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2018年5月30日 (水)

TSUTAYAの動画配信サービスなどについての不当表示(消費者庁)

 消費者庁は、本日、株式会社TSUTAYA(東京都渋谷区)に対し、同社の動画配信サービス及び光回線インターネット接続サービスに係る表示について、それぞれ、景品表示法に違反する不当表示(優良誤認と有利誤認)が認められるとして、措置命令を行っています。

 → 消費者庁公表資料 (PDF)

【優良誤認表示について】

 動画配信サービス「TSUTAYA TV」のうち「動画見放題プラン」などに関して、自社のwebサイトにおいて、 動画見放題プラン「動画見放題 月額933円(税抜) 30日間無料お試し」と記載し、その背景に30本の動画の画像を掲載し、「人気ランキング」及び「近日リリース」として、それぞれ10本の動画の画像を掲載して、あたかも、動画見放題プランを契約すれば、「動画見放題」との記載の背景に掲載された動画や、「人気ランキング」及び「近日リリース」として掲載される人気の動画や「新作」と称するリリースカテゴリの動画など、TSUTAYA TVにおいて配信する動画が見放題となるかのように示す表示をするなどしていました。

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                        ※消費者庁公表資料より

 しかし、実際には、動画見放題プランの対象動画は、TSUTAYA TVが配信する動画の12~26%程度であり、特に、「新作」及び「準新作」と称するリリースカテゴリの動画については、対象動画の割合が1~9%程度であるうえ、「動画見放題」との記載の背景に掲載した動画の過半は動画見放題プランの対象動画ではなく、「人気ランキング」として掲載した全ての動画も動画見放題プランの対象動画ではなく、「近日リリース」として掲載した動画を配信する際も大部分が動画見放題プランの対象動画ではないなど、TSUTAYA TVが配信する動画が、無条件に見放題となるものではなかった、というものです。

 消費者庁は、この表示に対する打消し表示の記載についても、検討しています。

 TSUTAYAは、上記表示と同一のwebページの下部に記載した「よくある質問」に、「▼動画見放題は新作も観られますか?」と記載し、当該記載をクリックすると、「実質0円で話題の最新作を観れるのはTSUTAYA TVだけです。 ※実質0円とは月額933円に毎月1080円分のポイントがついて540円の『新作』でも2本ご覧いただけます。」との記載が表示され、「▼TSUTAYA TVの動画配信とは?」と記載し、当該記載をクリックすると、「TSUTAYA TVの動画配信は、インターネットに接続したテレビ、パソコン、タブレット、スマートフォンから、好きな映画やアニメなど広いジャンルの映像をどこででもお楽しみいただける動画配信サービスです。 オススメの『動画見放題』プランなら、月額わずか933円(税抜)で、動画見放題 さらに、毎月1080円分の動画ポイントつき! まずは、いますぐ30日間の無料お試しをお楽しみください。 」などとの記載が表示されるようにしていました。

 しかし、消費者庁は、これらの記載は「見放題」との記載とは離れた箇所に小さな文字で記載されているものであり、回答に係る記載は質問に係る記載をそれぞれクリックしなければ表示されないものであることから、一般消費者が上記の表示から受けるサービス内容に関する認識を打ち消すものではなく、優良誤認表示に該当すると判断したものです。

 なお、打消し表示については、昨年、消費者庁が実態調査報告書を出しています。

 → 「「打消し表示に関する実態調査報告書」の公表(消費者庁・景表法)」
                           (2017/7/14)

【有利誤認表示について】

 TSUTAYAの光回線インターネット接続サービス「TSUTAYA 光」のうち「さんねん割」(3年間を契約期間とすることにより3年間にわたり毎月月額料金を割引するプラン)に関して、自社のwebサイトにおいて、「今なら『さんねん割』でずーっとお得!」と記載し、「価格」として、「戸建て」、「プラン ギガ」、「定価 5,200円」、「さんねん割 -700円」、「販売価格 4,500円」等と記載するとともに、「『さんねん割』キャンペーン」として、 「3年契約で料金がずーっとお得!」、「割引価格 戸建てタイプ:700円/月マンションタイプ:300円/月」、「キャンペーン受付期間 2015年2月12日~2017年3月31日」と記載するなどしていたのですが、実際にはキャンペーン受付期限が過ぎた後に申し込んだ場合にも、3年間にわたって、同様の割引が適用されていた、というものです。

2018年2月15日 (木)

「人材と競争政策に関する検討会」(公取委)報告書の公表

 注目されていた公正取引委員会「人材と競争政策に関する検討会」の報告書が本日公表されました。

 → 「人材と競争政策に関する検討会」報告書について (公正取引委員会サイト)

 報告書は本文が47頁となっており、上のリンク先からPDFファイルにリンクしています。   

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           (「報告書概要」 公取委サイトより)

