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2017年8月12日 (土)

2016年度消費生活相談、危害・危険情報などの概要(国民生活センター)

 先月、当ブログで、国民生活センターの商品テスト部門を訪問したことを、 「「プエラリア・ミリフィカ」を含む健康食品の危険性(国民生活センター)」(7/21)という記事に書きました。この時、一緒に訪問したメンバーのお一人である産経新聞の平沢記者が、先日(8/7)、産経新聞「ニュースの深層」に、同じく「プエラリア・ミリフィカ」を含む健康食品に関して「「胸が大きくなる」はずが…健康被害 「女子力アップにサプリで女性ホルモン」に潜む落とし穴」という記事を書かれました。興味のある方はご一読ください。   
※なお、新聞社のサイトでは、ほとんどの記事は一定期間経過後、非公開になりますので、後日、リンク切れとなるかと思いますがご了承ください。※


 さて、その国民生活センター関連ですが、8月10日付で2016年度の相談等の概要が報告されています。 

 1.2016年度のPIO-NETにみる消費生活相談の概要

 2.2016年度のPIO-NETにみる危害・危険情報の概要

 3.2016年度の越境消費者相談の概要

の3つですが、それぞれ概要と報告書本文(PDF)が掲載されています。詳細はそちらをご覧いただくとして、いくつか紹介します。

 なお、「PIO-NET」(パイオネット)というのは、「全国消費生活情報ネットワークシステム」(Practical Living Information Online Network System)の略称で、国民生活センターと全国の消費生活センターなどを、オンラインネットワークで結び、消費生活に関する相談情報を蓄積しているデーターベースのことです。全国各地の消費生活センター(自治体等により名称は異なりますが)が受けた消費者相談のデータが集積されています。

 まず、「2016年度のPIO-NETにみる消費生活相談の概要」をみると、   

  • 2016年度の相談件数は約88.7万件で、2015年度(約93.0万件)に比べ減少した。「アダルト情報サイト」や金融商品、情報通信サービスに関する相談の減少が影響している。
  • 利用した覚えのないサイト利用料の請求など「架空請求」の相談は2012年度から再び増加傾向にあり、2016年度は約8.3万件であった。
  • 契約当事者の年齢をみると70歳以上の割合は減少しているが各年代の中では最も高い。50歳代、60歳代の割合は増加している。
  • 「健康食品」「化粧品」「飲料」の相談が増加した。これら商品の定期購入に関する相談の増加が影響している。
  • 「興信所」の相談が増加した。「アダルト情報サイト」とのトラブル救済をうたう探偵業者等に関する相談の増加が影響している。
  • 「通信販売」に関する相談の全体に占める割合は約37%であり、2013年度以降、引き続き販売購入形態別で最も高かった。
  • 契約購入金額および既支払金額の合計金額は2014年度以降減少している。2016年度は契約購入金額の合計金額が4,281億円、平均金額が105万円であり、既支払金額の合計金額が1,465億円、平均金額が41万円であった。
  • 販売方法・手口をみると「還付金詐欺」が2012年度から2016年度の5年間で7倍以上も増加している。

となっています。

 次に、「2016年度のPIO-NETにみる危害・危険情報の概要」では、   

  • 「危害・危険情報」は15,153件で、対前年度比でみると0.3%増となっています。
  • 「危害情報」は11,602件で、上位3商品・役務は「健康食品」、「化粧品」、「医療サービス」でした。「危険情報」は3,551件で、上位3商品・役務は「四輪自動車」、「こんろ類」、「調理食品」でした。
  • 「危害情報」については、昨年度と比べ「調理食品」が74件減少、「美容院」が86件減少しましたが、「健康食品」が968件増加したほか、「飲料」が205件増加、「化粧品」が132件増加したことなどが影響し、964件増加しました。
  • 「危険情報」については、昨年度と比べリコールの影響で「こんろ類」が249件増加しましたが、1位の「四輪自動車」が137件、「調理食品」が159件、「菓子類」が92件それぞれ減少したことが影響し、925件減少しています。

となっています。ここでも、「健康食品」や「化粧品」の事案が多いですね。

 3つめの「2016年度の越境消費者相談の概要」には、「-越境消費者センター(CCJ)で受け付けた相談から-」という副題が付けられています。越境消費者センター(CCJ)というのは、国民生活センターが開設している海外から商品を購入した消費者と海外事業者とのトラブルについての相談窓口です。したがって、事業者間の取引(BtoB)やネットオークションなどでの個人間取引(CtoC)は取り扱っていません。    
 詳しくはこちらのサイトをご覧下さい。 → 越境消費者センター(CCJ)

