フォト

weathernews

ツイッターでつぶやく

無料ブログはココログ

2017年5月19日 (金)

研修サービス等に関する有利誤認表示(二重価格表示事案)に対する措置命令など

 本日は、衆議院法務委員会で、いわゆる共謀罪法案が可決され、また、天皇の生前退位に関する特例法案も閣議決定されるなど、重要な法律に関するニュースが流れています。また、民法(債権法)の大改正法案も審議中で、近々成立するものと見られております。


 さて、本日、消費者庁は、株式会社日本教育クリエイト(東京都新宿区)に対し、同社が行っている「三幸福祉カレッジ」の研修サービス(「介護職員初任者研修」、「実務者研修」など3役務)、「日本医療事務協会」の講座サービス(「医療事務通学講座」、「医療事務通信講座」)に係る表示が、不当表示(有利誤認表示)に該当するとして措置命令を行っています。 

  → 消費者庁公表資料 (PDF)

 これは、同社が自社のwebサイトにおいて、「通常受講料120,000円最大受講料半額以上もお得!59,500円~(教材費込・税別)」とか、「(通常:初任者研修120,000円+実務者研修127,000円=定価247,000円)キャンペーン受講料144,500円~(テキスト代込・税別)」とか、「通常価格55,000円42,700円(教材費込・税別)」などと記載することにより、あたかも、「通常受講料」又は「定価」と称する価額が同社が通常提供している価格であって、実際の受講料が、この通常提供価格に比して安いかのように表示していたが、実際には、最近相当期間にわたり提供された実績のないものだった、というものです。

 いわゆる二重価格表示の事案ですね。

 最近、このような二重価格表示など価格表示に関する有利誤認表示についての措置命令が目立つように思いますね。同業者のアディーレさんのところも、以前ですが価格表示の有利誤認表示が対象とされてましたし。

 先日(5月12日)も、コスモ石油販売株式会社が運営する「コスモ石油サービスステーション」での車検サービスに関して、新聞折込チラシで、「通常検査費用」より安い料金でサービスを受けられるような広告をしていた行為について、有利誤認表示とされ、措置命令が出されたところです。

 → 消費者庁公表資料 (PDF)

2017年5月17日 (水)

web版「消費者情報」(関西消費者協会)

 長年にわたって関西消費者協会から発行されてきた消費者問題の専門雑誌「消費者情報」が3月をもって休刊となりましたが、今回、新たにweb版がスタートしました。年4回無料配信の予定です。

 既に、国民生活センター雑誌「国民生活」も同様にweb版となっていますが、こちらも5月号が掲載されています。

     → web版「消費者情報」(関西消費者協会)

100

 このweb版「消費者情報」5月号の内容は以下の通りです。 興味のある方はご覧下さい。

【消費者情報5月号】

○消費者運動(団体)の課題と役割

  巻頭インタビュー 海外動向から見る消費者団体の課題と方向性   
               金城学院大学教授 丸山 千賀子

  今、消費者運動に必要なものは何か   
               弁護士 木村達也

  これからの消費者運動のゆくえ   
               日本消費者新聞社代表取締役・主幹 岩下道治

  消費者運動 現場からの報告Ⅰ・Ⅱ   
               全国地域婦人団体連絡協議会 会長 柿沼トミ子    
               全国消費者団体連絡会 事務局長 河野康子

○がんばれ!消費者委員会

  身元保証等高齢者サポート事業に関する消費者問題についての建議
               消費者委員会事務局

○団体訴訟への展開

  サン・クロレラチラシ差止め訴訟最高裁判決   
               京都消費者契約ネットワーク(KCCN)弁護士 志部淳之介

○消費者弁護士の肖像

  山﨑省吾 第5回(全9回予定)

○地方消費者行政の「今」を歩く

  大阪編・堺市立消費生活センター

○公正取引委員会の仕事

  不当な表示や景品に“待った”をかける   
               公正取引委員会事務総局 近畿中国四国事務所
                                 取引課長 笠原雅之

