フォト

weathernews

ツイッターでつぶやく

無料ブログはココログ

2017年1月26日 (木)

ひとまず、「PPAP」商標登録出願騒動について

 ベストライセンス社、上田育弘氏は、商標権まわりの仕事に関係している人には、以前から大変な有名どころであったわけですが、突然、ピコ太郎の「PPAP」関連で、新聞やテレビが取り上げはじめ、大騒ぎになっていてビックリしています。
 今、人気の「PPAP」だから、というのも当然あるのでしょうが、やはり、ネット炎上の拡大の速さに今さらながら感じ入るしかないというところです。

 この件について、詳しく解説する時間はとてもありませんが、テレビなどでの報道、それを見ての一般の方々のTwitterなどでの投稿を見ていると、誤解されている部分がいくつか見られますので、そこだけ簡単に指摘して、今回の記事とさせていただきます。

  1.  上田氏は、元「弁理士」で、元弁護士でも元税理士でもありません。
     「弁理士」は特許など知的財産権の登録の出願、管理などを仕事とするための国家資格を持っている人です。
  2.    
  3.  今回の「PPAP」については、ベストライセンス社が「商標登録をした」、「商標権をとった」ということではなく、商標権の登録のための「出願」をしただけで、特許庁が登録を認めたわけではありません。登録を願い出た段階にすぎません。
  4.  これまでの同様の出願からみて、おそらく出願料は特許庁に支払われていないと思います。これを支払わないと、そもそも特許庁は登録の可否についての審査を始めません。      
  5.    
  6.  今回の出願で、出願料を払っても、特許庁は登録を認めない可能性がかなり高いと言えます。      
  7.    
  8.  仮に、認められて、ベストライセンス社が商標権を得たとしても、ピコ太郎が「PPAP」を歌えなくなる(こういう見出しの記事をいくつか見ましたが)、ということはありません。

                  以上です。

【追記】(1/27)
 弁理士さんの詳しい解説記事がありましたので、ご紹介します。上の記事だけでは、根拠がわからない、という方はお読みください。かなり長いです。私が「詳しく解説する時間はとてもありませんが」と冒頭にかいたのがお分かりいただけるかと (笑)

  → 「PPAPの商標が他人に商標登録出願された問題の解説」

               (ファーイースト国際特許事務所サイト)

【追記】(1/27)

 待望してました栗原潔先生の解説が出ました。
 ぜひご覧ください。

 → 「PPAP等の大量勝手商標出願問題について整理してみる」

2016年3月 8日 (火)

TPP関連法案の国会提出と著作権侵害罪の非親告罪化の対象

 本日、「環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律案」いわゆるTPP関連法案が閣議決定され、国会に提出されました。これには、農林水産品の輸入に関する法律や独占禁止法、特許法、著作権法などの改正が含まれています。

 この法律案や概要等の資料については、内閣官房のサイトに公表されています。

  → 内閣官房サイト第190回国会提出法案

 この内、著作権法に関しては、保護期間の延長などが内容となっているのですが、著作権法違反罪について、従前は親告罪(被害者=著作権者の告訴がないと起訴できない。)となっていたのを非親告罪化する改正も含まれています。ただし、漫画同人誌などでの二次創作、パロディまでが、告訴なしに捜査当局に立件されることに対しては強い反対があったため、非親告罪化する行為の対象を限定しています。

 なお、この非親告罪化問題については、当ブログでも過去に書いています。

 → TPPによる著作権非親告罪化と二次創作(2015/11/5)

親告罪規定である著作権法第123条についての今回の改正法案を見ると、従前の第1項(親告罪規定)の後に、第2項、第3項を加えて(現在の第2項は新第4項に移る。)、新第2項の一号、二号に記載された有償著作物等(新第3項に定義)に関する行為に限り、親告罪規定(第123条1項)を適用しない(非親告罪化)とする形になっています。新第2項、新第3項については、後に貼り付けておきます。

 内閣官房サイトの概要の図表は次のようになっています。

Photo_2

 