こちらの報告概要によると、2016年度の傾向と特徴は、   

  • 2016年度にCCJに寄せられた越境消費者相談の件数は4,473件であり、2013年以降4,000件を超えている。
  • 相談が寄せられた取引のほとんど(98%)がオンラインショッピングに関するものであり、決済手段はクレジットカード決済が約8割を占める。
  • 2016年度に相談が多く寄せられたトラブルは、PCソフトウェアの解約トラブルである。このため、商品・サービス類型では「ソフトウェア」が、2015年度の9%から急増し、22%を占めた。また、SNSの広告を見て購入した化粧品通販トラブルも2015年度に引き続き多数の相談が寄せられた。
  • 詐欺・模倣品トラブルの相談全体に占める割合は、2015年度から12%減少し、2割弱となった。
  • 相手方事業者の所在地としては、アメリカが最も多く、続いてイギリス、中国の順で、これら3カ国で全体の約7割を占める。

となっています。海外旅行で購入した商品などについても対象になるのですが、実際には、ネット通販による商品購入に関するものがほとんどのようです。

2017年8月10日 (木)

朝鮮学校無償化裁判判決についてネット炎上している裁判長代読などについて

 先日の大阪地裁での朝鮮学校の授業料無償化に関する判決について、なんだかTwitterなどネット上で炎上しているようです。

 もちろん、これに限らず、判決の内容、結論について、賛否いろんな議論がされるのは結構なんですが、今回は変なところで炎上しており、判決自体の議論の邪魔にもなるので、取り上げてみます。

 問題とされているのは、この判決の裁判長である西田隆裕裁判官が、4月1日で裁判官から検事になっており、判決当日は裁判官ではないのに、別の裁判官の代読という形で判決が言い渡されているのは違法で判決は無効ではないか、という批判です。なお、この裁判は、西田裁判官の単独の判決ではなく、3名の裁判官の合議体での判決であり、他の2名の裁判官については、そのままです。

 しかし、上記の批判はあたらない、というか、訴訟を知ってる実務家であれば、誰も疑問に思わないところだと思います。

 まず、判決言い渡しの日までに異動(転勤)や定年退官、辞職などがあった場合に、代わりの裁判官が代読するのは別に珍しいことではなく、よくあることです。特に4月の異動は多いですので、その後くらいの判決では多いですね。私もそのような判決を受けたことは何回も経験しています。退官や辞職の場合は、判決の当日には既に裁判官ではなくなっているのですが、それが違法というわけではありません。

 若干脱線しますが、弁護士から任官された裁判官が「弁護士任官どどいつ」というのをたくさん作られていますが、その中に、4月のどどいつとして、こんなのを作っておられます。

  「なんで私が テレビに映る 代わりに判決 読んだだけ」

その解説として、   
「裁判官の転勤は4月が多い。判決を書くのは結審時の裁判官なのだが、言渡しが転勤後になった場合は、後任の裁判官が代読する事になっている。社会の注目を集める判決の場合でも、法廷撮影で映るのは、実は判決に全く関与していない裁判官という事も少なくない。(略)」   
とあります。 → 弁護士任官どどいつ(7)

 それと、炎上の内容として、西田裁判長が4月に裁判官から検事に任官していることが、弾劾逃れだとか、というのもあるのですが、これも間違いです。

 今回は、西田裁判官が、4月から大阪国税不服審判所の所長に就任したのですが、この大阪国税不服審判所の所長は、これまで裁判官が就任することが通例となっています。前の所長も裁判官です。なお、東京国税不服審判所の所長は、検察官が就任するのが通例です。国税不服審判所の審判官には、裁判官、検察官、弁護士、会計士などいろんな所から任官されています。

 したがって、西田裁判官の場合も、いわば異動(転勤)みたいなもので、本人が弾劾逃れで仕事を変えたとかというものではありません。ただ、国税不服審判所は、裁判所ではありませんので、移るにあたって、いったんは裁判所から離れて(裁判官をやめて)、「検事」の肩書になるものです。何年かして、所長交代の際には、裁判所に戻るのが普通です(定年等の事情がない限り)。

 このあたりのところは、なかなか文献等はないのですが、なぜかwikipediaに具体的な説明がなされてましたので、リンクを貼っておきますね。しかし、こんなマニアックな解説を書いたのは誰なんだろうと思ってしまいました。内部の方でしょうか?

