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2018年6月30日 (土)

法律と「消費者」

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 法律において、「消費者」がどのように規定されているか、なのですが、まず、日本国憲法には「消費者」という用語は出てきません。

 現行の法律の名称に、「消費者」が使われているのは、検索してみると、以下の7つでした(検索漏れ等があればご指摘ください。以下、同じく。)。   

  • 消費者基本法
  •    
  • 消費者契約法
  •    
  • 消費者安全法
  •    
  • 電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律
  •    
  • 消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律
  •    
  • 消費者庁及び消費者委員会設置法
  •    
  • 消費者教育の推進に関する法律

 法律の条文の中に「消費者」が出てくるのは、結構多数あるのですが、その内、「消費者庁」「消費者委員会」「消費者物価指数」「消費者団体」「消費者政策」「消費者問題」という形で出てくるものを除くと、70数件の法律に「消費者」という用語が使われていました。もっとも、ほとんどは、抽象的な意味での「消費者」ですが。

 面白いことに、消費者保護法の代表的存在といえる特定商取引法には、「消費者」という言葉は「消費者庁」「適格消費者団体」「消費者委員会」「消費者契約」という形では書かれていますが、「消費者」単体では出てこないのです。これに関連して、最後のところで触れておきます。

 また、「消費者」という言葉について、法律上、一般的な定義付けはありません。各法律ごとで定義をしているものも、下記のように少数であり、多くは、定義されないまま使用されています。
 例えば、消費者政策の核となるべき消費者基本法にも、消費者向け広告表示の一般法である景品表示法にも、「消費者」の定義は書かれていません。

 定義が条文上規定されているものと見ていくと、

消費者契約法では、   

第2条(定義)       
 この法律において「消費者」とは、個人(事業として又は事業のために契約の当事者となる場合におけるものを除く。)をいう。

 電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律(いわゆる電子契約法)では、   

第2条(定義) (2項)       
 この法律において「消費者」とは、個人(事業として又は事業のために契約の当事者となる場合におけるものを除く。)をいい、(以下略)

 消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律では、   

第2条(定義)       
 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。         
 一 消費者 個人(事業を行う場合におけるものを除く。)をいう。

(以下略)

消費者安全法では、   

第2条(定義)       
 この法律において「消費者」とは、個人(商業、工業、金融業その他の事業を行う場合におけるものを除く。)をいう。

民事訴訟法では、   

第3条の4(消費者契約及び労働関係に関する訴えの管轄権)       
 消費者(個人(事業として又は事業のために契約の当事者となる場合におけるものを除く。)をいう。以下同じ。)と(以下略)

法の適用に関する通則法も、民訴法と同じ内容です。

 こうして見ると、若干表現に違いはありますが、ほぼ同じで、まず「個人」であること、つまり、法人等の団体は除外され、また、個人であっても、事業として当事者となる場合は除外されること、が要件となっています。そのため、零細な個人事業者やマンションの管理組合などの無知につけこむ悪徳業者の行為に適用されない、という問題が出てくるわけです(救済している裁判例もありますが。)。

 なお、先に述べたように、特定商取引法には「消費者」という用語が単体としては出てこないのですが、第26条(適用除外)の1項には、   

 前三節の規定は、次の販売又は役務の提供で訪問販売、通信販売又は電話勧誘販売に該当するものについては、適用しない。

一 売買契約又は役務提供契約で、第二条第一項から第三項までに規定する売買契約若しくは役務提供契約の申込みをした者が営業のために若しくは営業として締結するもの又は購入者若しくは役務の提供を受ける者が営業のために若しくは営業として締結するものに係る販売又は役務の提供         
(以下略)

と規定されています。   
 この「前三節の規定」とは、訪問販売、通信販売、電話勧誘販売の規制です。「営業のために」「営業として」締結する売買契約等には適用されないので、結局、(若干、異なる部分はありますが)上記の他の法律とほぼ同じようなこととなるわけです。この他、特定継続的役務提供(第50条)訪問購入(第58条の17)にも同様の規定が置かれています。    
 また、業務提供誘引販売の場合は、このような適用除外規定はないのですが、第52条第58条などで、「その業務提供誘引販売業に関して提供され、又はあつせんされる業務を事業所等によらないで行う個人に限る。」という限定がなされています。ドロップシッピング裁判の時にここが争点のひとつになりました。    
 「悪質ドロップシッピング業者に対する勝訴判決(大阪地裁)」 (2011/3/25)

2018年6月 5日 (火)

「八ツ橋」老舗の創業年表示についての訴訟(不正競争防止法)

