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2019年7月25日 (木)

「会社法務A2Z」2019/8号に解説を書きました。

 吉本興業とかジャニーズとか世間ではいろいろと問題になっておりますね。芸能事務所と芸能人との契約関係などについては、当ブログでは何度も取り上げていますが、今回は、同じく独占禁止法、公正取引委員会がらみのテーマの雑誌記事を書きましたので、そちらの宣伝です。

 ※ なお、芸能事務所と芸能人に関する当ブログ過去記事はこの辺りで

 さて、当ブログに本年4月25日付で、「コンビニの24時間営業と優越的地位濫用(独禁法)」を書きましたが、その後の経過などを含めて、もう少し詳しくしたものを、第一法規の月刊誌「会社法務A2Z(エートゥージー)」の8月号に、「<時事解説>「コンビニ24時間営業」の見直しと今後の課題」というタイトルで書きましたので、ご興味のある方はご覧下さい。(なお、目次など詳細は、第一法規サイトへ。)

2019年7月 4日 (木)

「花粉を水に変える」など光触媒マスクに対する措置命令(景表法)

 昨年、当ブログの「花粉を水に変える?」 (2018/3/18)で書きました「花粉を水に変えるマスク」など光触媒の効果をうたうマスクについて、本日、消費者庁は、DR.C医薬株式会社(東京都新宿区)、アイリスオーヤマ株式会社(仙台市青葉区)、大正製薬株式会社(東京都豊島区)、玉川衛材株式会社(東京都千代田区)の4社に対して、景品表示法に違反する不当表示(優良誤認表示)であるとして、措置命令を出しました。後記の通り、不実証広告制度によるものです。

 → 消費者庁公表資料 (PDF)

 この措置命令によると、

    •  DR.C医薬は、あたかも、本件商品を装着すれば、商品に含まれるハイドロ銀チタンの効果によって、商品に付着した花粉、ハウスダスト及びカビのそれぞれに由来するアレルギーの原因となる物質並びに悪臭の原因となる物質を化学的に分解して水に変えることにより、これらの物質が体内に吸入されることを防ぐ効果が得られるかのように示す表示をしていた。
    •  アイリスオーヤマは、あたかも、本件商品を装着すれば、太陽光及び室内光下において、本件商品に含まれる光触媒の効果によって、商品表面に付着した花粉、ウイルス、細菌、ハウスダスト及び悪臭の原因となる物質を化学的に二酸化炭素と水に分解することにより、これらが体内に吸入されることを防ぐ効果が得られるかのように示す表示をしていた。
    •  大正製薬は、あたかも、本件商品を装着すれば、太陽光及び室内光下において、商品に含まれる光触媒の効果によって、3商品表面に付着した花粉由来のアレルギーの原因となる物質、細菌、ウイルス及び悪臭の原因となる物質を化学的に分解することにより、これらが体内に吸入されることを防ぐ効果が得られるかのように示す表示をしていた。

    •  玉川衛材は、あたかも、本件商品を装着すれば、太陽光下において、商品に含まれる光触媒の効果によって、商品表面に付着した花粉由来のアレルギーの原因となる物質、細菌及びウイルスを化学的に二酸化炭素と水に分解することにより、これらが体内に吸入されることを防ぐ効果が得られるかのように示す表示をしていた。

とされており、消費者庁が、景品表示法7条2項(不実証広告)に基づいて、4社に対し、それぞれ、期間を定めて、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、4社から資料が提出されたが、提出された資料はいずれも、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものとは認められないものであった、とされました。

 この件については、上記の当ブログ記事で、消費者庁不実証広告制度を活用して対応すべきと指摘いたしました。消費者庁が私のブログを見て動いたとは思いませんが、今回妥当な処分が下されたと評価します。今後は課徴金納付命令となると思われます。なお、大正製薬は、同社のプレスリリースにおいて、今回の措置命令に対して、法的な対応を検討する、と表明していますね。

 上記当ブログ記事については、公表後、やまもといちろう氏や科学者の天羽優子先生などにも取り上げて頂きました。

 また、花粉を水に変えるマスクの問題点については、最近も、医師であるNATROM氏が「花粉を水に変えるマスク」の臨床試験の結果は早く公表されるべきというブログ記事(2019/3/29)を書かれていました。

