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2019年7月17日 (水)

元SMAPメンバーの出演への圧力行為についての公取委の注意(独禁法)

 今夜の各社の報道によると、「SMAP」の元メンバーの3名に関して、ジャニーズ事務所が民放テレビ局などに対して、独立した3人を出演させないよう圧力をかけていた疑いがあるということで、公正取引委員会独占禁止法違反につながるおそれがあるとして、本日までにジャニーズ事務所を注意した、とのことです。

 この公正取引委員会「注意」というのは、独占禁止法違反行為に対する正式処分である排除措置命令とは異なり、法的な処置ではないため、具体的な中身が公表されないと思われますし、また、日付もはっきりしませんので、ジャニー喜多川氏の死亡の前後とかの関係もわかりませんね。

 この問題に関しては、公正取引委員会「人材と競争政策に関する検討会」(泉水文雄座長)の報告書の関連で、当ブログでも触れてきました。

 → 「人材と競争政策に関する検討会」(公取委)報告書の公表」(2018/2/15)
 → 「芸能プロ契約問題と「人材と競争政策に関する検討会」(公取委)」(2017/7/13)

 要するに移籍に関する制限の問題なんですが、この問題は「SMAP」問題に限らない問題です。芸能界では、能年玲奈(のん)さんのケースもそうですが、スポーツ界でも、ラグビーや陸上競技などでも対応が迫られたところであります。そして、芸能界に関しては、昨今の吉本興業の「闇営業」問題に関して、芸人と事務所との不明瞭な契約関係にもかかわってくる問題ですので、今回の注意で終わりではなく、今後も注視していきたいところです。

 そして、今回は、報道機関であるマスコミ自身も当事者の事案ですので、マスコミの自浄作用として、この問題を明らかにして報じていただきたいところですね。

 また、続報があれば、ブログに書きたいと思います。

2019年7月 9日 (火)

三越伊勢丹のクレジットカードの宣伝の不当表示

 昨日(7/8)は、消費者庁景品表示法違反の不当表示に対する措置命令を2件出しています。

  1件は、かなりローカルな事案ですが、株式会社サンプラザ(大阪府羽曳野市)に対して、同社が運営するスーパーにおいて販売するパンにつき、チラシで「菓子パン・食パン 全品 メーカー希望小売価格より3割引」などとうたっていたが、実際にはメーカー希望価格はなかったというものです。不当な二重価格表示の事例ですね。


 もう1つは、大手百貨店「三越伊勢丹」のグループ会社のクレジットカードである会社株式会社エムアイカード(東京都新宿区)のホームページの宣伝で、「エムアイカードプラスゴールド」を利用すると「8%ポイントがたまる」などと表示していたけれども、実際には条件が限られていたというものです。

 今回は、優良誤認有利誤認の両方が問題とされていて、

 優良誤認としては、例えば、3,000円未満の商品の購入などの代金決済に利用した場合、利用額の1%のポイントしか付与されないなど、8%のポイントが付与されない場合があった、というもので(打消し表示についての指摘もされています。)、

 有利誤認としては、「期間:2018年6月30日(土)まで」及び「ご入会特典 ゴールドカードの新規ご入会で 三越伊勢丹グループ百貨店でのご利用で初年度8%ポイントが貯まります。」と表示するなどして、あたかも、期限までに新規にカードの契約を締結した場合に限り、特典の適用を受けることができるかのように表示していましたが、実際には、継続して、特典の適用を受けることができるものであった、というものです。

 この措置命令と併せて、消費者庁は、「百貨店等提携クレジットカードに係る役務のポイント還元率の広告表示に係る留意点について」(PDF)を公表しています。短いので、内容をそのまま貼り付けておきます。

1 百貨店等提携クレジットカードに係る広告表示について
 百貨店等提携クレジットカードに係る役務については、各種広告媒体において、提携百貨店等での利用時に高還元率のポイントが付与されることを強調している広告表示が多く見受けられる。
しかしながら、当該高還元率のポイント付与については、一定の例外条件が存在することが一般的であり、具体的な内容は、事業者ごとに区々であるものの、例えば、以下のような例外条件が存在する場合がある。
 ・一定額未満の商品については、ポイント還元率が低い。
 ・食料品、レストラン・喫茶については、ポイント還元率が低い。
 ・ボーナス1回払いとした場合には、ポイント還元率が低い。
 ・セール品については、ポイントは付与されない。
 ・1回当たりの利用額が一定額未満の場合は、ポイントは付与されない。
 ・一部のブランド品、福袋等の特定の商品については、ポイントは付与されない。