 昨日、京都銘菓「八つ橋」の老舗である井筒八ッ橋本舗が、別の老舗聖護院八ッ橋総本店の「創業元禄二年」との表示が虚偽であるとして、不正競争防止法に基づき記載の差し止めと600万円の損害賠償を求める訴訟を京都地裁に起こした、と報じられています。

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 報道によれば、井筒八ッ橋本舗は文化2年(1805年)に創業しているが、聖護院八ッ橋総本店の元禄2年(1689年)創業には根拠がないと主張されているようです。

 不正競争防止法という法律は、各種の不正競争行為を禁止する規定がおかれていて、コピー商品であるとか、営業秘密不正取得であるとか、営業誹謗行為であるとか、いろんな行為を禁止しているのですが、今回は、同法2条1項14号の誤認表示行為が問題となるものと思われます。

【不正競争防止法2条1項14号】       
 商品若しくは役務若しくはその広告若しくは取引に用いる書類若しくは通信にその商品の原産地、品質、内容、製造方法、用途若しくは数量若しくはその役務の質、内容、用途若しくは数量について誤認させるような表示をし、又はその表示をした商品を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、若しくは電気通信回線を通じて提供し、若しくはその表示をして役務を提供する行為

 こういった行為につき、競争事業者は、当該行為の中止を求めたり(差止)、損害賠償の請求ができます。また、不正の目的で行った場合には、罰則が科されることもあります。

 なお、今回同様、和菓子の製造販売事業者の間で、この不正競争行為が問題となった事例(大阪高裁平成19年10月25日判決・判例タイムズ1259号311頁)があります。これは、「元祖」表示についてです。もう10年以上前ですが、当ブログにも書いていましたので、ご紹介しておきます。さて、本件と比べていかがでしょうか。
(※ この記事中の条文番号等は当時のもので、旧13号→現14号、旧14号→現15号となっていますので、お読み替えください。)

 → 「「元祖」表示が品質表示か?の判決(不正競争)」 (2007/10/30)

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 もっとも、私の子供の頃の八ツ橋は、昔からの焼き八ツ橋だったのですが、今の人は八ツ橋といえば、生八ツ橋のことを考える人が多くなったのではないでしょうか。生八ツ橋を大々的に売り出して、今のようにメジャーにしたのは「おたべ」(株式会社美十)ですね。

2018年5月11日 (金)

メールによる取締役会招集通知の到達

 東京地判平成29年4月13日(金融・商事判例1535号56頁)および東京高判平成29年11月15日(同号63頁)は、ロッテホールディングス(以下、「ロッテH」)の取締役会決議無効確認等請求事件の一審、二審の判決(以下、併せて「本件判決」)です。

 この事案は、社会的にも注目を受け、報道もされていますが、被告(被控訴人)ロッテHの代表取締役だった原告(控訴人)が、ロッテHの取締役会においてなされた「原告を代表取締役から解職する旨の決議」は、取締役会についての原告に対する適法な招集通知が行われなかった瑕疵により無効であると主張して、この取締役会決議が無効であることの確認を求めた裁判です。

 結果は一審、二審とも、取締役会決議は有効として、原告の請求を認めませんでした。

 ただ、本件判決では、この取締役会の招集手続において、原告に対する招集通知を欠いており、法令違反だとしました。それにもかかわらず、裁判所が決議を無効としなかったのは、仮に原告が取締役会に出席しても、決議の結果に影響がないと認めるべき特段の事情があるから、通知を欠いたという法令違反は、決議の効力に影響がなく、決議は有効であるとしたものです(これは従来の最高裁の考え方です。)。

 ここでは、取締役会招集通知が行われたか否か、という争点について、見ていきたいと思います。

 本件判決の認定事実によれば、ロッテHは、この招集通知を、原告を含む各取締役に対し、メール送信によって行いました。しかし、原告は、自らパソコンを操作することはなく、原告のロッテH社内におけるパソコンは、秘書室において管理されており、原告に割り当てられていたメールアドレス宛てに電子メールが送信されることはなく、秘書室も、この原告アドレスの受信状況を確認することはなかったようです。そして、通知メール送信当時の原告が、このアドレスに取締役会の招集通知が送信されることを予期し得たというべき事情はうかがわれない、と認定されています。また、このメールの送信日時は、平成27年7月27日午後11時23分で、取締役会開会は翌日28日午前9時30分と、その間隔が非常に短く、かつ、深夜のメール送信でした。

 このような通知メールの送信が適法な招集通知といえるか、というのが問題となります。(なお、法律的には、招集通知は「意思表示」か否か、という面倒な論点もありますが、ここでは踏み込みません。)