2018年12月20日 (木)

実業団陸上の移籍禁止規程と独占禁止法

 本日、NHKが、日本実業団陸上競技連合に対して、公正取引委員会が、独占禁止法違反のおそれがあるとして調査を始めた、と報じています。

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 日本実業団陸上競技連合の規程では、所属チームの承諾なく別チームに移籍した選手は無期限で大会に出場できないとされているようで、この規程が問題とされています。

 このようなスポーツ選手と独占禁止法の問題が「人材と競争政策に関する検討会」報告書において検討されていることについては、当ブログで何回かご紹介しているところです。

 → 「人材と競争政策に関する検討会」(公取委)報告書の公表 (2018/2/15)

 → 「ラグビー トップリーグの移籍制限 公正取引委員会が調査」との報道(独禁法)
                          (2017/7/16)

 同様の移籍制限のルールは他競技にも以前からあり、上記の公正取引委員会の動きの中で、既にラグビーのトップリーグやバレーボールのVリーグなどは規程を廃止しています。こういった展開は、時代の流れというコメントが報道の中にあり、私もその通りだと思います。ただし、最近急に出始めた問題かというと、そうでもないようで、同じく実業団陸上に関して20年前のこんな記事を見つけました。

「監督・コーチの解任で揺れる ワコール陸上部 実業団規定 問題点浮き彫り」1998/9/21 京都新聞)

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 ここで、既に、独占禁止法違反の問題が指摘されたうえで、「制定当時と現在ではスポーツをめぐる環境は大きく変化している。」、「日本のスポーツ界全体が、選手側の権利も考慮した規程や規則への改変を迫られているのではないか。」と結ばれています。なお、この事案は、その後、和解にて終了したようです。

続きを読む "実業団陸上の移籍禁止規程と独占禁止法" »

2017年12月29日 (金)

ジャパンライフの倒産と国セン電話相談窓口の開設

 いよいよ、今年も大詰めですが、ジャパンライフ倒産に関する話です。

 先日(12/15)、ジャパンライフ(東京都千代田区)に対して、4回目の業務停止命令が消費者庁から出されたことは書きましたが( 「ジャパンライフに4回目の業務停止命令(消費者庁)」 )、12月26日、同社が、銀行取引停止処分を受け、事実上の倒産となったことが報じられています。

  → 東京商工リサーチwebサイトより

 この記事によれば、顧客数は約6800人ということですが、被害額もかなり大きいと思われます。

 この問題に対応するため、国民生活センターは、本日から1月3日までの年末年始の期間に(相談受付時間:10時~16時)、特設電話相談を実施しています。
 なお、この電話相談のアドバイスを参考にして対応してもらい、1月4日(木曜)以降には、あらためてお近くの消費生活センターにご相談ください、とのことです。

  → 「ジャパンライフ専用ダイヤルを開設」 (国民生活センター)

 なお、今後、各地の弁護士会や弁護団などで、弁護士による相談対応もなされていくと思われます。情報があれば、またご紹介したいと思います。

2017年8月 6日 (日)

機能性表示食品「葛の花イソフラボン」の不当表示調査の報道

 前回記事で、薬機法(旧・薬事法)景品表示法に関連したDVDについて宣伝させていただきましたが、ちょうど関連するような報道が出ています。


 8月3日付の通販新聞が、 「機能性表示食品の広告問題 「葛の花」販売企業を〝一斉聴取〟 課徴金調査で処分不可避か」 という記事を報じています。 

 詳しい経緯は、上記のリンク先記事をご覧いただきたいですが、要するに、東洋新薬がOEM供給する「葛の花由来イソフラボン」を含む機能性表示食品の広告問題が、本年5月のスギ薬局の「お詫び社告」で明らかになりましたが、これに関し、他の多数の東洋製薬の供給先についても消費者庁が調査を行っていることに関する報道です。供給先は記事によれば26社とのことです。

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 スギ薬局の社告に関しての前回の通販新聞の記事(本年6月8日付)はこれです。

