供する「ひかり電話」(IPネットワーク技術による音声電話サービス)に係る表示について、景品表示法4条1項2号(有利誤認)に違反する事実が認められたとして、排除命令を行っています。
 → 公取委サイト報道発表資料(PDF)

 両社に対しては、3月に「DIAL104」の広告についての不当表示で、同じく「有利誤認」として排除命令が出されたばかりですけども。
 → 当ブログ「NTT『DIAL104』の不当表示(景表法)」(3/13)

 「光電話」ではなく、「ひかり電話」だったのですね。「フレッツ光」は「光」です。

(違反事実の概要)
(1) 2社は、ひかり電話を一般消費者に提供するに当たり、平成19年2月ころから同年11月ころまでの間、チラシ、ダイレクトメール、新聞折り込みチラシ、新聞広告及びリーフレットにおいて、以下の表示を行っていた。

ア Bフレッツ利用料又はフレッツ光プレミアム利用料についての表示
 ひかり電話を利用するに当たって、光ファイバ利用料が必要であるにもかかわらず、その旨を記載せず又は明りょうに記載せず、あたかも通話料以外に月額基本料等のみで利用することができるかのように表示していた。

イ ひかり電話対応ルータ利用料についての表示
 NTT東日本の場合、集合住宅においてひかり電話を利用するに当たって、ひかり電話対応ルータ利用料が必要であるにもかかわらず、その旨を記載せず又は明りょうに記載せず、あたかも通話料以外に月額基本料及びBフレッツ利用料のみで利用することができるかのように表示していた。

ウ 全国一律で3分ごとに8.4円の通話対象についての表示
 ひかり電話の通話料は、通話対象が加入電話、ISDN及びひかり電話を利用する者である場合に限り、当該通話料が全国一律で3分ごとに8.4円であるが、その旨を記載せず、あたかも通話対象に関係なく、当該通話料が全国一律で3分ごとに8.4円であるかのように表示していた。

エ 「ひかり電話A」に含まれる通話料504円分の通話対象についての表示
 「ひかり電話A」と称する料金プランに含まれる通話料504円分で通話できる通話対象は加入電話、ISDN及びひかり電話を利用する者である場合に限られるが、その旨を記載せず又は明りょうに記載せず、あたかも当該通話料分の通話対象には制限がないかのように表示していた。

(排除措置の概要)
ア 前記表示は、実際のものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認されるものである旨を公示すること。
イ 再発防止策を講じて、これを役員及び従業員に周知徹底すること。
ウ 今後、同様の表示を行わないこと。

【追記】(7/16)
 15日付で、総務省も、この件について、2社に対し、作成する広告において、利用者が誤認するおそれのない分かりやすい情報の提供と適正な表示を行うよう指導するとともに、再発防止の改善策を早急に取りまとめ、平成20年8月8日までに報告するよう求めています。また、電気通信事業者の業界団体である社団法人電気通信事業者協会に対し、同様の趣旨を会員事業者に周知するよう要請しています。
 → 総務省サイト報道資料

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「ロコ・ロンドン商法110番」の実施(大阪弁護士会)

 ロコ・ロンドン取引については、このブログでも何度か取り上げました。
 → 最近のものでは、
  「『ロコ・ロンドン取引』についての注意喚起(国民生活センター)」
                          (5/28)

 この取引被害に関して、今月24日に大阪弁護士会「ロコ・ロンドン商法110番」を実施すると公表していますので、お知らせします。

 同取引の内容や問題点については、上の記事(そのリンク先含む)や下の大阪弁護士会サイトをご覧ください。
 → 大阪弁護士会サイト
    「『ロコ・ロンドン商法110番』の実施について」

 実施の概要を抜き出しておきますと、

◎実施日時  平成20年7月24日(木)午前10時~午後4時
◎電話番号  06―6364-0271
◎相談担当者 大阪弁護士会消費者保護委員会委員及び有志会員
◎電話相談後の処理
       法律相談又は弁護士の紹介を希望される相談者には、
       大阪弁護士会総合法律相談センターを紹介。

◎問合せ先  大阪弁護士会委員会担当室
        消費者保護委員会担当事務局(前田、岡本)
            (TEL 06-6364-1227)

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アメリカでは、イーベイの責任認めず(オークション)

 先日(7/1)、パリ商事裁判所で、アメリカのインターネット・オークション大手のイーベイ(eBay)に対して約4000万ユーロ(約66億円)の損害賠償の支払を命じる判決を行った、という記事を書きました。
 → 「偽ブランド品のオークション出品と運営者イーベイの責任(フランス)」

