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2018年9月21日 (金)

「星ドラ」ガチャの表示に関する判決

 前回記事で触れましたが、スマホゲーム「星のドラゴンクエスト」(星ドラ)において、期間限定で提供されていたガチャの説明表示に関して、プレイヤーたちが原告となって運営会社スクウェア・エニックスを被告として、ゲーム内通貨の購入金額などの支払を求める訴訟の一審判決が、9月18日に東京地裁で言い渡されました。
 結果は原告らの請求棄却(敗訴)です。この判決を読む機会がありましたので、ご紹介します。(以下は、今回の判決の記載内容に拠っています。)

 この訴訟では、「星ドラ」には「★5そうび」と称する貴重なアイテムを得ることができる「宝箱ふくびき」と称するいわゆるガチャ(ゲーム内通貨を対価とする)の表示が問題となっています。このガチャでは、「★5そうび」が一定の確率で提供されるのですが、期間限定でのみ提供される「★5そうび」(ピックアップそうび)が排出されることとなっており、その説明画面には、「※★5そうびは、上記のそうび(川村注:ビックアップそうび、のこと)の他にも排出される場合があります。」と表示されていました。
 プレイヤーである原告らは、この表示は、ピックアップそうび以外の★5そうびも排出される場合もある、という程度、すなわち、ピックアップそうび以外については低い確率で排出されるという内容であると主張し、にもかかわらず、実際には、ピックアップそうびは極めて低い確率でのみ排出されるようになっていたことに関して、   

  1. 債務不履行解除
  2.    
  3. 錯誤無効
  4.    
  5. 詐欺取消
  6.    
  7. 不実告知(消費者契約法4条1項)に基づく取消
  8.    
  9. 景品表示法違反(優良誤認および有利誤認)

により、1については原状回復請求権、2~4については不当利得返還請求権、5については不法行為に基づく損害賠償請求権により、ゲーム内通貨購入金額の返還を求めるなどしたものです。

 これに対して、今回の判決では、まず、上記の「※★5そうびは、上記のそうびの他にも排出される場合があります。」という表示が意味するところについて、ピックアップそうびの出現確率が他の★5そうびよりも高いことを表示していると認識させるものとはいえず、一般通常人をして、単に、ピックアップそうび以外の★5そうびも排出する可能性があるという事実を指摘しているものと認識されるにとどまる、としました。

 そして、この判断を前提とすれば、原告らの上記1~5の主張には理由がないものとして、原告らの請求を棄却したものです。

 上記の表示についての認識内容について、原告らの主張が認められなかったということになりますが、原告団のTwitterアカウント「星ドラ集団訴訟ツイッター」によると、東京高裁への控訴を準備中とのことです。

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2018年8月19日 (日)

アフィリエイト・リンク先に不当表示の周知ページを掲示させる(消費者庁)

 共同通信の配信ニュースのようですが、ここ数日、各紙で、消費者庁が、「悪質なインターネット広告対策として、成果報酬型のネット広告「アフィリエイト」に着目した新たな取り組みを始めた。商品の表示に虚偽があるなど、違法広告が判明した企業に対し、これまでは企業のサイトに違反内容を掲示させていた。これに加え、商品を紹介したアフィリエイトサイトを経由した場合でも違反を消費者が把握できる仕組みにするよう指導している。」という報道がなされています。

 これは、ネット通販業者のブレインハーツ(大阪市北区・なお、同名の別企業があるのでご注意。)が、健康食品について根拠なく痩身効果をうたっていたことに対し、今年6月、消費者庁景品表示法違反の不当表示として措置命令を出した件に関するもののようですね。この措置命令については、命令の翌日に当ブログでも紹介しています。

 → アフィリエイトサイトの表示にも言及した措置命令(不当表示) (6/16)