○ネット漂流

  タッチで支払い【Apple Pay】は子どもでも使えてしまう   
               NIT情報技術推進ネットワーク株式会社 篠原嘉一

○Infomatiom

  インフォメーション

2017年5月10日 (水)

米国FTCがSNSによる女優らのステマ投稿に警告

「ステマはだめ!」、InstagramインフルエンサーにFTCが警告 (ITpro)

 これは、先月4月20日の記事ですが、この中では誰に警告を送ったのかは公開されていない、とされています。

 ところが、このほどロイターが送付先の資料を入手したとして報じています。

米規制当局が女優やモデルに注意喚起、SNSでの商品推奨に (ロイター)

 これによれば、「米女優のソフィア・ベルガラ、スーパーモデルのハイディ・クルム、元プロバスケットボール選手のアレン・アイバーソンなど35人以上の著名人や40社を超える企業に対し3月に書簡を送付した」とのことですね。

 FTCの警告は、FTCの推奨・体験談(エンドースメント)に関する広告ガイドラインによるものです。当ブログでもステマの問題は何度も取り上げていますし、このFTCガイドラインについても以前書きました(ガイドラインは2015年5月に改訂されています。)。

 「ブログのステマ記事と米FTCガイドライン」 (2012/12/22)

 また、FTCは、このエンドースメントに関する広告ガイドラインとは別に、新たに いわゆるネイティブ広告(広告という形をとらない広告)についてのガイドラインを2015年12月に公表しています。

 なお、これまでのエンドースメントに関する広告ガイドラインによる勧告の事案(FTCとの和解で終了)としては、デパートのロード&テイラーに関するものがあります。

 「「広告であることを明かさないで消費者をだました」と、米連邦取引委員会が老舗デパートを罰する」 (田中善一郎)

2017年4月22日 (土)

USJとポケモンGO

 先日、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)に行ってきました。USJは、開場した後、2回くらい行きましたが、子どもも大きくなり、ずっと行ってませんでしたが、今回は研究会のイベントです。

 毎年恒例の電子商取引問題研究会九州IT研究会の合宿(私は宿泊はせず、懇親会まででしたが)で、USJ社の方から法務、主にライセンス関連のお話を聞くというものです。

 USJディズニーランドと違って、ユニバーサルスタジオ自身のキャラクター以外もたくさんあり(ハローキティやら、ハリーポッターやら)、それぞれいろいろとライセンス契約を行わないといけないので、そのあたりのお話とかをお聞きして面白かったです。お話を聞いた立派な会議室を含めて裏方の施設はこんなところにあるのか、という場所でしたが、内緒です(笑)

 そのお話の後、せっかくの機会なので、懇親会の時間までUSJをゆっくり回っていなさい、という企画者の暖かい配慮のもと、私は単独で数時間ウロウロと久し振りにUSJを徘徊してました。倹約のため、アトラクションには一切入らず。

 当初あった「バック・トゥ・ザ・フューチャー」がなくなっていたのと、最近人気のハリーポッターのエリアができていたのが、昔のとの大きな違いでしたね。

 キャラクターのライセンスのお話を聞いた後だったので、思い立って、ポケモンGOをやってみたところ、たくさんのモンスターが現れました。結構レアなのが出たりとか、真ん中の池のあたりではコイキングが大漁だったり。ジムも何本か立ってて、そのうちの「ジュラシック・パーク・ゲート」というジムを奪取しときました。

 さて、ここから本題です。当ブログでも書きましたが、昨年の情報ネットワーク法学会(明大・中野)で、「位置情報とソーシャルゲーム」という分科会でちょこっと登壇しました。

  → 「位置情報とソーシャルゲームの法律問題」 (2016/11/17)