2 事業者における留意点
 提携百貨店等での利用時に高還元率のポイントが付与されることを訴求する広告表示を行う場合において、ポイント付与に係る重要な例外条件があるにもかかわらず、当該例外条件の内容を明瞭に表示しないときには、一般消費者の適正な選択を歪めるおそれがある。高還元率を訴求する表示を行う際には、当該表示に近接した箇所に当該例外条件の内容を明瞭に記載するなど、消費者が確実に認識できるようにする必要がある。

3 消費者の皆様へ
 クレジットカードに係る役務について、提携百貨店等での利用時に付与されるポイントの高還元率を強調する広告表示に接した際には、例外条件の有無やその内容について、よく確認するようにしましょう。
 また、不明なことがある場合は、入会の申込み前に事業者に問い合わせるようにしましょう。

 

 

 

 


 

2019年7月 4日 (木)

「花粉を水に変える」など光触媒マスクに対する措置命令(景表法)

 昨年、当ブログの「花粉を水に変える?」 (2018/3/18)で書きました「花粉を水に変えるマスク」など光触媒の効果をうたうマスクについて、本日、消費者庁は、DR.C医薬株式会社(東京都新宿区)、アイリスオーヤマ株式会社(仙台市青葉区)、大正製薬株式会社(東京都豊島区)、玉川衛材株式会社(東京都千代田区)の4社に対して、景品表示法に違反する不当表示(優良誤認表示)であるとして、措置命令を出しました。後記の通り、不実証広告制度によるものです。

 → 消費者庁公表資料 (PDF)

 この措置命令によると、

    •  DR.C医薬は、あたかも、本件商品を装着すれば、商品に含まれるハイドロ銀チタンの効果によって、商品に付着した花粉、ハウスダスト及びカビのそれぞれに由来するアレルギーの原因となる物質並びに悪臭の原因となる物質を化学的に分解して水に変えることにより、これらの物質が体内に吸入されることを防ぐ効果が得られるかのように示す表示をしていた。
    •  アイリスオーヤマは、あたかも、本件商品を装着すれば、太陽光及び室内光下において、本件商品に含まれる光触媒の効果によって、商品表面に付着した花粉、ウイルス、細菌、ハウスダスト及び悪臭の原因となる物質を化学的に二酸化炭素と水に分解することにより、これらが体内に吸入されることを防ぐ効果が得られるかのように示す表示をしていた。
    •  大正製薬は、あたかも、本件商品を装着すれば、太陽光及び室内光下において、商品に含まれる光触媒の効果によって、3商品表面に付着した花粉由来のアレルギーの原因となる物質、細菌、ウイルス及び悪臭の原因となる物質を化学的に分解することにより、これらが体内に吸入されることを防ぐ効果が得られるかのように示す表示をしていた。

    •  玉川衛材は、あたかも、本件商品を装着すれば、太陽光下において、商品に含まれる光触媒の効果によって、商品表面に付着した花粉由来のアレルギーの原因となる物質、細菌及びウイルスを化学的に二酸化炭素と水に分解することにより、これらが体内に吸入されることを防ぐ効果が得られるかのように示す表示をしていた。

とされており、消費者庁が、景品表示法7条2項(不実証広告)に基づいて、4社に対し、それぞれ、期間を定めて、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、4社から資料が提出されたが、提出された資料はいずれも、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものとは認められないものであった、とされました。

 この件については、上記の当ブログ記事で、消費者庁不実証広告制度を活用して対応すべきと指摘いたしました。消費者庁が私のブログを見て動いたとは思いませんが、今回妥当な処分が下されたと評価します。今後は課徴金納付命令となると思われます。なお、大正製薬は、同社のプレスリリースにおいて、今回の措置命令に対して、法的な対応を検討する、と表明していますね。

 上記当ブログ記事については、公表後、やまもといちろう氏や科学者の天羽優子先生などにも取り上げて頂きました。

 また、花粉を水に変えるマスクの問題点については、最近も、医師であるNATROM氏が「花粉を水に変えるマスク」の臨床試験の結果は早く公表されるべきというブログ記事(2019/3/29)を書かれていました。

2019年7月 3日 (水)

ベネッセの個人情報流出責任を認める判決(東京高裁)