 まだ、公表されたばかりで、読み込めてませんが、ひとまず一部を抜粋しておきます。

 まず、労働法と独占禁止法との関係については、

「・・・・1947年の独占禁止法立法時には,「人が自分の勤労を提供することは,事業ではない」として,労働者の労働は独占禁止法2条1項の「事業」に含まれないとの解釈がなされ,公正取引委員会は,これらを踏まえて独占禁止法を運用してきた。
 しかし,前記第1の1〔1~5頁〕のとおり,就労形態が多様化する中で,独占禁止法上も労働法上も解決すべき法的問題が生じてきている。さらに,近年,労働契約以外の契約形態によって役務提供を行っている者であっても,労働組合法上の「労働者」に当たると判断される事例も生じている。このように労働契約を結んでいなくとも「労働者」と判断される者が,独占禁止法上の事業者にも当たることも考えられる。
 以上のことを踏まえると,労働者は当然に独占禁止法上の事業者には当たらないと考えることは適切ではなく,今後は,問題となる行為が同法上の事業者により行われたものであるのかどうかを個々に検討する必要がある。同様に,独占禁止法上の「取引」についても,その該当の有無を,取引の類型ごとに一律に整理するのではなく,独占禁止法上禁止されている行為(後記第5〔15~22頁〕又は第6〔22~44頁〕の行為)に該当する行為が行われていると認められる場合に,その行為のなされている取引が独占禁止法上の「取引」に該当するかどうかを個々に検討することが適切である。そして,労働法と独占禁止法の双方の適用が考えられる場合,それらの適用関係について検討する必要がある。
 そもそも独占禁止法立法時に前記のとおり労働者の労働は「事業」に含まれないとの解釈が採られたのは,使用者に対して弱い立場にある労働者保護のため,憲法の規定に基づき労働組合法,労働基準法を始めとする各種の労働法制が制定されたことを踏まえたものであった。この意義自体は現在も変わらないことからすれば,独占禁止法立法時に「労働者」として主に想定されていたと考えられる伝統的な労働者,典型的には「労働基準法上の労働者」は,独占禁止法上の事業者には当たらず,そのような労働者による行為は現在においても独占禁止法の問題とはならないと考えられる。加えて,労働法制により規律されている分野については,行為主体が使用者であるか労働者・労働者団体であるかにかかわらず,原則として,独占禁止法上の問題とはならないと解することが適当と考えられる。例えば,労働組合と使用者の間の集団的労働関係における労働組合法に基づく労働組合の行為がこのような場合に当たる。使用者の行為についても同様であり,労働組合法に基づく労働組合の行為に対する同法に基づく集団的労働関係法上の使用者の行為も,原則として独占禁止法上の問題とはならないと解される。また,労働基準法,労働契約法等により規律される労働者と使用者の間の個別的労働関係における労働者(下記囲み部分参照)に対する使用者の行為(就業規則の作成を含む。)も同様である。ただし,これらの制度の趣旨を逸脱する場合等の例外的な場合には,独占禁止法の適用が考えられる。」

 そして、スポーツ選手や芸能人の契約に関する独占禁止法の適用に関しては、以下のような記載がありました。                              

「例えば,スポーツ分野においては,複数のクラブチームが共同することで初めてプロリーグという一つの事業が成立する場合があるが,そのとき,複数のクラブチームが共同して選手の移籍を制限する行為はプロリーグの魅力を高めることを通じて消費者に対して提供するサービスの水準を維持・向上させる目的から行われているとの主張がある。
 これは,人材獲得市場における競争は阻害されるものの商品・サービス市場における競争は促進され,またこれを通じて人材獲得市場における競争も促進されるという主張と考えられる。そのような移籍制限行為が当該目的の実現に不可欠であるのか,商品・サービス市場での競争促進効果(消費者利益の向上等)の程度や,それが人材獲得市場での競争阻害効果を上回るものであるか,といった点も含めて総合的に考慮した上で判断されることになる。また,目的に比べてその手段が相当か,同様の目的を達成する手段としてより競争制限的でない他の手段は存在しないのかといった内容,手段の相当性の有無も考慮の上で判断される。」          

「例えば,芸能事務所やクラブチームが特定の者と一定期間の専属契約を締結し,その者の市場における価値の創造・拡大に資する(例えば,新人芸能人や新人選手の育成)とともに,その芸能人や選手の肖像等を芸能事務所等や本人以外の第三者が利用する取引の円滑化を図る場合があるが(後記脚注86参照),そのような事情の有無も含めて考慮した上で判断される。育成費用の回収を目的とする場合の具体的な考え方は,前記第5の3〔17~20頁〕の育成費用を回収する目的である場合と同じである。
 一方,契約期間が終了しても,既存の提供先である発注者の一方的な判断により専属義務を含む役務提供に係る契約を再度締結して役務提供を継続させる行為が,芸能事務所と芸能人の間の契約において行われる場合がある。芸能事務所と芸能人の間の契約が一度終了した後も,芸能事務所と第三者の間の当該芸能人についての契約が継続していることを理由に行われる場合,その必要性の有無も含めて考慮した上で判断される。」

「役務提供者が今後事実上移籍・転職ができなくなるほどの程度である場合,その不利益の程度は相当大きい。
 また,契約期間終了後は再契約をしないとの意向を示した役務提供者に対して,それを翻意させるために,発注者が役務提供者に対して,報酬の支払遅延や業務量の抑制などの不利益な取扱いをしたり,悪評の流布等により取引先変更を妨害し再度契約を締結させたりするといった行為についても,不利益の程度がより大きくなる場合がある。」

