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2017年5月17日 (水)

web版「消費者情報」(関西消費者協会)

 長年にわたって関西消費者協会から発行されてきた消費者問題の専門雑誌「消費者情報」が3月をもって休刊となりましたが、今回、新たにweb版がスタートしました。年4回無料配信の予定です。

 既に、国民生活センター雑誌「国民生活」も同様にweb版となっていますが、こちらも5月号が掲載されています。

     → web版「消費者情報」(関西消費者協会)

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 このweb版「消費者情報」5月号の内容は以下の通りです。 興味のある方はご覧下さい。

【消費者情報5月号】

○消費者運動(団体)の課題と役割

  巻頭インタビュー 海外動向から見る消費者団体の課題と方向性   
               金城学院大学教授 丸山 千賀子

  今、消費者運動に必要なものは何か   
               弁護士 木村達也

  これからの消費者運動のゆくえ   
               日本消費者新聞社代表取締役・主幹 岩下道治

  消費者運動 現場からの報告Ⅰ・Ⅱ   
               全国地域婦人団体連絡協議会 会長 柿沼トミ子    
               全国消費者団体連絡会 事務局長 河野康子

○がんばれ!消費者委員会

  身元保証等高齢者サポート事業に関する消費者問題についての建議
               消費者委員会事務局

○団体訴訟への展開

  サン・クロレラチラシ差止め訴訟最高裁判決   
               京都消費者契約ネットワーク(KCCN)弁護士 志部淳之介

○消費者弁護士の肖像

  山﨑省吾 第5回(全9回予定)

○地方消費者行政の「今」を歩く

  大阪編・堺市立消費生活センター

○公正取引委員会の仕事

  不当な表示や景品に“待った”をかける   
               公正取引委員会事務総局 近畿中国四国事務所
                                 取引課長 笠原雅之

○ネット漂流

  タッチで支払い【Apple Pay】は子どもでも使えてしまう   
               NIT情報技術推進ネットワーク株式会社 篠原嘉一

○Infomatiom

  インフォメーション

2017年4月 5日 (水)

祭りくじと景品表示法

 先日、youtubeで、いわゆるユーチューバーの方が、お祭りでの露店で、くじを引いて出た番号に応じて商品がもらえるという「祭りくじ」に、多額のお金をつぎ込んだが、高額の景品はまったく出なかった、という経緯を動画で公開したことがネット上で話題になっています。

 これを法的に見れば、民事上は詐欺錯誤で、取り消しや無効を主張して返金を請求できる、とか、刑事上は詐欺罪に当たる可能性がある、とか、いう話になります。当たる当たらないにかかわらず、賭博罪になるか否かという論点もありますね。

 では、景品表示法の観点ではどうでしょうか。

 くじの「景品」だから、景品表示法景品規制の問題と思う人も多いかと思いますが、景品表示法上の「景品」は、「商品又は役務の取引に付随して相手方に提供する物品、金銭」などとなっており、くじの「景品」は、取引内容そのもので、「付随」するものではありませんので、景品表示法上の「景品」には該当しないことになります。このことは、以前、オンラインゲームでの「ガチャ」が問題となったときにも同様のことが言われました(ガチャ問題は、結局、カード合わせ告示に違反するということで「コンプガチャ」に限って違法、ということで、ひとまず収束しました。)。

 したがって、不当景品規制の対象にはならないのですが、同様の事例として、雑誌社などが読者向けに懸賞企画をしたが、公表していた「景品」の内容通りに実施されなかったというケースで、景品表示法違反の措置命令が出たものがあります。

 平成25年8月20日の秋田書店に対する措置命令、平成27年3月13日の竹書房に対する措置命令、平成27年12月8日のアイアに対する措置命令で、いずれも不当景品ではなく、不当表示(有利誤認表示)として、措置命令が出されています。すなわち、公表した景品の内容や数量を消費者側が信じて、雑誌を購入するわけで、それが実際には公表内容を下回る景品の提供を行っていた、という点が、有利誤認表示とされているものです。

【追記】(4/5)

 2013年に、当たりのないくじで逮捕された事件がありましたが、まだ、日経サイトに残っていました。(2013/7/29付日経)