 報道によれば、東京高裁は、ベネッセの個人情報流出事件に対する損害賠償請求訴訟の控訴審において、ベネッセと関連会社シンフォームに1人当たり2千円の支払いを命じた、とのこと(連帯でしょうね。)。この事件ではいくつも訴訟が提起されていますが、ベネッセ本体に賠償が命じられたのは初めてと報じています。報道によれば、東京地裁と横浜地裁の別の事件2件(産経の記事による)について判決が出たようで、原告は計5名とのことです。

 また、このベネッセ事件に携わっておられる金田万作弁護士のtweet弁護団ブログを拝見すると、判決は6月27日で、集団訴訟とは別の訴訟で、1件は、金田弁護士自身が原告となっていた事件で、もう1件は弁護団が控訴審から受任した事件ということです。

 この流出事件やこれまでの判決などについては、以前のこちらの記事をご覧下さい。なお、上記からすると、この私のブログ記事に掲載している東京地裁判決などは今回の控訴審判決とは別の事件だと思います。

 → 「ベネッセ個人情報流出事件の判決(東京地裁)」 (18/12/29)

 → 「ベネッセ個人情報流出事件 最高裁が差し戻し判決」 (17/10/24)

 この事件については、弁護団の集団訴訟が何件かあるうえに、金田弁護士自身が原告の訴訟、それから、個人が本人訴訟で訴えている訴訟が複数あって、それらの判決のほとんどは報道されたり、公表されたりしていませんので、整理するのは難しいですね。

 この内、昨年末のブログ記事は、今日の報道の裁判とは別のもので、顧客ら462人が原告となって、ベネッセシンフォームに計3590万円の損害賠償を求めていた集団訴訟の東京地裁判決(18/12/27)です。こちらは、シンフォームに対してのみ、1人当たり3300円の請求を認めて、ベネッセの損害賠償責任は認めませんでした(控訴)。

 最高裁から差し戻された事件については、大阪高裁で審理中と思われますが、1年半が経過しており、そろそろ差戻審判決かもしれませんね。

 また、本年4月25日には、別の集団訴訟についての東京地裁判決があり、こちらは、シンフォームに対して3300円の損害賠償を認め、ベネッセへの請求は棄却されています。

 

2019年6月28日 (金)

貯まっていた景品表示法案件のまとめ紹介

 しばらくの間、ブログの更新ができませんでしたので、この間の景品表示法関連の消費者庁公表事案をまとめます。

 簡単なコメントのみになりますが、すみません。公表資料関係のリンク先はそれぞれPDFファイルです。

 まず、昨年度の景品表示法の運用状況などのとりまとめの報告が出ています。


 以下は、個別事案に対する措置命令課徴金納付命令です。

2019年6月 5日 (水)

白髪が黒髪になるサプリ広告の措置命令(消費者庁)

 本日、消費者庁は、株式会社ECホールディングス(東京都目黒区)に対して、同社が販売する健康食品「ブラックサプリEX」の表示について、景品表示法に違反する不当表示(優良誤認)に該当するとして措置命令を出しました。後記の通り、不実証広告制度に基づくものです。

 → 消費者庁公表資料 (PDF)

 これは、自社のwebサイトにおいて、当該サプリを摂取すれば、白髪が黒髪になるような効果があるかのような表示をして、当該サプリを販売していたというものです。

 例えば、「Before」と付記された白髪が目立つ人物のイラスト及び「After」と付記された黒髪の人物のイラスト、並びに対象商品及び対象商品の容器包装の写真と共に、「いくつになっても、柔らかな印象で ゆるふわっ!華やか!」、「年齢のせい・・・じゃなかった!」及び「1日3粒※飲むだけで私もこんなに変われた秘密のサプリ! 3粒は目安です」等と記載するなどして、あたかも、白髪が黒髪になる効果が得られるかのように示す表示をしていました。

 これに対して、消費者庁は、景品表示法7条2項(不実証広告)に基づいて、同社に対して、期間を定めて、裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたましたが、同社は、期間内に当該資料を提出しなかったため、優良誤認表示であると認定されたものです。

 本件のような商品は、白髪が黒髪になる、という効果が唯一の売りであり、そういう効果がないのであれば、消費者には購入する動機がないものですので、その売りの効果について、全く裏付けの資料が出せないというのでは、全くお話にならないですね。

