カテゴリー「経済・政治・国際」の58件の記事

2008年7月 6日 (日)

フランチャイズ加盟店の当然の権利ではないかな

 さて、金曜日にご紹介したコンビニのフランチャイズに関する最高裁判決なのですが、これは結構、この手の問題には大きな意味を持つと思います。
 コンビニ加盟店側が要求しても、運営会社(セブン-イレブン・ジャパン)が出さなかった仕入業者との取引内容を出せ、というのですから、今回、裁判をしていた原告の加盟店だけではなく、また、セブンイレブン以外や、コンビニ以外でも、フランチャイズ加盟店の皆さんで、このようなことに不審を持っている方は、同じような権利があると、堂々と言えることになるかもしれません。こういった問題に詳しい弁護士さん(もちろん、フランチャイズ運営会社側で詳しい弁護士さんだと、まずいでしょうけどね)に相談されたらいいのではないかと思います。

 もし(もしもの話ですよ)、加盟店に仕入金額として請求して支払を受けていながら、実は、本来の仕入金額と違う金額を請求されていたというのであれば、運営会社の詐欺的な行為という評価もされかねないことになります。本当は支払っていない仕入金額を堂々と加盟店に請求して支払わせているのであれば、問題ですね。
 今回の最高裁判決は当然のことを当然に、加盟店に報告するように認定したものです(はっきり言って、東京高裁の判決は何を考えていたのでしょうか?)。運営会社側も、正直に請求していて、何も隠す必要のないことならば、そんな当然のことの報告について、わざわざ裁判で争ってまで、一生懸命拒否する必要があったのでしょうか。。。隠す必要がなければ、仕入先との請求書と領収書くらいは、出せばよさそうなもんですが。

 この問題は別にしても、フランチャイズの加盟店との契約は、独占禁止法や中小小売商業振興法などについての様々な問題があります。フランチャイザー(本部・運営会社側)とフランチャイジー(加盟店側)の契約については、独占禁止法上の優越的地位の濫用や抱き合わせ販売などの問題もありますし、当初の契約勧誘の場面でのいろいろな法的問題もあります。

 今日は、これくらいにしときますが、この事件については、注視していきたいですね。なお、フランチャイズ契約については、民法の中に規定を置くということも債権法改正方針の中で検討されているようです。

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2008年4月29日 (火)

「租税特別措置法」と「酒税法(^^;)」

 GW連休ですね、しつこく酒税の話題です。最初は、問題となってるガソリンの話ですが、最後には酒税法に行き着きます。。。マクラのほうが長いけど。

 さて、「租税特別措置法」は、ガソリンの税金だけじゃなく、各種の税法の特例法で、その趣旨は、1条に書かれています。
「当分の間、所得税、法人税、相続税、贈与税、地価税、登録免許税、消費税、酒税、たばこ税、揮発油税(中略)その他の内国税を軽減し、若しくは免除し、若しくは還付し、又はこれらの税に係る納税義務、課税標準若しくは税額の計算、申告書の提出期限若しくは徴収につき、」所得税法や法人税法、相続税法、酒税法など各種の税法の特例を設けることについて規定する法律ということになっています。

 この法律第6章(消費税法等の特例)第3節(88条の5~90条の3)「揮発油税法 及び地方道路税法 の特例」となっていて、今問題のガソリンの税金について特例が定められています。
 そして、ここの89条(揮発油税及び地方道路税の税率の特例)2項には、
「平成5年12月1日から平成20年3月31日までの間に揮発油の製造場から移出され、又は保税地域から引き取られる揮発油に係る揮発油税及び地方道路税の税額は、(中略)揮発油1キロリットルにつき、揮発油税にあつては48600円の税率により計算した金額とし、地方道路税にあつては5200円の税率により計算した金額とする。 」
とあって、今年3月末までの期限ですが、これを延長する政府案が期限までに可決できないため、4月からガソリン代の「ハッピー・エイプリル」状態が出現したものです。

 ところで、今回の「租税特別措置法」の改正は、「所得税法等の一部を改正する法律案」(以下、改正法案)の一部に規定され(→「法律案要綱」財務省サイト)、所得税法など他の税法改正と一体の形となっているため、「租税特別措置法」関係以外の改正部分も進まない形となります。(3月末で期限をむかえた他の税金についてまで混乱することを避けるため、「 国民生活等の混乱を回避するための租税特別措置法の一部を改正する法律」などが成立して最低限の応急手当がなされています。 )

 そして、この改正法案には、酒税法自体の改正も、その中に入っていて、改正法案87条の8「みなし製造の規定の適用除外の特例」です。
 これが、下記の関連記事に関係する改正部分ということになります。
 これは酒税法43条の適用除外を定めるもので、「酒場、料理店その他酒類を専ら自己の営業場において飲用に供することを業とする者がその営業場において飲用に供するため」、自分の店(営業場)で蒸留酒類と他の物品との混和をする場合については適用しない、とされていて、北海道ニセコのペンションのような自家製梅酒の提供事例は適法とする改正が考えられていたわけですが、現時点では、この部分の改正もガソリンと道連れとなっており、いまだに実現していません。
【追記】(4/30)
 本日午後、衆議院にて、再可決され、改正法案が成立したようですね。ガソリンなどの税率上げについては、5/1からすぐj実施という報道です。

【追記の追記】(5/2)
 上記の酒税法43条(みなし製造)の特例については、公布日(4/30)から適用されるとされています。
 なお、今回の改正法案成立による全体の各改正点の内容等については、財務省および国税庁のサイトでご覧ください。
 酒税法43条の関係については、国税庁サイトのQ&Aに、上記の新規定の説明がもう載っていました。これを見ると、この例外規定の適用を受けたい事業者は、税務署に開始申告書を提出しないといけないようですね。
  → 国税庁サイト お酒についてのQ&A「自家醸造」