2017年12月 6日 (水)

NHK受信契約締結義務に関する最高裁大法廷判決

 ニュース報道でご承知のように、本日、NHK受信料に関する最高裁大法廷判決がありました(平成26(オ)1130 受信契約締結承諾等請求事件).。

 受信契約を拒否している者に対して、NHKが受信契約は成立しているとして、受信料の支払いを求めていた裁判で、被告は、受信設備(テレビ)設置者に受信契約の締結を強制する放送法の規定は、憲法違反(13条、21条、29条)であるなどとして争っていた裁判です。

 この裁判の1審、2審は、NHKの主張を概ね認め、被告に対して受信料の支払を命じていました。

 そして、本日、最高裁大法廷は、憲法違反ではない、として、被告の上告を棄却しました。なお、受信契約の成立時期に関する原審判決の判断については、NHKも不服として上告していましたが、こちらの上告も棄却されています。

 大法廷判決多数意見は、   

  1. 放送法による受信契約の強制は憲法違反ではない
  2. 受信契約の承諾の意思表示を命ずる判決の確定により受信契約が成立し、それに基づき、受信設備の設置の月以降(つまり遡る)の受信料債権が発生する 
  3. 受信料債権(契約成立後に履行期が到来するものを除く)の消滅時効は、受信契約成立時(つまり判決確定時)から進行する

 というものです。NHKとしては、わざわざ裁判をしなくてはいけない、という負担は負うものの、遡って受信料債権が発生するうえ、判決確定までは消滅時効期間も進行しない、ということになり、非常に有利な結果といえます。

 この判決に関しては、4名の裁判官の補足意見が付されているほかに、15名の裁判官の内、唯一、木内道祥裁判官による反対意見が述べられています。木内裁判官は、大阪弁護士会の弁護士出身の最高裁判事です。

 この木内反対意見は、   

  1. 放送法の契約成立義務の規定は、意思表示を命ずる判決を求めることのできる性質のものではない
  2. そう考えても、契約締結義務を拒否する者に対して損害賠償責任や不当利得返還義務による追及は可能である

というものです。木内反対意見の全文を下に貼り付けておきましたので、長文ではありますが、興味のある方は是非お読みください。

〔裁判官木内道祥の反対意見〕  
 私は,放送法64条1項が定める契約締結義務については,多数意見と異なり,意思表示を命ずる判決を求めることのできる性質のものではないと解する。以下,その理由を述べる。   

1 意思表示を命ずる判決をなしうる要件   
(1) 意思表示の内容の特定 

 判決によって意思表示をすべきことを債務者に命ずるには,その意思表示の内容が特定されていることを要する。契約の承諾を命ずる判決が確定すると,承諾の意思表示がなされたものとみなされて契約が成立することになるが,1回の履行で終わらない継続的な契約においては,承諾を命じられた債務者は判決によってその契約関係に入っていくのであるから,承諾によって成立する契約の内容が特定していないまま,判決が債務者の意思表示の代行をなしうるものではない。   

(2) 意思表示の効力発生時期   
 判決が命じた意思表示の効力発生時期が判決の確定時であることは,民事執行法174条が定めており,これと異なる効力発生時期を意思表示を命ずる判決に求めることはできない。   

2 放送受信規約の定める受信契約の内容   
 放送法は受信契約の内容を定めておらず,原告の定める放送受信規約がその内容を定めている。そのことの当否は別として,放送受信規約の定める受信契約の内容は,次のようなものである。   

(1) 受信契約の種別と受信料(第1条第1項,第5条)   
 受信契約には,3つの種別があり,1の受信契約につき,その種別ごとの受信料が定められている。   

(2) 受信契約の単位(第2条)   
 受信設備が設置されるのが住居であれば,世帯が契約単位であり,1世帯で複数住居なら,住居ごとが単位となる。世帯とは,住居および生計をともにする者の集まり,または,独立して住居もしくは生計を維持する単身者である。   
 事務所等の住居以外の場所に設置される受信設備については,設置場所が契約単位であり,設置場所の単位は,部屋,自動車などである。   
同一世帯の1の住居に受信設備が何台あっても,契約は1,受信料も1であり,住居以外の場所では1の設置場所に受信設備が何台あっても,契約は1,受信料も1である。   

(3) 受信契約書の提出義務(第3条)   
 受信設備を設置した者は,遅滞なく,①設置者の氏名及び住所,②設置の日,③受信契約の種別,④受信できる放送の種類及び受信設備の数などを記載した受信契約書を原告に提出しなければならない。   

(4) 受信契約の成立(第4条第1項)   
 受信契約は受信設備の設置の日に成立するものとする。   

(5) 受信契約の種別の変更(第4条第2項)   
 受信契約の種別の変更については,受信設備の設置による変更は設置の日に,受信設備の廃止による変更は,その旨を記載した受信契約書の提出の日に,原告の確認を条件として,変更される。   