 意思表示の到達について、最高裁は、「意思表示の到達とは、相手方が意思表示を了知し得べき客観的状態を生じたことを意味すると解されている。すなわち、意思表示が相手方にとって了知可能な状態におかれたこと、換言すれば意思表示が相手方のいわゆる支配圏内におかれたことをいうと解される」としています(最判平成10年6月11日、最判昭和43年12月17日、最判昭和36年4月20日)。なので、実際に手紙に書かれている内容を読んでいなくても、自宅のポストに郵便が投函された時点で、意思表示が到達した、と考えるわけです。これらの判決の事案は、もちろん電子メールによる意思表示ではありません。

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 本件一審判決は、上記の最高裁判決を踏襲したうえで、上記のようなメール送信の実態では、「本件メールが上記アドレスに係るメールサーバに記録されたことをもって、原告の了知可能な状態に置かれた(支配圏内に置かれた)ということはできない。その他、本件メールの内容が原告の了知可能な状態に置かれたものと評価すべき事実は見当たらない。」としました。さらに、上記のように、通知メール(深夜)から取締役会開会(翌朝)までの「間隔が非常に短く、かつ、深夜のメール送信であって、メールを確認して当該会議への対応を検討するための時間的余裕がほとんどないこと等をも考慮すると、実質的に見ても、原告に対し本件取締役会の招集通知がされたと評価することは困難である。」として、原告に対する取締役会招集通知がされたということはできず、招集手続には法令違反の瑕疵があるとしたものです。

 もし、この招集通知メールが、原告が普段使っているアドレス宛に送られたというような場合であれば、原告がメールを見ていなくても、原告のメールサーバーに記録された時点で通知が到達した、と見られることになると思いますが、それにしても、ちょっと開催までの間隔は短すぎますので、その点は、通知の到達の問題と別に検討されなければならないと思います。

【参 考】

経済産業省「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」(平成29年6月改訂)3頁~

2018年3月 3日 (土)

徳島市が徳島市観光協会の破産手続開始を申し立てる

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 昨日(3/2)、徳島市が、阿波おどりを主催する徳島市観光協会の累積赤字が膨らんだことを理由として、同協会の破産手続の開始を徳島地裁に申し立てたことが報道されています。徳島市観光協会は、地元の徳島新聞社と共に阿波おどりを主催する公益社団法人です。

 観光協会破産手続の開始を申し立てるというのは異常な事態だと思いますけれども、阿波おどりの運営をめぐる、徳島市徳島市観光協会徳島新聞社の3者間での問題は以前から時々マスコミなどでも取り上げられています。

 たとえば、   

  •  「阿波おどりの運営を巡るトラブルで辞職を迫られたとして、徳島市観光協会の近藤宏章会長が16日、公務員職権乱用の疑いで、同市の遠藤彰良市長に対する告発状を徳島地検に提出した。予備的に強要容疑の告訴内容も含めている。」(2017/3/16産経)      
  •    
  •  「この夏、「阿波おどり」に中止の危機 徳島の地元財界は大騒ぎ!」(2017/6/3現代ビジネス〔週刊現代サイト〕)    
  •    
  •  「徳島市の阿波踊り(8月12~15日)で演舞場の設営工事や入場券販売に関する事務が実行委の定める要領に従わずに行われているとして、徳島市の岡孝治市議が事務処理の停止を求めていた仮処分命令の申し立てについて、徳島地裁が25日までに「(停止する)理由がない」と却下する決定を出したことがわかった。徳島地裁はこの日までに、阿波踊りを主催する市観光協会徳島新聞社などの関係者に決定を送達した。」(2017/7/26毎日)      
  •    
  •  「徳島市の阿波踊りで長年続いている累積赤字解消に向け、市は21日、主催者の市観光協会へ地方自治法に基づく調査に入った。市職員や弁護士、公認会計士らが22日まで、徳島市の阿波おどり会館内にある協会事務局から資料の提供を受け、収支の疑問点がないか調べる。」(2017/11/22毎日)      
  •    
  •  「公益社団法人徳島市観光協会(近藤宏章会長)は1日、現在協会が担っている阿波おどり会館(徳島市)などを運営する次期指定管理候補者に、徳島新聞社などが選定されたことが協会に損害を与えるとして、同社社長ら2人を特別背任の疑いで徳島地検に告訴した。」(2017/12/2毎日)      
  •    
  •  「市から委託を受け、協会の累積赤字について調べていた調査団は5日に市に提出した報告書で、協会内部で赤字解消策が議論された形跡がほとんどないことなどを指摘。協会が阿波踊り事業を続けることが「極めて困難」などとした。」(2018/2/8徳島新聞)    
  •    
  •  「徳島市の阿波踊りに多額の累積赤字が発生している問題で、市は9日、主催者の一つの市観光協会に対し、清算手続きに入るよう求める通知を出した。市は本年度、協会が金融機関から借り入れた4億3600万円の損失補償をしており、年度内に協会が返済できなくなれば市が負担しなければならない恐れがある。このため、保有する財産が減る前にできる限り返済に充ててもらうとしている。」(2018/2/9徳島新聞)