〈関連記事等〉
 → 「酒の製造・販売免許制度と果実酒」(07/5/16)
 → 「船場吉兆の梅酒製造販売と酒税法」(07/12/25)
 → 春陽法律事務所HP法律コラム(08/02)
    「梅酒を造ったり、飲ませたり、の違法性」

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2008年4月25日 (金)

「消費者庁」創設の首相表明

 4月23日、福田首相「消費者庁」創設を表明しました。
 また、25日午前の閣僚懇談会では、、「消費者庁」の創設について「創設の趣旨を踏まえ、各省庁の立場を超えて取り組んでもらいたい」と述べ、官僚側の抵抗排除に向けて各閣僚に指導力の発揮を求めた、とのことです(共同配信記事)。
 → 首相官邸HP「消費者庁(仮称)の創設に向けて」
 → 主張官邸HP「消費者行政推進会議」

 これに対して、4月23日付で日本弁護士連合会(日弁連)の会長談話が出されています。
 → 日弁連サイト「消費者庁(仮称)創設に関する会長談話」
 この会長談話では、「・・・消費者庁を創設し、消費者行政全般についての司令塔として位置づけること、消費者に身近な問題を取り扱う法律は消費者庁に移管すること、すき間への対応や被害者救済を視野に入れた新法の検討を進めること、地方消費者行政を強化することなどを明確にし、国民目線の消費者行政への転換の姿勢を打ち出したことは、高く評価できるものである。」としています。
 日弁連では、5月15日夜に日弁連会館2階講堂にて、シンポジウム「安全をめぐる消費者行政の問題点と消費者庁のあり方」を開催します。このシンポジウムは、食品安全・製品安全の現状と問題点を明らかにするとともに、「消費者庁」において取り組むべき課題等について公開の場で議論し、消費者行政推進会議の最終取りまとめに反映させたいとして開催されるものです。
 → 日弁連シンポジウム
    「安全をめぐる消費者行政の問題点と消費者庁のあり方」

 一方、民主党は、この自民党案に対抗して、「消費者保護官法案」を今国会に提出する予定としています。これは、消費者の権利を守る役割を担う保護官を内閣から独立した形で新設し、各省庁が持つ強制調査権限を行使するよう勧告する権限を持たせるなど、首相に準じた権威を持つ役職とするという制度を考えているようです。

 なお、消費者庁については、このブログでも、最近、次のような記事を書いています。
 → 「『消費者庁』の創設を求める意見書と緊急集会(日弁連)」(2/15)
 → 「消費者庁設置:自民党調査会決定と首相意向表明」(3/20)

(関連リンク)
仙台弁護士会「消費者が主役の消費者行政新組織の実現を求める会長声明」(4/23)

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2008年4月21日 (月)

総務省サイトのリニューアル

 何だか、今日も別の所から、某雑誌についての古い記事の紹介記事が続いて、そっちへの訪問が続いているようですが、それはそれとして、というか、その隙にひまつぶしを。。。

 本日総務省の公式サイトがリニューアルしてました。このサイトは以前から、日本標準時がトップページに出ていて、時計合わせに便利です(微笑み →※1)。
 ここは、前まで、他の官庁のサイトに比べて立ち上げるのが重かったのですが、軽くなったようですね。総務省は広範囲の業務を行っているので、どうしても重いのかな、と思ってましたが、改善されたようです。

 この総務省サイトにもある同省のキャッチフレーズは、
  「実はここにも総務省」  です。

 これを見て思い出したのが、破綻した石川銀行のキャッチフレーズです。
  「用もないのに石川銀行」

 あっ、別に総務省のキャッチフレーズにけちを付けてる訳では絶対にないですよ。何の脈絡もなく思い出した、というだけです。気を悪くなさらないで下さい。
 なお、経済産業省のサイトも最近リニューアルされてますね。

※1
 自分のパソコンの時刻合わせをしようとして、この画面上の日本標準時に、パソコンの内蔵時計を合わせて適用すると、画面上の日本標準時も同じ分だけずれてしまいますので、ご注意を。内蔵時計の時刻合わせが完了したら、総務省サイトの画面を更新すれば、サイト画面上の時計も正しい時刻に変わります。

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2008年3月20日 (木)

消費者庁設置:自民党調査会決定と首相意向表明

 昨日(3/19)、自民党消費者問題調査会(野田聖子会長)が、消費者行政を一元化する新組織に関する最終とりまとめを決定しました。

 この「消費者庁」の設置を骨とするとりまとめについては、福田首相も前向きな考えを示した模様です。
 このとりまとめによれば、消費者担当大臣を置いて、国民生活センターを消費者庁に移管するなどとなっているようです。

 ところで、公正取引委員会は、自らを消費者取引に関する一元化組織の核とするような意見を出していましたが、今回の自民党とりまとめでは、新組織は、公取委とは別組織ということになっていますね。

 今回のとりまとめを踏まえて、政府が5月に具体案を示す予定のようです。

 ただ、いくつもの省庁の権限を新組織(消費者庁)に移管することになり各官庁からの抵抗、また、経済界からの抵抗もかなり予想されるうえ、政局がかなり流動的な状況となっていることもあって、すんなり行くかどうかはまだわかりません。

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2007年12月12日 (水)

自民党独禁法調査会が独禁法の審判制度廃止を求める方向

 日経が、報じてますね(他もかな)。

 本日の自民党独占禁止法調査会で、独禁法上の制度である公取委の「審判制度」の廃止を求める方向で一致した、とのこと。経団連などが強く求めていた方向です。
 日本弁護士連合会(日弁連)の意見書では、審判と裁判の両制度の選択制を打ち出していました。

 昨日、この関係の話を、内輪の研究会(独禁法・公正取引研究会)で話したばかりです。
 参考のため、関係先にリンクしておきます。

 → 独占禁止法基本問題懇談会(内閣府)の報告書
 → 独占禁止法の改正等の基本的考え方(公取委)
 → 独占禁止法基本問題懇談会報告書に対する意見書(日弁連)
 → 独占禁止法の抜本改正に向けた提言(経団連)

