カテゴリー「パソコン・インターネット」の85件の記事

2008年7月24日 (木)

「ブログ通信簿」実験開始(NTTレゾナント)

 23日、NTTレゾナント株式会社は、実験サイト「gooラボ」で、ブログに投稿された最新のブログ記事の内容などを分析してブロガーの性別や年齢、影響度などを推定し、“通信簿”として表示する「ブログ通信簿」の実験を開始しました。
 → 同社報道発表資料(7/23)

 この発表によれば、「ブログ通信簿」は、最新のブログ記事からブロガーの性別や年齢を推定し、ブログの「主張度」や「気楽度」、「マメ度」、「影響度」の4つの尺度を5段階で推定するサービスということで、通信欄には、ブログ記事の分析結果から推定される「生徒会長タイプ」、「一般生徒タイプ」などのタイプと、合いそうな職業などが表示されます、とのことです。最新10件の記事から分析するので、記事を更新していけば、結果が異なることになります。

 ということで、早速、寄ってきました。
 → gooラボ「ブログ通信簿サービス」

 で、私の現在のブログの結果(この記事の前までですが)は、

当ブログの通信簿

 いやはや(苦笑)。59歳男性の一般生徒で、行政官かぁ。

 しかし、このブログで記事に画像を貼り付けたのは初めてじゃなかったかな?

【追記】(7/24)
 町村教授のブログでも取り上げておられるが、さすがに、私とちがって優等生の通信簿ですね。主張度、気楽度が3、マメ度、影響度が5の「生活委員」タイプだそうです。で、裁判官を目指しましょう、ということのようです。
 それよりも何よりも、25歳というのがうらやましい。

 ということで、上に出ている時点より、この記事と次の記事の2つを書いたところで、もう一度チャレンジしました。

 すると、主張度2(変わらず)、気楽度3(変わらず)、マメ度5(よくできました)、影響度2(変わらず)となりました。なにしろ、直近10件の記事で判断してますので、更新度合いが休日などで違えば、マメ度は変わるわけですね。毎日更新してれば、マメ度は5になりそうですね。

 (通信欄)ですが、「一般生徒」から「図書委員」になりました。
 「よく話題にしている」のが、上では「社会」だったのが、今度は「web」になりました(この記事のせいだな)。でも、「行政官」を目指すのは変わりませんでした。

 結局、町村教授と大きく違うのが、「影響度」で、これは要するに読者の数やリンクの数でしょうから、なかなか向上させるのはむずかしい。
 「行政官」と「裁判官」の判断基準はわかりませんが。

【追記の追記】(7/25)
 結構人気が集まってるようで、通信簿で見てもらうのにも、「入場制限」状態のようですね。たまたま見つけて初日で遊べたのはラッキーだったかもしれません。ここで、少しまともに考えてみましょう。

 冷静に考えると、「年齢」「性別」「主張度」「気楽度」は、文章の表現や内容を変えれば、大きく変わるはずです。「マメ度」は更新を増やせばそれまでです。(通信簿)の内容にしても、ちょっとだけ、出版関係のことを書いただけで、「図書委員」に昇格?したのですから、どうってことはない。「行政官」という評価も、ブログで、官庁の公表資料を多く扱っているから、その官庁名を拾ってのことではないか、と推測しています。

 もし、今日から10件、全然違うようなネタと文体で、一日2件書けば、通信簿の中身もかなり変わってくることは間違いないでしょうね。やりたい気もしますが。
 もっとも「影響度」だけは、ブロガーサイドでは完全にコントロールできそうにないですね。

 もちろん所詮はお遊びなんですが、私の感想としては、長続きさせるためには、最新10件の記事というのでは不十分すぎるでしょうね。やっぱり、少なくとも30~50件を対象にしないと駄目なんじゃないかなぁ。

P.S.
 ちと「主張度」の評価については異論ありです。「もっと自分の意見を言ってみてもいいのでは」と書かれました。確かに、当ブログでは、そのあたりは抑え気味なんで正しいんです。書きすぎている記事は、夜に酔って書いている分です(翌朝、慌てて修正したりしてますぅ)。
 ただし、どこの誰が書いたか分からない無責任な匿名ブログで、好き勝手に根拠も無い、感情的な感想とかを書かれている記事(それはそれで意味はありますが)と一緒に評価されてもね、と拗ねてみたくなります。実名も立場もあからさまにしてるのと全然意味が違いますよね。私の場合、誰かの批判的な記事を、うっかり
書いたら、弁護士資格が飛んでしまう危険性もあるんですよ。
 もちろん、そこまで自動的に判断させるのもまだ無理ですわね。

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2008年7月11日 (金)

「仮登録ありがとうございます」というメール

 さっき、私に、次のようなメールが来ました。

タイトル:「仮登録ありがとうございます」
送信者:登録確認通知 [rentalacmedolls@YAHOO.co.jp]

(川村注:念のため、yahooを大文字全角に変換してます。)

・・・・・メール本文・・・・・

※ 登録確認のお知らせ ※
No.38754 様
この度は当サービスにお申込みいただき、ありがとうございます。
下記URLよりプロフィールをご確認ください。
1.[ http://sexdoll.2kool4u.NET ]

   (川村注:ここも末尾を大文字全角にしました。以下、同じ。)
2.フォームに必要事項を入力する。
3.折り返しサイトよりログイン情報をお送りいたします。
※当サイトでは登録・利用ともに料金は一切発生致しません。
-------------------------------------------------------
No.38754 様へ新着メッセージのご案内です。
No.15503 ナナミ 様
タイトル:明後日お休みなんです。
コメント:急な休みで何も予定がないんですけど、良かったら家で…