 → 「当たりのないくじ引かせ詐欺容疑 大阪、露店アルバイト逮捕」

【追記】(4/5)

 誤解があってはいけないので追記します。
 祭りくじの場合とちがって雑誌の懸賞企画については、景品表示法上の「景品」に該当しますので、不当景品規制、すなわち、金額の規制が及びます。ただ、上記の雑誌の3事案は有利誤認表示が問題となっており、今回の祭りくじも同様ということになります。

 念のため。

【追記】(4/6)

 本文に書きました、ガチャが「景品」に該当しないことについての消費者庁の解説は、こちら。 

 なので、クレーンゲームの商品も取引の内容そのものですので、これについても景品表示法上の景品規制の対象とはなりません。ネット上で、これらについての誤解が広まっているようですが、ご注意ください。

【追記】(4/6)

 ブログにアクセスした人によるTwitterなどのコメントを見ていると、何故か、景品表示法の問題ではない、というふうに解釈されている人が多いのですね。本文を読んでもらえばわかると思うのですが、景品表示法「不当景品規制」の対象ではない、と書いた後に、景品表示法上の「不当表示規制」が問題となる、との趣旨で書いているのですけれども。。。。

 また、「賭博罪に当たるか否かの論点」とは書いてますが、これについても、勝手に賭博罪にあたると書いてあると思い込んでる人もいますね。ネットでは、皆さん、深く考えずにさっと読んでそれぞれの印象で思い込むのでしょうね。

2017年3月10日 (金)

「RikaTan」4月号(ニセ科学特集)を読む

 雑誌「RikaTan」(リカタン・理科の探検、発行SAMA企画)4月号を読んでいます。

 4月号の特集が「ニセ科学を斬る!2017」ということで興味があり、また、ニセ科学関連の研究会などで私自身がお会いしたことのある先生方が何人も書いておられることもあって、昨日買ってきた次第です。

 RikaTanでは、毎年のようにニセ科学特集を組まれているようですが、今回の特集も、以下の通り盛りだくさんです(特集以外の記事もかなり盛りだくさんなのですが)。

 読み応えのある記事がたくさんですので、どれかを選んで紹介するというのも難しいのですが、冒頭の菊池聡先生の「超常現象と疑似科学の心理学」は、中高生への調査結果を基にした面白い報告になっていますし、発酵食品の好きな私は、小波先生の酵素に関する記事は大変興味深く読ませていただきました。

 本号の特集のねらい 左巻 健男

 超常現象と疑似科学の心理学 菊池 聡

 『反オカルト論』の反響 高橋 昌一郎

 放射能とニセ科学 菊池 誠

 メディアを賑わす「地震予知」のニセ科学性 上川 瀬名

 天然・自然vs. 人工・合成 桝本 輝樹

 週刊誌の健康・医療記事はどこまで信用できるのか? 小内 亨

 なぜ、このようながん治療法を信じてしまったのか 左巻 健男

 酵素、発酵、酵母- ごっちゃになってません? 小波 秀雄

 インチキ? それとも広告範囲? くられ

 幽霊の科学性をあえて評定する 石川 幹人

 EM は水質を浄化できるか 飯島 明子

 「縦波の重力波」とは一体何か? 長島 雅裕

 行政や教育現場に忍び寄るニセ科学 大石 雅寿

 消費者問題としての「ニセ科学」 平林 有里子

 マルチ商法とニセ科学の親和性について 猫 小次郎

 住民と行政を惑わした「ホタルの光」 松﨑 いたる

 科学/ 非科学/ 疑似科学 夏目 雄平

2017年3月 3日 (金)

「判例による不貞慰謝料請求の実務〔主張・立証編〕」(LABO刊)

 一昨年に出版された「判例による不貞慰謝料請求の実務」(中里和伸著)については、当ブログでもご紹介しました。不貞行為の慰謝料については、実際に法的な紛争になることも多く、私たち弁護士にとっては(自分自身が不貞とは無縁の人であってもです〈笑〉)関与する機会の多い分野といっても良いかと思います。実際に、私が関わっている不貞慰謝料請求の訴訟手続の中で、この本は非常に参考になりました。