 → Wikipedia「国税不服審判所」 (組織)   
「なお、行政審判機関としての性格や、国税庁に対する中立性・第三者性保持の観点から、国税不服審判所本部所長には裁判官からの出向者が、主要支部である東京国税不服審判所長には検察官からの出向者が、同じく大阪国税不服審判所長には裁判官からの出向者が充てられるのが通例である。このほか、本部及び主要支部に、裁判官又は検察官からの出向者が若干名配置されている(なお、裁判官からの出向者の出向中の身分(官名)は、検察官からの出向者と同じく「検事」となるのが例である。)。」

2017年8月 7日 (月)

消費者法白書2017(「消費者法ニュース」112号)発行されました

 消費者法ニュース112号(7月号)が発行され、今日届きました。毎年恒例の消費者法白書掲載号です。白書以外も、特集が「NHK・受信料等の消費者問題」など、いつもの通り記事が満載ですが、詳しくは消費者法ニュースサイトから目次をご覧下さい。

  → 消費者法ニュース112号

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 私も、例年通りに白書の「独占禁止法・景品表示法」の章を書いています。

 おそらくAmazonでは扱っていないと思います。上記のリンク先から購入することもできますので、ご関心のある方は、よろしくお願いします。 

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2017年8月 6日 (日)

機能性表示食品「葛の花イソフラボン」の不当表示調査の報道

 前回記事で、薬機法(旧・薬事法)景品表示法に関連したDVDについて宣伝させていただきましたが、ちょうど関連するような報道が出ています。


 8月3日付の通販新聞が、 「機能性表示食品の広告問題 「葛の花」販売企業を〝一斉聴取〟 課徴金調査で処分不可避か」 という記事を報じています。 

 詳しい経緯は、上記のリンク先記事をご覧いただきたいですが、要するに、東洋新薬がOEM供給する「葛の花由来イソフラボン」を含む機能性表示食品の広告問題が、本年5月のスギ薬局の「お詫び社告」で明らかになりましたが、これに関し、他の多数の東洋製薬の供給先についても消費者庁が調査を行っていることに関する報道です。供給先は記事によれば26社とのことです。

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 スギ薬局の社告に関しての前回の通販新聞の記事(本年6月8日付)はこれです。

「機能性表示食品で初の処分か スギ薬局「お詫び社告」の波紋、東洋新薬「葛の花」OEMで」

 この6月の記事でも、既に他の供給先への調査の拡大について触れているのですが、今回の記事によれば、6月下旬から2週にわたり、十数社を対象に調査が行われた、とか、7月下旬から少なくとも4社に課徴金に関する調査の依頼が来たことが確認できた、などと、かなり具体的に突っ込んだ内容の報道になっています。

 消費者庁からの正式な情報があるわけではありませんので、詳細はわかりませんが、通販新聞の報道の通りだとすると、景品表示法だけではなく、薬機法違反の問題も生じてきます。薬機法違反の表示の場合は、刑事罰が科せられることもありますので、注意が必要です。つい先日も、水素水をガンに効くと宣伝したスーパーと担当社員が警視庁により書類送検されています( これについての当ブログ記事 )。

 今回、対象となっている商品は、単なる健康食品ではなくて、機能性表示食品に関するものです。健康食品などの商品広告・表示に関して、消費者庁の対応は厳しくなっており、特定保健用食品(トクホ)機能性表示食品の広告・表示についても監視を強めていることは、以前にも当ブログで触れています。

「日本サプリメントに対する措置命令及びトクホ等に関する景表法の取組要請(消費者庁)」 (2017/2/14)

 健康食品や美容サービスなどに携わる事業者は、これまで皆が同じような宣伝をやってきたから、という安易な考えは改めないと、単なる表示差止の措置命令だけではなく、高額の課徴金の支払いを消費者庁から命じられるリスクが高くなってきていることを肝に銘じて対策を取っておく必要があります(これまでにも繰り返し言ってきたことですけれども)。これは、今回のようなOEM供給製品の供給元も供給先も同じことです。