 (川村注:私も明後日は休みです。一緒ですね。)
プロフ&無料返信はこちら ⇒ http://sexdoll.2kool4u.NET
No.20054 春奈 様
タイトル:1千万円までサポートできます。
コメント:私はもう40歳半ばです。もし写真を見て嫌じゃなかった…

 (川村注:私は後10日ほどでもう49歳です。悪かったね。)
プロフ&無料返信はこちら ⇒ http://sexdoll.2kool4u.NET
その他の新着メッセージ ⇒ http://sexdoll.2kool4u.NET
--------------------------------------------------------

 メールは、以上です。

 迷惑メールの規制強化の法律改正も先日通ったばかりですが、この手のは無くならないのでしょうかねぇ。仮登録した覚えのない真面目な人がびっくりしてアクセスしたり、場合によっては、問い合わせメールなどを送ることによって、個人情報を相手に取得される危険があるのはご承知の通りです。

 もちろん、私は、この手のサイトに仮登録も登録もしたことはございません。
 よくある迷惑メールですが、ご注意下さい。

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2008年6月20日 (金)

「まねきTV」事件訴訟は請求棄却(東京地裁)

 報道されている内容しかわからないので速報のみ。
 インターネットによるテレビ視聴システムの業者を、放送局が訴えている一連の事件の内、今日は、「まねきTV」事件の1審判決(東京地裁)があったようです。結果は、原告(放送局)の敗訴(請求棄却)ということです。

 この事件は、去年の3月頃にこのブログでも書きましたが、仮処分段階でも、東京地裁も東京高裁も、やはり放送局側の著作権侵害の主張を認めていませんでした。

 一方、先日(5/28)の判決で放送局側の主張が認められた、日本デジタル家電「ロクラク」のサービスについても、このブログでも取り上げましたが(6/1)、こちらは、訴訟に先立つ仮処分でも放送局側の主張が認められていました。
 → 「日本デジタル家電のテレビ録画視聴サービスの判決(東京地裁)」

 今回の判決の中身については、ある程度想像はつきますが、来週に恐らく判決が公開されると思いますので、それを確認してからご紹介します。

【追記】(6/23)
 本日、最高裁サイトに公開されました。

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2008年5月22日 (木)

2007年の個人情報漏洩事件調査報告書(JNSA)

 先日(5/19)、日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)が、「【速報版】2007年度 情報セキュリティインシデントに関する調査報告書」を公表しています。
 これは、JNSAが、2007年1~12月に国内で起きた個人情報漏洩事件に関する新聞やインターネットニュースなどで報道された個人情報漏洩事件の記事などをもとに情報を集計し、漏洩した組織の業種、漏洩人数、漏洩原因、漏洩経路などの分類・評価を行ったものということです。

 → 同調査報告書【速報版】に関するJNSAサイトの公表記事
 → 同調査報告書【速報版】(PDF)

 これによれば、漏洩人数(被害者数)は、前年と比較して大幅に増加して、約3053万人となり、これに伴って想定損害賠償総額(JNSAの独自の算定による)も大幅に増加して約2兆2710億円だったとされています。

 一方で、漏洩事件数は864件で、前年より129件減少していて、件数は減少傾向にあるとのことで、特に一件当たりの漏洩人数の少ない事件や一件当たりの想定損害賠償額の低い事件といった規模の小さいものの件数が、全体的に減少傾向にあるようです。

 また、情報漏洩の原因は、「紛失・置忘れ」が20.5%、「管理ミス」が20.4%、「誤操作」が18.2%、「盗難」が16.6%、「ワーム・ウイルス」が8.3%となっていて、このうち、「管理ミス」の件数、割合が、大きく増加、「誤操作」の割合も増加していて、一方で、「紛失・置忘れ」「盗難」の件数が減少しているとのことです。

 漏洩した経路は「紙媒体経由」が全体の40%を占めているとのことで、情報漏洩とはいっても、ネットやメモリ経由のデジタルデータ自体の漏洩に比べても、印刷等の紙媒体の漏洩がまだまだ大きなシェアを占めているということですね。これらは、主に紛失や置忘れ、盗難によって個人情報の漏洩・流出事件とされているものと思われます。

 上にも書いた「想定損害賠償額」の算定に興味が引かれるところですが、この報告書には算定方法自体の記載はありません。今回の1人あたりの平均想定損害賠償額は、約3万8000円とされています。

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2008年5月20日 (火)

ネット通販会社からの個人情報漏洩事件

 共同通信の報道では、「ネット通販のオズ・インターナショナルは20日、同社運営のサイトからクレジットカード番号など利用者の個人情報が流出したと発表した。」ということです。中国からの不正アクセスで流出した模様で、流出は最大2万件に達する可能性があるようですね。

 オズ・インターナショナルのサイトによれば、「このたび『アイドラッグストアー』『アイビューティーストアー』が中国からSQLインジェクションによる不正アクセスを受け、過去に『アイドラッグストアー』『アイビューティーストアー』をご利用になったお客様の個人情報の一部が流出した可能性が高いことが判明いたしました。
 現在確認されている流出項目はクレジットカード番号と有効期限、ログインパスワード等です。
 今後の流出を防ぐために、既にセキュリティ保護は強固なハードウェア、ソフトウェアを採用し、セキュリティの大強化を行い、現在も改善に最善をつくしております。
 また、お客様のクレジット情報はただちに削除をいたしました。
 今回の事件により、お客様に金銭的なご迷惑がかからないよう、取り計らっておりますのでこの点はご安心戴きたく御願い申し上げます。」