(6) 受信料支払義務の始期と終期(第5条第1項)   
 受信契約者は,受信設備の設置の月から解約となった月の前月まで,受信料を支払わなければならない。   

(7) 受信契約の解約(第9条第1項,第2項)   
 受信設備を廃止すると,受信契約者は,その旨の届出をしなければならない。原告が廃止を確認できると,届出があった日に解約されたものとする。   

3 放送受信規約の定めと意思表示を命ずる判決をなしうる要件の関係   
(1) 放送受信規約による契約内容の特定
   
 受信契約の承諾を命ずる判決には,承諾の対象となる契約の内容の特定が必要なところ,判決主文において明示するか否かを問わず,判決の時点における放送受信規約を内容とする受信契約の承諾を命ずることになる。そこで,放送受信規約の定めが,それ自体として,契約内容を特定するものとなっているのか否かが問題となる。   

(2) 放送受信規約による契約内容   
 放送受信規約は,受信設備設置者が設置後遅滞なく前記2(3)の事項が記載された受信契約書を提出して受信契約が成立することを前提としている。そのようにして受信契約が締結される限り,受信契約が受信設備設置時に遡って成立すると合意することは可能であり,1世帯に複数の受信設備があり,受信設備の種類が異なっていても,提出された受信契約書の記載によって,契約主体,契約の種別を特定することは可能である。
 他方,以下の①~③で示されるとおり,判決によって受信契約を成立させようとしても,契約成立時点を受信設備設置時に遡及させること,また,判決が承諾を命ずるのに必要とされる契約内容(契約主体,契約の種別等)の特定を行うことはできず,受信設備を廃止した受信設備設置者に適切な対応をすることも不可能である。   

① 契約の成立時点と受信料支払義務の始点   
 意思表示を命ずる判決によって意思表示が効力を生ずるのは,民事執行法174条1項により,その判決の確定時と定められている。承諾を命ずる判決は過去の時点における承諾を命ずることはできないのであり,承諾が効力を生じ契約が成立するのは判決の確定時である。したがって,放送受信規約第4条第1項にいう受信設備設置の時点での受信契約の成立はありえない。   
 受信料債権は定期給付債権である(最高裁平成25年(受)第2024号同26年9月5日第二小法廷判決・裁判集民事247号159頁)が,定期給付債権としての受信料債権を生ぜしめる定期金債権としての受信料債権は,受信契約によって生じ,その発生時点は判決の確定時である。受信契約が成立していなければ定期金債権としての受信料債権は存在せず,支分権としての受信料債権も生じない。したがって,放送受信規約第5条にいう受信設備の設置の月からの受信料支払義務の負担はありえない。   

② 契約の主体と受信契約の種別の変更   
 同一の世帯に夫婦と子がいる場合,放送受信規約第2条は,住居が1である限り,受信設備が複数設置されても受信契約は1とするが,夫婦と子のそれぞれが受信設備を設置しあるいは廃止すると,判決が承諾を命ずるべき者が誰なのかは,不明である。それぞれが設置した受信設備の種類が異なる場合,判決が承諾を命ずる契約の種別が何なのかも,不明である。   

③ 受信設備を廃止した受信設備設置者との関係   
 承諾を命ずる判決は,過去の時点における承諾を命ずることはできないのであるから,現時点で契約締結義務を負っていない者に対して承諾を命ずることはできない。受信契約を締結している受信設備設置者でも,受信設備を廃止してその届出をすれば,届出時点で受信契約は解約となり契約が終了する(放送受信規約第9条)ことと対比すると,既に受信設備を廃止した受信設備設置者が廃止の後の受信料支払義務を負うことはありえない。仮に,既に受信設備を廃止した受信設備設置者に対して判決が承諾を命ずるとすれば,受信設備の設置の時点からその廃止の時点までという過去の一定の期間に存在するべきであった受信契約の承諾を命ずることになる。これは,過去の事実を判決が創作するに等しく,到底,判決がなしうることではない。   
 原告が受信設備設置者に対して承諾を求める訴訟を提起しても,口頭弁論終結の前に受信設備の廃止がなされると判決によって承諾を命ずることはできず,訴訟は受信設備の廃止によって無意味となるおそれがある。   

4 財源としての受信料の必要性と放送法64条の関係   
 放送法の制定当時においても民事訴訟法736条が現行の民事執行法174条と同様の意思表示を命ずる判決を定めていたのであるから,放送法の制定にあたって,同法に定める受信契約の締結義務を,意思表示を命ずる判決によって受信契約が成立するものとし,それによって受信料を確保するものとする動機付けは存したかもしれないが,そのことと,実際に制定された放送法の定めが,受信契約の締結を判決により強制しうるものとされているか否かは,別問題である。   
 受信契約の内容は放送受信規約によって定められ,その規約による受信契約の条項は電波監理審議会の諮問を経た総務大臣の認可を経ているのであるから,放送受信規約は放送法64条1項の趣旨を具体化したものとなっていると解されるが,その規約の内容が,判決によって承諾を命ずることができるものにはなっておらず,かえって,任意の契約締結を前提とするものとなっていることは,前項で述べたとおりであり,放送法64条1項は判決により受信契約の承諾を命じうる義務の定め方をしていないのである。   