 → 「書籍の紹介:「判例による不貞慰謝料請求の実務」(中里和伸著)」(2015/8/ 5)

 そして、この本の姉妹編となる「判例による不貞慰謝料請求の実務〔主張・立証編〕」(中里和伸・野口英一郎著・LABO刊)が出版とのことで、3月10日発売開始予定となっています。Amazonでは予約受付中となっていますが、ありがたいことに編集者よりご恵贈いただき、一足先に入手できましたので〔関係性明示(笑)〕、ここにご紹介させていただきます。なお、東京地裁や日弁連会館の地下の書店では既に販売が開始されているようです。

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 前の本が、不貞慰謝料に関する多くの裁判例を整理して、理論的な問題や具体的な慰謝料の算定等について紹介されていたのに対し、本書は実際の民事訴訟手続における「主張・立証」活動を対象としています。
 したがって、特に我々弁護士にとっては極めて実践的で有益な内容になっていますね。

 目次は以下の通りですが、巻末の裁判例一覧には、前の本の出版以降に出された裁判例が追補となっています。また、書式集も実務的に役立つものが掲載されています。

 序 章 不貞行為の歴史
 第1章 不貞慰謝料請求訴訟の提起から終結に至るまでの時系列の流れ
 第2章 不貞慰謝料請求訴訟における典型的な主張と反論の構造
 第3章 民事訴訟における事実認定
 第4章 不貞行為の証拠の入手方法と裁判例
 第5章 不貞慰謝料請求訴訟と渉外問題
 第6章 不貞慰謝料請求訴訟と弁護士職務基本規程

 〔裁判例一覧〕
 〔実務に役立つ書式集〕

2017年2月27日 (月)

クロレラ最高裁判決についての記事を「文化通信」より転載

 消費者契約法の「勧誘に際し」の解釈に関してのクロレラチラシ配布差止請求訴訟の最高裁判決(本年1月24日)について、2月13日付のメディア専門誌「文化通信」に拙稿が掲載されました。

 文化通信社のご了解を得て、当ブログ右上の【コラム】に追加しましたので、興味のある方はご覧ください。

【コラム3】クロレラチラシ配布差止訴訟最高裁判決が広告に与える影響

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2017年2月14日 (火)

日本サプリメントに対する措置命令及びトクホ等に関する景表法の取組要請(消費者庁)

 昨日(2/13)付の「文化通信」(文化通信社発行)に拙稿「クロレラチラシ配布差止訴訟最高裁判決が広告に与える影響」が掲載されました。
【追記】(2/27)
この記事を、文化通信社の承諾を得て、当ブログに転載いたしました。
 → 【コラム3】クロレラチラシ配布差止訴訟最高裁判決が広告に与える影響

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 興味のある方にはご一読いただきたいのですが、これとも関連する健康食品の広告・表示に対する消費者庁措置命令および業界への取組要請が以下のように出されました。


 本日、消費者庁は、日本サプリメント株式会社(大阪市北区)に対し、同社の特定保健用食品(トクホ)の表示について、景品表示法に違反する不当表示(優良誤認表示)に該当するとして、措置命令を行っています。 

 また、同時に、トクホ等に関する景品表示法の取組として、

① 特定保健用食品の許可要件を満たさない商品に対する厳正な対応

② 特定保健用食品及び機能性表示食品の全商品のウェブサイト等における表示監視

を行うこととし、この取組方針をトクホの全許可事業者及び機能性表示食品の全届出事業者に対し通知して、社内体制の確認等所要の対応を要請しています。

 なお、今回の不当表示の期間には、課徴金制度施行後の昨年4月以降も含まれておりますが、今日のところは課徴金納付命令は出されていないようです。さて、今後どうなるでしょうか。

   → 消費者庁公表資料(PDF)

 日本サプリメントは、既に昨年9月、消費者庁からトクホの許可を取り消されています。トクホの取消は制度が始まってから初めてのことです。

 今回の不当表示は、

 対象健康食品の容器包装や新聞折り込みチラシ、新聞テレビwebサイトの広告に、トクホの許可を受けた商品である旨や、「血圧が高めの方に適した食品です。」、「血糖値が気になり始めた方に適した食品です。」などと記載していたが、実際には、各商品は、トクホの許可等の要件を満たしていないものであった、というものでした。
 要するに、トクホの許可を受けた健康食品として広告宣伝、表示をしていたけれども、実際の商品については、許可の要件となっていた品質管理(試験検査)などが行われていなかった、というものです。