 なお、機能性表示食品について詳しく知りたい方は、この消費者庁の資料等をご参考にしてください。

 → 「機能性表示食品制度に関する情報」(消費者庁サイト)

【追記】(8/8)

 8月1日付で、葛の花イソフラボンの商品に関して、日本第一製薬が、「【葛の花イソフラボンスリム】広告表現に関するお詫びとお知らせ」を自社サイトに掲載していました。内容抜粋は以下の通りです。

 平素より日本第一製薬株式会社に格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。
 弊社で販売しております機能性表示食品『お腹の脂肪に 葛の花イソフラボンスリム』のWEBページ等の広告において、葛の花由来イソフラボンには「肥満気味な方の、体重やお腹の脂肪(内臓脂肪と皮下脂肪)やウエスト周囲径を減らすのを助ける」機能がある機能性表示食品でありながら、あたかも本商品を摂取するだけで、どんな条件下でも誰もが容易に痩身効果を得られるとお客様に過度の期待を抱かせる表示を行っておりました。
このため、弊社全ての広告を見直し、逸脱した表現を速やかに削除、変更する対応を進めております。広告表現が不適切でありましたことを深くお詫び申し上げます。

2017年8月 1日 (火)

「健康美容ビジネスの広告・表示のポイント」(レガシィ)発売

 恥ずかしながら、レガシィ社より、DVD(CD)にて「健康美容ビジネスの広告・表示のポイント」が発売されました。 主に健康食品の広告に関する法規制(薬機法、景品表示法など)についてしゃべっています。

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 これまでも書籍や雑誌ならば、いくつか書いてきましたし、研修や講演などで人前で法律の話をすることは多いのですが、こういった講演スタイルの映像教材的なものは初めてで、数名のスタッフ以外のいない講演というのに全く慣れておらず、一発撮りでしたので、正直なところ冷や汗ものです。

 もし、ご興味のある方がおられましたら、よろしくお願いします。

2017年7月27日 (木)

ソフトバンクのおとり広告表示に対する措置命令(消費者庁)

 消費者庁は、本日、ソフトバンク株式会社(東京都港区)に対して、おとり広告告示違反の不当表示があったとして、措置命令を行っています。

 景品表示法5条3号に基づく「おとり広告に関する表示」(平成5年公取委告示第17号)に該当する表示とされたものです。

 なお、この3号違反は、課徴金納付命令の対象にはなりません。

 → 「ソフトバンク株式会社に対する景品表示法に基づく措置命令について」 (PDF)

 本件は、ソフトバンクが、自社webサイトにおいて、 「いい買物の日 Apple Watch キャンペーン」、「いい買物の日 2016年11月3日(祝・木)~11月13日(日) おトクドッカーン! Apple Watch(第1世代)が! スペシャルプライスで買えるのは今だけ! 本体価格11,111円 表示価格は税抜です。」、「期間中、対象のApple Watchが11,111円でご購入いただけるキャンペー ンです。ソフトバンクのApple Watch 取り扱い店舗にて、ご購入いただけます。」等と記載するとともに、「Apple Watch(第1世代)」を取り扱う店舗及び「いい買物の日 Apple Watch キャンペーン」と称するキャンペーン(以下「本件キャンペーン」という。)の対象となる「Apple Watch(第1世代)」の一覧を掲載したwebページへのリンクを掲載することによって、各店舗において、「Apple Watch(第1世代」が税抜き11,111円で購入できるかのように表示していたが、実際には、キャンペーン初日に当該商品は用意されていなかった、というものです。

 ソフトバンクは、このwebサイトで、「在庫がなくなり次第終了」「商品によっては在庫がない場合もございます」というような注意書きもしていたようですが、これについて、消費者庁は、在庫がなくなり次第終了する、ということは初日に商品があることが前提であるし、在庫がない場合もある、との記載は、在庫がない場合が例外であるかのような表示であるとして、各店舗の在庫状況を明瞭に記載したものとはいえない、としました。

 これは、先日ご紹介した実態調査報告書の「打消し表示」がある場合でも不当表示なる一例ですね。

「「打消し表示に関する実態調査報告書」の公表(消費者庁・景表法)」 (7/14)

 おとり広告に対する措置命令については、つい先日(7/11)東京ガス子会社に対して出されるなど、最近ちょくちょくと出されています。

「東京ガス(有利誤認表示)、東京ガス子会社2社(おとり広告)に対する景表法違反措置命令(消費者庁)」 (7/11)