 私は、このときのブログ記事の最後に、措置命令主文の中に、消費者へのの周知徹底の方法につき、「アフィリエイトサイトからハイパーリンクにより「roifleur」と称する自社ウェブサイトに遷移する動線を含めること」と書いてあること関して、「「遷移する動線を含める」方法というのは具体的にどこまで求められるのかは、これだけでは必ずしもよく判りませんが。」と書きました。

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 今回の報道は、これに関係するもので、どうやら、アフィリエイトサイトでこの商品の広告をクリックすると、ブレインハーツ謝罪文ページにつながるようにしたようです。

 アフィリエイター(アフィリエイト・サイトを運営している人)や広告会社に対しては、不当表示がなされた商品やサービスの供給者ではないため、景品表示法の直接の適用対象とすることは原則としてできないですが、対象事業者(広告主)に命じて、アフィリエイトからリンクする先にこのようなページを表示させることによって、消費者に周知徹底させるというのは実効性がありますね。単に会社サイトのどこかに謝罪ページなどを作っても、ほとんどの人は見に行かないと思われますので。

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2018年7月27日 (金)

電子商取引及び情報材取引等に関する準則の改訂(経産省)

 本日、経済産業省が、 「電子商取引及び情報材取引等に関する準則」につき、AIやブロックチェーン等最新技術が取引環境にもたらす変化等を踏まえた改訂を公表しています。

  → 経済産業省ニュースリリース

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 「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」は、電子商取引や情報財取引等に関する様々な法的問題点について、民法をはじめ、関係する法律がどのように適用されるのかを明らかにすることにより、取引当事者の予見可能性を高め、取引の円滑化に資することを目的として、平成14年3月に策定されたもので、毎年のように改訂がなされています(前回改訂は、平成29年6月)。

 今回の改訂内容は以下の通りです。

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 1.取引環境の変化に応じた改訂を要する論点

Ⅰ-10
AI スピーカーを利用した電子商取引(新規)

 電子商取引の分野においても、AI やブロックチェーンを初めとする新たな技術を活用したサービスが登場・普及しつつある。こうした新たなサービスの利活用の促進、未然の紛争防止等を目的に、準則においても先進的なサービスを巡る法的論点を取り上げることとし、本論点では、いわゆる AIスピーカー(スマートスピーカー)を対象に、サービス事業者の責任について解説している。

Ⅰ-10-1
AIスピーカーが音声を誤認識した場合(新規)
      
 AI スピーカーが発注者の発言がないのに誤って音声を認識し、発注処理をした場合、ユーザにどのような救済が与えられるかを整理している。

Ⅰ-10-2
AIスピーカーに対して発注者が言い間違いをした場合(新規)

 発注者が AI スピーカーで音声発注をしようとして、うっかり言い間違えをしてしまったため、発注者の意図と異なる物品が発注された場合に、発注者にどのような救済が与えられるのかを整理している。

Ⅲ-14
 ブロックチェーン技術を用いた価値移転(新規)      

 ブロックチェーン上で管理される財産的価値(トークンや仮想通貨等)の移転を約する契約(例:ビットコインによる商品・サービスの購入など)において、相手方が契約違反をした場合、当該財産的価値の移転を内容とする請求が可能かについて解説している。

Ⅳ-7
 国境を越えた取引に関する製品安全関係法の適用範囲(新規)

 公法規制の国境を越えた取引における適用は、今日の電子商取引・情報財取引における大きな課題となっていることを踏まえ、製品安全関係法(消費生活用製品安全法、電気用品安全法、ガス事業法、液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律)が海外の事業者に適用される場合がある場合について解説している。

2.特定商取引法施行規則改正に伴う改訂

Ⅰ-2-4
 自動継続条項と消費者契約法第 10 条等

Ⅱ-4-2
 特定商取引法による通信販売に係る広告規制

3.論点の削除

Ⅰ-1-3
 インターネット通販における分かりやすい申込画面の設定義務
 (消費者庁のガイドラインを参照しているのみであるため、削除)

4.その他

Ⅰ-1-2
 自動継続条項と消費者契約法第 10 条等
 (消費者庁のガイドラインへの参照を追記)