 そこでは、勝手に自分の敷地の中や家の前に、ジムやポケストップが立てられているような場合に排除したりできるのか、などといった問題も出ていました。

 上のUSJの状況を見ると、ライセンス的な問題もありそうです。ハリーポッターなどのエリアには、USJ社としても他のキャラクターを置くことは許されていないと想像されますが、スマホ上では、ポケモンたちがたくさん出てきます。これは、キャラクターライセンス契約上問題とならないのか、USJ社としては排除できるのか、など。

 また、上に書いたように、ジムの名前として「ジュラシック・パーク・ゲート」などと表示されており、これは、ジュラシック・パークは商標登録されていると思いますが、商標権侵害や不正競争防止法上の問題は生じないのか、というようなことも考えられますね。

 その後の懇親会で聞いたところでは、ポケモンGOが開始されるときに、立入禁止場所への立入の危険性などについて検討はしたようですが、実際にはそれほどの問題はなかったので特段の規制はしなかったようなお話でした(吞みながらの話ですので、正確ではないかもしれません。)。

 ポケモンGO騒動も落ち着いたようですし、あまり肩肘張った対応も夢のないことになるので、現状はよろしいかと私も思います。しかし、ポケモンGOに限らず、こういうVRARを利用したゲームやビジネスが発達した場合には問題が発生する可能性はあるよなぁ、と思います。あのライセンスの権利にうるさい「鼠の國」は、ポケモンGOには何か対応したのでしょうか。

 特に結論もオチもないのですが、そんなことを思ったUSJ徘徊でした。

【追記】(4/22)
 本文を投稿してから、検索してみたら、ディズニーランドも、ポケモンGOのレアスポットとして紹介されていますね。確かに、長時間の行列の間の暇つぶしにはなるから、ランド側もメリットあるかもしれませんね。

2017年4月21日 (金)

格安スマホ通信サービス(フリーテル)についての不当表示(優良誤認・有利誤認)に対する措置命令

 消費者庁は、本日、プラスワン・マーケティング株式会社(東京都港区)に対し、同社の「FREETEL SIM」(フリーテル)と称する移動体通信役務に係る表示について、景品表示法違反(優良誤認表示および有利誤認表示)として措置命令を行いました。

  → 消費者庁公表資料 (PDF)

 格安スマホ事業者に対する措置命令は初めてですが、報道に拠れば、本日の消費者庁の会見では、同社のみならず他の事業者にも適切な表示に努めるよう求め、格安SIMサービスは料金の安さに加え、通信速度の速さが選ぶ際の1つの大きなポイントであるので通信速度や各種の機能に関して適切な表示の確保にご留意いただきたい、と述べたとのことです。

 今回、不当表示とされたのは、通信速度の優良誤認表示については、プラスワン・マーケティング社の自社ウェブサイトにおいて、遅くとも平成28年11月30日から同年12月22日までの間、あたかも、通信速度が、格安SIM事業者の中で、恒常的に最も速いものであるかのように示す表示をしていた、また、特定の日時及び場所における通信速度の測定結果において、他の格安SIM事業者が提供する移動体通信役務に係る通信速度よりも著しく速く、かつ、NTTドコモが提供する移動体通信役務に係る通信速度に匹敵するものであるかのように示す表示ををしていた、というものです。

 具体的には、「『業界最速』の通信速度」、 「☑ FREETEL SIMなら速度が出にくい都内平日12時台でもこんなに速い!」、「※東京都港区新橋での通信速度観測の測定結果(某日12時台)」及び「※定点で3回測定を行った平均の数値です。」と付記された「I社 SIM」、「O社 SIM」、「フリーテル」又は「NTT docomo」とする移動体通信役務に係る通信速度の特定の日時及び場所における測定結果が、それぞれ、0.3Mbps強程度、0.2Mbps程度、5.8Mbps強程度又は6.1Mbps弱程度であったことを示すグラフを掲載するなどの表示をしていたものです。