 また、白髪が黒髪になる、という効果は、身体への効能効果そのものであるため、(効果が事実であったとしても)薬機法(旧・薬事法)にも違反する事案といえます。

 さらに、消費者庁公表資料には、webサイト上の同社の広告が載せられていますが、この商品については、医師らしき男性の写真と名前入りで、「美容医療の現役医師 ○○先生が監修したサプリ」 「専門家の私が監修しています。じっくり継続してください!」という表示もされています。直接、具体的に何について監修しているのか、は明記されていませんし、そこには、白髪が黒髪になる、というような表現は直接にはありません。しかし、前述のように、本件商品は、白髪が黒髪になるという点が唯一の売りであり、その商品について、専門家であるとして推奨しているわけですから、やはり効果について推奨し保証していると見るのが当然であると思われます。また、そのすぐ後の個所には、「私も現役の医師が監修してるのが とっても気に入って始めたの!」 「でも美容医療にもサプリメントにも特化した先生が監修なんて本当に心強い!」などといった表現が出てきますのでなおさらです。

 薬機法違反にならない健康食品であれば、「医師監修」という表現自体は必ずしも違法ではないのですが、この事案の表現が、薬機法に違反する効能効果表示に該当するとすれば(未承認医薬品の広告)、この点でも、かなり問題があるといえそうです。

なお、打消し表示に関して、「使用感には個人差がございます」、「お客様のお声であり、実感には個人差がございます。効果・効能を保証するものではございません。」との記載はあったようですが、消費者庁は、このような記載は、一般消費者が上記の表示から受ける効果に関する認識を打ち消すものではない、としました。

2019年5月24日 (金)

日本マクドナルドに対する課徴金納付命令(景品表示法)

 本日は、消費者庁景品表示法違反事案に対する課徴金納付命令を2件出しています。

 1件は、一昨年(2017年)12月に措置命令が出されていた株式会社e-chanceのカーケア用品の不当表示(優良誤認表示)に関する課徴金納付命令(2845万円、消費者庁公表資料〔PDF〕)です。


 そして、もう1件は、日本マクドナルドに対するもので、昨年(2018年)7月に措置命令が出されていた事案に関する課徴金納付命令です。課徴金の金額は、2171万円。全国の大規模なチェーン店なのに金額がこれくらいにとどまっているのは、対象の不当表示をしていた期間が約1ヶ月と短かく、直ちに商品の販売もやめたからですね。課徴金は対象商品の売上額の3%が基準になります。

 → 消費者庁公表資料 (PDF)

 本件は、ブロック肉ではなく、成形肉を使用していたのにもかかわらず、「ローストビーフ」と表示していたことが問題となっています。なお、措置命令の際にも、この事案について当ブログで取り上げておりますので、詳しくはそちらをご覧下さい。

 → 「マクドナルドの「ローストビーフバーガー」に措置命令(消費者庁)」 (2018/7/25)

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2019年5月 9日 (木)

web雑誌「消費者情報」№488号が公開されました。

 (公財)関西消費者協会のweb雑誌「消費者情報」(2019年5月号 No.488)が、同協会webサイトに掲載されました。

「消費者情報」№488 (PDF)

 今号の特集は、「消費者庁・消費者委員会 創設10年のあゆみ」で、巻頭インタビューが元・内閣府消費者委員会事務局長原早苗さんの「消費者庁・消費者委員会創設10年に想うこと」です。

 その他、

岡村和美消費者庁長官
 「消費者庁発足10年「誰一人取り残さない」社会の実現を目指して」

髙巖内閣府消費者委員会委員長

 「消費者委員会創設10年と今後の展望」

松本恒雄国民生活センター理事長

 「消費者庁・消費者委員会創設10年のあゆみに寄せて」

拝師徳彦全国消費者行政ウォッチねっと事務局長(弁護士)

 「全国消費者行政ウオッチねっとが見た消費者庁・消費者委員会の10年」

が特集の内容となっています。

 もちろん、いつもの連載など他にも興味深い記事が満載ですが、詳しくは上記リンクからご覧下さい。

 なお、今回は、私の記事も載せていただいています。

 コンシューマー・トピック海賊版ダウンロード問題の現状と課題」 (PDF)で、マンガの海賊版サイト対策で問題となった著作権法のダウンロード規制拡大の最近の動きについて、一般の消費者問題関係の方向けに解説させていただいたものです。