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2007年12月11日 (火)

【年金】名寄せ困難多数

 あれあれ、福田さんも舛添さんも、やたら無理して開き直ったような応対をしてますね。何だかなぁ・・・・

 このブログの6/8の記事
  → 「【年金】言葉の遊び「1年以内に照合可能」」

 照合すらできないデータがいっぱいな訳ですね。

 もちろん、舛添さんが言うように、誰が厚生労働大臣やっても同じ結果だったんでしょうけども。でも、今更、「選挙前だったから」とかいうような責任者たちの一連の発言は、自分たちの首を絞める効果しかないと思います。

 大阪府知事も、自分の選挙前の発言にしっかり責任を持ってもらえる方になってもらいたいもんですね(笑) 

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2007年11月28日 (水)

下請取引の適正化について(公取委、経産省)

 昨日は3つも書いてしまいました。

 さて、同じく昨日(11/27)の公表なんですが、下請代金支払遅延等防止法(下請法)の遵守の徹底等について、「下請取引の適正化について」という公正取引委員会委員長及び経済産業大臣連名の文書(後記)を親事業者及び関係事業者団体に出して要請が行われています。
 → http://www.jftc.go.jp/pressrelease/07.november/07112702.pdf

「下請取引の適正化について」
  最近の我が国の経済は、このところ一部に弱さが見られるものの、先行きについては、国内民間需要に支えられた景気回復が続くと見込まれる局面にありますが、一方で、中小企業の景況感は製造業・非製造業ともに悪化が続くなど、依然厳しい状況が続いております。
  このような状況の中で、下請事業者は、経済のグローバル化や下請取引構造の変化等に直面しており、加えて依然として高水準で推移している原油価格や原材料価格などの影響を受け、製造コストや運送に要する燃料費等の上昇を取引対価に転嫁しにくい状況がかなり見られるなど、経営環境の激変に厳しい対応を迫られているところです。
  政府としては、成長戦略の一環として「成長力底上げ戦略」を取りまとめ、生産性向上の成果を中小企業にも波及させ、中小企業全体の底上げを図るために、下請取引の一層の適正化を推進してきていますが、このような状況を踏まえ、下請事業者が親事業者による優越的地位の濫用等不当なしわ寄せを受けることがないよう、下請代金支払遅延等防止法(昭和31年法律第120号)の一層厳正な運用に努めることとしております。
  具体的には、買いたたき(下請事業者の給付の内容と同種又は類似の内容の給付に対し通常支払われる対価に比し著しく低い下請代金の額を不当に定める行為)、 下請代金の減額(下請事業者に責任がないのに、あらかじめ定めた下請代金を減額する行為)、 下請代金の支払遅延割引困難な手形(長期手形)の交付不当な経済上の利益の提供要請不当なやり直し等の行為を行った親事業者に対して、下請代金の減額については減額分を下請事業者に返還させ、下請代金の支払遅延については下請代金を速やかに支払わせるなど、下請代金支払遅延等防止法の厳正な運用に努めることとしております。
  さらに、年末においては、金融繁忙期であることから下請事業者の資金繰り等について厳しさが増すことが懸念されており、下請取引の適正化を一層強力に推進していくことが必要と考えております。
  つきましては、貴社におかれましても、このような状況を十分に御認識いただき、下請取引を行う際には、下請事業者への不当なしわ寄せが生ずることのないよう、社を挙げて取り組んでいただきますようお願いいたします。特に別紙の事項については、担当取締役から発注窓口担当者等現場関係者に至るまで周知徹底を図り、担当取締役等の責任者には、これらの指導及び監督に当たらせるなど、適切な措置を講じるよう強く要請いたします。

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2007年11月22日 (木)

国民生活センター等の統合案と大阪のシンポ

 消費生活のトラブル救済や防止に取り組んでいる国民生活センターについて、昨日(11/21)の朝日の報道では、独立行政法人の見直しの一環として、製品評価技術基盤機構農林水産消費安全技術センターとの統合を政府が検討している、とされています。

 統合の是非について簡単に判断できるものではありませんが、内閣府所管の国民生活センター、経産省所管の製品評価技術基盤機構、農水省所管の農林水産消費安全技術センターが一緒になって、縦割り行政システムの中で円滑な業務遂行が可能なのか、また、福田首相のいう「消費者の目線」での改革となるのか、という視点で検討されなければならないと思います。単なる数合わせや予算削減では意味がありません。

 同じ21日の中日新聞の社説は、「生活センター むしろ強化が必要だ」と題するものでした。
 この社説は、事業者側の不祥事が次々と発覚する中、「国民」は以前にも増してよりどころを求めている中での国民生活センターの業務縮小案が具体化を批判するもので、一律に独立行政法人の縮小計画を割り当てるのは、合理的とは言いがたい、と断じています。
 そして、「悪質商法の手口や製品の構造などが複雑多様になる中で、直接相談による迅速な情報入手、自前の商品テストに基づく啓発活動が、重大なトラブルや大事故の防止につながることは明らか」とし、「モノや食品の安全性に多くの消費者が不安を抱く今、中立、公正で、消費者の立場に立った相談機能、検査機能の強化こそ、むしろ時代の要請ではないか。」と結論づけています。

 統合するにせよ、改組するにせよ、そのまま存続させるにせよ、どっちを向いた政策なのか、が問われることになりますね。

 なお、まだ正式案内は外部に出ていないようですが、12/6(木)午後6時30分~9時(当初、日を間違って記載してました。ご容赦下さい。)に近畿弁護士会連合会・大阪弁護士会の主催による「国民生活センターの縮小問題を考えるフォーラム~あるべき消費者行政の実現に向けて」というシンポジウムが、ホテルイルグランデ梅田(大阪市北区西天満3-5-23)で開催されるやに聞いています。近々、詳細は大阪弁護士会のサイトなどで公表されると思いますが、ひとまずここで紹介させていただきます。
 (11/28)大阪弁護士会サイトに案内が出ました。