Ⅰ-7-1
 ユーザー間取引に関するサービス運営事業者の責任
 (ユーザー間取引にフリマサービスを含むことを明確化)

Ⅱ-6
 インターネット上への商品情報の掲示と商標権侵害
 (ユーザー間取引にフリマサービスを含むことを明確化)

2018年6月22日 (金)

mixi子会社運営「チケットキャンプ」商標法違反事件の続報

 報道によれば、本日、チケット転売サイト「チケットキャンプ」の運営会社で、mixi(ミクシィ)の子会社であるフンザ「ジャニーズ事務所」の商標をネット上で不正使用したとされる事件で、兵庫県警が、商標法違反の疑いで、同社の社長ら3人と法人としての同社を神戸地検書類送検した、とされています。 そして、この問題で、本日付で、mixiフンザの社長を兼務していた森田仁基社長が、本日付けで社長を辞任しています。

 この事件については、兵庫県警の強制捜査があった際に、当ブログでも取り上げています。

 → 「「ジャニーズ通信」(mixi関連)強制捜査の報道」 (2017/12/8)

 この時は、商標法違反以外に不正競争防止法違反の容疑もあったようですが、今日の報道などを見る限りでは書類送検の対象は、商標法違反のみになっているようです。

なお、mixiは、「当社グループとしては、商標法違反に対する認識はなく、この点に関しましては検察庁による 判断を待ちたいと考えております。」としています。

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 この「チケットキャンプ」の関連では、京都府警のサイバー犯罪対策課が、昨年12月に、フンザが、「チケットキャンプ」で転売業者の不正販売を助長した疑いがあるなどとして、詐欺(電子計算機使用詐欺)の容疑でフンザなどを家宅捜索しています。そして、今年1月に、フンザの前の社長と転売業者の計4人を書類送検しましたが、今年3月に、京都地検不起訴処分(起訴猶予)としました。

 こちらの詐欺の事件に関して、mixiが、今年2月に、第三者委員会による調査報告書を公表しています。

 → 調査報告書 (PDF)

 今回も書類送検されたというだけであり、警察で捜査した事件は、それがたとえ、無罪が確実であっても、特別の場合を除き、全て送検(検察庁送致)されます。上記の通り、会社側は商標権違反の認識はないとの主張をしており、今回も神戸地検が起訴するか否かはまだわかりません。なお、「チケットキャンプ」は既にサービスを終了しているとのことです。

2018年6月16日 (土)

アフィリエイトサイトの表示にも言及した措置命令(不当表示)

 昨日(6/15)、消費者庁は、株式会社ブレインハーツ(大阪市北区)に対し、同社が販売する食品「グリーンシェイパー」、「アストロン α」、「スリムイヴ」、石けん「恋白美スキンソープ」、下着「Smart Leg」の表示について、それぞれ、景品表示法に違反する不当表示(優良誤認及び有利誤認)に該当するとして、措置命令及び課徴金納付命令を行っています。

 命じられた課徴金の金額は合計2229万円となっています。

  → 消費者庁公表資料

 優良誤認については、自社webサイトなどに、摂取するだけで、短期間で容易に著しい痩身効果が得られ、かつ、痩身後の体重を維持することができるかのように示す表示(食品)や、使用するだけで、短期間で容易に、シミ、しわ及びたるみを解消又は軽減するとともに肌本来の色を白くすることができるかのように示す表示(石けん)や、着用するだけで、短期間で容易に著しい下半身の痩身効果が得られるとともに、下半身の余分な脂肪が胸部に移行することによる豊胸効果が得られるかのように示す表示(下着)をしていた、というものです。
 しかし、これらの効果の根拠資料を提出するよう消費者庁から求められたにもかかわらず、ブレインハーツは根拠の提出をしなかったものです(不実証広告・景品表示法7条2項)。消費者庁が公表している表示の実物(別紙1~5)を見ると、かなりひどい表示ですね。