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 こう見てくると、何がどうなっているのか、外部からはさっぱりわかりません。上にもあるように、徳島市は外部の弁護士、公認会計士、学者4名による「阿波おどり事業特別会計の累積赤字の解消策等に関する調査団」に調査をさせており、その調査報告書が今年2月5日付けで出されています。簡単に言うと、徳島市観光協会が多額の累積赤字を解消しつつ、阿波おどり事業を継続していくことは困難であることを指摘していますね。

 → 「阿波おどり事業特別会計の累積赤字の解消策等に関する調査報告書について」 (徳島市サイト)

2018年2月25日 (日)

「ライブ講義 弁護士実務の最前線 vol.1」(法友全期会編・LABO刊)

 東京弁護士会法友全期会が出された「ライブ講義 弁護士実務の最前線 vol.1」を発行所のLABOさんからご恵贈いただきました。

 法友全期会というのは東京弁護士会所属の弁護士たちの会派のひとつですが、そこが平成29年度に開催された会員向け講演会の講演録を出版されたもので、4つの講演で、講師はいずれも弁護士です。それぞれ、そのテーマに最適といえる弁護士が講師となっていますね。また、講演録ですので、コンパクトにまとまっていますし、読みやすく編集されています。

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 内容は、

 1「GPS捜査の最前線」 弁護士 亀石 倫子

 2「メンタルヘルス×労働審判への対応」 弁護士 竹花 元

 

 3「平成26年改正会社法と最近の議論状況
          ~ガバナンスを中心として」 弁護士 深山 徹

 4「システム開発紛争の取扱い」 弁護士 伊藤雅浩

となっていて、どれも時宜にかなったテーマかと思います。

 私は昨年、このうち、亀石弁護士は京都大学での情報法セミナー、伊藤弁護士は名古屋大学での情報ネットワーク法学会で、それぞれ同テーマでの講演を拝聴しておりますので、私にとっては、その時の講演の講演録ともいえます。
 亀石弁護士「GPS端末を車に『ピチョ』っと付ける」というフレーズを私は気に入っているのですが、この本にはその表現は見当たりませんでした。編集者が無粋にも削ったのかもしれません(微笑)

 弁護士向けの講演ではありますが、企業法務で上記問題の対応にあたっておられる方やロースクール生などにも読んでいただける一冊だろうと思います。

2018年2月24日 (土)

「RikaTan」2018年4月号(ニセ科学特集)に寄稿しました。

 「RikaTan」(リカタン・理科の探検)という雑誌は、毎年、ニセ科学特集をやっていて、昨年(2017年)4月の特集については、当ブログの記事でもご紹介しました。

  → 「「RikaTan」4月号(ニセ科学特集)を読む」 (2017/3/10)

 そして、今年の「RikaTan」4月号(2/26発売) もニセ科学特集になっています。

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 特集の内容は以下の通りで、私も書かせていただきました(「他者への批判的な表現行為と名誉棄損 比嘉氏vs朝日新聞訴訟判決の紹介と併せて」。ニセ科学特集とはちょっとずれてるかな、という気がしないでもないのですが、あまり気にせずよろしくお願いします。特集以外の内容(この記事冒頭のリンク先で全体の目次が読めます。)もなかなか面白いですので、ご興味のお有りの方は是非お読みください。

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2018年2月14日 (水)

改正民法(債権法)と「催告後の債務承認」

 このブログを開設したのは2006年7月ですが、ろくに記事も書かずにいて、再発進したのが2007年1月からです。いつのまにか11年になりました。
 当初はネットでブログを読む人もそんなにおらず、政治的なことも含めて言いたい放題を書いてましたが、途中で、さすがにマズいと思い、あまりに問題ありそうな記事は削除しております(苦笑)

 さて、当初の2017年の3月から6月にかけて、「時効談義」として、番外編含めて11本の記事を書きました。もっぱら民事の消滅時効の話ですが、刑事の時効の話も混ざっています。