 つまり、非親告罪となるのは、「有償著作物等」が対象とされ、それは有償で著作権法上適法に公衆に提供されたり提示されたりしているものです(新第3項)。

 そして、当該行為が「対価として利益を受ける目的」又は「著作権者等の利益を害する目的」で行われる場合で、しかも、「有償著作物等」を原作のまま複製された複製物を公衆に譲渡したりや原作のままネット送信したりする行為(新第2項第2号)と、そのために複製する行為(新第2項第3号)のみが対象で、かつ、諸般の事情に照らして著作権者等の得ることが見込まれる利益が不当に害されることとなる場合に限定されています。

 したがって、コミケなどで売られているパロディや二次創作、個人的な少部数の販売などは原則として除かれることとなります。したがって、非親告罪の対象となる行為は、海賊版の販売で利益を得る場合などが典型的なものになります。

 ただし、もちろん、親告罪のままでも、従前通り、著作権法上、違法な行為であることには間違いなく、権利者らから告訴されたり、民事上の損害賠償等の請求がなされるリスクはありますので、その点はご注意ください。


(改正法案における著作権法第123条・・・第1項、第4項は略)

2 前項の規定は、次に掲げる行為の対価として次の各号のいずれかに掲げる行為を行うことにより犯した第119条第1項の罪については、適用しない。

一 有償著作物等について、原作のまま複製された複製物を公衆に譲渡し、又は原作のまま公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。次号において同じ。)を行うこと(当該有償著作物等の種類及び用途、当該譲渡の部数、当該譲渡又は公衆送信の態様その他の事情に照らして、当該有償著作物等の提供又は提示により著作権者等の得ることが見込まれる利益が不当に害されることとなる場合に限る。)。

二 有償著作物等について、原作のまま複製された複製物を公衆に譲渡し、又は原作のまま公衆送信を行うために、当該有償著作物等を複製すること(当該有償著作物等の種類及び用途、当該複製の部数及び態様その他の事情に照らして、当該有償著作物等の提供又は提示により著作権者等の得ることが見込まれる利益が不当に害されることとなる場合に限る。)。

3 前項に規定する有償著作物等とは、著作物又は実演等(著作権、出版権又は著作隣接権の目的となつているものに限る。)であつて、有償で公衆に提供され、又は提示されているもの(その提供又は提示が著作権、出版権又は著作隣接権を侵害するもの(国外で行われた提供又は提示にあつては、国内で行われたとしたならばこれらの権利の侵害となるべきもの)を除く。)をいう。

2016年2月15日 (月)

「エロスと『わいせつ』のあいだ 表現と規制の戦後攻防史」(園田寿・臺宏士 著・朝日新書)

甲南大法科大学院の園田寿教授とフリージャーナリストの臺宏士さんの共著による新書が出ましたので早速買ってきて読みました。 

    エロスと「わいせつ」のあいだ 表現と規制の戦後攻防史 (朝日新書) 

  Amazonサイト〔タイトルの関係上、本屋で買うのが恥ずかしい人用です(笑)〕

Photo_2

  写真の本の帯を見ていただいたら、本の内容はおわかりいただけるかと思いますが、古くて新しい問題の「わいせつ」について、ジャーナリストと刑法学者の目から見た最新の議論が詰まっています。 

 最近の「春画展」(今ちょうど京都・細見美術館で開催されていますね。)の問題および東京地裁の一審判決待ちのろくでなしこさんの女性器作品刑事裁判の問題など、最近の「わいせつ」問題を詳しく紹介するとともに、私が学生時代に勉強していたようなチャタレイ裁判悪徳の栄え裁判四畳半襖の下張裁判といった過去の代表的な「わいせつ」の議論を踏まえて、新しい時代の「わいせつ」を児童ポルノサイバーポルノなどを題材にして展望しています。

  内容的には大変真面目な本ですので、男女問わず、法律を勉強している人から一般の方まで広く読んでいただきたい本ですね。「わいせつ」というのは法律上どのように考えられているのか、ということに興味ある方は是非。 

 今年5月9日に予定されている東京地裁での、ろくでなし子さんの判決が待たれます。

【追記】(2/28)