 ところが(町村教授のブログで知ったのですが)、今日、CNET Japan や IT pro が報じているところでは、アメリカのティファニー(Tiffany)が、イーベイ(eBay)に対して、同社のオークション・サイトで販売されている偽ブランド品を巡って提訴していた訴訟で、ニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所は、eBayに偽ブランド品を摘発する法的義務はない、とする判決を下した、とのことです。

 詳しいことはわかりませんし、また、法律も異なることもあって、現時点で、私に正確なコメントする能力はありません。ただ、このような法的義務がある、とするか、ない、とするか、によって、各当事者のコスト負担、リスク負担には、相当に大きな違いが出てくることには間違いがないでしょうから、各社の法務戦略も大変でしょうねぇ。

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2008年7月13日 (日)

ピンクレディが出版社の写真使用を訴えた事件の判決(東京地裁)

 マスコミでも報道されましたが、ピンクレディの写真を無断で使用した記事を女性週刊誌に掲載した出版社(光文社)を被告として、ピンクレディの2人が原告となって、不法行為(パブリシティ権侵害。民法715条)に基づいて、損害賠償金及び遅延損害金の支払を求めた裁判の判決です。最高裁サイトの知的財産裁判例集に掲載されています。

 東京地裁平成20年7月4日判決 損害賠償請求事件
                  (請求棄却)

 被告発行の週刊誌「女性自身」に、ピンクレディが「渚のシンドバッド」「ウォンテッド」「ペッパー警部」「UFO」「カルメン’77」の5つの楽曲における振り付けを利用したダイエットに関する「ピンク・レディーdeダイエット」と題する記事が掲載され、ピンクレディが写っている写真14枚も掲載されている、というものです。なお、記事の具体的な内容は判決に摘示されていますので、ご参照下さい。

 判決は、まず、「パブリシティ権」について、「人は、著名人であるか否かにかかわらず、人格権の一部として、自己の氏名、肖像を他人に冒用されない権利を有する。人の氏名や肖像は、商品の販売において有益な効果、すなわち顧客吸引力を有し、財産的価値を有することがある。このことは、芸能人等の著名人の場合に顕著である。この財産的価値を冒用されない権利は、パブリシティ権と呼ばれることがある。」としました。

 そして、他方で、「芸能人等の仕事を選択した者は、芸能人等としての活動やそれに関連する事項が大衆の正当な関心事となり、雑誌、新聞、テレビ等のマスメディアによって批判、論評、紹介等の対象となることや、そのような紹介記事等の一部として自らの写真が掲載されること自体は容認せざるを得ない立場にある。そして、そのような紹介記事等に、必然的に当該芸能人等の顧客吸引力が反映することがあるが、それらの影響を紹介記事等から遮断することは困難であることがある。」ともして、

 「芸能人等の氏名、肖像の使用行為がそのパブリシティ権を侵害する不法行為を構成するか否かは、その使用行為の目的,方法及び態様を全体的かつ客観的に考察して、その使用行為が当該芸能人等の顧客吸引力に着目し、専らその利用を目的とするものであるといえるか否かによって判断すべきである。」としました。

 そして、本件の記事や写真の掲載態様などからして、殊更原告らの肖像を強調しているものではなく、「原告らの顧客吸引力に着目し専らその利用を目的としたものと認めることはできない。」と判断し、不法行為は構成しないとして、ピンクレディの請求を棄却したものです。

 記事の現物は見てませんので、特に写真の掲載態様などがよく分からないので何とも言えませんが、判決摘示の事実関係から見て、私としては、かなり微妙な事案ではないかと思っています。

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『青丹よし』・菓子の商標権侵害請求事件判決(大阪地裁)

 菓子の商品名についての判決は、このブログでも大阪関連の菓子に関して、昨年10月25日の判決2件を紹介しました。

 → 大阪みたらし小餅の判決
 「『元祖』表示が品質表示か?の判決(不正競争)」(07/10/30)
 → 大阪プチバナナの判決
 「もう1つ、菓子の名称関連の判決(商標権)」(07/10/30)

 で、先日、大阪地裁で、また、菓子の商標権に関する判決が出ました(最高裁サイトで紹介されています。)。

 大阪地裁平成20年7月10日判決    商標権侵害差止等請求事件
                     (請求棄却)