としています。

 詳細はまだ分かりませんが、クレジットカード番号と有効期限が漏洩すれば、被害が拡大する恐れがあります。

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懸賞サイトに登録したら出会系メールが来た・・・という記事(日経パソコン)

 今日、とある会社で聞いたので、ご紹介。

 日経パソコンのサイトの記事なのですが、『記事の芽』というコラムの、本日(5/20)付「懸賞サイトに登録したら、3週間で500通以上の迷惑メールが……」というのです。

 内容は、筆者が、「懸賞サイトに応募したら、途端に迷惑メールが送られてくるようになった」という話をたびたび聞いていたので、迷惑メールの特集記事を執筆した際に、複数の懸賞サイトにアドレスを登録してみたところ、その話が本当だったという体験記です。
 登録当日から、迷惑メールが届き始め3週間後には累計で507通、4週間後には673通に達したということで、そのほとんどは、いわゆる「出会い系サイト」からのメールで、いくつかの出会い系サイトに既に登録され、それらのサイトを通じて、多数の女性から自己アピールのメールが次々と送られてきたようです。

 この出会系メールの内容がなかなか面白い。これ以上引用するのもどうかと思いますので、興味のある方は、上でリンクしている元記事をご覧ください(いつまで出ているのかは知りませんので、リンクが切れてたらすみません。)。

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2008年5月 7日 (水)

電子商取引等準則の改定案パブコメ(経産省)

 経済産業省からの意見公募(パブコメ)が5月3日になされています。
 「電子商取引及び情報財取引等に関する準則改定案」に対するものです。
 休日でも公示するのですねぇ。4連休の初日公示では、実質的な募集期間が短くなってしまいますね。義務的な意見公募というわけではありませんので、期間は自由と言われればそれまでですけれども。
 受付締切日は、本年6月2日となっています。

 「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」(以下、「準則」)は、経済産業省が平成14年3月に「電子商取引等に関する準則」として策定・公表したもので、電子商取引等に関する様々な法的問題点について、民法をはじめとする関係法令がどのように適用されるのか、その解釈を示し、取引当事者の予見可能性を高め、取引の円滑化に資することを目的として作られたものです。その後5回の見直し・改訂を行われており(名称も変わりました。)、今回さらなる改訂についてのパブコメとなったわけです。

 → パブコメの詳細は、こちらへ 「意見募集中案件詳細」

 まだ、ちゃんと中身はちゃんと読めてませんが、ざっと見たところ、改正部分は、

第1 電子商取引 の内、
 ◎ 2(電子商取引に特有の取引携帯)の
   (1)「電子商店街運営者の責任」の一部修正
 ◎ 3(消費者保護)の
   (3)「ウェブ上の広告表示の適正化」に
       薬事法・健康増進法および貸金業法等による規制を追加

第2 情報財取引 の内、
 ◎ 1(ライセンス契約)に
   (8)「SaaS・ASPのためのSLA」を追加
 ◎ 2(知的財産)の
  (5)「ID・パスワード等のインターネット上での提供」の一部修正
  (6)「使用機能、使用期間等が制限されたソフトウェアの制限の解除
      方法を提供した場合の責任」の追加
  (12)「他人のホームページにリンクを貼る場合の法律上の問題点」
     の一部修正  

というような所のようです。

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2008年4月15日 (火)

日本銀行松江支店情報流出事件の調査報告

 先日(3/24)書きました日本銀行松江支店の職員のパソコンからの内部情報流出事件について、本日、日本銀行から、調査報告書総裁談話が公表されています。
 → 「日本銀行情報流出事件と北海道警捜査資料流出事件訴訟判決」(3/24)
 → 日本銀行サイト公表資料(調査報告書、総裁談話)

 調査結果によれば、流出した情報は計34ファイルで、職員が、フロッピーディスクに格納して自宅に持ち帰り、個人所有パソコンに保存していたもの(当初発表数を修正)。
  このうち、金融機関とその融資先に関する機密度の高い情報としては、①金融機関の過去の決算分析に関するものと、②日本銀行が金融機関に委嘱している国庫国債事務の事務検査に関するものの2種類で、掲載されていた金融機関の数は13先、融資先の数は14先ということです。

 流出の経緯としては、職員の個人所有パソコンの内の1台にファイル交換ソフト(Cabos、Winnyおよびその亜種)が検出されていて、ただし、暴露ウイルス(ファイル交換ソフトを通じて勝手にファイルを流出させてしまうAntinnyなどのウイルス)そのものは検出されなかったものの、ある暴露ウイルスに感染した場合に特徴的に生成されるファイルが多数発見されたということです(当該職員があわててウイルスを削除したということなのかな?)。 ウイルスチェックソフトも2005年にサポート期限が到来しており、ウイルス定義ファイルは2001年のものであったとのことだったので(こりゃひどいですね。)、今回流出した情報は、当該パソコンが暴露ウイルスに感染し、ファイル交換ソフトを通じて流出したものであると判断しています。

 そして、反省すべき点として、
(1)職員の規範意識が十分ではなかった点
(2)情報流出を生じさせないための執務環境の整備が十分ではなかった点
(3)上司が部下の内部ルール違反を認識していなかった点