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※画像は消費者庁公表資料より

 有利誤認については、表示された「通常価格」、「メーカー希望小売価格」などより、販売価格が安いという二重価格表示を行っていましたが、実際には、「通常価格」、「メーカー希望小売価格」などは販売された実績や設定されていた事実はなかった、というものです。

 本件では、多額の課徴金の支払が命じられたことも注目ですが(それだけ売れていたということですね。)、不当表示の対象となった表示に、自社webサイトでの表示だけではなく、アフィリエイトサイト上に現れる表示も含めている点ですね。これらの表示についても、ブレインハーツが表示行為に関与したものですので、当たり前といえば当たり前なんですが、このような表示を含めた命令は、私の記憶では初めてではないかと思います(間違ってたらご指摘ください。)。
【追記】(6/23)
 命令を読むと、アフィリエイトでの表示があったことを認定してはいますが、今回の不当表示の直接の対象にはしていませんね。失礼しました。タイトルも変更しました。

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 これに関連して、本件の措置命令の命令内容(判決で言えば、主文に当たる部分ですね。)では、「貴社は、貴社が一般消費者に販売する本件商品に係る表示に関して、次に掲げる事項を速やかに一般消費者に周知徹底しなければならない。この周知徹底の方法については、後記2(3)のアフィリエイトサイトからハイパーリンクにより「roifleur」と称する自社ウェブサイトに遷移する動線を含めることとし、」とされているのも目に付きますね。
 これは、景品表示法に違反した不当表示があったことを消費者に周知徹底せよ、という内容のところです。「遷移する動線を含める」方法というのは具体的にどこまで求められるのかは、これだけでは必ずしもよく判りませんが。

2018年6月13日 (水)

キリンシティのメニュー不当表示(黒ビールカリー)

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 消費者庁から昨日、平成30年版「消費者白書」が公表されました。
 ネット通販に関する相談が店舗販売に関する相談の数を上回ったことなどが報告されています。

 今回の特集は「子どもの事故防止に向けて」です。

 

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 さて、本日、消費者庁は、キリンシティ株式会社(東京都中野区)の料理メニューが不当表示(優良誤認)であるとして措置命令を行いました。 

 料理メニューについては、先日も塚田農場に対して措置命令が出されたばかりですね。 

  → 消費者庁公表資料 (PDF)

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 これは、キリンシティが、店舗のメニューや自社webサイトにおいて、25種の料理について、「コク深い味わいの黒。」、「新一番搾りスタウト(黒生)を使用し、さらにコク深く、スパイシーな味わいに生まれ変わった黒ビールカリー。」「赤・黒ハーフ&ハーフ ¥870」などと記載し、あたかも、料理に黒ビールを使用しているかのような表示をしていましたが、実際には黒ビールは使われていなかったというものです。

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 キリンシティは、自社webサイトに、 「黒ビールカリー関連料理の表記に対する 消費者庁の措置命令についてのお詫びとお知らせ」を掲載し、対象料理を飲食した顧客には代金を返金することを公表しています。

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2018年5月30日 (水)

TSUTAYAの動画配信サービスなどについての不当表示(消費者庁)

 消費者庁は、本日、株式会社TSUTAYA(東京都渋谷区)に対し、同社の動画配信サービス及び光回線インターネット接続サービスに係る表示について、それぞれ、景品表示法に違反する不当表示(優良誤認と有利誤認)が認められるとして、措置命令を行っています。

 → 消費者庁公表資料 (PDF)

【優良誤認表示について】

 動画配信サービス「TSUTAYA TV」のうち「動画見放題プラン」などに関して、自社のwebサイトにおいて、 動画見放題プラン「動画見放題 月額933円(税抜) 30日間無料お試し」と記載し、その背景に30本の動画の画像を掲載し、「人気ランキング」及び「近日リリース」として、それぞれ10本の動画の画像を掲載して、あたかも、動画見放題プランを契約すれば、「動画見放題」との記載の背景に掲載された動画や、「人気ランキング」及び「近日リリース」として掲載される人気の動画や「新作」と称するリリースカテゴリの動画など、TSUTAYA TVにおいて配信する動画が見放題となるかのように示す表示をするなどしていました。