【追記】(11/27)
 上記の大阪のシンポの開催日を間違えて書いていたので、本文を訂正して、会場を付け加えておきました。お詫びします。
 シンポでの報告者は、参議院議員の森まさこ氏、国民生活センター理事の島野康氏、元内閣府国民生活局の弁護士二宮義人氏、消費者支援機構関西常任理事の飯田秀男氏が予定されています。入場は無料。問い合わせ先は大阪弁護士会(06-6364-1227)。

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2007年11月21日 (水)

ビデオテープとブラウン管の国際カルテル

 昨日3つもエントリーを投稿したうえに、そのうち2つが、NIFTYの「旬の話題ブログ」に取り上げられ、ずいぶん賑わってましたので、今日は閉店にしようかと思ったのですが・・・・・

 今朝の各紙は、欧州連合(EU)欧州委員会は20日、ソニー、富士フイルム、日立マクセルの日本企業3社が業務用のビデオテープ価格カルテルを結んだEU競争法(独禁法)違反があったとして、総額で約7500万ユーロ(約120億円)という極めて高額の制裁金の支払いを命じた、と報道しています。このうち、ソニーについてはカルテル調査を妨害したとして制裁金を基準額から30%上積みする厳格な措置を取った、とされています。

 この報道で思い出したのが、先日(11/8)、テレビに使われるブラウン管の販売に関して、日本、中国、韓国、台湾のメーカーが国際的な価格カルテルを結んでいた疑いがあるとして、公正取引委員会が、松下電器の子会社「MT映像ディスプレイ」に、独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで立ち入り検査をした、という報道です。
 これは、日本の公取委が韓国、EU欧州委員会、米国の当局と連携をとりながら摘発を進めているものとされています。 これも、そのうち続報があるものと思います。

 この2つの報道が頭の中でつながったのは、もちろん、電機製品に関する国際的価格カルテル事件で、各国、特にEUが積極的に違反摘発に乗り出しているという点の共通性ということになります。
 しかし、それよりも、私の頭の中でつながった第1の理由は、日本の一般消費者から見ればビデオテープブラウン管も過去のものになりつつあるなぁ、と妙なところで郷愁というか哀愁というか共通のイメージが湧き起こってきたという点でした。
 当事者の企業はそれどころではないでしょうけども。

【追記】(08/2/22)
 富士フイルムは、ビデオテープのカルテルに関してEU欧州委員会から命じられた制裁金1320万ユーロ(約21億円)の納付に応じたことを明らかにした、と報道されています。

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2007年11月16日 (金)

(再掲)シンポ「独占禁止法再改正のゆくえ」

 以前にも書いたのですが
 → http://stuvwxyz.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/post_43c4.html
 明日11月17日(土)13:30から
 日弁連と早稲田大学21世紀COE≪企業法制と法創造≫総合研究所の共催によるシンポジウム「独占禁止法再改正のゆくえ」が開催されます。

 早稲田大学の案内サイトはこちら

 参加は無料です。WEB上での申込みは終了していますが、手続されていない方々も参加できます。今日、聞いたところでは結構参加希望があるようです。良い席を確保したい方はお早めに・・・・・

 ここ2,3日、ブログに私が書いてた「不当廉売」の話題には、あまり入らないと思いますが、独占禁止法の改正問題に興味のある方は是非ご参加下さい。私も参加します。

概要を再掲いたします。

【場所】早稲田大学西早稲田キャンパス8号館B101教室

【共催】日本弁護士連合会、早稲田大学21世紀COE≪企業法制と法創造≫総合研究所

【開催趣旨】
 内閣府・独占禁止法基本問題懇談会は、今年6月、排除型私的独占などをも違反金の対象とするとともに、一定の条件が整った段階で改めて事前審査型審判制度を採用することが適当であるとする報告書を公表しました。公正取引委員会は、この報告書を受けて、来年の通常国会に独禁法改正法案を提出する予定であると報じられています。このシンポジウムでは、内閣府の報告書を多面的に検討するとともに、独禁法再改正のゆくえを探ることとしたいと考えています。

【プログラム】
13:30~15:30個別報告
  1.「独占禁止法の見直しについて」(仮題)
      報告者:岩成博夫氏
       (公正取引委員会事務総局経済取引局総務課企画室長)
  2.「違反金制度のあり方について」
      報告者:岡田外司博教授(早稲田大学大学院法務研究科)
      報告者:泉水文雄教授(神戸大学大学院法学研究科)
  3.「審査・審判制度のあり方について」
      報告者:安保嘉博弁護士(京都弁護士会)
      報告者:中藤力弁護士(第一東京弁護士会)
15:50~17:30 パネルディスカッション

【追記】(11/17)
 シンポに参加して、さきほど帰宅しました。
 いや、予想以上に面白かったし、参考になりました。

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2007年11月13日 (火)

不当廉売規制と安売り規制は違うよ

 そのうちどっかで、ちゃんと書こうと思ってたんですが、なんだか独占禁止法の改正問題の中で、変な方向へ行っちゃいそうなんで、簡単にでも書いておきます。
 どうも既成業界の方々は、「不当廉売の禁止は、「安売りの禁止」とイコールであり、「不当廉売の禁止」が、業界の秩序を保つためにあるのだと思っておられるようですが、これは全く違います。