を挙げ、
 再発防止策として、
(1)情報の厳格な取扱いの再徹底
(2)情報流出を生じさせない執務環境の整備
(3)内部におけるチェック体制の強化

を挙げています(詳しくは、上記の日銀公表資料をご覧ください)。

 今回の件で、関係者の処分として、当該職員1名に停職1ヶ月(自主退職)、管理・監督者6名に戒告(内、現支店長、全支店長は給与自主返上10%1ヶ月)がなされています。

 情報流出事件後の対応の参考にもなる事案です。比較的早期に調査、処分を行って結果公表をしている点は評価できるとは思います。・・・総裁が不在だったにもかかわらず・・・

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2008年4月 9日 (水)

ヤフーオークションの運営者の注意義務(名古屋地裁判決続報)

 既にご紹介した3月28日のヤフーオークション詐欺被害訴訟の名古屋地裁判決ですが〔ヤフーオークション詐欺被害訴訟の判決(名古屋地裁)〕、判決文が原告団サイトに出ています。また、控訴する方針も表明されています。
 → ヤフーオークション訴訟原告団サイト

 この名古屋地裁判決が示した、オークションの運営者である被告ヤフーの注意義務に関して、以下に紹介したいと思います。

名古屋地裁平成20年3月28日判決
 平成17年(ワ)第1243号、平成17年(ワ)第2234号、平成19年(ワ)第849号(いずれも損害賠償請求事件) 

 原告の主張では、被告ヤフーは、その利用契約が、仲立契約に準じた契約責任、準委任に基づく善管注意義務、請負人類似の注意義務を負う、そうではないとしても、一定の注意義務を負うなどとしたうえで、十分な注意喚起、第三者信頼性評価システムの導入、出品者情報の提供・開示、エスクローサービス利用の義務づけ、補償制度の導入などにより被害防止をはかるべき注意義務が存在し、それを果たさなかったとして、契約責任、不法行為責任があるとしています。

 これに対して、被告ヤフーは、まず、オークションのサービスは、利用者に自己の判断によって自由に商品売買を行う機会を提供することを中核としており、被告ヤフーは取引の「きっかけ」を提供する「場の提供者」であるので、オークションのサービスをきっかけとして行われる個別の売買は双方の自己責任で行われるものであり、「取引の場の提供者に過ぎない被告は、利用者間の個別の取引の成立や履行に関与することはなく」詐欺被害も含め利用者間のトラブルについて、契約上および不法行為上の責任を負わない、と反論しました(個別の事項の反論ももちろんしています)。

 判決では、まず、オークションの利用契約は、仲立契約、準委任、請負などとはいえないとしました。
 一方で、被告ヤフーが利用者間の取引について一切の責任を負わないと主張した点については、
「本件利用契約は本件サービスのシステム利用を当然の前提としていることから、本件利用契約における信義則上、被告は原告らを含む利用者に対して、欠陥のないシステムを構築して本件サービスを提供すべき義務を負っているというべきである。」として、被告ヤフーの主張を斥けています。
 そのうえで、被告ヤフーに求められる具体的な義務の内容は、
「そのサービス提供当時におけるインターネットオークションを巡る社会情勢、関連法規、システムの技術水準、システムの構築及び維持管理に要する費用、システム導入による効果、システム利用者の利便性等を総合考慮して判断されるべきである。」としました。
 さらに、原告が主張した具体的な義務違反の内、「注意喚起」については、オークション詐欺等犯罪的行為が発生していた状況下では、「犯罪的行為の内容・手口や件数等を踏まえ、利用者に対して、時宜に即して、相応の注意喚起の措置をとるべき義務があったというべきである。」と、本件において、注意喚起の義務があったと判断しています。
 この点、限定的にせよ、オークション運営者の利用者間のトラブルを防止すべき義務が存在することを認めたもので、この判決の重要な部分かと思います。
(なお、その他の原告主張の具体的義務は認めていません。)

 そして、その「注意喚起」義務についての義務違反があったか否かについては、
「・・平成12年から現在まで、被告は、利用者間のトラブル事例等を紹介するページを設けるなど、詐欺被害防止に向けた注意喚起を実施・拡充してきており、時宜に即して、相応の注意喚起措置をとっていたものと認めるのが相当である。」として、被告ヤフーが、「注意喚起」義務を果たしていたとし、結局、原告の請求を認めなかったものです。

【追記】(4/14)
 時事の4/11の報道によれば、原告全員が控訴したようですね。

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2008年4月 8日 (火)

ITからICTへ、URLからURIへ、だそうです

 昨日(4/7)に書いた「インターネット上の違法・有害情報への対応検討会「中間とりまとめ骨子(案)」(総務省)」の中に「ICTメディアリテラシー」という言葉が出てきましたが、今日たまたま、総務省のサイトで、「ICT成長力懇談会」という会合の名前を見つけました。

 この言葉が何の説明もなくいきなり出てくるのですが、「ICT」というのは、「Information and Communication Technology」の略で、情報(Information)と通信(Communication)に関する技術の総称(情報通信技術)
 これまで日本でよく使われている「IT」(Information Technology 情報技術)とほとんど同じと考えればよさそうなのですが、国際的には「ICT」のほうが使われているということらしく、総務省の「IT政策大綱」も既に「ICT政策大綱」と名前を変えているなど、数年前から使われている言葉です。