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                        ※消費者庁公表資料より

 しかし、実際には、動画見放題プランの対象動画は、TSUTAYA TVが配信する動画の12~26%程度であり、特に、「新作」及び「準新作」と称するリリースカテゴリの動画については、対象動画の割合が1~9%程度であるうえ、「動画見放題」との記載の背景に掲載した動画の過半は動画見放題プランの対象動画ではなく、「人気ランキング」として掲載した全ての動画も動画見放題プランの対象動画ではなく、「近日リリース」として掲載した動画を配信する際も大部分が動画見放題プランの対象動画ではないなど、TSUTAYA TVが配信する動画が、無条件に見放題となるものではなかった、というものです。

 消費者庁は、この表示に対する打消し表示の記載についても、検討しています。

 TSUTAYAは、上記表示と同一のwebページの下部に記載した「よくある質問」に、「▼動画見放題は新作も観られますか?」と記載し、当該記載をクリックすると、「実質0円で話題の最新作を観れるのはTSUTAYA TVだけです。 ※実質0円とは月額933円に毎月1080円分のポイントがついて540円の『新作』でも2本ご覧いただけます。」との記載が表示され、「▼TSUTAYA TVの動画配信とは?」と記載し、当該記載をクリックすると、「TSUTAYA TVの動画配信は、インターネットに接続したテレビ、パソコン、タブレット、スマートフォンから、好きな映画やアニメなど広いジャンルの映像をどこででもお楽しみいただける動画配信サービスです。 オススメの『動画見放題』プランなら、月額わずか933円(税抜)で、動画見放題 さらに、毎月1080円分の動画ポイントつき! まずは、いますぐ30日間の無料お試しをお楽しみください。 」などとの記載が表示されるようにしていました。

 しかし、消費者庁は、これらの記載は「見放題」との記載とは離れた箇所に小さな文字で記載されているものであり、回答に係る記載は質問に係る記載をそれぞれクリックしなければ表示されないものであることから、一般消費者が上記の表示から受けるサービス内容に関する認識を打ち消すものではなく、優良誤認表示に該当すると判断したものです。

 なお、打消し表示については、昨年、消費者庁が実態調査報告書を出しています。

 → 「「打消し表示に関する実態調査報告書」の公表(消費者庁・景表法)」
                           (2017/7/14)

【有利誤認表示について】

 TSUTAYAの光回線インターネット接続サービス「TSUTAYA 光」のうち「さんねん割」(3年間を契約期間とすることにより3年間にわたり毎月月額料金を割引するプラン)に関して、自社のwebサイトにおいて、「今なら『さんねん割』でずーっとお得!」と記載し、「価格」として、「戸建て」、「プラン ギガ」、「定価 5,200円」、「さんねん割 -700円」、「販売価格 4,500円」等と記載するとともに、「『さんねん割』キャンペーン」として、 「3年契約で料金がずーっとお得!」、「割引価格 戸建てタイプ:700円/月マンションタイプ:300円/月」、「キャンペーン受付期間 2015年2月12日~2017年3月31日」と記載するなどしていたのですが、実際にはキャンペーン受付期限が過ぎた後に申し込んだ場合にも、3年間にわたって、同様の割引が適用されていた、というものです。

2018年5月24日 (木)

医療広告ガイドラインが公表されました。

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 厚生労働省は、5月8日、 「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針」(医療広告ガイドライン)の策定を公表しました。

 これは、昨年(平成 29 年)6月の医療法の改正(本年6月1日施行)に伴う医療に関する広告規制の見直しに基づくもので、この、医療広告ガイドラインも6月1日から施行となります。

 → 「医療法における病院等の広告規制について」(厚生労働省)

 → 医療広告ガイドライン (PDF)