5 判決によって成立する受信契約が発生させる受信料債権の範囲    
 多数意見は,受信設備の設置の月以降の分の受信料債権が発生する理由を,受信契約の締結を速やかに行った者と遅延した者の間の公平性に求めるが,これは,受信契約が任意に締結される限り受信料支払義務の始点を受信設備設置の月からとすることの合理性の理由にはなるものの,放送法の定めが判決が承諾を命じうる要件を備えたものとなっていることの理由になるものではない。   
 契約の成立時を遡及させることができない以上,判決が契約前の時期の受信料の支払義務を生じさせるとすれば,それは,承諾の意思表示を命ずるのではなく義務負担を命ずることになる。これは,放送法が契約締結の義務を定めたものではあるが受信料支払義務を定めたものではないことに矛盾するものである。   

6 受信料債権の消滅時効の起算点   
 多数意見は,判決により成立した受信契約による受信料債権の消滅時効の起算点を判決確定による受信契約成立時とし,任意の受信契約の締結に応じず,判決により承諾を命じられた者は受信料債権が時効消滅する余地がないものであってもやむを得ないとする。   
 受信設備設置者は,多数意見のいうように,受信契約の締結義務を負いながらそれを履行していない者であるが,不法行為による損害賠償義務であっても行為時から20年の経過により,債権者の知不知にかかわらず消滅し,不当利得による返還義務であっても発生から10年の経過により,債権者の知不知にかかわらず消滅することと比較すると,およそ消滅時効により消滅することのない債務を負担するべき理由はない。   

7 放送法の契約締結義務の私法的意味   
 放送法64条1項の定める受信契約の締結義務が判決により強制できないものであることは,なんら法的効力を有しないということではない。   
 受信契約により生ずる受信料が原告の運営を支える財源であり,これが,原告について定める放送法の趣旨に由来することから契約締結義務が定められているのであるから,受信設備を設置する者に受信契約の締結義務が課せられていることは,「受信契約を締結せずに受信設備を設置し原告の放送を受信しうる状態が生じない」ことを原告の利益として法が認めているのであり,この原告の利益は「法律上保護される利益」(民法709条)ということができる。受信契約の締結なく受信設備を設置することは,この利益を侵害することになり,それに故意過失があれば,不法行為が成立し,それによって原告に生ずる損害については,受信設備設置者に損害賠償責任が認められると解される。   
 同様に「受信設備を設置し原告の放送を受信しうる状態となること」は,受信設備設置者にとって,原告の役務による利益であり,受信契約という法律上の原因を欠くものである。それによって原告に及ぼされる損失については,受信設備設置者の不当利得返還義務が認められると解される。

2017年7月13日 (木)

芸能プロ契約問題と「人材と競争政策に関する検討会」(公取委)

 先日、NHKの報道に関して、 「芸能プロダクションと芸能人との契約について公取委が調査との報道」 (2017/7/ 8)を書きましたが、今日は朝日新聞が関連記事を報じています。

 これは、芸能タレントやスポーツ選手、コンピュータープログラマーなど、特殊な技能を持つ人と企業などとの契約について、公正取引委員会が有識者会議を来月から開催し、早ければ今年度中に報告書を公表する、としているものです。

 おそらく、公正取引委員会競争政策研究センター(CPRC)が昨日(7/12)公表した 「「人材と競争政策に関する検討会」の開催について」「人材と競争政策に関する検討会」のことかと思われます。

 公表内容では、特に、芸能、スポーツなどに絞ってはいませんが、アメリカや欧州でのスポーツ選手の移籍問題や、昭和38年の我が国の映画会社の事案などに触れており、オブザーバーにスポーツ庁も入っていますので、芸能、スポーツ関係も視野に入れていることは間違いないようです。

 検討会のメンバーは以下の通りです。

   荒木 尚志 東京大学大学院法学政治学研究科教授
   大橋 弘
    東京大学大学院経済学研究科教授
              (
競争政策研究センター主任研究官)
   風神 佐知子
 中京大学経済学部准教授
   川井 圭司
 同志社大学政策学部教授
   神林 龍
   一橋大学経済研究所教授
座長 泉水 文雄
 神戸大学大学院法学研究科教授
   高橋 俊介
 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任教授
   多田 敏明
 日比谷総合法律事務所 弁護士
   土田 和博
 早稲田大学法学学術院教授
   中窪 裕也
 一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授
   中村 天江
      リクルートワークス研究所労働政策センター長
   和久井 理子
 大阪市立大学大学院法学研究科特任教授
              (
競争政策研究センター主任研究官)

(オブザーバー)
文部科学省(スポーツ庁) 厚生労働省 経済産業省
             [五十音順,敬称略,役職は平成29年7月12日現在]

 いつもいろいろとお世話になってます神戸大学の泉水文雄教授が座長となっておられますね。今後の検討状況を注目したいです。

【追記】(7/18)

 「人材と競争政策に関する検討会」について、公取委事務総長定例会見でも触れられていたようですので、追記しておきます。
 → 事務総長会見記録(平成29年7月12日) 

続きを読む "芸能プロ契約問題と「人材と競争政策に関する検討会」(公取委)" »

2016年3月 8日 (火)