 ところで、この記事を書くのに参考にさせてもらった「IT用語辞典BINARY」(この名称は「IT」のままですね)の記事によれば、同様に、インターネットにおける住所地ともいえる「URL」(Uniform Resource Locator)というおなじみの用語も、その上位概念である「URI」(Uniform Resource Identifier)という表現へと移行しつつあるのだそうです。知らなかった。

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2008年4月 7日 (月)

西村ひろゆき(2ちゃんねる)VS切込隊長の裁判の1審判決

 昨年11月27日に「西村ひろゆき(2ちゃんねる)VS切込隊長の裁判」という記事を書いたのですが、その後、今年2月18日に判決(東京地裁)が出ていました。
 「2ちゃんねる」での書き込み内容が名誉毀損にあたるとして、「切込隊長」として知られた原告が、2ちゃんねる管理人西村博之氏に損害賠償と記事の削除などを求めていた事件です。

 この裁判と1審判決の内容については、OhmyNews(オーマイニュース)で以前からこの裁判の記事をずっと書かれてきた渋井哲也氏の2月18日付「『2ちゃんねる』書き込みの一部削除を命じる」および2月23日付「2ちゃんねる判決は『これまでの枠組み通り』」に詳細に紹介されています。

 結論だけいえば、原告一部勝訴判決で、80万円の損害賠償(請求額200万円)と、書き込みの一部の削除については裁判所は認めましたが、原告の名前や「切込隊長」などの言葉があるスレッドを立たせるなとする請求は棄却された、ということです。上記の渋井氏の記事を読む限りでは、本件での損害賠償の根拠として、裁判所は、名誉毀損に該当する書き込み(投稿)を管理人である西村氏が削除しなかったことにつき不法行為を認めたようです。

 この判決について、被告の西村氏は控訴したということです。西村氏としては珍しく、控訴審では代理人弁護士をつけた模様ですね。
 → 渋井哲也氏「2ちゃんねる管理人が控訴 山本氏との名誉毀損訴訟で」(4/2 OhmyNews)

 

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インターネット上の違法・有害情報への対応検討会「中間とりまとめ骨子(案)」(総務省)

 4月2日に開催された第5回「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会」の配布資料が公開されていて、この中に、『中間とりまとめ骨子(案)~携帯電話フィルタリングサービスの実効性ある普及を目指して~』というのがありました。
 → こちらへ(総務省サイト)

 サブタイトルにあるように、最近話題になっている携帯電話のフィルタリングサービス(以下、フィルタリング)によって有害情報から主に青少年の保護を図ろうとする観点から、フィルタリングの現在の課題と今後の方策を提言しようとするもののようです。このブログでも携帯電話のフィルタリングについて書いたことがありました。
 → 「フィルタリングと競争法」(1/30)
 → 「フィルタリングの話の続き」(1/30)

 「中間とりまとめ骨子(案)」の中身は、フィルタリングの現状と課題を踏まえて、まず、今後の短・中期的な対応を示し、最後に長期的な対応(有害情報対策の深化)を検討するという体裁になっています。以下、簡単に内容を紹介しておきます。

 短・中期的な対応の中で、目についたのは、携帯電話事業者やコンテンツ事業者および利用者だけではなく、独立した第三者機関の必要性をあげている点です。この第三者機関は、ネット上のコンテンツの評価基準を策定し、認定を行うシステムということで、複数の機関が基準を提示し、利用者の選択肢を増やすことも想定されています。

 長期的対応については、まず、青少年保護を実効性あるものにするには、「青少年が知識・情報を自ら選別し、人格形成や自己実現に資するものを取得する能力」(ICTメディアリテラシーと言うそうな)を身につける必要があり、この能力の向上のための教育・啓発活動の必要性、また、保護者、学校、地域の役割が重要ではないか、としています。
 さらに青少年保護のためには、有害な情報の投稿を検出できるような技術開発が必要であり、それについては、国が開発、支援を行う必要ではないか、としています。
 また、コンテンツの評価(レイティング)の取組にも触れています。

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2008年4月 4日 (金)

デジタル・コンテンツの流通に関する「ネット法」の提言

 昨日(4/3)の壇俊光弁護士のブログ「壇弁護士の事務室」に取り上げられていたので、覗いてみたのですが、「デジタル・コンテンツ法有識者フォーラム」という民間の研究団体が、3月17日に「ネット法(仮称)」の政策提言について公表しています。

 その提言の内容は、

 まず、日本では、現行法上、著作権等の権利処理の負担が大変であるうえ、違法コピー等の不正使用行為への対策が不十分であることから、デジタル・コンテンツ配信サービスが普及しない、として、現行の著作権とは別に「ネット法」という特別法の立法が必要、としています。

 著作権法とは別の特別法の立法を必要とする理由として、
(1)著作権法は伝統的な文化的著作物も対象となっており、同じ法律の中でデジタル・コンテンツを別のカテゴリーとするには、法技術的には可能であっても、実務的に大きな困難が伴い、分かりにくい法律となってしまううえ、現行著作権法の体系での権利関係や実務に混乱を招く、
(2)肖像権や商標権など著作権以外の権利も関係するため著作権法改正だけでは対応が困難である、という2点を挙げています。

 この「ネット法」は、インターネット上のデジタル・コンテンツの流通に限定して適用されるとされており、以下の3項目を中核としています。
(1)「ネット権」の創設
(2)収益の公正な配分の義務化
(3)フェア・ユースの規定化