「神戸牛のおとり広告に対する措置命令(消費者庁)」 (2016/12/21)

2017年7月26日 (水)

美容クリニックの院長氏が起こした名誉毀損請求訴訟

 美容クリニックの有名院長氏が、国会議員と民進党を被告として名誉毀損の民事訴訟を起こしたようで、先日第1回口頭弁論期日があったことが報じられています。その報道によれば、第1回期日に出頭された院長氏がいろいろとおっしゃっているようですが、訴訟手続を知っていれば、いろいろと疑問なことを話しておられたらしいです。

 この点について、弁護士さんがブログで詳細に書いておられますので、ご紹介します。要するに、民事訴訟の第1回口頭弁論期日では当たり前のことがあった、というだけのことになります。

 もっとも、院長氏はそのようなことはわかった上でおっしゃってるのかも知れませんけども。

 → 弁護士三浦義隆のブログ
     「高須院長の訴訟を題材に民事訴訟手続の流れを解説しよう

 なお、この関連で、テレビ番組で、浅野元宮城県知事が、「名誉毀損は事実と違うことを提示して名誉毀損するっていうんだけど」として、院長氏を批判したらしいですが、民事にせよ、刑事にせよ、名誉毀損というのは、真実でないことを言って名誉を毀損する場合だけではなくて、それが真実であっても成立します。たとえば、私に、殺人の前科があったとして、そのことは回りの人は知らないのに、「あいつは人殺しだ。」と言いふらしたような場合には、内容は真実ではありますが、名誉毀損が成立する可能性は十分にあります(もっとも、真実であれば、責任が問われない場合もあるとか、他にいろいろと例外的なことは法的にはあるのですが、複雑になるので、ここでは全て省略します。)。

【追記】(7/27)

弁護士ドットコムにこんな記事が出てました。
 → 「高須院長「民進党は何も反論しなかった」は誤解?」 

2017年7月24日 (月)

「祭りくじと景品表示法」にアクセスが激増しているので

 土曜の夜あたりから、今年の4月に書いた記事のアクセス数がとんでもなく急増しているので、なんでかな、と思っていたら、この記事の元ネタであるユーチューバーのヒカル氏が新たな動画をyoutubeに投稿したのがきっかけのようですね。

   → 当ブログ記事 「祭りくじと景品表示法」 (2017/4/5)

 今回投稿された動画は直接探せませんでしたが(消されたのかも知れません)、それについて、いろんな人がネット上でコメントされているので、だいたいの内容はわかります。いろいろなコメントの中に、私の上記ブログ記事を紹介してくださる人もいて、それでアクセスが増えたようです。

 ただ、気になったのは、私が書いたことについて、「弁護士が景品表示法違反にならないと言っている」というような紹介をしている人が結構多いみたいです。しかし、ちゃんと読んでもらえれば、追記までしてますので、わかると思うのですが、私は、「景品表示法の不当景品規制」には該当しない、と言っておりますが、後半に書いているように、「景品表示法上の不当表示規制(有利誤認表示)」には該当するおそれがあると言ってますので、トータルとしては、景品表示法に違反する可能性が高いよ、ということになります。

 当初の4月の時点で、結構、高額商品だから景表法違反だ、という投稿が見られたので、それは違うよ、ただし、高額かどうかと関係なく、商品が当たるように書いていて当たらないなら、不当表示にはなるよ、ということで書いた記事でした。

【追記】(7/24)

 ヒカル氏は、今回、景品表示法の景品の最高額規制違反ということを、警察に主張されたようですが、不当景品にせよ、不当表示にせよ、こういった違反行為については罰則はなく犯罪にはなりません。したがって、こういう主張では、警察は動けないことになります。やるならば、詐欺だろ、と言うべきですね。

 なお、景品表示法違反行為に対して、消費者庁措置命令(差止など)を行ったのに、それを守らなかった場合は、刑事罰の規定があります。

【追記】(7/24)

 そういえば、先日、ゲーム運営事業者のグリーに措置命令が出されたのも、公表されている景品の数を下回る数しか提供しなかったという問題に対して、不当景品規制ではなく、不当表示規制(有利誤認表示)の違反でしたね。
  → 「ガンホーとグリーに対する景表法の措置命令(消費者庁)」(7/19)