TPP関連法案の国会提出と著作権侵害罪の非親告罪化の対象

 本日、「環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律案」いわゆるTPP関連法案が閣議決定され、国会に提出されました。これには、農林水産品の輸入に関する法律や独占禁止法、特許法、著作権法などの改正が含まれています。

 この法律案や概要等の資料については、内閣官房のサイトに公表されています。

  → 内閣官房サイト第190回国会提出法案

 この内、著作権法に関しては、保護期間の延長などが内容となっているのですが、著作権法違反罪について、従前は親告罪(被害者=著作権者の告訴がないと起訴できない。)となっていたのを非親告罪化する改正も含まれています。ただし、漫画同人誌などでの二次創作、パロディまでが、告訴なしに捜査当局に立件されることに対しては強い反対があったため、非親告罪化する行為の対象を限定しています。

 なお、この非親告罪化問題については、当ブログでも過去に書いています。

 → TPPによる著作権非親告罪化と二次創作(2015/11/5)

親告罪規定である著作権法第123条についての今回の改正法案を見ると、従前の第1項(親告罪規定)の後に、第2項、第3項を加えて(現在の第2項は新第4項に移る。)、新第2項の一号、二号に記載された有償著作物等(新第3項に定義)に関する行為に限り、親告罪規定(第123条1項)を適用しない(非親告罪化)とする形になっています。新第2項、新第3項については、後に貼り付けておきます。

 内閣官房サイトの概要の図表は次のようになっています。

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 つまり、非親告罪となるのは、「有償著作物等」が対象とされ、それは有償で著作権法上適法に公衆に提供されたり提示されたりしているものです(新第3項)。

 そして、当該行為が「対価として利益を受ける目的」又は「著作権者等の利益を害する目的」で行われる場合で、しかも、「有償著作物等」を原作のまま複製された複製物を公衆に譲渡したりや原作のままネット送信したりする行為(新第2項第2号)と、そのために複製する行為(新第2項第3号)のみが対象で、かつ、諸般の事情に照らして著作権者等の得ることが見込まれる利益が不当に害されることとなる場合に限定されています。

 したがって、コミケなどで売られているパロディや二次創作、個人的な少部数の販売などは原則として除かれることとなります。したがって、非親告罪の対象となる行為は、海賊版の販売で利益を得る場合などが典型的なものになります。

 ただし、もちろん、親告罪のままでも、従前通り、著作権法上、違法な行為であることには間違いなく、権利者らから告訴されたり、民事上の損害賠償等の請求がなされるリスクはありますので、その点はご注意ください。


(改正法案における著作権法第123条・・・第1項、第4項は略)

2 前項の規定は、次に掲げる行為の対価として次の各号のいずれかに掲げる行為を行うことにより犯した第119条第1項の罪については、適用しない。

一 有償著作物等について、原作のまま複製された複製物を公衆に譲渡し、又は原作のまま公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。次号において同じ。)を行うこと(当該有償著作物等の種類及び用途、当該譲渡の部数、当該譲渡又は公衆送信の態様その他の事情に照らして、当該有償著作物等の提供又は提示により著作権者等の得ることが見込まれる利益が不当に害されることとなる場合に限る。)。

二 有償著作物等について、原作のまま複製された複製物を公衆に譲渡し、又は原作のまま公衆送信を行うために、当該有償著作物等を複製すること(当該有償著作物等の種類及び用途、当該複製の部数及び態様その他の事情に照らして、当該有償著作物等の提供又は提示により著作権者等の得ることが見込まれる利益が不当に害されることとなる場合に限る。)。

3 前項に規定する有償著作物等とは、著作物又は実演等(著作権、出版権又は著作隣接権の目的となつているものに限る。)であつて、有償で公衆に提供され、又は提示されているもの(その提供又は提示が著作権、出版権又は著作隣接権を侵害するもの(国外で行われた提供又は提示にあつては、国内で行われたとしたならばこれらの権利の侵害となるべきもの)を除く。)をいう。

2013年7月20日 (土)

「ウルトラマンが泣いている」(円谷英明著)

 明日は参議院議員選挙ですね。私は既に期日前投票に行ってきましたが(私のところでは、参議院だけでなく、市長、市議選もあります。)、皆さん、投票には必ず行きましょう。

 さて、今回も本の紹介なのですが、一見すると法律の話と関係なさそうですが、読んでみたところ、とても面白く、かつ、私の仕事にも関係ありそうな話が満載で一気に読みました。

 「ウルトラマンが泣いている-円谷プロの失敗」円谷英明 講談社新書 です。

 円谷プロ、ウルトラシリーズといえば、私はウルトラQ、初代ウルトラマンから見ていた世代であり、著者である円谷英明氏(円谷英二の孫)は私と同い年のようですので、時代的な視点もほぼ同じです。

 一言でいえば、著者も社長となり、後に退任した円谷プロの盛衰の話なのですが、視聴者サイドからは見えなかったテレビ業界の裏話はもちろんのこと、同族会社の経営の問題、著作権やキャラクタービジネスなど、実際に私も現在関与しているような法律問題につながる話が当事者の立場から語られています。タイや中国での権利関係の訴訟など海外進出にまつわる失敗なども大変興味深いところです。