 SIMカード販売シェアの優良誤認表示については、同じく自社ウェブサイトにおいて、遅くとも平成28年11月30日から同年12月13日までの間、「SIM販売シェアNo.1」、「シェアNo.1!」と記載することにより、あたかも、移動体通信役務の提供を受けるために必要なSIMカードの販売数量に係る自社のシェアが格安SIM事業者の中で第1位であるかのように示す表示をしていました。

 しかし、上記の各表示について、消費者庁が、同社に対し、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、同社から資料が提出されたものの、当該資料は当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものとは認められず、不実証広告規定により、優良誤認表示とみなされました。

 有利誤認表示については、同じく自社ウェブサイトにおいて、遅くとも平成28年11月30日から同年12月13日までの間、「LINEのデータ通信料無料!」と記載するとともに、「AppStore」、「LINE」、「WeChat」、「WhatsApp」などのアプリケーションのアイコン画像を付記しつつ「FREETELなら各種SNS利用時のデータ通信料が無料!!」と記載するなど、あたかも、これらのアプリケーションの利用時に生じるデータ通信量が通信利用容量の対象外となるかのように表示していましたが、実際には、当該データ通信量の一部は通信利用容量の対象となるものであったというものです。

 なお、国民生活センターは4月13日にこんなはずじゃなかったのに!“格安スマホ”のトラブル-料金だけではなく、サービス内容や手続き方法も確認しましょう-」という格安スマホのトラブル相談が増えていることについて、報告書を公表しています。

2017年3月24日 (金)

一昨日と同様のネット接続サービス広告に対する措置命令(有利誤認表示)

 さて、昨日のブログに、一昨日(3/22)のGMOインターネット株式会社に対する措置命令について書きましたが、本日、同じような措置命令が出されています。

 これは、消費者庁が、株式会社エネルギア・コミュニケーションズ(広島市中区)に対して、同社の光回線インターネット接続サービスに係る表示について、景品表示法に違反する行為(有利誤認表示)があったとして措置命令を出したものです。公正取引委員会近畿中国四国事務所中国支所の調査によるもののようですね。

  → 公取委サイト報道発表資料

 同社は、自社ウェブサイトにおいて、その期間内に申し込んだ場合に限って割引が適用されるかのように表示していましたが、実際には長期間ずっと割引を実施していたというもので、GMOインターネット社やアディーレ法律事務所の場合と同様の形態ですね。

 ただ、ちょっと異なるのは、今回の対象となっている表示の期間が平成28年7月15日までですので、課徴金制度が施行された同年4月1日以降の不当表示行為が含まれており、課徴金の対象となる可能性がある点ですが、措置命令と同時には課徴金の命令はなされていません。

2017年3月23日 (木)

GMOインターネット社に対する措置命令(有利誤認表示)

 Amazonランキングによれば、先日、当ブログでご紹介した「判例による不貞慰謝料請求の実務〔主張・立証編〕」が、その前編と共に、よく売れているようです。多くは法律実務家が購入しているのだと思いますが、結構、広い需要があるようです。なんとなく複雑ではありますが。

 → 「「判例による不貞慰謝料請求の実務〔主張・立証編〕」(LABO刊)」 (3/3)


 さて、昨日(3/22)、消費者庁は、GMOインターネット株式会社(東京都渋谷区)に対して、同社のインターネット接続サービス「GMOとくとくBB イー・アクセスADSL」の表示について、景品表示法に違反する不当表示(有利誤認)として措置命令を行いました。

  → 消費者庁公表資料(PDF)

 これは、GMOインターネット社が自社のwebサイトに、毎月、その期間内に当該接続サービスの提供を申し込んだ場合に限って、月額料金が最大6ヶ月間無料とするかのように表示していましたが、実際には、そのような6ヶ月間無料とする広告表示は毎月繰り返されていた、というものです。

 つまり、限られたキャンペーン期間に申し込むと有利な条件になる、との表示がなされていましたが、同じ条件が毎月繰り返されていて、限定されたキャンペーン期間ではなく、継続的な条件内容だったということになります。