 御存じのように、民法(債権法)の大改正が昨年の国会で成立し、再来年2020年4月に施行されることとなっています。この改正民法では、消滅時効の部分も大きく改正されることとなりました。そうなると、この「時効談義」の内容も古くなってしまいます。もちろん、昔の記事は、内容が古くなったり、場合によっては、改正や新しい判例が出たりして、現時点では不正確ということは、他の場合でもありますし、いちいち全部修正することはできませんけども、この「時効談義」については、少しずつでも改正の点を解説していこうかと思っております(順不同に、のんびりと、です。)。

 で、その第1段です。


「催告後の債務承認と民法153条(時効談義:その9)」 (2007/5/23)について。

 詳しくは読んでいただくとして、要するに、現行民法153条により、債務の履行を請求(「督促」)しておれば、6ヶ月間は消滅時効期間が延びる形となるけれども、その間に、裁判等の手続をすることが必要となっているが、裁判等ではなくて、債務者の債務承認では駄目なのか、という問題について、条文の説明と大阪高裁の判決を紹介したものです。大阪高裁は、承認でもいいとし、最高裁も上告受理申立を不受理としました。

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 したがって、民法の規定の文言上はちょっと違う形になるわけですが、この点を今回の民法改正でどのように変わったかといいますと、結論的には、上記判決と同様に承認でもいい、ということになりました。

 なお、現行民法消滅時効の「中断」は、改正民法では、「完成猶予」「更新」というものに置き換わっていて、ここは大きな改正点ですが、これについては、また別の機会に書きます。

 まず、現行民法153条は、「催告は、6箇月以内に、裁判上の請求、支払督促の申立て、和解の申立て・・(中略)・・をしなければ、時効の中断の効力を生じない。」となっていて、この裁判上の請求などの列挙事由に債務承認が入っていなかったことから、上記の裁判のような争点が出てきたわけです。

 しかし、改正民法150条1項では、「催告があったときは、その時から6箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。」としているだけですので、この6箇月の間に、債務者による債務承認があれば、消滅時効期間は「更新」(現行民法の「中断」)されることになります(改正民法152条1項参照)。

 つまり、規定の明文上からも、この問題は解決されたことになったものですね。

2018年1月16日 (火)

web雑誌「国民生活」2018/1月号(国民生活センター)

 国民生活センターのweb情報誌「国民生活」の1月号がサイトにアップされています。

   → 「国民生活」(国民生活センター)

 今号の特集は、 「シェアリングエコノミーと消費生活」で、内容は以下の通りです(リンク先はPDF)。   

 その他の記事は以下の通りです。

 消費者問題アラカルト   

 新 インターネットと上手につき合う   

 賃貸住宅の基礎知識-入居から原状回復まで-   

 消費生活相談に役立つ社会心理学   

 海外ニュース   

  • 海外ニュース(2018年1月号)      
            
    • [イギリス]バイナリ-オプション詐欺
    •        
    • [香港]海外でレンタカーを利用する際の注意
    •        
    • [ドイツ]日本製の電子ピアノに高い評価
    •        
    • [オーストリア]バスマティ米(香り米)等のヒ素は基準値内
                    【執筆者】安藤 佳子、岸 葉子

 消費者教育実践事例集   

 明治時代の生活に学ぶ   

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 誌上法学講座

2017年12月 6日 (水)

NHK受信契約締結義務に関する最高裁大法廷判決

 ニュース報道でご承知のように、本日、NHK受信料に関する最高裁大法廷判決がありました(平成26(オ)1130 受信契約締結承諾等請求事件).。

 受信契約を拒否している者に対して、NHKが受信契約は成立しているとして、受信料の支払いを求めていた裁判で、被告は、受信設備(テレビ)設置者に受信契約の締結を強制する放送法の規定は、憲法違反(13条、21条、29条)であるなどとして争っていた裁判です。

 この裁判の1審、2審は、NHKの主張を概ね認め、被告に対して受信料の支払を命じていました。

 そして、本日、最高裁大法廷は、憲法違反ではない、として、被告の上告を棄却しました。なお、受信契約の成立時期に関する原審判決の判断については、NHKも不服として上告していましたが、こちらの上告も棄却されています。

 大法廷判決多数意見は、   

  1. 放送法による受信契約の強制は憲法違反ではない
  2. 受信契約の承諾の意思表示を命ずる判決の確定により受信契約が成立し、それに基づき、受信設備の設置の月以降(つまり遡る)の受信料債権が発生する 
  3. 受信料債権(契約成立後に履行期が到来するものを除く)の消滅時効は、受信契約成立時(つまり判決確定時)から進行する

 というものです。NHKとしては、わざわざ裁判をしなくてはいけない、という負担は負うものの、遡って受信料債権が発生するうえ、判決確定までは消滅時効期間も進行しない、ということになり、非常に有利な結果といえます。