 毎日新聞の書評にもとりあげられましたね。

2015年11月 5日 (木)

TPPによる著作権非親告罪化と二次創作

 昨日、ITmediaニュースが次のような記事を掲載しています。 

2次創作は非親告罪化の対象外に 文化審議会の小委員会、方向性まとまる 

 現在の日本の著作権法では、著作権侵害の刑事罰のほとんどは親告罪、つまり、著作権侵害行為があっても、著作権者が告訴を行わなければ、公訴を提起することができず、刑事責任を問うことはできません(著作権法123条参照)。 
 二次創作(二次的著作物)の場合も、同一性保持権、翻案権、複製権の侵害として刑罰の対象になる可能性がありますが、いずれも親告罪です。

 これについて、アメリカが海賊版(違法コピー)の規制強化のため、告訴を不要とする「非親告罪」化をTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)において要求していたとされています。 

 この非親告罪化ということになると、これまでいわゆるコミケなどで販売される同人誌等で漫画などを二次創作していた作者たちが、著作権者の告訴がなくても捜査の対象になるのではないかとの危惧があり、それでは、日本の漫画文化を支えてきた活動が萎縮するのではないか、という懸念が出されていました。 

 今回合意されたTPPの協定内容のうち、著作権関連は下に貼り付けておきました(政府資料より[PDF])。   
 このうち、非親告罪化については、故意による商業的規模の著作物の違法な複製等を非親告罪とする。ただし、市場における原著作物等の収益性に大きな影響を与えない場合はこの限りではない。」とされており、全ての著作物について非親告罪化を求めるものではないことになっています。   
 そして、上記の記事では、今後の著作権法改正作業では、二次創作については、非親告罪化から外す方向で議論されることとなったようです。   
 今後は具体的にどういったものを非親告罪化から外すように規定するのかが議論になろうかと思います。 

 一般的に多くの刑罰は非親告罪ですが、実際問題、非親告罪であっても、殺人罪であるとかよほど社会的に許容できないような悪質性の高いものは除いて個人法益に対する犯罪の場合は、被害者が刑事処罰を望まない限り、捜査機関が捜査を開始することはあまりないと思います。   
 ただ、著作権者自身が黙認しているような場合でも、捜査されるかもしれないという危惧は二次創作者に対しての萎縮効果としては大きいかもしれませんね。

  [TPP概要(抜粋)]

〇著作権 

著作権に関しては次のルール等が規定されている。 

・著作物(映画を含む)、実演又はレコードの保護期間を以下の通りとする。 

①自然人の生存期間に基づき計算される場合には、著作者の生存期間及び著作者の死から少なくとも70年 

②自然人の生存期間に基づき計算されない場合には、次のいずれかの期間 

(i)当該著作物、実演又はレコードの権利者の許諾を得た最初の公表の年の終わりから少なくとも70年 

(ii)当該著作物、実演又はレコードの創作から一定期間内に権利者の許諾を得た公表が行われない場合には、当該著作物、実演又はレコードの創作の年の終わりから少なくとも70年 

・故意による商業的規模の著作物の違法な複製等を非親告罪とする。ただし、市場における原著作物等の収益性に大きな影響を与えない場合はこの限りではない。 

・著作権等の侵害について、法定損害賠償制度又は追加的損害賠償制度を設ける。

2015年8月16日 (日)

初コミケ行ってきました(著作権トークイベント)

8月14日に初めてコミケ(コミックマーケット) (於:東京ビッグサイト)に行ってきました。

  この日、会場内で5時から開催されるトークイベント「TPPの著作権条項を考える ~非親告罪化、保護期間延長、そして法定賠償金~」を聴きにいくのが主目的でしたが、著作権問題を学ぶ者ならば、コミケは是非見に行った方がいい、という強いお薦めがあり、現代日本の著作権問題の最前線を視察、研究するため(笑)、午後早い時間から東京ビッグサイト内をうろうろとしてみました。 

DSC_0381[1]