 独占禁止法は、基本的には、価格競争の自由を積極的に推進するもので、その意味では安売りはOKであって、本来は、安売りを禁止したり規制したりするものではありません。かえって、談合して安売りを禁止したり(カルテル)、再販売価格を拘束したりするような行為が、独禁法違反として規制の対象になることはご存じの通りです。ものによっては、刑罰さえ課せられる訳です。
 では、何故「不当廉売」を独禁法上、「不公正な取引方法」として禁止しているかというと、簡単に言ってしまえば、資本力を持った事業者が、安売りを行うことによって、ライバルである競争事業者の商売を困難にさせて、その結果として、(ライバルが倒産したりして)資本力のある事業者が自分の独占的な市場を作ってしまう(つまり、それ以降は市場を支配して、自由に値上げもできる地位に立つ)というような状況を規制するためのものです。

 ですから、既存の業者たちが競争もなく従来の価格で漫然と販売を続けている中で、新規参入するアウトサイダー的な業者が、単に安売りをして価格競争を始めたというだけでは規制されるわけではなく、それは、かえって独禁法の立場から言えば、競争を促進する行為として推奨されるものといえます。
 独禁法は、あくまでも上で書いたように、安売りによって、結果的に競争市場がなくなって、市場を支配してしまう危険のあるような不当な行為を規制しているにすぎないのです。

 ここのところを大きな勘違いしている事業者や事業者団体、さらに、それをバックにした議員さんたちが多いような気がするのですが・・・・
 このようなおかしな圧力には、是非、公正取引委員会も負けないでいただきたいです。独禁法は既得権益を守る法律ではありません。
 もちろん、我が業界も同様なので、心せねばなりませんのは当然です。

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2007年11月 2日 (金)

国民生活センターの機能・権限の強化を求める意見書(日弁連)

 10月14日付のこのブログ記事でも紹介しましたように、日弁連会館(東京)で、11月5日(月)に、「『国民生活センターの今後を考える』-あるべき消費者行政の実現に向けて-」というシンポジウムが開催されます。
 → http://www.nichibenren.or.jp/ja/event/071105.html

 それに関連して、日弁連(日本弁護士連合会)は、先月24日付で「国民生活センターの機能・権限の強化を求める意見書」を出しました。
 → http://www.nichibenren.or.jp/ja/opinion/report/071024.html

 意見書の趣旨としては、以下の6点を含む抜本的な改革により、国民生活センターの役割を果たし得る体制の確立を急ぐべき、というものです。(以下、原文を少し変えてます。)

① 全国消費生活相談情報ネットワークシステム(「PIO-NET」)を充実させるとともに、製品事故・悪質業者名等の情報公表の権限と手続を法律上明記すること
② 消費者保護関係法の執行機関に対し、事業者規制・摘発や法制度の改善を勧告する権限を付与するとともに、独立行政法人から国の行政機関に組織替えすること
③ 消費者からの直接相談を受け付け、処理する機能を維持・充実し,そのための人的体制を整えること
④ 消費者紛争の特性に配慮した実効性のある行政型裁判外紛争解決手続(ADR)の機能を設け、解決内容を消費生活センターにおける苦情処理の指針として提供すること
⑤ 製品事故に関する原因究明テストの機能を強化し,設備・機器の導入・拡充すること
⑥ 相談員・職員向け研修事業を大幅に拡充すること

 ちなみに日本司法書士会連合会(日司連)からも、8月22日付で「『国民生活センターの在り方等に関する検討会中間報告』に対する意見書」が出されています。 
 → http://www.shiho-shoshi.or.jp/web/activities/opinion/opin_190822.html

 なお、本日(11/2)の報道によれば、福田首相が閣僚懇談会で、来年春をめどに消費者や生活者の視点に立って所管法令を総点検し、急を要する課題については年内に対策を打ち出すよう各閣僚に指示した、「政府の仕事のやり方は生産第1の視点からつくられてきたので、国民生活の安全・安心の視点が政策の中心になっていない」と指摘した、とのこと。
 また、これを受けて、町村官房長官が記者会見で、消費者保護などに取り組む「国民生活センター」を充実強化すべきだとの考えを示した、ということです。
 → 時事 http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2007110200378

 さて、「国民の目線」が実践されて、流れは変わるのでしょうか。

 → 国民生活センターのホームページ

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2万超の内容証明郵便が不適切認証・民営化大丈夫?

 発足したばかりの郵便事業会社が、10月31日付で、内容証明郵便特別送達郵便における多数のミス発生を公表しています。一応報道はされているようなのですが、あまり大々的には取り上げられておらず、私も、仕事関係の会社の社内LANのメールで知った次第です。
 → http://www.post.japanpost.jp/whats_new/2007/1031_03.html

 公表内容によれば、本年10月1日以降、内容証明及び特別送達の郵便物について、適正な認証事務が行われなかった事案が発生したことから、10月24日、総務省から、早急にお客様に対して事実関係を説明の上、適切な善後策を講ずるよう命ぜられ、不適正な認証事務に関する調査及び原因並びに再発防止策について10月31日に報告したとのこと。

 判明した不適正な認証事務の件数は、内容証明が2万4,771件、(郵便局会社2万4,172件、郵便事業会社599件)、特別送達はすべて郵便事業会社で1万2,381件となっており、両社合計では3万7,152件。

 一般の方にはあまり関係ないかもしれませんが、内容証明特別送達というのは、我々弁護士や裁判所の仕事では大変重要で、どのような郵便が相手方にいつ、ちゃんと送達されたかどうか、ということを、後日証明するために不可欠なシステムです。

 公表内容では、「不適正な認証事務のあった内容証明の郵便物については、郵便局、支店に保管している謄本から差出人様を特定し、お詫びした上で再度差し出していただくことをお願いしてまいります。また、特別送達の郵便物については、郵便送達報告書の写しに不備事項がある場合は差出人様にご連絡し、お詫びするとともに郵便送達報告書を返送いただき、補正させていただきます。」とのことです。