 この判決に関しては、4名の裁判官の補足意見が付されているほかに、15名の裁判官の内、唯一、木内道祥裁判官による反対意見が述べられています。木内裁判官は、大阪弁護士会の弁護士出身の最高裁判事です。

 この木内反対意見は、   

  1. 放送法の契約成立義務の規定は、意思表示を命ずる判決を求めることのできる性質のものではない
  2. そう考えても、契約締結義務を拒否する者に対して損害賠償責任や不当利得返還義務による追及は可能である

というものです。木内反対意見の全文を下に貼り付けておきましたので、長文ではありますが、興味のある方は是非お読みください。

〔裁判官木内道祥の反対意見〕  
 私は,放送法64条1項が定める契約締結義務については,多数意見と異なり,意思表示を命ずる判決を求めることのできる性質のものではないと解する。以下,その理由を述べる。   

1 意思表示を命ずる判決をなしうる要件   
(1) 意思表示の内容の特定 

 判決によって意思表示をすべきことを債務者に命ずるには,その意思表示の内容が特定されていることを要する。契約の承諾を命ずる判決が確定すると,承諾の意思表示がなされたものとみなされて契約が成立することになるが,1回の履行で終わらない継続的な契約においては,承諾を命じられた債務者は判決によってその契約関係に入っていくのであるから,承諾によって成立する契約の内容が特定していないまま,判決が債務者の意思表示の代行をなしうるものではない。   

(2) 意思表示の効力発生時期   
 判決が命じた意思表示の効力発生時期が判決の確定時であることは,民事執行法174条が定めており,これと異なる効力発生時期を意思表示を命ずる判決に求めることはできない。   

2 放送受信規約の定める受信契約の内容   
 放送法は受信契約の内容を定めておらず,原告の定める放送受信規約がその内容を定めている。そのことの当否は別として,放送受信規約の定める受信契約の内容は,次のようなものである。   

(1) 受信契約の種別と受信料(第1条第1項,第5条)   
 受信契約には,3つの種別があり,1の受信契約につき,その種別ごとの受信料が定められている。   

(2) 受信契約の単位(第2条)   
 受信設備が設置されるのが住居であれば,世帯が契約単位であり,1世帯で複数住居なら,住居ごとが単位となる。世帯とは,住居および生計をともにする者の集まり,または,独立して住居もしくは生計を維持する単身者である。   
 事務所等の住居以外の場所に設置される受信設備については,設置場所が契約単位であり,設置場所の単位は,部屋,自動車などである。   
同一世帯の1の住居に受信設備が何台あっても,契約は1,受信料も1であり,住居以外の場所では1の設置場所に受信設備が何台あっても,契約は1,受信料も1である。   

(3) 受信契約書の提出義務(第3条)   
 受信設備を設置した者は,遅滞なく,①設置者の氏名及び住所,②設置の日,③受信契約の種別,④受信できる放送の種類及び受信設備の数などを記載した受信契約書を原告に提出しなければならない。   

(4) 受信契約の成立(第4条第1項)   
 受信契約は受信設備の設置の日に成立するものとする。   

(5) 受信契約の種別の変更(第4条第2項)   
 受信契約の種別の変更については,受信設備の設置による変更は設置の日に,受信設備の廃止による変更は,その旨を記載した受信契約書の提出の日に,原告の確認を条件として,変更される。   

(6) 受信料支払義務の始期と終期(第5条第1項)   
 受信契約者は,受信設備の設置の月から解約となった月の前月まで,受信料を支払わなければならない。   

(7) 受信契約の解約(第9条第1項,第2項)   
 受信設備を廃止すると,受信契約者は,その旨の届出をしなければならない。原告が廃止を確認できると,届出があった日に解約されたものとする。   

3 放送受信規約の定めと意思表示を命ずる判決をなしうる要件の関係   
(1) 放送受信規約による契約内容の特定
   
 受信契約の承諾を命ずる判決には,承諾の対象となる契約の内容の特定が必要なところ,判決主文において明示するか否かを問わず,判決の時点における放送受信規約を内容とする受信契約の承諾を命ずることになる。そこで,放送受信規約の定めが,それ自体として,契約内容を特定するものとなっているのか否かが問題となる。   