 事案としては、菓子の商標権者が、被告の商品名が商標権を侵害しているとして使用の差止と損害賠償などを求めたものです。今回は奈良の干菓子の商品名に関するものです。

 詳細は最高裁サイトの判決を見ていただくとして、要するに、「和三盆と葛粉で短冊型に打ち固めた干菓子」に「青丹よし」という名称を付してこれを販売してきたというものです。「青丹よし」は、ご承知の通り、「奈良」にかかる枕詞ですね。奈良の干菓子の名称としても古くから使われてきたようです。

 まず、原告の登録商標は、「中央に大きく縦書き毛筆体で『青丹よし』と大きく表示され、その右側上方に比較的小さく縦書きで『元祖登録商標』と、左側下方に比較的小さく縦書きで『鶴屋徳満』とそれぞれ毛筆体で書され、上記『青丹よし』の文字の真上に、小さく毛筆体で『献上銘菓』という文字を十字に配して草の模様で囲った図形、さらに上記各文字及び図形の外周を略長方形で囲ったものである」というものでした。したがって、「青丹よし」という言葉だけが商標となっているものではありません。

 一方で、被告(複数)の商品名(標章)は、いずれも「青丹よし」との文字を含むものでした。ということで、「青丹よし」との部分が、商標権における「要部」といえるか、どうかが問題となった判決です。これが、「要部」だとすれば、その部分は全く同一ですから、商標権侵害となる可能性が高くなるわけです。

 判決では、古い文献などを検討したうえで、「『青丹よし』は、幕末又は江戸時代中期に有栖川熾仁親王ないし有栖川宮が命名したものと伝えられ、その後、主として奈良市内において複数の菓子業者によって広く製造販売されてきた『青と赤との二色を一組にした落雁と同種の干菓子』であり、その名称は奈良において製造販売されるこの種の干菓子に広く付せられてきたものである。そして、『青丹よし』という名称そのものについて商標登録が認められた例はないことからすれば、『青丹よし』という名称そのものが特定の業者の製造した上記干菓子を表示する機能を有しているとは認め難い。」として、「『青丹よし』との部分の出所識別力はきわめて弱いといわざるを得ない。」としています。

 そのうえで、被告らの各商品名(標章)は、いずれも、原告の商標に類似するとは言えず、商標権を侵害するものとは認められないとして、原告の請求を棄却したものです。

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2008年7月11日 (金)

「仮登録ありがとうございます」というメール

 さっき、私に、次のようなメールが来ました。

タイトル:「仮登録ありがとうございます」
送信者:登録確認通知 [rentalacmedolls@YAHOO.co.jp]

(川村注:念のため、yahooを大文字全角に変換してます。)

・・・・・メール本文・・・・・

※ 登録確認のお知らせ ※
No.38754 様
この度は当サービスにお申込みいただき、ありがとうございます。
下記URLよりプロフィールをご確認ください。
1.[ http://sexdoll.2kool4u.NET ]

   (川村注:ここも末尾を大文字全角にしました。以下、同じ。)
2.フォームに必要事項を入力する。
3.折り返しサイトよりログイン情報をお送りいたします。
※当サイトでは登録・利用ともに料金は一切発生致しません。
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No.38754 様へ新着メッセージのご案内です。
No.15503 ナナミ 様
タイトル:明後日お休みなんです。
コメント:急な休みで何も予定がないんですけど、良かったら家で…

 (川村注:私も明後日は休みです。一緒ですね。)
プロフ&無料返信はこちら ⇒ http://sexdoll.2kool4u.NET
No.20054 春奈 様
タイトル:1千万円までサポートできます。
コメント:私はもう40歳半ばです。もし写真を見て嫌じゃなかった…

 (川村注:私は後10日ほどでもう49歳です。悪かったね。)
プロフ&無料返信はこちら ⇒ http://sexdoll.2kool4u.NET
その他の新着メッセージ ⇒ http://sexdoll.2kool4u.NET
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 メールは、以上です。

 迷惑メールの規制強化の法律改正も先日通ったばかりですが、この手のは無くならないのでしょうかねぇ。仮登録した覚えのない真面目な人がびっくりしてアクセスしたり、場合によっては、問い合わせメールなどを送ることによって、個人情報を相手に取得される危険があるのはご承知の通りです。

 もちろん、私は、この手のサイトに仮登録も登録もしたことはございません。
 よくある迷惑メールですが、ご注意下さい。

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平成19 年度独占禁止法に関する相談事例集(公取委)