 上の文化通信の記事にも書いたのですが、今回も単に当該事業者のみならず業界全体に対して、消費者庁が取組要請を行っているように、健康食品の広告・表示については、消費者庁は厳しい目を向けています。事業者は消費者目線での商品提供、広告を行っていただきたいものです。

2017年1月30日 (月)

先日の消費者契約法「勧誘」要件最高裁判決についての消費者庁長官コメント

 ご承知の通り、1月27日に消費者庁三菱自動車に対して、景品表示法違反行為(不当表示)に関する初めての課徴金納付命令を出しました。これについてもブログで書きたいと思うのですが、まだ、ちょっと情報が不足しているように思えますので、ちょっと様子見をしているところです。


 1月24日の消費者契約法に関する最高裁判決については、前々回の記事「広告も消費者契約法上の「勧誘」に含まれるとの新判断(最高裁)」に紹介したところですが、その翌日(25日)の岡村消費者庁長官記者会見で、次のようなコメントが述べられています。

 これは、共同通信の平田記者からの「不特定多数の消費者に向けた広告の解釈というか、状況によっては勧誘に当たることもあるということで、消費者側への影響と事業者側への影響をどう受け止めていらっしゃるかということと、逐条解説の改定とか、消費者庁として何かお考えがあれば。 」という質問に対して、岡村長官は、

 「消費者契約法の逐条解説については、平成28年の改正法の内容を踏まえて、現在改定作業を進めているところでございます。そして、昨日出されました最高裁の判決は、大変重要なものと考えておりますので、逐条解説にその内容を盛り込むとともに、現在改定作業中の逐条解説に必要な修正をした上で、広く周知を図ってまいりたいと思います。」

 「「勧誘」要件の在り方については、現在、内閣府消費者委員会の消費者契約法専門調査会において優先的に検討すべき論点とされており、現在、正に検討が行われているところでございます。したがって、消費者庁としては、今回の判決の内容も踏まえつつ、今後の消費者委員会における審議が一層充実したものとなるよう、引き続き協力してまいります。 」

と答えています。

 ここに出ている「逐条解説」は、消費者契約法が制定された直後の平成13年に出されたものです。記者から、改定はいつ頃になるのか、という質問に対しては、「担当から後で回答します。」と回答されているだけで、特に報道もされていないようですね。


※これは改正前の逐条解説です。

2017年1月13日 (金)

「月刊住職」1月号の法律関係記事を読んで

 当ブログの昨年秋の記事「位置情報とソーシャルゲームの法律問題」(2016/11/17)で、少しだけ触れました雑誌「月刊住職」(興山舎)ですが、バックナンバーを見てもらえばわかるように、記事のかなりの部分は法律関連の記事となっています。

 宗教関係の雑誌なのにと思うのですが、考えてみれば、仏教寺院全体が対象なので、同じ仏教とはいえども各宗派の個別の宗教的な記事は、横断的なものを除いては扱いにくいでしょうから、寺院経営の一般実務的な話題が多くなり、必然的に法律関係記事のシェアが大きいということかもしれません。当該雑誌自体も「寺院住職実務情報誌」と称しています。

 最新の2017年1月号も、法律に関連する記事としては、

「全日本仏教会の前会長の住職が「PL教団の教祖になれる」と吹聴して逮捕された真相」

「寺院が長年占有していれば国が国有地だと主張しても勝訴できる」

「葬送を怠る者や新たな葬法に法律(刑法)は機能し得るか(1)」

「寺院に預けられた少年に体罰したと批判された自称寺院住職の何が問題か」

「すでに施行されているマイナンバーの何が問題か」

「今こそ宗教と法律の問題新講座〔36〕寺院のすべてが個人情報保護法管理下におかれる法改正」

など満載ですし、毎号連載されている法律相談の今月号の質問は、

「責任役員会の決議でも実印捺印の議事録がなければ無効なのか」

「菩提寺には通用しないのを予め告知せず生前戒名を売るのは詐欺か」

というものです。

 他にも、「注目高まる「ビットコイン」はお寺でも使えるのか」などといった面白そうな記事がありますね。

 上記の記事のうち最初の、住職が逮捕された、というのは、昨年12月に住職らが大阪地検特捜部に背任などの疑いで逮捕、起訴されたという最近の事件に関するものです。早い取材だなぁというのが一番の感想ですね。