(2) 放送受信規約による契約内容   
 放送受信規約は,受信設備設置者が設置後遅滞なく前記2(3)の事項が記載された受信契約書を提出して受信契約が成立することを前提としている。そのようにして受信契約が締結される限り,受信契約が受信設備設置時に遡って成立すると合意することは可能であり,1世帯に複数の受信設備があり,受信設備の種類が異なっていても,提出された受信契約書の記載によって,契約主体,契約の種別を特定することは可能である。
 他方,以下の①~③で示されるとおり,判決によって受信契約を成立させようとしても,契約成立時点を受信設備設置時に遡及させること,また,判決が承諾を命ずるのに必要とされる契約内容(契約主体,契約の種別等)の特定を行うことはできず,受信設備を廃止した受信設備設置者に適切な対応をすることも不可能である。   

① 契約の成立時点と受信料支払義務の始点   
 意思表示を命ずる判決によって意思表示が効力を生ずるのは,民事執行法174条1項により,その判決の確定時と定められている。承諾を命ずる判決は過去の時点における承諾を命ずることはできないのであり,承諾が効力を生じ契約が成立するのは判決の確定時である。したがって,放送受信規約第4条第1項にいう受信設備設置の時点での受信契約の成立はありえない。   
 受信料債権は定期給付債権である(最高裁平成25年(受)第2024号同26年9月5日第二小法廷判決・裁判集民事247号159頁)が,定期給付債権としての受信料債権を生ぜしめる定期金債権としての受信料債権は,受信契約によって生じ,その発生時点は判決の確定時である。受信契約が成立していなければ定期金債権としての受信料債権は存在せず,支分権としての受信料債権も生じない。したがって,放送受信規約第5条にいう受信設備の設置の月からの受信料支払義務の負担はありえない。   

② 契約の主体と受信契約の種別の変更   
 同一の世帯に夫婦と子がいる場合,放送受信規約第2条は,住居が1である限り,受信設備が複数設置されても受信契約は1とするが,夫婦と子のそれぞれが受信設備を設置しあるいは廃止すると,判決が承諾を命ずるべき者が誰なのかは,不明である。それぞれが設置した受信設備の種類が異なる場合,判決が承諾を命ずる契約の種別が何なのかも,不明である。   

③ 受信設備を廃止した受信設備設置者との関係   
 承諾を命ずる判決は,過去の時点における承諾を命ずることはできないのであるから,現時点で契約締結義務を負っていない者に対して承諾を命ずることはできない。受信契約を締結している受信設備設置者でも,受信設備を廃止してその届出をすれば,届出時点で受信契約は解約となり契約が終了する(放送受信規約第9条)ことと対比すると,既に受信設備を廃止した受信設備設置者が廃止の後の受信料支払義務を負うことはありえない。仮に,既に受信設備を廃止した受信設備設置者に対して判決が承諾を命ずるとすれば,受信設備の設置の時点からその廃止の時点までという過去の一定の期間に存在するべきであった受信契約の承諾を命ずることになる。これは,過去の事実を判決が創作するに等しく,到底,判決がなしうることではない。   
 原告が受信設備設置者に対して承諾を求める訴訟を提起しても,口頭弁論終結の前に受信設備の廃止がなされると判決によって承諾を命ずることはできず,訴訟は受信設備の廃止によって無意味となるおそれがある。   

4 財源としての受信料の必要性と放送法64条の関係   
 放送法の制定当時においても民事訴訟法736条が現行の民事執行法174条と同様の意思表示を命ずる判決を定めていたのであるから,放送法の制定にあたって,同法に定める受信契約の締結義務を,意思表示を命ずる判決によって受信契約が成立するものとし,それによって受信料を確保するものとする動機付けは存したかもしれないが,そのことと,実際に制定された放送法の定めが,受信契約の締結を判決により強制しうるものとされているか否かは,別問題である。   
 受信契約の内容は放送受信規約によって定められ,その規約による受信契約の条項は電波監理審議会の諮問を経た総務大臣の認可を経ているのであるから,放送受信規約は放送法64条1項の趣旨を具体化したものとなっていると解されるが,その規約の内容が,判決によって承諾を命ずることができるものにはなっておらず,かえって,任意の契約締結を前提とするものとなっていることは,前項で述べたとおりであり,放送法64条1項は判決により受信契約の承諾を命じうる義務の定め方をしていないのである。   

5 判決によって成立する受信契約が発生させる受信料債権の範囲    
 多数意見は,受信設備の設置の月以降の分の受信料債権が発生する理由を,受信契約の締結を速やかに行った者と遅延した者の間の公平性に求めるが,これは,受信契約が任意に締結される限り受信料支払義務の始点を受信設備設置の月からとすることの合理性の理由にはなるものの,放送法の定めが判決が承諾を命じうる要件を備えたものとなっていることの理由になるものではない。   
 契約の成立時を遡及させることができない以上,判決が契約前の時期の受信料の支払義務を生じさせるとすれば,それは,承諾の意思表示を命ずるのではなく義務負担を命ずることになる。これは,放送法が契約締結の義務を定めたものではあるが受信料支払義務を定めたものではないことに矛盾するものである。   