 公正取引委員会は、昨日、平成19年度の独占禁止法に関する相談事例集を公表しました。事業者や事業者団体が公取委に行った相談の中から、一般的に参考になると思われる事案について、その概要を事例集として、毎年公表しているものです。
 → 公取委報道発表資料(PDF)

 公取委は、今回掲載した事例の内、最近の経済社会状況を反映したとみられるものとして、以下のものを挙げています。

(1) 競合する建築資材メーカー同士が、運送コスト削減のため、遠隔地販売先向け製品について、毎月一定量を相互にOEM供給を行うことについて、独占禁止法上の問題の有無を問うもの

(2) 地方公共団体、住民団体及び小売事業者が、レジ袋の利用抑制のための取組として、レジ袋の提供を有料化するとともに、提供するレジ袋の単価を取り決めることについて、独占禁止法上の問題の有無を問うもの

(3) 原油価格及び穀物価格の高騰に伴う原材料費等の値上がりを受けて、製造コストが大幅に上昇し、業界が困窮していることから、事業者団体が会員事業者の取引先事業者に対して、業界の窮状を訴える文書を発出することについて、独占禁止法上の問題の有無を問うもの

 大阪などの弁護士有志で構成されている「独占禁止法・公正取引研究会」という研究会があり、私もメンバーですが、最近は、この相談事例集の内容を例会のネタにしたりしています。ただ、当然ではあるのですが、企業名はもちろん、商品や取引などの内容もかなり抽象化されていて、演習問題としては法律的に細かい検討がしにくいのが難点です。 

 なお、今回の事例集には、上に挙げたものを含めて、13の相談事例が掲載されていますが、そのタイトルのみを以下に載せておきますね。

【流通・取引に関するもの】
1 輸入総代理店による自社輸入品と並行輸入品との点検料金の差別化
【業務提携に関するもの】
2 競合する建築資材メーカー間の相互OEM供給
【共同行為に関するもの】
3 レジ袋の利用抑制のための有料化の取組
4 容器回収の共同化
【技術取引に関するもの】
5 特許製品の販売先の制限
【事業者団体の活動に関するもの】
6 事業者団体による製品の耐用年限等の設定
7 事業者団体による部品の推奨保有期間の設定
8 事業者団体による会員事業者の取引先に対する取引慣行の改善依頼文書の発出等
9 事業者団体による標準積算資料の作成
10 事業者団体による取引先事業者に対する要請文書の発出
【大規模小売業者の活動に関するもの】
11 大規模小売業者による災害時における廉価販売
12 大規模小売業者による従業員等の人件費を納入業者に負担させる行為
13 大規模小売業者の食品売場における試食販売イベントの実施

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2008年7月 9日 (水)

ベルーナに対する業務停止命令(特定商取引法)

 経済産業省は、本日、訪問販売業者株式会社ベルーナ(埼玉県上尾市)に対し、特定商取引法の違反行為を認定し、本年7月10日から平成21年1月9日までの6か月間、同社の訪問販売に関する勧誘、申込の受付及び契約の締結を停止するよう命じています。東証1部上場企業としては、一昨年7月のシロアリ駆除業サニックス(福岡市)に次いで2例目とのことです。
 → 経済産業省サイト報道発表(PDF)

また、併せて、同法7条に基づき、勧誘に際しては販売契約について契約を締結するための勧誘である旨を明確に告げること及び展示会場等においては、消費者が自由に販売スペースを出入りし、商品を見て回れることができるようにすることの指示を行っています。
 認定された違反行為は、勧誘目的の不明示、申込書面の不交付、契約書面の記載不備、不実告知、公衆の出入する場所以外の場所での勧誘、迷惑勧誘、判断力不足に乗じた契約締結及び知識、経験及び財産の状況に照らして不適当と認められる勧誘となっています。

 それぞれの具体的な行為は上記の経産省発表資料をご覧いただきたいですが、その中には、

◎ 同社は、展示会において、消費者が呉服等を契約し、その後クーリング・オフ期間内に契約の解除を申し出た消費者に対して、「これは有名な先生の着物なので解約はできない。」等と不実のことを告げていた。(不実告知)

◎同社は展示会に来た消費者に対して、営業員等数人で取り囲むなどして「着物など買っても着ないから。」と言っている消費者に対して「そんなこと言わないでくださいよ。」、「月賦でもいいですよ。」と言って、契約しない旨の意思を表示している者に対して長時間執ように勧誘するなど消費者に迷惑を覚えさせる仕方で勧誘を行っていた。(迷惑勧誘)