  東京ビッグサイトといえば、私にとっては、東京マラソンの受付・フィニッシュ会場で、今年2月にも来ました。マラソンのゴール後も多くの人が着替えや休憩でごったがえしているのですが、それとは比較にならない程の多くの人たちがビッグサイト全体にひしめいていました。 

まずは、トークイベント以外の第2目的である、ゴ3ネタブログで有名な弁護士「刑裁サイ太」さんの販売ブースを訪問して、サイ太さんに御挨拶。お会いするのは3回目。すごい人の中で、ブースがみつかるかな、と当初かなり不安でしたが、ブースの番号を理解してしまえば、割と楽にたどりつけました。   
ここで、「大嘘判例八百選」の①(№6)と②(№7)、そして「板倉宏博士傘寿祝賀論文集」(笑)をゲットしてきました。もちろんサインも。

  

DSC_0382[1]DSC_0389[1]

  それから、コスプレ会場、企業ブースを回って、ちょっと休憩の後、西アトリウムのトークイベント会場へ。準備中なので、あたりをブラブラしてると、うぐいすリボンの荻野さん達から声をかけていただき着席。広島大の岡田先生も合流して、思いがけない交流の機会にもなりました。 

150814tpp

  

2015tpp2

  わずか1時間という短い時間で、また、必ずしも著作権制度を正確に理解されていない一般聴衆も対象ということで、若干消化不良感もありましたが、山田太郎参議院議員からの発言もあり、TPPの交渉の現状を理解するうえで大変役にたったと思います。このトークイベントはNHKニュースでも報道されたようですね。

2013年1月 4日 (金)

「写り込み」規定に関する文化庁解説(著作権法改正)

 私の事務所の正式営業は週明けの7日からなのですが、私自身は今日から事務所に出て仕事をしておりました。ついでに事務所近くの大阪天満宮に寄って来ました。今日も大勢の参拝客がおられました。


 さて、昨年6月に成立した著作権法改正について、違法ダウンロードの刑罰化に関しては昨年10月1日から施行されているなどしていますが、ほとんどの規定に関しては、今年元日から施行されています。

 → 文化庁解説資料「平成24年通常国会 著作権法改正について」

 今回施行された改正のうち、一般の方に広く関係するのは、「写り込み」に関するものかと思います。これについては、改正法の国会審議中にも当ブログで話題にしました。

 → 「いわゆる「写り込み」などに関する著作権法改正法案公表」(12/3/19)

 写真やビデオの撮影の際に背景に別の著作物(例えば、キャラクター)が写り込んでしまったり、その写り込んだ写真等を自分のブログに掲載するといったことがありますが、こういった他人の著作物の利用については、著作権侵害として民事的にも刑事的にも責任が問われるリスクがありました。自分のブログに貼るだけにしても、ネットで公開するわけですから、「私的複製」として許容される範囲には入りません。

 今回の改正は、当該著作物に係る撮影等(「写真の撮影,録音又は録画」です。)の対象(本来の被写体ですね)から分離することが困難であるため付随して対象となってしまう他の著作物(これを「付随対象著作物」と呼んでいます。)は、当該創作に伴って複製又は翻案することが侵害行為に当たらないことを明確にしたものです。

 この「写り込み」等の規定について、文化庁から解説資料が公表されています。

 → 文化庁解説資料「いわゆる「写り込み」等に係る規定の整備について」

 これは、関連する著作権法の規定(30条の2,30条の3,30条の4,47条の9)について具体的な内容を明示するなどしたものです。
 カメラマンや映像制作者、出版社などプロは勿論ですが、一般の方でも、ホームページやブログに自分で撮影した写真を使うなどする人は一度見ておかれてもよいかもしれませんね。

 なお、違法ダウンロード刑罰化に関しては、下記当ブログ記事、および、そこからのリンクをご覧下さい。

 → 「違法ダウンロード行為の刑罰化へ(著作権法)」(12/6/20)

2012年1月 4日 (水)

大阪市立東洋陶磁美術館の所蔵品展(サントリー美術館)