 でも、それが、ちゃんと認証されていなかったとなると、最悪の場合、例えば、時効の中断であるとか、債権の請求行為などの事実が、後から証明できないという事態も考えられ、場合によっては、重大な結果が生じることもあり得るのでは・・。再度、出し直しても、期間が経過してしまったということも考えられますね。もし、このような場合には、郵便事業会社において、後日でも、ちゃんと、その証明ができるようにフォローのシステムを作っておいていただきたいものです。また、もっと広報すべきだと思うのですが。
 国会では、日本郵政株式会社(ややこしいねぇ)の西川善文社長が、内容証明郵便の差出人に対し、同社が郵便料を負担した上で再度差し出しを依頼する方針を表明し、11月中旬までにすべての差出人への対応を終える意向を示した、とのことです。

 このような業務は民営化されたからといって、いい加減にされては困ります(当たり前だが)。

 でも、考えようによっては、民営化されたから、このようなミスの発生が表に出てきただけで、以前の「官」の時代にも、こんなことはしょっちゅうあって、ただ隠蔽されていただけ、というような想像をしてしまうのですが、そんなことはないでしょうねぇ・・・・・・・・ これまでの郵貯も保険も大丈夫かなぁ。私の取り越し苦労であることを祈ります。

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2007年10月14日 (日)

国民生活センターに関するシンポ(日弁連)

 来月5日に東京で、日本弁護士連合会(日弁連)などが主催で、「『国民生活センターの今後を考える』-あるべき消費者行政の実現に向けて-」というシンポジウムが開催されます。
 → http://www.nichibenren.or.jp/ja/event/071105.html

 日弁連は、これまで国民生活センターの機能の拡充を提言し、消費者庁の設立を求めてきましたが、最近の独立行政法人の整理合理化計画策定の流れの中で、国民生活センターにADR機能を持たせる反面、相談業務や商品テスト機能の縮小の方向が示されるというような動きが出てきています。こういった状況下での重要なシンポですので、(私は講義の予定があり、参加できないのですが)関心のある方はご参加ください。

〔ご参考〕
 ◎消費者からの直接相談廃止?(中日新聞10/11)
  → http://www.chunichi.co.jp/article/living/life/CK2007101102055501.html
 ◎消費者行政 センター縮小は避けよ(社説 信濃毎日新聞10/9)
  → http://www.shinmai.co.jp/news/20071009/KT071006ETI090006000022.htm

【シンポ概要】
 日 時  11月5日(月)18:00~20:30

 場 所  弁護士会館2階講堂クレオ
       東京都千代田区霞が関1-1-3
       (地下鉄霞ヶ関駅B1-b出口直結)

 参加費等  無 料

 プログラム
  基調報告
    「国民生活センターの機能・権限の強化を求める日弁連の意見書について」
  特別報告
    「国民生活センターにおけるADRのあり方」
       三木 浩一 氏(慶応義塾大学教授)
    「消費者行政に関する諸外国の法制について」
       細川 幸一 氏(日本女子大学准教授)  
  パネルディスカッション 「現状とあるべき将来像」
     パネリスト
       堀田 繁 氏(内閣府国民生活局 官房審議官)
       島野 康 氏(国民生活センター 理事)
       飯田 秀男 氏(全大阪消費者団体連絡会)
       石戸谷 豊 氏(日弁連消費者問題対策委員会委員・弁護士)

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2007年9月28日 (金)

平成18年度公正取引委員会年次報告

 平成18年度公正取引委員会年次報告が本日、国会に提出されました。この要旨が、公取委サイトに下記の通り公表されています。
 なお、図表等は省略したほか、分量圧縮のため、少しだけ私の責任で文章を変えてますので、ご注意下さい。なぜか、原文で5(2)が抜けていたので、これはそのままにしてます。
 なお、原文は
 → http://www.jftc.go.jp/pressrelease/07.september/07092801.pdf

1  改正独占禁止法の円滑な運用
  課徴金制度の見直し,課徴金減免制度の導入,犯則調査権限の導入,審判手続等の見直し等を内容とする独占禁止法(以下、独禁法)改正法は,平成18年1月4日から施行されている。改正独禁法の運用は円滑に行われており,期待された効果も着実に現れつつあると考えられる。 

○  平成18年度においては,課徴金減免制度により79件の報告等が行われた(改正法施行以降の件数は,105件)。この情報提供により,旧首都高速道路公団発注のトンネル換気設備工事に係る入札談合事件等に対し法的措置を採った。 
○  し尿処理施設建設工事の入札談合事件において11社及び11名を,名古屋市営地下鉄の土木工事に係る入札談合事件において5社及び5名を,それぞれ検事総長に告発した。 

2  独禁法違反行為の積極的排除 
(1)独禁法違反行為に対し厳正かつ積極的に対処し,平成18年度中に13件の法的措置を延べ73事業者に対して採った。  
    この13件を行為類型別にみると,価格カルテル3件,入札談合6件,不公正な取引方法4件となっている。  

(2)国交省が発注する水門設備工事に係る入札談合事件において,入札談合等関与行為があったと認められたため,国土交通大臣に対し,入札談合等関与行為防止法の規定に基づき,改善措置要求を行った。 

<平成18年度における主な法的措置事件> 
入札談合
○  市町村等発注のし尿処理施設建設工事に係る入札談合事件 
○  旧首都高速道路公団発注のトンネル換気設備工事に係る入札談合事件 
○  国交省,水資源機構,農水省発注の水門設備工事に係る入札談合事件
カルテル
○  塩化ビニル床シート及びタイルカーペットの製造販売業者らによる販売価格カルテル事件 

(3)平成18年度の課徴金については,価格カルテル及び入札談合について,総計158件,総額92億6367万円の課徴金額が確定した。

3  企業結合規制の的確な運用 
(1)経済のグローバル化等の経済実態の変化や個別事案の審査実績等を踏まえ,企業結合審査の予見可能性,透明性及び迅速性の向上を一層図る観点から,平成19年3月,「企業結合審査に関する独占禁止法の運用指針」及び「企業結合計画に関する事前相談に対する対応方針」等を改正し,公表した。 