6 受信料債権の消滅時効の起算点   
 多数意見は,判決により成立した受信契約による受信料債権の消滅時効の起算点を判決確定による受信契約成立時とし,任意の受信契約の締結に応じず,判決により承諾を命じられた者は受信料債権が時効消滅する余地がないものであってもやむを得ないとする。   
 受信設備設置者は,多数意見のいうように,受信契約の締結義務を負いながらそれを履行していない者であるが,不法行為による損害賠償義務であっても行為時から20年の経過により,債権者の知不知にかかわらず消滅し,不当利得による返還義務であっても発生から10年の経過により,債権者の知不知にかかわらず消滅することと比較すると,およそ消滅時効により消滅することのない債務を負担するべき理由はない。   

7 放送法の契約締結義務の私法的意味   
 放送法64条1項の定める受信契約の締結義務が判決により強制できないものであることは,なんら法的効力を有しないということではない。   
 受信契約により生ずる受信料が原告の運営を支える財源であり,これが,原告について定める放送法の趣旨に由来することから契約締結義務が定められているのであるから,受信設備を設置する者に受信契約の締結義務が課せられていることは,「受信契約を締結せずに受信設備を設置し原告の放送を受信しうる状態が生じない」ことを原告の利益として法が認めているのであり,この原告の利益は「法律上保護される利益」(民法709条)ということができる。受信契約の締結なく受信設備を設置することは,この利益を侵害することになり,それに故意過失があれば,不法行為が成立し,それによって原告に生ずる損害については,受信設備設置者に損害賠償責任が認められると解される。   
 同様に「受信設備を設置し原告の放送を受信しうる状態となること」は,受信設備設置者にとって,原告の役務による利益であり,受信契約という法律上の原因を欠くものである。それによって原告に及ぼされる損失については,受信設備設置者の不当利得返還義務が認められると解される。

2017年10月24日 (火)

ベネッセ個人情報流出事件 最高裁が差し戻し判決

 ベネッセの個人情報流出事件に関して、自分の個人情報が流出したとして、ベネッセに対し、損害賠償を求めた事件について、昨日(10/23)最高裁で判決がありました。

 判決内容は、請求を棄却した大阪高裁判決を取り消して、高裁に差し戻す、というものでした。
 最高裁は、 「原審は,上記のプライバシーの侵害による上告人の精神的損害の有無及びその程度等について十分に審理することなく,不快感等を超える損害の発生についての主張,立証がされていないということのみから直ちに上告人の請求を棄却すべきものとしたものである。そうすると,原審の判断には,不法行為における損害に関する法令の解釈適用を誤った結果,上記の点について審理を尽くさなかった違法があるといわざるを得ない。 」 としました。
 これは、不快感や不安を超える損害がなければ損害とならない、とした高裁の判断を誤り、として、損害について審理をやりなおすように命じたものです。

 → 判決文(裁判所サイト)

 従前、個人情報大量流出事件についての被害者らからの損害賠償請求の事件として有名なのは、次の3事件です。   
 これらの事件は、いずれも、個人情報保護法施行以前に起こった情報流出に関するものです。なお、個人情報保護法自体には、情報流出についての損害賠償責任などの民事的責任が定められた規定はありません。したがって、こういった場合、通常は、民法上の不法行為、もしくは債務不履行責任の問題になります。

 ◎宇治市住民基本台帳データ流出事件
    京都地裁 13.2.23.(慰謝料1万、弁護士費用5千円)
    大阪高裁 13.12.25.(控訴棄却)
    最高裁 14.7.11.(上告不受理)

 ◎TBC事件
    東京地裁 19.2.8.
      (慰謝料1万7千円(1名)、3万円(13名)、弁護士費用5千円)
    東京高裁 19.8.28.(控訴棄却)
 ◎ヤフーBB情報漏洩事件
    大阪地裁 18.5.19.(慰謝料5千円、弁護士費用1千円)
    大阪高裁 19.6.21.(地裁判決から既払500円を減額)
    最高裁 19.12.14.(双方からの、上告棄却 上告不受理)

 この内、最後のヤフーBB事件は、私も弁護団に所属していましたので、当ブログにも判決に関していくつかの記事を書いています。高裁判決の時の記事をリンクしておきます。そこから、いくつかの記事にリンクしてますので、興味のある方はお読みください。

   → 「ヤフーBB個人情報漏洩事件控訴審判決(大阪高裁)」 (2007/6/21)

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