 詳しくは、上記の当該サイトの資料をみていただくとして、「ネット法」で保護される「ネット権」とは、「特定の者に与えられるインターネット上での一定のデジタル・コンテンツの流通に関する権利」ということのようで、著作権のように、著作者の誰でもが当然に取得できる権利ではないようですね。
 そして、この「ネット権」の創設により、デジタル・コンテンツの円滑な流通が実現でき、「権利者が潤い、消費者が喜び、国富も増える政策」となるというのだそうです。

 確かに、著作権法の従来からの伝統的な体系下での議論では、デジタル・コンテンツの権利の調整が難しくなっているわけで、別の視点からの特別法の体系を作っていくという立場は賛成したいと思います。

【追記】(4/7)
 今朝の日経朝刊法務面に関連記事がでてますね。

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2008年4月 2日 (水)

ヤフーの新たな個人情報漏洩事案(総務省)

  「ヤフーの情報漏洩」と聞くと、つい反応してしまうのですが、本日(4/2)、総務省が、「他人の通信のヘッダー情報の漏えい事案に関するヤフー株式会社に対する措置」というのを公表しています。
 ヤフー株式会社が他人の通信のヘッダー情報を漏えいした事案に関して、総務省が、同社に対し、通信の秘密に係る情報の適正な管理の徹底を文書により指導した、ということです。 なお、既にヤフーは、3月18日にこの事実を発表しています。
 あえて、コメントしませんが・・・・・・
 → 総務省サイト報道資料
 → ヤフーの3月18日付プレスリリース

  ヤフーの提供する「Yahoo!メール」約5万7千通において、平成19年10月31日から本年2月21日までの間、メールサーバーのソフトウェアの不具合により、受信メールに他人の通信のヘッダー情報(送信日時、送信元メールアドレス、あて先メールアドレス、件名、経路情報)が追加して表示された事案が発生した、ということについて、3月24日、ヤフーから総務省に対して、電気通信事業法28条に基づく報告があったようです。
 なお、通信本文は漏洩していない、とのこと。

 このヤフーからの報告の概要によれば、この情報漏洩の発生原因は、
(1) メールサーバーにインストールしたソフトウェアの不具合。
(2) 当該ソフトウェアをインストールする前、本番環境の試験において本不具合を発見したにもかかわらず、内部の連絡の不手際により不具合のあるソフトウェアをインストールしたこと。
(3) インストールした後に複数のメールサーバー間での相互チェックは行なっていたが、すべてのメールサーバーに不具合のあるソフトウェアをインストールしたため、間違いが発見できなかったこと。
 とのことであり、
 主な再発防止策としては、
(1) ソフトウェアの不具合がテスト環境で発見できるよう、本番環境に近いテスト環境を整備すること。
(2) ソフトウェアをインストールの際、正しいソフトウェアであることを第三者が確認するなどチェック体制を強化すること。
(3) 正しいソフトウェアがインストールされたメールサーバー(基準機)を決め、このメールサーバーと他のメールサーバー間での確認を実施すること。
 としています。

 これに対する総務省の本日付の指導文書の内容は、

「通信のヘッダー情報は、通信の秘密として保護されるものであるが、本事案については、1)メールサーバーにインストールしたソフトウェアに不具合があったこと、2)インストール前の本番環境での試験において本不具合を発生していたにもかかわらず、ソフトウェアをインストールする際の不手際から不具合のあるソフトウェアをインストールしてしまったとのことであり、貴社の通信の秘密の保護に対する安全管理措置が不十分であったと言わざるを得ない
  貴社においては、通信の秘密の保護に関する意識の向上を図り、通信の秘密に係る情報の適正な管理を徹底し、再発防止に努めるよう厳重に注意する。
  なお、当省としては、貴社の再発防止に係る今後の取組いかんによっては、更なる指導等を行うこともあり得ると考えているところであり、再発防止策を早急に実施するとともに、その実施状況について、平成20年6月末までに報告されたい。 」

となっています。

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2008年3月28日 (金)

ヤフーオークション詐欺被害訴訟の判決(名古屋地裁)

 日本のネットオークション最大手のヤフー・オークションで、落札・入金しても商品が届かない詐欺被害にあった利用者780人が、オークションを主催するヤフーを被告として、計約1億5800万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が、本日昼過ぎに名古屋地裁でありました。
 報道によれば、黒岩裁判長は「同社は被害防止のため時宜に沿った注意喚起をしていた」として、被告ヤフーの損害賠償責任を認めず、原告らの請求を棄却したようです。
 原告は全国46都道府県に及んでおり、総落札点数は1086点。

 → 原告団のサイト(ちょっと読みにくいけども)

 このブログでも何度か紹介させていただいた、ネットオークションのシンポジウム(3/8 主催:消費者支援機構関西)には、この原告団の訴訟代理人をされていた名古屋の山森広明弁護士にもパネリストとして出席いただいていました。
 判決の詳細がわかりませんので現時点で結論についてはコメントしにくいですが、オークション主催業者は、単に取引の場を提供しているだけとは言えないと思いますので、個々のオークション取引のトラブル、被害発生について、どこまでの注意義務があるのか、という点が問題となる事案ですね。
 下にリンクした消費者支援機構関西の提言では、主催者のオークション運営のあり方に関して、以下の5項目の提言を行っています。
(1)出品者についての情報開示
(2)出品者についての調査義務
(3)代金決済制度の改善
(4)出品物、規約、苦情窓口等の表示の明確化
(5)トラブル回避のための利用者への啓蒙活動