(2)企業結合に関する業務については,平成18年度において,銀行又は保険会社の議決権保有について8件の認可を行い,持株会社等について87件の報告,持株会社等の設立について2件の届出,会社の合併・分割・事業譲受け等について229件の届出,事業会社の株式所有について960件の報告をそれぞれ受理し,必要な審査を行った。 

<平成18年度における主な企業結合事案> 
○  日清食品㈱による明星食品㈱の株式取得 
○  ㈱SUMCOによるコマツ電子金属㈱の株式取得 
○  日鉄鋼板㈱及び住友金属建材㈱による建材薄板関連事業の統合 
○  日鐵建材工業㈱及び住友金属建材㈱による道路・土木商品関連事業の統合 
○  ㈱東芝ほか2社によるWestinghouseグループの持株会社2社の株式取得 

4  競争環境の積極的創造に向けた調査・提言 
(1)①発注機関における入札・契約制度改革の動向,②発注機関の職員のコンプライアンスの向上策について把握することを目的として,①地方公共団体(350 団体),②国が資本金の2分の1以上を出資する政府出資法人(212法人)(改正前の入札談合等関与行為防止法の適用対象)を調査対象としたアンケート調査を実施し,計547団体から回答を得て,調査結果を取りまとめ,これを踏まえた提言とともに公表した(平成18年10月)。 

(2)規制改革が進んでいる分野において,公正な競争を確保するため,独禁法上問題となる参入阻害行為等を明らかにしたガイドラインの策定・改正,規制改革に関連した提言を行っており,「農業協同組合の活動に関する独占禁止法上の指針」の策定,「電力市場における競争状況と今後の課題について」の公表を行った。 

5  ルールある競争社会の推進に向けた取組 
(1)下請法に関する業務として,親事業者29,502社及びこれらと取引している下請事業者162,521名を対象に書面調査を行った。
    この結果,下請法に違反する行為又は違反するおそれのある行為が認められた2,938件のうち,11件については同法に基づく勧告(いずれも公表),それ以外については警告の措置を採った。

(3)景品表示法に関する業務としては,同法に基づき排除命令を行ったものは表示関係32件であり,警告を行ったものは,表示関係7件であった。  

(4)不当廉売に対する取組としては,石油製品小売業者による不当廉売について排除措置命令を行うとともに,警告を行った。また,小売業者に対し不当廉売につながるおそれがあるとして,1,031件(酒類592件,石油製品259件,家電158件,その他22件)の注意を行った。 

(5)優越的地位の濫用に対する取組としては,大規模小売業者による納入業者に対する従業員派遣要請等に係る優越的地位の濫用に対し排除措置命令を行った。 

6  経済のグローバル化への対応 
 国際関係の業務については,各国共通の競争政策上の課題について,米国,フランス及び韓国の競争当局との間で,それぞれ二国間の意見交換を行い,OECD, ICN, APEC, ICPEN, 東アジア競争政策トップ会合及び東アジア競争法・政策カンファレンス等の国際会議に積極的に参加したほか,発展途上国や移行経済国の競争当局等に対し,研修の実施等による技術支援を行った。 

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2007年9月25日 (火)

内閣府「個人情報の保護」サイト

 久しぶりに内閣府「個人情報の保護」サイトを覗いてみました。
 → http://www5.cao.go.jp/seikatsu/kojin/index.html

 最近の更新内容としては、

・平成18年度個人情報の保護に関する法律施行状況の概要
・[お知らせ]経済産業省が経済産業分野のガイドラインの説明会を開催します。
・個人情報保護法に関するよくある疑問と回答

といったところです。

 1番目の「概要」と3番目の「疑問と回答」は、個人情報保護に関する基礎的な知識を得るにはいいかもしれません。

 2番目の「ガイドラインの説明会」は全国各地で9月から11月初めにかけて開催されるようで、既に始まっていますね。これは、「個人情報の保護に関する法律についての経済産業分野を対象とするガイドライン」(平成16年10月)が今年3月に改正されたので、その改正のポイントなどについての説明会のようです。3日前までにネットから申し込みができるようですが、現時点では、10月2日の札幌以降は申し込めるようです。
 大阪は10月29日に中之島中央公会堂ということで近所なんですが、この日は残念ながらロースクールの講義と重なって私は行けませんね。

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2007年9月20日 (木)

カルテル制裁金 YKK(EU欧州委員会)

 今日の朝刊各紙によれば、日本のYKKグループなど日米欧の会社がファスナー等の製品の最低販売価格を設定するなどしたとして、欧州連合(EU)欧州委員会が、日本の独占禁止法にあたるEU競争法に基づき高額の制裁金の支払いが命じられた、とのことです。
 YKKに対しては、約242億円の支払いが命じられています。

 日本の独占禁止法でも、このところ課徴金の引き上げがなされていて、さらに上げようという動きもあります。これに対して、経済界は反対したりするのですが、欧米の制裁金、罰金や損害賠償の金額から比べれば、まだ日本の課徴金額は安いですね。

 先日(9/17)に、マイクロソフトに対する欧州委員会の制裁金の裁判について書いたところですが、このほか、先週には、東芝、サムスン、サンディスクなど半導体大手について、フラッシュメモリーに関して、米国司法省反トラスト法(独禁法)違反の疑いで調査を開始した、と報じられました。

 世界の競争法の概要について興味のある方は、公正取引委員会のサイトを参照下さい。
  → http://www.jftc.go.jp/kokusai/kaigaiindex.html#eu

【追記】(9/20)
 EU競争法の制裁金(fine)と日本の独占禁止法の課徴金との比較の資料が、独占禁止法基本問題懇談会(内閣府)の報告書(平成19年6月26日)の資料集の中の「資料7」(資料集33ページ)にあります。この資料集には、EUや米国の制度との比較の資料などが他にもあり、概要を知るにはよいと思います。
 → http://www8.cao.go.jp/chosei/dokkin/kaisaijokyo/finalreport/materials.pdf