2017年7月19日 (水)

ガンホーとグリーに対する景表法の措置命令(消費者庁)

 消費者庁は、本日、どちらもゲーム運営事業者であるガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社(東京都千代田区)およびグリー株式会社(東京都港区)に対し、景品表示法に違反する不当表示であるとして措置命令を出しました。

 → 消費者庁公表資料 (PDF)   
   ・ ガンホーに対する景品表示法に基づく措置命令

   ・ グリーに対する景品表示法に基づく措置命令

 まず、ガンホーは、オンラインゲーム「パズル&ドラゴンズ」(パズドラ)「ディズニーマジックキングダムズ」に関して、優良誤認表示有利誤認表示があったというもので、どういう表示かというと、

 「パズドラ」に関しては、特別のモンスターを提供する「特別レアガチャ『魔法石10個!フェス限ヒロインガチャ』」において、あたかも、13のモンスター全部が「究極進化」の対象となるかのように示す表示をしていたが、実際にはモンスター2体だけを「究極進化」の対象とし、他の11体は「究極進化」ではなく「進化」という別の対象としていたというものです(優良誤認表示)。

 また、 「ディズニーマジックキングダムズ」に関しては、表示されるバナー広告において、あたかも、複数のアイテムをパックで購入する場合の提供価格は、別々に購入する場合の合計金額に比べて安いかのように表示していたが、実際には、別々に購入する場合の合計金額に比して安くはなかったというものです(有利誤認表示)。

 グリーについては、オンラインゲームでの抽選企画に関するもので、、携帯電話向けの自社ウェブサイトの「超豪華プレゼント!年末年始キャンペーン」という懸賞企画において、例えば、「スマートグラス MOVERIO 当選本数100本」と記載するなど、あたかも、その懸賞企画においてはそれぞれの景品類について、サイト上に記載された当選本数と同数の景品類が提供されるかのように表示していたが、実際には、サイト上の記載を下回る数の景品類の提供を行っていたというものです(有利誤認表示)。「GREEコイン」と称する仮想通貨を1,000枚使用するごとに抽せん券を1枚付与するという抽選企画のようですね。
 要するに、抽選の景品を、公表していた数より少ない数しか出さなかった、ということで、雑誌の懸賞企画でも過去に不当表示(有利誤認表示)とされた事案がありました。平成25年8月20日の秋田書店に対する措置命令、平成27年3月13日の竹書房に対する措置命令、平成27年12月8日のアイアに対する措置命令ですね。

 今回は、課徴金納付命令は出てませんが、どうなるでしょうね。

2017年7月18日 (火)

民法(債権法)の大改正と条文

 この前の第189回国会で債権法の大改正がなされました。平成29年6月2日(公布日)から起算して3年を超えない日に施行されることになっています(具体的には後日政令で指定。)。

 ただし、「債権法」という法律があるわけではなく、民法が定めている、総則、物権、債権、親族、相続の内の債権の個所を債権法と言っており、この部分の大改正ということなのですが、実際には、債権に関わる他の部分、総則、物権のところも結構改正部分があります。親族、相続については、直接の改正部分はほとんどありませんが、総則などの改正部分に関係するところもありますので、要注意です。

 この改正に関しては既に多くの本が出されており、また、これからもいろいろなものが出版されると思いますが、今回、知り合いの編集者を介してですが、ご恵贈いただいたのは、改正についての解説書ではなく、改正前後の条文を整理したもので、 「民法の全条文」(三省堂編集所 編) という本です。

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 ちらっと中身を見ますと、こんな感じです(時効の所ですが、ちょっと見にくいかな)。

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 改正後の民法全条文(親族、相続を含む)に、改正前(現行)の民法の条文が灰色地に印刷されており、改正前後の関係がよくわかります。国会で審議される「改正法案」というのは、改正後の全条文が整理されて並んでいるわけではなく、改正される部分だけが載っており、それを見ただけでは、専門家であってもとてもわかりにくいという形式になっていますので、こういった整理された条文が出されるのは、我々にとっても大変ありがたいことなのです。

 また、民法や今回の改正の大枠についてある程度理解をしている人にとっては、改正前後の条文が見やすく並んでおれば、これだけでも、かなり改正法の理解ができると思います。全部で200ページほどですし、持ち歩きにも良さそうですね。

より以前の記事一覧