◎ 同社は認知症等の症状が現れ、判断力が不足している高齢の消費者に対し、その判断力の不足に乗じて次々に呉服等に係る契約を締結させていた。(判断力不足に乗じた契約締結)

◎ 同社は、展示会に訪れた高齢の消費者に対して「年金生活だし、そのようなものは買えません。」と断っているにもかかわらず、勧誘を行い、契約を締結させるなど、知識、経験及び支払能力に照らして不適当と認められる勧誘を行っていた。(知識、経験及び財産の状況に照らして不適当と認められる勧誘)

など、かなり悪質なものも含まれています。

【業務停止命令の内容】
(1)業務停止命令関係
 平成20年7月10日から平成21年1月9日までの間(6か月間)特定商取引法第2条第1項に規定する訪問販売に関する業務のうち、次の業務を停止すること。
①訪問販売に係る売買契約の締結について勧誘をすること。
②訪問販売に係る売買契約の申込みを受けること。
③訪問販売に係る売買契約を締結すること。

(2)指示関係
 特定商取引法に規定する指定商品の販売を行う場合には、店舗であるか展示会であるかを問わず、消費者を店舗あるいは展示会に勧誘するに際し、指定商品の販売契約について契約を締結するための勧誘である旨を明確に告げること。
 店舗あるいは展示会場において消費者に指定商品の販売を勧誘するに際しては、当該消費者が、自由に販売スペースを出入りし、商品を見て回ることができるようにすること。

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低価格入札と不当廉売(公取委)

 昨日は夕方に名古屋の裁判所で仕事がありました。大阪から名古屋に向かう際は、直前に山陽新幹線が雨で一時ストップしていて心配しましたが(幸い影響なし)、帰りには米原駅での人身事故で東海道新幹線が動かず、近鉄で帰ってきました。特には後の仕事も予定になかったので、かえってゆっくり帰れて良かったのかもしれません。

 さて、昨日、公正取引委員会が、「公共建設工事に係る低価格入札問題への取組について」というのを公表しています。
 → 公取委サイト報道発表資料(PDF)

 公共投資の減少による競争激化の中で、ダンピング受注が増加しているということで、公共建設工事の品質確保等に懸念が生じているとして、政府全体として取組がなされている、ということです。
 その政府の取組の中、公正取引委員会は、独占禁止法上の不当廉売規制の観点から、工事等について情報を収集した上で、問題となる行為が認められた場合には厳正に対処しているとのことで、今回(昨日)、株式会社奥村組、オリエンタル白石株式会社、戸田建設株式会社の3社に対し、独占禁止法19条(不公正な取引方法6項〔不当廉売〕に該当)に違反するおそれがあるものとして警告を行った、ということになっています。

 不当廉売に法律上該当する行為に警告を行うことは当然ではありますが、以前にも触れたように、独占禁止法の規制は、価格を含めた競争行為を促進させるためのものであり、業界保護・育成のための規制ではありませんので、そのあたりをごっちゃにして、かえって競争制限的な影響を与えることのないように運用していただきたいと思います。

【追記】(7/11)
 7月9日付の公取委事務総長定例会見で、この低価格入札問題についてと、旧日本道路公団の鋼鉄製橋梁建設工事の談合事件判決について、述べられています。
 → 公取委サイト定例会見記録

 なお、橋梁建設工事談合事件に関しては、特徴の1つとして、「長年にわたって日本を代表する大企業が談合に手を染めていた極めて悪性が強い事件であった」ということ、もう1つのポイントとして、対象企業の多くが、別分野で独占禁止法違反事件として処分や調査を受けた経験などがありながら、独占禁止法違反行為に関するコンプライアンスの実効性が全く上がっていなかったということが明らかになったこと、さらにもう1つ、典型的な官製談合事件ということ、の3点が挙げられています。

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2008年7月 8日 (火)

槇原敬之vs松本零士の歌詞裁判の報道

 「銀河鉄道999」のせりふを歌詞に無断使用したと非難され、名誉を傷つけられたとして、歌手の槙原敬之氏が、漫画家の松本零士氏に対して、著作権を侵害していないことの確認と損害賠償などを求めた訴訟について、報道されています。この事件については、随分以前に当ブログでも記事にしました(昨年3月23日付)。

 さて、今回は、東京地裁の裁判の期日に両者本人が出廷して発言している、というので、各マスコミが報道しているものです。各社の報道をネット上で、ざっと読んだのですが、法律実務家的には気持ちの悪い表現がいくつかありましたので、ちょっと、コメントというか、つまらぬツッコミをしておきます。
(なお、一般の方には,、ほとんどどうでもいいことであって、私自身、本件の訴訟手続の流れにつき具体的に知るわけでもなく、思わぬ誤解を含んでいるかもしれませんが、ご了承ください。)