 新書で気軽に読めますし、お勧めの本です。

2012年8月14日 (火)

お盆ですね。終戦記念日です。

 消費者庁長官が福嶋さんから阿南(あなん)さんに交替しましたね。阿南さんは初めての女性長官というだけでなく、民間消費者団体の出身者ということで注目されます。それぞれの退任、就任会見が消費者庁サイトに出ています。今回の国会では、いくつかの法改正などもされ、引き続き消費者安全法改正や集団的消費者被害救済制度新設などもありますので、新長官には是非今後もがんばっていただきたいと思います。

 → 福嶋前長官退任記者会見

 → 阿南新長官就任記者会見


 で、8月15日は終戦記念日ですね。思えば、1945年のことですから、ずいぶん昔のことになり、(私ももちろん戦後産まれですが)若い人には明治維新同様の歴史上の出来事になっているかもしれません。しかし、現在でも、沖縄の基地問題、近隣諸国との領土問題、そして核の問題も、まさに今の話ですので、改めて終戦を考えていただきたいな、と思うところですね。

 終戦といえば、日本の映画では、これでしょうか。本当は、もっといろいろとあってもいいと思うのですが、基本アイテムとして見ていただきたいと思います。豪華なキャスティングですし。

 この映画のタイトルは、第二次世界大戦のノルマンディ上陸作戦を描いた「史上最大の作戦(The Longest Day)を拝借しているのですが、そこはいろいろ意見のあるところですね。私はどちらも大変好きな映画ですが。

2012年4月15日 (日)

映画「青いソラ白い雲」(金子修介監督)と「裁判員体験ゲーム」(大阪弁護士会)

 年度明けからバタバタとしていまして、ブログの更新ができないままになっていました。

 これを書きながら、NHKスペシャル「木嶋被告 100日裁判」を見ています。いろいろな意味で重い事件ですが、ブログのほうは日曜日ですし、エンタメ系の少し軽い話題でご勘弁ください。

 まず、金曜土曜と仕事で東京出張だったのですが、土曜午前は時間がありましたので、新宿で映画を見ていました。
 というのも、Twitterで知り合いになった歌手の畑中葉子さんが女優として出演された映画「青いソラ白い雲」(金子修介監督)が先日から公開されていたのですが、残念ながら、今の所関西では上映館がなく(どこかやって下さい。〈やるようです。後記の追記参照ください。〉)、新宿のK's sinema で午前1回の上映のみだったので、鑑賞させていただいたものです。

 → 「青いソラ白い雲」公式サイト

 東日本大震災後の日本がテーマとなっているので、最初聞いたときは重い内容の映画かと思っていたのですが、実際には、テンポのよい軽快なタッチの青春映画になっています。しゃれたコメディ映画の佳品ですね。

 主人公は、モデルの森星(もりひかり)さんで、森英恵さんの孫、森泉さんの妹で、セレブの娘さん役を可愛く演じておられました。この主人公の母親が畑中さんです。
 とある新聞の映画評では、「謎の人物やエピソードを盛り込み過ぎ」とありましたが、私はそんな風には感じませんでした。適度な軽い笑いを楽しめる作品だと思います。大沢樹生さん演じる自称音楽プロデューサーは後半の重要な役どころを見事に演じられていました。また、川谷拓三の息子の仁科貴さんはお父さんそっくりになられて(前からそっくりではありましたが)錯覚してしまいました。
 何と言っても、ラストシーンで森星さんが川の堤防上を唱うシーンはとても良かったです。私は今朝、いつもの川沿いのコースをランニングしてたのですが、このシーンの歌がずっと頭の中で回っていました(笑)

 ということで、よろしければご覧下さい。震災直後のこの映画は貴重な作品だと思います。

 ※追記※ 大阪での上映が決まったようですね。
         6月2日~ 十三 シアターセブン


 で、もう1つのネタは、これです。冒頭の裁判員裁判の話題と間連するものです。ただし、ニュースサイトなので、そのうち消えますので・・

 → 読売新聞「裁判員体験ゲーム 大阪弁護士会がHPで来月無料公開」

 来月公開されるようなので、そのときはまたご紹介いたしますが、大阪弁護士会の関係委員会でかなり頑張って作ったようです。もちろん、私はまだ体験できていませんが、ちょっと期待しています。

2011年5月 8日 (日)

ユッケ食中毒事件とテレビ

 焼肉チェーン店「焼肉酒家えびす」で提供されたユッケが原因と見られる食中毒事件は死者が複数出るなど被害が拡大しています。
 この事件については、そもそも、生食用牛肉というものは流通していないとか、卸売り業者がユッケ用と説明していたとかいないとか、いろいろな問題が絡んでいるようで結構複雑なことになっています。ただ、いずれにせよ、生ものを出す以上は、調理現場が仕入れから調理、提供まで責任を持つべきことは当然ではないかと思います。私の場合はユッケは嫌いではないのですが、自分が信用できそうな店でしか注文しません。