 事務所は正式には明日からなのですが、今日4日から私は仕事に出ています。本年もよろしくお願い申し上げます。

 正月ということで少しは文化的な話から始めたいと思います。といっても、私も昨日、高校の同級生から教えてもらったばかりなのですが。

 大阪地方裁判所や大阪弁護士会のすぐそば、中ノ島中央公会堂の向かいに、「東洋陶磁美術館」があります。ご存知の方も多いと思いますが、破綻した商社・安宅産業の創業者らがコレクションをしていた青磁などの陶磁美術品を、安宅産業を処理した住友グループが承継して大阪市に寄贈し、このいわゆる「安宅コレクション」を展示するために大阪市が建設したのが、この東洋陶磁美術館です(1982年開館)。

 中ノ島公園や裁判所、弁護士会に寄った折には是非訪れてほしいところなのですが、昨年末から工事のため4月上旬まで閉館となっています。

 その閉館の期間中、1月28日から、東京のサントリー美術館(東京ミッドタウン)では、東洋陶磁美術館の所蔵品の中から、国宝2点、重要文化財13点を含む東洋陶磁約140件が展示されるということです(会期:1月28日(土)~4月1日(日)
 → 「大阪市立東洋陶磁美術館コレクション
           悠久の光彩 東洋陶磁の美」

 あまり派手さはない東洋陶磁ですが、よくわからなくても(笑)、じっくり見ていると心が落ち着きます(短期の展覧会で入場者が多いと、ゆっくりも見られないので、本当は、東洋陶磁美術館の常設展で平日にのんびり見るのをお勧めしたい。)。
 特に、今回のサントリー美術館の展覧会のトップページに出ている「国宝 飛青磁花生」(元時代 13-14世紀)は、私は大好きです。色といい、形といい、何度見ても素晴らしい(芸術的感性に乏しい私が言うのもなんですが)。

2011年5月13日 (金)

「廃墟写真」著作権事件控訴審判決(知的財産高裁・控訴棄却)

 昨年末に東京地裁の判決(平成10年12月21日東京地裁判決・原告請求棄却)が出されていた「廃墟写真」の著作権に関する裁判について、今月10日、知的財産高裁で控訴審判決が言い渡されています。結論は、原審の判断を支持して、原告写真家の控訴を棄却しています。

 → 平成23年5月10日知的財産高裁判決

 原審判決については、当ブログでも取り上げていますので、事案の内容などは、そちらをご覧下さい。

 → 「「廃墟写真」の翻案に関する東京地裁判決(著作権法)」(1/7)

 控訴審においても、基本的には当事者の主張内容は原審と同様のようですが、知的財産高裁は、原審の判断を支持して、「翻案権侵害を中心とする著作権侵害」の主張については、被控訴人(被告)の各写真とも原告各写真の翻案とは言えないとし、また、「名誉毀損の成否」については原審をそのまま支持し、そして、「法的保護に値する利益の侵害」の主張についても、以下の通り、これを斥けています。

「控訴人が原告各写真について主張する法的保護に値する利益として,まず廃墟を作品写真として取り上げた先駆者として,世間に認知されることによって派生する営業上の諸利益が挙げられている。しかし,原告各写真が,芸術作品の部類に属するものであることは明らかであるものの,その性質を超えて営業上の利益の対象となるような,例えば大量生産のために供される工業デザイン(インダスリアルデザイン)としての写真であると認めることはできない。廃墟写真を作品として取り上げることは写真家としての構想であり,控訴人がその先駆者であるか否かは別としても,廃墟が既存の建築物である以上,撮影することが自由な廃墟を撮影する写真に対する法的保護は,著作権及び著作者人格権を超えて認めることは原則としてできないというべきである。そして,原判決60頁2行目以下の「3 法的保護に値する利益の侵害の不法行為の成否(争点5)について」に記載のとおり,「廃墟」の被写体としての性質,控訴人が主張する利益の内容,これを保護した場合の不都合等,本件事案に表れた諸事情を勘案することにより,本件においては,控訴人主張の不法行為は成立しないと判断されるものである。控訴人が当審において主張するところによっても,上記判断は動かない。」

2010年10月 2日 (土)