 ちなみに、ファスナーチャックジッパーの違いについては、YKKサイトのFAQで
 → http://www.ykkfastening.com/japan/faq/a007/info002.html
 チャックは、巾着をもじった日本語だったんですねぇ。

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2007年8月 8日 (水)

(MEMO)公取委:下請取引改善協力委員会議

 以下は、8月8日付公表の公正取引委員会下請取引改善協力委員会議(本年6月6日から6月29日の間に各地で開催)に出された下請取引の現状等に関する意見の概要です。私の一応のメモということで。
    → http://www.jftc.go.jp/pressrelease/07.august/070808.pdf
※なお、この手の公的機関の著作物の引用については、著作権法32条2項をご参照下さい。

1  全般的な景況について 
○  景気に関しては,アンケート調査に対して,受注量が増加していると回答する企業と減少していると回答する企業がともに増加するなど,企業間におけるばらつきが広がっている。また,好景気により大都市周辺の企業の業績は良いようであるが,地方では好景気の影響が感じられない。
○  大手企業による工場の集約化が進んでおり,地域間格差が今後広がっていくものと見込まれる。 
○  発注企業は,取引に際し,固有技術を持つ下請事業者に対しては優遇しているが,固有技術を持たない下請事業者に対しては価格を最重視するため,価格による競争となり,固有技術を持たない下請事業者にとっては,依然として厳しい状況となっている。 
○  運送業界は,環境問題対応のための車両の整備や交通安全対策面で費用が増加している。資金力がある企業はしっかりと下請事業者への対応ができており業績を伸ばしている一方,そうではない企業は廃業へと追い込まれるケースが増加しており,二極化が進展している。 
○  放送番組・映像制作業界では,全体的に景気は好調であるが,企業間格差が広がりつつある。放送局が番組制作を委託する際に番組内容を決定する時期が遅延しており,その結果,短納期発注のしわ寄せが下請事業者にきている。 

2  下請代金の設定等をめぐる問題について
○  戦後最長となる好景気と伝えられているが,原油・原材料価格の高騰によるコストアップが受注単価に反映されていないとの下請事業者の声が多い。 
○  単価改定については,下請事業者からの見積書の提出は形式だけで,実際には親事業者が,従来の単価から一定率を引き下げたり,親事業者の予算単価を押し付けるなどして,一方的に決められる場合がある。 
○  単価見直しの基準が難しく,かつ,多品種小ロットでの発注で短納期のものが多いため,単価設定に苦慮している。 
○  親事業者から,海外ではこのくらいの価格であると示されると,下請事業者は低価格で受注せざるを得ないケースがある。 
○  親事業者は最近,原材料費高騰分の半分程度を下請代金に転嫁することを認めるようになっているが,下請代金について上半期分を下半期分にスライドして支払う制度が採用されており,下請事業者には依然厳しい状況が続いている。 
○  発注当初に大量の発注数量を前提として単価設定をしたにもかかわらず,見込みよりも製品の売行きがよくなかったとして,単価をそのままに発注数量を大幅に削減された例があった。 
○  自動車業界全体の景気は良いが,地域により差がある。鉄鋼メーカーの寡占化が進展したこともあり,鋼材価格の値上げが一方的に行われている。小規模事業者は発注先から支給される原材料が多く,原材料費の値上げによる影響が少ないが,自ら原材料を調達する中規模事業者は見積り時以降に原材料費が高騰しても,その分の値上げが困難な状況にある。 
○  繊維業界においては,一部海外に発注されていたものが国内に回帰してきている場合もあるが,受注価格については品質に関係なく,海外での取引価格をベースに設定される。 
○  情報成果物の作成委託取引においては,発注時点では詳細仕様が定まっていることが少なく,提案書に基づいた概算見積りで受注することが原因となって下請代金の減額や買いたたき,受領拒否につながる場合がある。 

3  その他下請取引上の問題等について
○  知的財産権の帰属について,下請事業者の技術を親事業者に有利な条件で移転するよう求められることがあるため,契約する際には契約条項をしっかり確認する必要がある。 
○  一部の部品製造業界では検収締切制度に基づき,検収が終わらなければ納品とは認められないという実態が依然としてある。 
○  情報成果物作成委託取引においては,委託内容が感覚的・主観的な要素を持つものが多いため,成果物の納入後のトラブルが多く,結果的に,追加のやり直し費用を下請事業者がすべて負担することが多い。

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2007年7月29日 (日)

電波利用料制度研究会(総務省)報告書

 総務省の「電波利用料制度に関する研究会」が、先般取りまとめた報告書(案)に対して意見募集(パブリックコメント)がなされていたのですが、これを踏まえた報告書および意見募集の結果について公表されています(7/27付)。
 総務省からの意見募集に対して、経済産業省から意見書が出されているのは面白いですね。
 → 総務省公表資料

 電波利用料は、直接間接に消費者にも影響するものですし、国が取って使うという点では、一種の間接税みたいなものともいえるので、一般市民としても関心を持たないといけないところです。
 ただ、そういう私も時間がなくて、まだ斜め読みしただけなのですが・・・・・

 オーマイニュース(Oh my News)にも、この関係で、「消費者を無視する総務省の横暴 ~電波をダシにした、『新しい間接税』に反対する」と題した平宮康広氏の記事が出ています(7/27付)
 → http://www.ohmynews.co.jp/news/20070723/13416

【追記】
 報告書によれば、電波利用料の歳入は、本年度予算で、約650億円もあるのですね。そのほとんど(8割強)が携帯電話事業者関係です。ということは、我々の携帯電話通話料などにまともにはねかえってくるコストということになります。
 また、微弱電波などの免許不要局の電波利用料負担も検討されており、これなども、一般個人の直接負担につながる可能性のある問題ですね。

 総務省は、この報告書を踏まえて、電波利用料についての検討を進めるとのことです。

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