 この医療法改正と医療広告ガイドラインの策定については、昨年から、当ブログでも既に取り上げているところであり、その際の「医療広告ガイドライン(案)」は、今回のガイドラインとほぼ同じですので、詳しくはこちらをご参照下さい。

 → 「医療機関の広告規制強化(医療法改正)」(2017/6/14)

 → 「医療広告ガイドライン案が承認される(厚生労働省検討会)」(2018/2/5)

 → 「医療広告ガイドライン(案)における「広告」」(2018/02/06)

なお、本日、国民生活センターも、関連事項について公表しています。

 → 「医療法改正!美容医療クリニックのウェブサイトにも広告規制が!」

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2018年5月23日 (水)

ペット仲介サイト運営業者への審査終了(独禁法)

 今年2月、公正取引委員会が、「みんなのペットオンライン」(仙台市)(以下、同社)に対して、ペット販売用のインターネット広告が、広告主のブリーダーを不当に囲い込んだ疑いがあるとして、立入検査をしたことについてご紹介しました。

 これは、同社が、ブリーダーと一般消費者の間の犬や猫の取引を仲介する「ペット仲介サイト」である「みんなのブリーダー」及び「みんなの子猫ブリーダー」を運営していたところ、このペット仲介サイトを利用するブリーダーに対し、他のペット仲介サイトに犬又は猫の情報を掲載することを制限している疑いがあったため、立入検査や審査を行ってきたものです。

 → 「ペット仲介サイト運営業者に対する公取委立入検査と最恵国待遇(MFN)条項」                         (2018/3/7)

 本日、この事案について、公正取引委員会は、同社から、改善措置を自発的に講じた旨の報告があり、内容を検討したところ、上記の疑いを解消するものと認められたとして、審査を終了したことを公表しました。

 → 公取委報道発表資料

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 同社では、ペット仲介サイト運営分野における有力事業者であるところ、以下のようなシステムとなっていました。   

  1.  自社のペット仲介サイトにペット(犬又は猫)の情報を掲載しようとするブリーダーは、同社の審査を経て、サイトに登録でき、販売しようとするペットの情報をサイトに掲載することができ、取引が成立すると、同社に成約手数料を支払う。

  2.  平成28年11月、一定の条件を満たして同社に認められた登録ブリーダーに適用される「プレミアムパートナー制度」と称する制度を開始した。

  3.  プレミアムパートナー制度が適用された登録ブリーダーは,①成約手数料が値引きされる,②一般消費者がみんなのブリーダー等でペットの情報を検索した場合に,検索条件に該当するペットの情報の表示順位が優遇される等の特典が受けられるが、他方で,その登録ブリーダーは、他のペット仲介サイトにペットの情報を掲載することが禁止される。

  4.  同社が、プレミアムパートナー制度が適用された登録ブリーダーが、他のペット仲介サイトにペットの情報を掲載していることを把握した場合、他のペット仲介サイトへの情報掲載を取りやめるよう複数回にわたって注意し、それでも他のペット仲介サイトへの情報掲載を取りやめないときには、プレミアムパートナー制度の適用を解除し、特典が受けられないようにしていた。

 このシステムが、独占禁止法19条の禁止する「不公正な取引方法」排他条件付取引(一般指定11項)に該当するおそれがある、として審査がなされていたようです。

100                    ※画像はいずれも公取委報道発表資料より

 しかし、同社から公正取引委員会に対し,プレミアムパートナー制度を取りやめ、登録ブリーダに対して、取りやめた旨を周知し、同社従業員全てに周知したこと、という改善措置を自主的に講じた旨の報告があり、公正取引委員会も、これらの措置が、独占禁止法違反の疑いを解消するものと判断して審査を終了したものです。

2018年5月11日 (金)

メールによる取締役会招集通知の到達

 東京地判平成29年4月13日(金融・商事判例1535号56頁)および東京高判平成29年11月15日(同号63頁)は、ロッテホールディングス(以下、「ロッテH」)の取締役会決議無効確認等請求事件の一審、二審の判決(以下、併せて「本件判決」)です。