『ハッブル宇宙望遠鏡』(サントリーミュージアム)

 村木さん事件に関わる大阪地検特捜部の件で、司法界もいろいろ騒然となってきました。今後の展開が注目ですが、あまり個々の事象に捕らわれすぎて一時の感情的な対応にならないようにしなければなりません(どんな問題でも同じことでしょうけども)。それと、村木さんの場合と同じように、今回も検察庁側の大本営発表を鵜呑みにするようなことはしないでおきたいと思います。

 さて、今日は朝から天保山のサントリーミュージアムへ行ってIMAXシアターで上映中の「HUBBLE 3D -ハッブル宇宙望遠鏡-」を観てきました。このシアターは20m×28mの馬鹿でかいスクリーンが売り物です。一見すると正方形に近いような感じを受けます。

 1時間足らずの上映で、約20年前から宇宙空間で天体観測を続けるアメリカの宇宙天文台「ハッブル宇宙望遠鏡」を昨年(09年)5月にスペースシャトル・アトランティスが修理作業に行った様子が中心です。
 もうちょっと天体の映像もたくさん観たかったという感じもしますが、宇宙空間での困難な修理作業などが大画面に鮮明な3D映像で浮かび上がり、感動ものです。動きにくい宇宙服を着て、命の危険も隣り合わせで、狭い機械の中で細かい作業を続けるなど、「イーッ」となりそうなお仕事、これは大変な精神力も絶対に必要ですね。また、スペースシャトルの打上シーンも何度もテレビでお馴染みとはいえ、大音響・振動付きで大スクリーンで見ると少年心をかきたてて、ただただ感動してしまいます(見かけは、おじさんですが)。

 この映画については、ツイッター上で、あの水道橋博士 @s_hakase がわざわざ大阪まで来て鑑賞して絶賛しておられたので、私も地元で一度は観ておこうと思った次第です。シアター自体は数年前に子供に名探偵コナンの3D映画を観たんですが、今回思い返しても、映画の内容はさっぱり覚えてませんでした(苦笑)。大人1000円(ネット、コンビニなど前売券900円)です。

 同じシアターで上映中(入替制)の「ゴッホ:天才の絵筆」(3Dではない)の予告編もやってましたが、こちらも観たくなりました。ゴッホの絵が大スクリーンにでかでかと映っているのは壮観ですね。

 このIMAXシアターのあるサントリーミュージアム天保山は今年末に閉館することが決まっているうえ、先日(9/16)、サントリーから大阪市に建物や所蔵品を無償譲渡されることが発表されています。同時にサントリーから7億円の寄付をされるそうです。経営が厳しいためサントリーが撤退するというのが実情のようですね。

 大阪市は、当面は市所有のコレクションの展示場などに活用する、としていますが、IMAXシアターは使わないと思われます。これだけの施設がなくなるのはもったいない話ですが、維持するだけの環境にはないのでしょうね。

2009年8月14日 (金)

今年も大阪弁護士会館で「大阪クラシック」

 お盆で少しギアダウンはしていますけれども、毎日仕事には出ています。

 今年も大阪クラシックの季節がやってきました。
 4年目になる大植英次プロデュース「大阪クラシック~御堂筋に溢れる音楽~」は、今年は、1週間(8/30~9/5)で100公演とのことですが、大阪市内のホールやビルなどで開催されます。有料公演と無料公演があります。
 → 大阪フィルの案内ページ

 このイベントの一環として、今年も、大阪弁護士会館の1階ロビーでの公演があります(無料)。下記の通り、5日間で6公演ですね。
 → 大阪弁護士会サイト イベント情報

8月31日(月)13:00 開演
     <ヴァイオリン二重奏>

9月 1日(火)13:00 開演
     <サクソフォン>

9月 2日(水)11:30 開演
     <フルート&ギターによる二重奏>

9月 3日(木)17:00 開演
     <オーボエ、クラリネット、ファゴットによる三重奏>

9月 5日(土)11:00 開演
     <弦楽五重奏>

9月 5日(土)13:30 開演
     <弦楽四重奏>