 → シンポ(3/8)の模様
 → 消費者支援機構関西の提言
  
「インターネットオークションにおけるトラブルの防止と消費者保護について」

【追記】(3/29)
 上記の原告団のサイトに「判決要旨」がアップされていました。

 それによれば、原告ら詐欺被害者の主張は以下のようなものです。
 被告ヤフーには、詐欺の被害を生じさせないインターネットオークションシステムを構築するために、(1)詐欺の被害防止に向けた注意喚起、(2)第三者機関による信頼性評価システムの導入、(3)利用者に対する出品者情報の提供・開示(匿名性の排除)、(4)エスクローサービス利用の義務付け、(5)詐欺被害に対する補償制度の完備、をすべきであるのに怠った。

 これに対して、被告ヤフーの反論主張は、(1)注意喚起は十分に行っている、(2)日本には信頼性評価を行う第三者機関は存在しない、(3)被告ヤフーの判断で利用者情報を開示することは憲法、電気通信事業法の「通信の秘密」上、困難である、(4)エスクローサービスを利用するかどうかを利用者に委ねても不合理ではない、(5)補償制度は事後的な救済であって、これによって詐欺が防止できるわけではない、というもの。

 そして、裁判所は、
1.被告ヤフーには、詐欺の被害防止に向けた注意喚起を時宜に沿って行う義務はあるが、被告は時宜に沿った注意喚起を行っていたと認められる。
2.その他の原告主張の具体的義務(上記の(2)~(5))については、被告ヤフーにこれらの具体的義務を要求することは困難であるから認められない。

として、被告ヤフーに原告らの詐欺被害についての損害賠償責任はない、と判断しています。

【追記の追記】(4/9)
 原告サイトに判決文が載りましたので、別記事を書きました。
 → 「ヤフーオークションの運営者の注意義務(名古屋地裁判決続報)」(4/9)

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2008年3月 1日 (土)

ネットの記載と名誉毀損罪(無罪判決)

 今朝の朝刊で報道されているように、インターネットのwebサイト(ホームページ)上にラーメンチェーン店を中傷するような内容を書き込んだことが刑法上の名誉毀損罪に該当するとして起訴された被告人に対して、昨日(2/29)、東京地裁が無罪判決を言い渡しています。

 名誉毀損罪(刑230条)は、「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する」となっています。

 今回の判決は、マスコミと一般個人を区別したうえで、内容の真実性を信じていた、として無罪にしたようですが、新聞記事のみでは、法的な構成が必ずしも明確ではないように見えますので、現時点では論評しにくいですが、今後、この判決内容についてはいろいろと議論が出てくることと思います。私もブログでいろいろと書いている立場であり、大きな関心があります。

 ただ、書き込む側として、この無罪判決が出たからと言って、中傷的な記事を書くことが広く許された、というわけではありません。
 今回の判決は刑事事件の判決ですが、犯罪は成立しなくても、民事の損害賠償責任の要件は異なるので、事案によっては、刑事は無罪でも民事では賠償責任が生じるということは充分に考えられます。刑事の名誉毀損罪故意犯しか罰せられないが、民事の損害賠償は故意がなくても過失で責任を問われる、というような大きな違いもあります。

 なお、本件の刑事弁護人を務めた紀藤正樹弁護士のサイトでも、この判決について触れられています。

【追記】(3/12)
 本日、東京地検が控訴したようです。

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(続)庁内LAN掲示板への記事掲載判決について

 先日、速報した判決が最高裁サイトに出たので、中身について、ちょっと書きます。

 東京地裁平成20年2月26日判決
 平成19年(ワ)第15231号 著作権侵害行為差止等請求事件

 事案は、社会保険庁が管理運営する庁内LANシステム内に新聞報道等掲示板があり、その掲示板に職員が、同庁に関連する新聞や雑誌の記事を複写・掲載していた。そして、この掲示板に、原告の週刊誌記事(4本の連載記事)を掲載した、というもの。

 原告の請求内容は、差し止めについては、
 1 掲示板からの削除請求 と 2 将来の掲載行為の予防的差止請求 の2つですが、1については、判決は、既に削除済であるとして認めませんでした。
 2については、原告の請求は、「LANシステム上に原告の著作物を掲載してはならない。」旨のものだったところ、判決は、「社会保険庁LANシステムの電子掲示板用記録媒体に当該著作物を記録し,又は当該著作物を公衆の求めに 応じ自動送信させてはならない。」旨の表現で認めています(原文は変えてます)。ここは、実務的には参考になりますね。

 そして損害賠償請求については、原告の374万円と遅延損害金の請求に対して、判決は42万0500円と遅延損害金を認めました。損害の算定の判断も争点ですが、本稿では省略します。

 さて、この判決は、掲示板用の記録媒体に本件著作物を順次記録した行為について、公衆送信権侵害を認めました。

 そして、著作権法42条1項(「著作物は・・・行政の目的のために内部資料として必要と認められる場合には,その必要と認められる限度において,複製することができる。」)の適用については、この規定が、特定の場合に,著作物の複製行為が複製権侵害とならないことを認めた規定であり,この規定が公衆送信権(自動公衆送信の場合の送信可能化を含む。)の侵害行為について適用されないことは明らかである、として、そもそも公衆送信権侵害行為についてはこの規定が適用されないと判断しています。

 さらに、この規定は行政目的の内部資料として必要な限度において複製行為を制限的に許容したものだから、本件のように、社会保険庁全体の多数の者の求めに応じ自動的に公衆送信を行うことを可能にした本件記録行為については、実質的にみても、著作権法42条1項の拡張的な適用をする余地がないことは明らかである、としました。