 本件の同様の事案としては、有利な条件のキャンペーン期間を毎月繰り返していた、アディーレ法律事務所に対する措置命令(平成28年2月16日)がありますね。

 なお、本件で対象となった表示期間は、平成28年4月1日以前ですので、課徴金納付命令の対象とはなりません。

2017年2月 1日 (水)

Google検索結果の削除を求めた仮処分についての最高裁決定

  比較的大きく各報道機関で扱われていたようですが、6年前に児童買春の疑いで逮捕され罰金の略式命令を受けた男性が、Googleで名前などを入力すると逮捕歴に関する報道内容が表示されるのはプライバシーの侵害だとして、Googleに対して検索結果の削除を求めた仮処分の申立に関して、昨日(1/31)、最高裁判所はこれを認めない決定を出しました(抗告審における棄却決定)。
 しかし、本決定は、この問題についての最高裁としては初めての判断ですし、また、場合によっては検索結果削除の請求が認められる場合もあるとして、その基準を示した点で重要な決定といえます。決定全文は以下のリンク先で読めます。 

裁判所サイト

 この事件は最初のさいたま地裁の決定(平成27年6月25日)において削除請求を認める仮処分決定が出て、それに対するGoogleの不服申立に対して、再びさいたま地裁が請求を認め(仮処分認可決定・平成27年12月22日)、それに対してGoogleが東京高裁に抗告したところ、東京高裁はGoogle側の主張を入れて男性の申立を却下したため(東京高裁平成28年7月12日決定)、男性が最高裁に抗告(許可抗告)し、これに対する判断が今回示された、という流れになります。

 そして、今回の最高裁決定は、

「検索事業者が,ある者に関する条件による検索の求めに応じ,その者のプライバシーに属する事実を含む記事等が掲載されたウェブサイトのURL等情報を検索結果の一部として提供する行為が違法となるか否かは,当該事実の性質及び内容,当該URL等情報が提供されることによってその者のプライバシーに属する事実が伝達される範囲とその者が被る具体的被害の程度,その者の社会的地位や影響力,上記記事等の目的や意義,上記記事等が掲載された時の社会的状況とその後の変化,上記記事等において当該事実を記載する必要性など当該事実を公表されない法的利益と当該URL等情報を検索結果として提供する理由に関する諸事情を比較衡量して判断すべきもので,その結果,当該事実を公表されない法的利益が優越することが明らかな場合には,検索事業者に対し,当該URL等情報を検索結果から削除することを求めることができるものと解するのが相当である。」

 として、検索結果を削除請求できる場合の基準を示しました。

 しかし、本件の事実関係においては、

(本件の児童買春の被疑事実で逮捕という事実は、)「他人にみだりに知られたくない抗告人のプライバシーに属する事実であるものではあるが,児童買春が児童に対する性的搾取及び性的虐待と位置付けられており,社会的に強い非難の対象とされ,罰則をもって禁止されていることに照らし,今なお公共の利害に関する事項であるといえる。また,本件検索結果は抗告人の居住する県の名称及び抗告人の氏名を条件とした場合の検索結果の一部であることなどからすると,本件事実が伝達される範囲はある程度限られたものであるといえる。   
以上の諸事情に照らすと,抗告人が妻子と共に生活し,前記1(1)の罰金刑に処せられた後は一定期間犯罪を犯すことなく民間企業で稼働していることがうかがわれることなどの事情を考慮しても,本件事実を公表されない法的利益が優越することが明らかであるとはいえない。」

として、東京高裁の判断を是認したものです。 

 平成27年12月22日のさいたま地裁での仮処分認可決定では、「忘れられる権利」があるとの判断が示されたことが話題になりましたが、これについては、当ブログで取り上げており、興味のある方はご覧下さい。ただし、東京高裁は、この「忘れられる権利」については否定し、今回の最高裁決定では、それについて特に触れられておらず、個人のプライバシー権と検索事業者の表現の自由のバランスの問題としているようですね。