 この裁判は、ごく一般的な通常の民事訴訟手続ですが、「口頭弁論期日」だけの手続に、訴訟当事者(原告、被告)本人が出廷することは少ないです。なぜなら、「口頭弁論期日」というのは、主に双方からの主張のやりとりを行う期日で、しかも、通常は書面でほぼ済ませることが多いため、双方の代理人弁護士が出廷すれば充分で、本人がわざわざ出廷する意味があまりないためです(もちろん、例外はありますし、本人が出廷する権利を持つのは当然ですが。)

 で、ここで何故、両者本人がわざわざ出廷したか、というと、「口頭弁論期日」のためではなく、(たぶん)それに引き続き行われた形式になっている「(本人)尋問期日」で尋問を受けるためです。
 それぞれの法律的な主張は、これまでの裁判の期日において、それぞれの弁護士が書面でやりとりをしたり、裁判所が主張整理をしたりしているはずで、いまさら本人が出て「主張」をする必要はまずありません。
 今回は、その主張のもととなっている事実関係を立証(証明)するための方法の1つとして、両方の本人の尋問が行われた、という手続になります。したがって、それぞれが証言をした、というのは、裁判所に向かって「主張」するためではなく、「立証」の活動のためとなります(本人の記憶に基づいて、事実を証言する)。もっとも、この「主張」「立証」の違いを一般の方にわかっていただくこと自体が難しい場合も多いのですけども。
 また、一部の記事でもわかるように、普通こういった「本人尋問」や「証人尋問」は、本人や証人、1人ずつやっていきますので、2人並べて、質問をぶつけるというような方法をとることはありません(場合によっては可能ですが、かなり稀です。)。したがって、「直接対決」という表現もちょっと違いますし、実際、今回は、先に槇原氏の尋問を行い、それが終わると槇原氏は帰っていって、松本氏の尋問をおこなっていますので、両者が向き合って丁々発止のやりとりをしているようなものでもありません。

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2008年7月 6日 (日)

フランチャイズ加盟店の当然の権利ではないかな

 さて、金曜日にご紹介したコンビニのフランチャイズに関する最高裁判決なのですが、これは結構、この手の問題には大きな意味を持つと思います。
 コンビニ加盟店側が要求しても、運営会社(セブン-イレブン・ジャパン)が出さなかった仕入業者との取引内容を出せ、というのですから、今回、裁判をしていた原告の加盟店だけではなく、また、セブンイレブン以外や、コンビニ以外でも、フランチャイズ加盟店の皆さんで、このようなことに不審を持っている方は、同じような権利があると、堂々と言えることになるかもしれません。こういった問題に詳しい弁護士さん(もちろん、フランチャイズ運営会社側で詳しい弁護士さんだと、まずいでしょうけどね)に相談されたらいいのではないかと思います。

 もし(もしもの話ですよ)、加盟店に仕入金額として請求して支払を受けていながら、実は、本来の仕入金額と違う金額を請求されていたというのであれば、運営会社の詐欺的な行為という評価もされかねないことになります。本当は支払っていない仕入金額を堂々と加盟店に請求して支払わせているのであれば、問題ですね。
 今回の最高裁判決は当然のことを当然に、加盟店に報告するように認定したものです(はっきり言って、東京高裁の判決は何を考えていたのでしょうか?)。運営会社側も、正直に請求していて、何も隠す必要のないことならば、そんな当然のことの報告について、わざわざ裁判で争ってまで、一生懸命拒否する必要があったのでしょうか。。。隠す必要がなければ、仕入先との請求書と領収書くらいは、出せばよさそうなもんですが。

 この問題は別にしても、フランチャイズの加盟店との契約は、独占禁止法や中小小売商業振興法などについての様々な問題があります。フランチャイザー(本部・運営会社側)とフランチャイジー(加盟店側)の契約については、独占禁止法上の優越的地位の濫用や抱き合わせ販売などの問題もありますし、当初の契約勧誘の場面でのいろいろな法的問題もあります。

 今日は、これくらいにしときますが、この事件については、注視していきたいですね。なお、フランチャイズ契約については、民法の中に規定を置くということも債権法改正方針の中で検討されているようです。

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2008年7月 4日 (金)

コンビニ加盟店契約に関する最高裁判決