 事件の起きた焼肉チェーン会社の社長のお詫び会見の様子も話題になっています。
 ある意味で正直な発言とはいえますが、それなりの企業の経営に責任を持つ者としては、リスク対応態勢ができていないように思えます。被害者、家族らの関係者やその他社会全体に対する謝罪をきちんとするとともに、今後の対応の説明、さらに自社の正当な主張の部分も世間に発信するということが、こういった記者会見では必要になるのですが、そういうことを理解して事前に会見内容を準備しておかなければいけません。でなければ、今回の会見のように(過去にもいろんな事件がありましたが)、かえって被害者や社会の反発をかって火に油を注ぐことになったり、今の時代、その映像がテレビやネット上で将来にわたって流されるという結果になってしまいます。
 あれくらいの規模の会社であれば、死者まで出した重大事態への対応のためには、マスコミ対応を含めて、費用がかかっても危機管理の専門家に相談すべきところですが、本件ではどうだったのでしょうか。

 また、食中毒事件の発生の直前の4月18日夜放映の日本テレビ「人生が変わる1分間の深イイ話」という番組の中で、この焼肉チェーンが紹介され、激安なのに高級店なみの接客などと、この店の営業内容を称賛する内容であったようです。

 → MSN産経ニュース
 → JCASTニュース
     (報道サイトは期間が経過するとリンクが切れるかもしれません)

 この番組では、ユッケを紹介したわけではないようですし、今回の事件の法的責任ということは問題にならないかもしれませんが、少なくとも、優良な店であるとして番組が推奨している形式で紹介しているわけですから、番組制作サイドの問題は考えざるを得ません。

 以前、雑誌「現代消費者法」№6に書いたことなのですが(→ 現代消費者法 No.6 Amazon・これも推奨広告(^^;) )、広告の体裁はとらないけれども、実際には広告を目的とした商品推奨の記事を載せたり、テレビやラジオの放送番組として放映されるといったこともよく見られます。受け手側は、マスコミによる客観的な記事や出演者の個人的な実体験に基づく推奨などと感じられやすく、また、広告主、広告媒体もその効果を期待している点で問題は少なくありません。マスコミ自体の信頼性を背景にして、好感度が高い芸能人や信頼ある出演者が、情報番組などで商品等を推奨する場合には、従来論じられてきた広告媒体者や広告塔の責任とは少し角度は違うのかもしれませんが、同様の問題が生じるようにも考えられますね。

2010年10月 2日 (土)

『ハッブル宇宙望遠鏡』(サントリーミュージアム)

 村木さん事件に関わる大阪地検特捜部の件で、司法界もいろいろ騒然となってきました。今後の展開が注目ですが、あまり個々の事象に捕らわれすぎて一時の感情的な対応にならないようにしなければなりません(どんな問題でも同じことでしょうけども)。それと、村木さんの場合と同じように、今回も検察庁側の大本営発表を鵜呑みにするようなことはしないでおきたいと思います。

 さて、今日は朝から天保山のサントリーミュージアムへ行ってIMAXシアターで上映中の「HUBBLE 3D -ハッブル宇宙望遠鏡-」を観てきました。このシアターは20m×28mの馬鹿でかいスクリーンが売り物です。一見すると正方形に近いような感じを受けます。

 1時間足らずの上映で、約20年前から宇宙空間で天体観測を続けるアメリカの宇宙天文台「ハッブル宇宙望遠鏡」を昨年(09年)5月にスペースシャトル・アトランティスが修理作業に行った様子が中心です。
 もうちょっと天体の映像もたくさん観たかったという感じもしますが、宇宙空間での困難な修理作業などが大画面に鮮明な3D映像で浮かび上がり、感動ものです。動きにくい宇宙服を着て、命の危険も隣り合わせで、狭い機械の中で細かい作業を続けるなど、「イーッ」となりそうなお仕事、これは大変な精神力も絶対に必要ですね。また、スペースシャトルの打上シーンも何度もテレビでお馴染みとはいえ、大音響・振動付きで大スクリーンで見ると少年心をかきたてて、ただただ感動してしまいます(見かけは、おじさんですが)。

 この映画については、ツイッター上で、あの水道橋博士 @s_hakase がわざわざ大阪まで来て鑑賞して絶賛しておられたので、私も地元で一度は観ておこうと思った次第です。シアター自体は数年前に子供に名探偵コナンの3D映画を観たんですが、今回思い返しても、映画の内容はさっぱり覚えてませんでした(苦笑)。大人1000円(ネット、コンビニなど前売券900円)です。

 同じシアターで上映中(入替制)の「ゴッホ:天才の絵筆」(3Dではない)の予告編もやってましたが、こちらも観たくなりました。ゴッホの絵が大スクリーンにでかでかと映っているのは壮観ですね。

 このIMAXシアターのあるサントリーミュージアム天保山は今年末に閉館することが決まっているうえ、先日(9/16)、サントリーから大阪市に建物や所蔵品を無償譲渡されることが発表されています。同時にサントリーから7億円の寄付をされるそうです。経営が厳しいためサントリーが撤退するというのが実情のようですね。

 大阪市は、当面は市所有のコレクションの展示場などに活用する、としていますが、IMAXシアターは使わないと思われます。これだけの施設がなくなるのはもったいない話ですが、維持するだけの環境にはないのでしょうね。

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