 上から2番目の寺院の土地占有による国有地の時効取得、というのは、私たちが司法試験受験時代に民法の論点のひとつとして勉強した「公物の時効取得」の問題です。弁護士になってから、そういう問題に当たったことは残念ながらありませんでしたが。

 「寺院のすべてが個人情報保護法管理下におかれる法改正」(櫻井圀郎)という記事は、今般の個人情報保護法改正全面施行の時点では、これまでの小規模事業者の適用除外の規定が撤廃されることから、小さな寺院であっても個人情報取扱事業者となることを踏まえて、改正法(政令等含む)の説明を中心に書かれているものです(次回以降に続くようです。)。
 ただ、この中の「個人情報」の定義の説明で、「したがって、寺院で扱う「檀信徒の情報」は「個人情報」に当たりますが、「過去帳」で扱う「故人の情報」は「個人情報」に該当しません。」とあります。確かに死亡した「故人」は「個人情報」の本人たりえませんが、その家族、子孫らの生存している個人とその「故人」の情報が結びつけられている場合は、全体の情報(例えば、私の亡父に関する情報)としては、生存者(私)の「個人情報」となりますので、現存する檀家の先祖の過去帳記載の情報であれば、「個人情報保護法」の適用外としてしまうことはできないことは多いと思います。

 マイナンバーの記事は、寺院実務に即したものかと期待しましたが、マイナンバー制度を批判的見地から危険性を指摘しているものでした。

 宗教法人関連の事案の法律問題を検討したいときには、ここのバックナンバーも調査しておいたほうがよさそうですね。

2017年1月12日 (木)

「お試し価格」商法に対する差止請求訴訟提起(KCCN)

京都新聞が、適格消費者団体「NPO法人京都消費者契約ネットワーク」(KCCN)」が1月11日、健康食品通販会社「BRONX(ブロンクス)」(東京都)を相手に、ホームページ上の当該広告の差し止めを求めて、京都地裁に提訴した、と報じています。現時点で、KCCNの公式サイトに公表記事は出ていませんが(※公開されました。末尾【追記】参照)、この京都新聞の報道に拠りますと、定期購入なのに「お試し価格」などと銘打って、安く1回限りの購入だと誤認させる広告を掲載していたもので、これが景品表示法違反(不当表示)であるとして、同法に基づく消費者団体の差止請求訴訟を提起したものですね。

 

KCCNの主張は、健康食品の販売に際し、ホームページ上で特定のコースで購入する場合は「定価の7割引きの980円」と表示しているが、約款では5カ月間の購入を義務付けられており、最低でも支払総額が1万4100円になってしまうのに、この約款は小さい文字でページ下部の目にとまりにくい場所に記載されていて、一般消費者からは、単価980円で購入できると誤認させている、との内容のようで、景品表示法上の「有利誤認」の主張と思われます。

 

このような「お試し価格」商法は、上記会社だけではなく、全国的に健康食品や化粧品などの事業者が存在しており、消費者がホームページなどで、商品を通常価格より安い価格(「お試し価格」)で購入したところ、実際は定期購入契約だったというトラブルが急増していることについて、昨年(2016年)6月16日付で国民生活センターが報告書を公表しています。それによれば、相談件数は年々増加傾向にあり、2015年度の相談件数(5,620件)は、2011年度(520件)の10倍以上に増えているとのことです。

 

相談急増!「お試し」のつもりが定期購入に!?