 この事案は、社会的にも注目を受け、報道もされていますが、被告(被控訴人)ロッテHの代表取締役だった原告(控訴人)が、ロッテHの取締役会においてなされた「原告を代表取締役から解職する旨の決議」は、取締役会についての原告に対する適法な招集通知が行われなかった瑕疵により無効であると主張して、この取締役会決議が無効であることの確認を求めた裁判です。

 結果は一審、二審とも、取締役会決議は有効として、原告の請求を認めませんでした。

 ただ、本件判決では、この取締役会の招集手続において、原告に対する招集通知を欠いており、法令違反だとしました。それにもかかわらず、裁判所が決議を無効としなかったのは、仮に原告が取締役会に出席しても、決議の結果に影響がないと認めるべき特段の事情があるから、通知を欠いたという法令違反は、決議の効力に影響がなく、決議は有効であるとしたものです(これは従来の最高裁の考え方です。)。

 ここでは、取締役会招集通知が行われたか否か、という争点について、見ていきたいと思います。

 本件判決の認定事実によれば、ロッテHは、この招集通知を、原告を含む各取締役に対し、メール送信によって行いました。しかし、原告は、自らパソコンを操作することはなく、原告のロッテH社内におけるパソコンは、秘書室において管理されており、原告に割り当てられていたメールアドレス宛てに電子メールが送信されることはなく、秘書室も、この原告アドレスの受信状況を確認することはなかったようです。そして、通知メール送信当時の原告が、このアドレスに取締役会の招集通知が送信されることを予期し得たというべき事情はうかがわれない、と認定されています。また、このメールの送信日時は、平成27年7月27日午後11時23分で、取締役会開会は翌日28日午前9時30分と、その間隔が非常に短く、かつ、深夜のメール送信でした。

 このような通知メールの送信が適法な招集通知といえるか、というのが問題となります。(なお、法律的には、招集通知は「意思表示」か否か、という面倒な論点もありますが、ここでは踏み込みません。)

 意思表示の到達について、最高裁は、「意思表示の到達とは、相手方が意思表示を了知し得べき客観的状態を生じたことを意味すると解されている。すなわち、意思表示が相手方にとって了知可能な状態におかれたこと、換言すれば意思表示が相手方のいわゆる支配圏内におかれたことをいうと解される」としています(最判平成10年6月11日、最判昭和43年12月17日、最判昭和36年4月20日)。なので、実際に手紙に書かれている内容を読んでいなくても、自宅のポストに郵便が投函された時点で、意思表示が到達した、と考えるわけです。これらの判決の事案は、もちろん電子メールによる意思表示ではありません。

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 本件一審判決は、上記の最高裁判決を踏襲したうえで、上記のようなメール送信の実態では、「本件メールが上記アドレスに係るメールサーバに記録されたことをもって、原告の了知可能な状態に置かれた(支配圏内に置かれた)ということはできない。その他、本件メールの内容が原告の了知可能な状態に置かれたものと評価すべき事実は見当たらない。」としました。さらに、上記のように、通知メール(深夜)から取締役会開会(翌朝)までの「間隔が非常に短く、かつ、深夜のメール送信であって、メールを確認して当該会議への対応を検討するための時間的余裕がほとんどないこと等をも考慮すると、実質的に見ても、原告に対し本件取締役会の招集通知がされたと評価することは困難である。」として、原告に対する取締役会招集通知がされたということはできず、招集手続には法令違反の瑕疵があるとしたものです。

 もし、この招集通知メールが、原告が普段使っているアドレス宛に送られたというような場合であれば、原告がメールを見ていなくても、原告のメールサーバーに記録された時点で通知が到達した、と見られることになると思いますが、それにしても、ちょっと開催までの間隔は短すぎますので、その点は、通知の到達の問題と別に検討されなければならないと思います。

【参 考】

経済産業省「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」(平成29年6月改訂)3頁~

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