  → 「「忘れられる権利」を明記した仮処分認可決定(さいたま地裁平成27年12月22日)」(2016/2/27)

 なお、この事件の男性側代理人神田知宏弁護士のブログに、以下の記事がありますので、ご参考まで。その内、今回の最高裁決定についてもお書きになるかもしれません。

「地裁決定が「忘れられる権利」に言及した理由の考察」

「忘れられる権利を否定した東京高裁平成28年7月12日決定」

2016年12月29日 (木)

今年を振り返る、のに替えて、当ブログを振り返る。

 今年もいよいよというところまで来ました。

 このブログも、更新回数が昔より減っておりますが、それでも、この記事で今年49本目で、なんとかほぼ週1本ペースとなりました。前は、平日は毎日のように更新していたのですが、数年前からSNSが普及して、そちらへの投稿で済ませてしまうようになって更新が激減していった感があります。一時は中断期間が長くなり、このまま終わるかな、と思ったりもしました。   
 しかし、最近は、またブログもSNSとの相乗効果で発信手段としての魅力はあるな、と感じ始めまして、来年はさらに気分を一新して発信していきたいと思っています。来年以降もお付き合いよろしくお願い申し上げます。

 このブログも、2006年から始まって、今年で10年を超えました。投稿記事も1433本(この記事含む。最初の頃の記事で削除したものは含まず。)。ブログは、時事的なニュースなどを取り上げることが多いので、投稿から時間を経た記事は当然ながら読まれなくなっていきますが、それでも、キーワード検索で、長い期間にわたってアクセスする人の多い記事、ベストセラー記事(?)みたいなのもあります。

 今年一年(1月1日から現時点まで)で、アクセスのあった記事ベストテンは、

  1 適格消費者団体によるジャニーズファミリークラブへの規約是正の申入 7,727
  2 
::::弁護士 川村哲二::::〈覚え書き〉::::(トップページ) 6,051
  3
この機会に適格消費者団体による差止請求の説明でも 3,700
  4
『国際ジャーナルの取材受けました』という話 2,599
  5
控訴・上告期間と年末の判決 2,599
  6
拘留と科料(引き続き軽犯罪法) 1,608
  7
マルチ大手業者に対する業務停止命令(特定商取引法)と「水素水」の効能表示 1,569
  8
KIDS-CRICコピーライト・ワールド(おじゃる丸編) 1,008
  9
最高裁判所を徳島へ、という提言 961
 10
催告後の債務承認と民法153条(時効談義:その9) 827

となります。右側の数字が、今年の各記事へのアクセス回数(PV)です。

 1位のジャニーズ記事は、つい1ヶ月ほど前の記事ですが、Twitterで拡散されて、ジャニーズファンの皆さんと思われる方々が訪問してくださり、あっというまに当ブログの一日アクセス記録を塗り替えてしまったものですね。3位の記事も、これに関連して続けて書いたものです。

 8位のおじゃる丸は、なぜかこの「コピーライトワールド」を探す人が多いのです。実は、このおじゃる丸が使われたサイトは既になくなっているのですが、これを探して当ブログにたどり着かれるようです。なので、道案内的に、今年の2月に「おじゃる丸コピーライトワールド(CRIC)は今はないですよ、という告知」という記事を書いて、リンクさせておきました。

 4位、5位、6位、8位、10位は、2007~09年にかけての古い記事ですが、当ブログでのロングセラー記事です。

 4位は、その関連記事を含め、おそらくは、国際ジャーナルなどから取材の電話勧誘があった人が検索して訪問されるのだと思われます。同社にとっては目の上のタンコブ記事かと思います。下の3年間ランキングを見ると、これが当ブログの歴代トップの記事であることがおわかりいただけるかと思います。

 5位は12月とかゴールデンウィーク前になるとアクセスが毎年増える記事です。アクセスされるのが、弁護士か一般の人かはわかりませんけど。こういった季節物ベストセラー記事としては、年明けすぐから2月上旬にかけてアクセスが毎年急増するのが、 「「恵方巻」控訴審判決と巻寿司丸かぶりの風習の由来(大阪高裁)」 (2010年)と 「丸かぶり巻きずしの商標権についての判決(「招福巻」)」 (2008年)です。