 よろしければ、ご興味のある方は是非ご覧下さい。

2019年4月26日 (金)

消費者法ニュース「特集 ニセ科学」など

 本日、平成最後(たぶん)の措置命令が出ました。株式会社BLI(静岡市清水区)が販売する商品「RIDDEX PLUS」に関し、楽天市場上の自社webサイトにおける表示について、景品表示法に違反する不当表示(優良誤認)に該当するとして、消費者庁が措置命令を行ったものです。

 → 消費者庁公表資料 (PDF)

 この商品の写真と弱っているゴキブリのイラストとともに、「あれ!?ゴキブリどこいった??」、「正規品 シリアルナンバー付 RIDDEX PLUS 総合害虫駆除」及び「部屋からゴキブリ消える!」と記載するなどして、あたかも、商品を設置するだけで、ゴキブリやヒアリ等を建物から駆除することができるかのように示す表示をしていたものです。この表示について、消費者庁が、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、同社から資料が提出されましたが、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものであるとは認められないものであった、として優良誤認表示とされたものです(不実証広告制度)。


 さて、消費者法ニュース4月号が発行されました(もっとも、定期購読者への発送は連休明けのようで、手元にはないのですが)。

 今回の特集のひとつは、ニセ科学です。この企画の最初の段階で少しお手伝いをしたのですが、なかなかの豪華執筆陣であり、面白い内容になっていると思いますので、ご興味おありの方は是非お読みください。

 他の特集その他もいつものように盛りだくさんです(上記リンク先の目次をご覧ください)。

 なお、次号(7月号)は、毎年恒例の消費者法白書が掲載される号ですが、今年も、独占禁止法・景品表示法の項は、私が執筆しますので、そちらもよろしくお願いいたします。もっとも、この原稿は、明日からの連休に書き上げるつもりとなっております。発行されましたら、またお知らせいたします。

2019年4月25日 (木)

コンビニの24時間営業と優越的地位濫用(独禁法)

 最近、コンビニエンスストアの24時間営業問題がマスコミなども取り上げるようになりました。

 そして、昨日(4/24)の公正取引委員会事務総長の定例記者会見では、「オーナーが契約期間中に事業環境が大きく変化したことで見直しを求めたにもかかわらず、本部が一方的に拒絶してオーナーに不利益を与えた場合、独占禁止法で禁止する優越的地位濫用にあたる可能性は排除できない」との見解が示されたとのことです。これについては、大きく報道もされており、話題となっているようですが、この事務総長のお話の内容自体は、私としては、当たり前のことを言っているものと捉えています。

 コンビニの本部(フランチャイザー)と加盟店(フランチャイジー)との間の問題については、かなり以前から問題となっており、独占禁止法違反を理由とした民事訴訟事件も少なくありません。

 また、公正取引委員会は、既に、2001年(平成13年)には、コンビニにおける本部と加盟店との取引に関する実態調査を行い、その結果を踏まえて、2002年にガイドライン「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方」が出されています。さらに、2011年(平成23年)にも、「フランチャイズ・チェーン本部との取引に関する調査報告書」が公表されています(こちらの調査対象は、コンビニだけではありませんが、回答加盟店の業態のほとんどがコンビニという結果となっています)。

→ 「フランチャイズ・チェーン本部との取引に関する調査について」(平成23年・公取委)

ただ、従来、この問題は、商品の仕入数量,商品の廃棄,商品の販売価格等に関して制限を課したり、新規事業を導入させたり、というような本部からの強制行為について問題とされてきました。見切り値引き制限行為については、かつて、公正取引委員会が、優越的地位の濫用に該当するとして排除措置命令を出したことがあります。

→ 「セブンイレブン「見切り販売制限」についての排除措置命令(公取委)」 (2009/6/22

これらの問題に比べて、今回のような24時間営業の問題が、これまであまり取り上げてこられなかったのは確かであるとしても、「フランチャイズ・システムにおける本部と加盟店との取引において、個別の契約条項や本部の行為が、独占禁止法で禁止されている優越的地位の濫用に該当するか否かは個別具体的に判断されるけれども、取引上優越した地位にある本部が加盟店に対して、フランチャイズ・システムによる営業を的確に実施するために必要な限度を超えて、正常な商慣習に照らして不当に不利益を与える場合には、本部の取引方法が優越的地位の濫用に該当する」との考え方は、公正取引委員会が従来から示してきたものです。

 

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