 

このような状況の下での上記KCCNの差止請求訴訟の提起ということになり、今後が注目されますが、ちょうど、昨年末に発刊された雑誌「国民生活研究(2016年12月)」(国民生活センター)にも関連の論考が出ています。この号の特集は「広告に関する消費者問題」で、この中の論文「インターネット広告に関する最近の法律問題」森亮二弁護士が、ステルスマーケティング(ステマ)やインターネット広告のプライバシー問題などと併せて、この「お試し価格」商法についても述べています。      
森弁護士の論文以外にも、この「国民生活研究(2016年12月)」は、広告問題や地方消費者行政などについて、重要な論文や報告等が掲載されており、以下に目次の抜粋を載せておきますので、興味のある方は是非ご一読ください。 

 

「国民生活研究(2016年12月)」目次

 

特集「広告に関する消費者問題」           
【特集に寄せて】広告をめぐる消費者問題と消費者関連法規      
松本 恒雄 (独立行政法人国民生活センター理事長)      
【論文】子どもに対する広告・マーケティングをめぐる新潮流   
-日本におけるガイドラインの成立-   
天野 恵美子(関東学院大学経済学部 准教授)      
【論文】インターネット広告に関する最近の法律問題      
森 亮二(弁護士)      
【報告】JAROに寄せられた広告・表示に関する苦情と処理の概況   
-平成27年度の実績から-      
黒岩 達哉   
(株式会社電通 総務局次長、公益社団法人日本広告審査機構 前審査部長)

 

【調査報告】全国都道府県における消費者行政の実態と課題      
色川 卓男(静岡大学教育学部 教授)   
梅田 智子(静岡大学教育学部 卒業生)   
佐々木 愛矢(静岡大学教育学部 卒業生)   
【制度紹介】フランス法におけるグループ訴権の導入   
-金融分野における集団的損害回復制度の研究-      
柴崎 暁(早稲田大学大学院経営管理研究科 教授)   
丸山 千賀子(金城学院大学生活環境学部 教授)

 

【追記】(2017/1/15)

 

KCCNサイトに、訴状と差止請求書が公開されました。

  KCCNサイト

2016年11月17日 (木)

位置情報とソーシャルゲームの法律問題

 先週末(12、13日)の情報ネットワーク法学会(明治大学中野キャンパス)では、13日午後の第11分科会「位置情報とソーシャルゲーム」に登壇してまいりました。もっとも私はメインではなく、コメンテーターみたいなお気楽な立場でしたけども。

 ポケモンGOが日本で7月下旬にリリースされてから4ヶ月ほどですが、この間の拡がりは御存じの通りで、当初ほどのブームはさすがに沈静化しているとはいえ、まだまだ根強い人気があるようです。

 このポケモンGOに関する法律問題等については、既に「月刊住職」9月号で特集され大島義則弁護士がコメントされているなど、こういった新しいゲームから生じる問題については、私も実務家として関心のあるところです。また、単にポケモンGOという特定のゲームに限らず、今後、AR(拡張現実)、VR(仮想現実)を活用したゲーム(だけではなく他のシステムも。)がもっと進んだ形で出てくることは間違いないと思いますので、そういった場合の問題を考えておくことは必要かと思います。この分科会だけではなく、当日午前の個別報告でも新潟大学の学生さんがポケモンGOの法律問題について報告されておりました。

 今回の情報ネットワーク法学会では、例年どおり様々なテーマの分科会が開催されていましたが、最初の夏井先生の記念講演をはじめとして、リアルとサイバーの融合(垣根がなくなっていく)という視点から将来の新しい法律の世界を考えさせられたという点で非常に興味深い研究大会でした。いつもながらお忙しい中、大変な準備作業にあたられた学会の理事者および運営にあたられた(学生さんを含めた)スタッフの方々に御礼申し上げます。

 もうひとつポケモンGOを特集している雑誌としては、情報処理学会「情報処理」11月号が挙げられます。特集は、「ゲーム産業の最前線~企画、デザインからビジネスモデルまで~」というもので、この中の特別コラム「ポケモンGOの衝撃」として9名の方々がそれぞれの分野で書かれています。法的問題については板倉陽一郎弁護士、観光との関係では井出明先生、歩きスマホ禁止に反対する立場からは神戸大学のあの塚本正彦先生など、それぞれ短いコラム形式ですが、豪華執筆陣となっていますね。

 ところで、このごろ、ポケモンを博士に送ると、しょっちゅうフリーズするようになったのですが、何故でしょうか?

より以前の記事一覧