 ついでに、過去3年間(2013年12月30日~2016年12月29日)のベストテンも出してみましたが、9位にキャリーバッグ判決が何故か顔を出していること以外は、上とあまり変わりませんね。こちらのほうは、面倒なのでリンクはしてませんがご了承ください。もっとブログ開設当初からの長期間の数字を出したかったのですが、ココログの側が数年前にアクセス解析のシステムを変えましたので、これが精一杯のようでした。

  1 ::::弁護士 川村哲二::::〈覚え書き〉::::(トップページ) 17,516
  2 『国際ジャーナルの取材受けました』という話 11,266 
  3 控訴・上告期間と年末の判決 7,929
  4 適格消費者団体によるジャニーズファミリークラブへの規約是正の申入 7,727
  5 拘留と科料(引き続き軽犯罪) 4,843
  6 この機会に適格消費者団体による差止請求の説明でも 3,700
  7 KIDS-CRICコピーライト・ワールド(おじゃる丸編) 3,570
  8 ::::弁護士 川村哲二::::〈覚え書き〉::::(学問・資格カテゴリー) 3,016
  9 キャリーバッグによる転倒事故の損害賠償判決(東京地判・平27.4.24.) 2,673
 10 催涙スプレー携行と軽犯罪法(最高裁判決) 2,648

2016年11月17日 (木)

位置情報とソーシャルゲームの法律問題

 先週末(12、13日)の情報ネットワーク法学会(明治大学中野キャンパス)では、13日午後の第11分科会「位置情報とソーシャルゲーム」に登壇してまいりました。もっとも私はメインではなく、コメンテーターみたいなお気楽な立場でしたけども。

 ポケモンGOが日本で7月下旬にリリースされてから4ヶ月ほどですが、この間の拡がりは御存じの通りで、当初ほどのブームはさすがに沈静化しているとはいえ、まだまだ根強い人気があるようです。

 このポケモンGOに関する法律問題等については、既に「月刊住職」9月号で特集され大島義則弁護士がコメントされているなど、こういった新しいゲームから生じる問題については、私も実務家として関心のあるところです。また、単にポケモンGOという特定のゲームに限らず、今後、AR(拡張現実)、VR(仮想現実)を活用したゲーム(だけではなく他のシステムも。)がもっと進んだ形で出てくることは間違いないと思いますので、そういった場合の問題を考えておくことは必要かと思います。この分科会だけではなく、当日午前の個別報告でも新潟大学の学生さんがポケモンGOの法律問題について報告されておりました。

 今回の情報ネットワーク法学会では、例年どおり様々なテーマの分科会が開催されていましたが、最初の夏井先生の記念講演をはじめとして、リアルとサイバーの融合(垣根がなくなっていく)という視点から将来の新しい法律の世界を考えさせられたという点で非常に興味深い研究大会でした。いつもながらお忙しい中、大変な準備作業にあたられた学会の理事者および運営にあたられた(学生さんを含めた)スタッフの方々に御礼申し上げます。

 もうひとつポケモンGOを特集している雑誌としては、情報処理学会「情報処理」11月号が挙げられます。特集は、「ゲーム産業の最前線~企画、デザインからビジネスモデルまで~」というもので、この中の特別コラム「ポケモンGOの衝撃」として9名の方々がそれぞれの分野で書かれています。法的問題については板倉陽一郎弁護士、観光との関係では井出明先生、歩きスマホ禁止に反対する立場からは神戸大学のあの塚本正彦先生など、それぞれ短いコラム形式ですが、豪華執筆陣となっていますね。

 ところで、このごろ、ポケモンを博士に送ると、しょっちゅうフリーズするようになったのですが、何故でしょうか?

より以前の記事一覧