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2008年2月28日 (木)

特定商取引法改正と迷惑メール(経産省)

 読売が、特定商取引法(特商法)の改正による迷惑メールの規制強化を報じています。
 ただ、ネット配信の記事によれば、「メールを実際に送信した業者だけでなく、広告主に対しても罰則の網を広げることで、迷惑メール対策を強化する効果が期待できる。」とか、「新たな規制は、迷惑メールの広告主に対して刑事罰を導入するなど、「厳罰主義」で臨むことが柱だ。」とか、と表現されていますけど、一般の読者が、この文章を素直に読めば、これまでは特商法には迷惑メールの広告主に対する刑事罰がなく今回初めて新設するかのように読めますので、ちょっと誤解が生じるかも。。。
 (ちょっと見てみたら、最近のこの件に関する報道は、他も似たり寄ったりの表現でした。)

 以前にも書きましたが、現在、迷惑メール規制は、この経済産業省所轄の特商法による規制と、総務省所轄の迷惑メール防止法による規制の二本立てとなっています。
 この2つの違いはいくつかありますが、その目的の違いから、規制の対象者が、迷惑メール防止法メールの送信者であるのに対して、特商法のほうは、そのメールで広告している事業者つまり広告主が対象となっています(その両者が同一事業者ということもあります。)。

 このように、もともと広告主は特商法による迷惑メール規制の主な対象ですし、行政からの指示・命令に従わなかった場合の罰則として罰金も懲役刑も法定されてます。
 したがって、今回検討されている改正の如何にかかわらず、広告主がこれまで全く法規制や刑罰の対象になっていなかったというわけではありませんので、ご注意です。

 今回の一連の改正の骨は、「同意を得ていない送り先への広告・宣伝メールの送信を、原則として禁じる」という点にあります。これまでの、いわゆるオプトアウト規制からオプトイン規制への転換です。これは総務省が検討中の迷惑メール防止法の規制強化も同じです。
 具体的な改正案が、経済産業省から正式に出ていないので、これ以上正確なところはわかりませんが、この規制の強化に伴って、当然ながら、刑罰の対象も拡がることになるわけで、上の報道の意味するところはそういうことではないかと想像しています。

 それと、刑罰といっても、これまでは行政命令違反に対する間接罰であったのを、違反行為そのものについての直接罰とするのかどうか、という点があります。迷惑メール送信行為が、行政の指示・命令の有無に関わりなく犯罪となるのであれば、かなり厳しくなるということがいえますね。ただ、これについては、私が見た限りでは、まだ具体的な報道がないようですね。

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2008年2月19日 (火)

ダイエット・美容広告メールへの措置命令(総務省)

  総務省は、2月14日付で、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(俗称:迷惑メール防止法・特定電子メール法)」に違反して広告・宣伝メールを送信していた(株)ビューティースタイル(兵庫県姫路市。旧商号(有)カラーダンス)に対し、電子メールの送信の方法の改善を命じる措置命令を行ったことを公表しています。
 お久しぶりの措置命令かと思います。やっぱり全体的な実効性はなさそうですね。
 今回の公表内容は総務省サイトを見てもらえばいいのですが、以下に概要を載せておきます。

〈 概 要 〉
 迷惑メール防止法は、受信者から同意を得ていない場合等に送信される広告・宣伝メールである特定電子メールの送信にあたり、その件名欄に「未承諾広告※」との表示を義務付けている他、電子メール本文に、送信者名及び受信拒否を受け付けるための送信者の電子メールアドレス等の表示を義務付けている。

 ビューティースタイルは、少なくとも平成19年12月から平成20年1月まで、広告・宣伝メールを送信することの同意を通知していない者にダイエット商品や美容商品等の広告・宣伝メールを送信する際に、件名欄に「未承諾広告※」と正しく記載せず、また電子メール本文の送信者の名称の記載の前に「<送信者>」との表示をしていないなど、迷惑メール防止法3条の表示義務に違反していた。
 このため、総務省は、同社に対し、迷惑メール防止法7条に基づき電子メールの送信の方法の改善を命じる措置命令を行った。

 〈参考〉→  総務省迷惑メール対策ホームページ

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2008年2月18日 (月)

改めて、ネットオークション・シンポのご案内

 今月1日に、ここに「ネットオークションに関するシンポジウム」として紹介したシンポジウム(主催:消費者支援機構関西〈KC’s〉)ですが、報告者、パネリスト等が決まりましたので、改めてご案内を。
 なお、パネリストの高橋義明氏は経済産業省の「電子商取引等に関する準則」の作成やOECDの消費者政策などにも関わってこられた方、山森広明弁護士はヤフーオークションで詐欺被害にあった原告らによる損害賠償の集団訴訟(名古屋地裁)の弁護団のおひとり、大村和子氏は、ネットオークションの法律問題について研究されている方です。

 なお、開催日時は、3月8日(土)13:30~16:30、会場は、大阪市の靱公園内にある科学技術センターの大ホールです。

 詳しくは → ◎ 消費者支援機構関西トップページ
          ◎ シンポジウムのパンフレット(PDF)

〈以下、上記リンクの消費者支援機構関西(KC’s)のサイト掲載のパンフレットより転載しています〉
 ますます盛んになるインターネットオークション、見えない相手との取引のため、多くの トラブルが発生しています。その実態を知り、不法な参加者に