「機能性表示食品で初の処分か スギ薬局「お詫び社告」の波紋、東洋新薬「葛の花」OEMで」

 この6月の記事でも、既に他の供給先への調査の拡大について触れているのですが、今回の記事によれば、6月下旬から2週にわたり、十数社を対象に調査が行われた、とか、7月下旬から少なくとも4社に課徴金に関する調査の依頼が来たことが確認できた、などと、かなり具体的に突っ込んだ内容の報道になっています。

 消費者庁からの正式な情報があるわけではありませんので、詳細はわかりませんが、通販新聞の報道の通りだとすると、景品表示法だけではなく、薬機法違反の問題も生じてきます。薬機法違反の表示の場合は、刑事罰が科せられることもありますので、注意が必要です。つい先日も、水素水をガンに効くと宣伝したスーパーと担当社員が警視庁により書類送検されています( これについての当ブログ記事 )。

 今回、対象となっている商品は、単なる健康食品ではなくて、機能性表示食品に関するものです。健康食品などの商品広告・表示に関して、消費者庁の対応は厳しくなっており、特定保健用食品(トクホ)機能性表示食品の広告・表示についても監視を強めていることは、以前にも当ブログで触れています。

「日本サプリメントに対する措置命令及びトクホ等に関する景表法の取組要請(消費者庁)」 (2017/2/14)

 健康食品や美容サービスなどに携わる事業者は、これまで皆が同じような宣伝をやってきたから、という安易な考えは改めないと、単なる表示差止の措置命令だけではなく、高額の課徴金の支払いを消費者庁から命じられるリスクが高くなってきていることを肝に銘じて対策を取っておく必要があります(これまでにも繰り返し言ってきたことですけれども)。これは、今回のようなOEM供給製品の供給元も供給先も同じことです。

 なお、機能性表示食品について詳しく知りたい方は、この消費者庁の資料等をご参考にしてください。

 → 「機能性表示食品制度に関する情報」(消費者庁サイト)

【追記】(8/8)

 8月1日付で、葛の花イソフラボンの商品に関して、日本第一製薬が、「【葛の花イソフラボンスリム】広告表現に関するお詫びとお知らせ」を自社サイトに掲載していました。内容抜粋は以下の通りです。

 平素より日本第一製薬株式会社に格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。
 弊社で販売しております機能性表示食品『お腹の脂肪に 葛の花イソフラボンスリム』のWEBページ等の広告において、葛の花由来イソフラボンには「肥満気味な方の、体重やお腹の脂肪(内臓脂肪と皮下脂肪)やウエスト周囲径を減らすのを助ける」機能がある機能性表示食品でありながら、あたかも本商品を摂取するだけで、どんな条件下でも誰もが容易に痩身効果を得られるとお客様に過度の期待を抱かせる表示を行っておりました。
このため、弊社全ての広告を見直し、逸脱した表現を速やかに削除、変更する対応を進めております。広告表現が不適切でありましたことを深くお詫び申し上げます。

【追記】(11/7)

11月7日に、本件で消費者庁より措置命令が出されましたので、別記事を追加いたしました。

 → 「葛の花イソフラボン」を含む機能性表示食品に対する措置命令(不当表示)」 (11/7)

2017年7月26日 (水)

美容クリニックの院長氏が起こした名誉毀損請求訴訟

 美容クリニックの有名院長氏が、国会議員と民進党を被告として名誉毀損の民事訴訟を起こしたようで、先日第1回口頭弁論期日があったことが報じられています。その報道によれば、第1回期日に出頭された院長氏がいろいろとおっしゃっているようですが、訴訟手続を知っていれば、いろいろと疑問なことを話しておられたらしいです。

 この点について、弁護士さんがブログで詳細に書いておられますので、ご紹介します。要するに、民事訴訟の第1回口頭弁論期日では当たり前のことがあった、というだけのことになります。

 もっとも、院長氏はそのようなことはわかった上でおっしゃってるのかも知れませんけども。

 → 弁護士三浦義隆のブログ
     「高須院長の訴訟を題材に民事訴訟手続の流れを解説しよう

 なお、この関連で、テレビ番組で、浅野元宮城県知事が、「名誉毀損は事実と違うことを提示して名誉毀損するっていうんだけど」として、院長氏を批判したらしいですが、民事にせよ、刑事にせよ、名誉毀損というのは、真実でないことを言って名誉を毀損する場合だけではなくて、それが真実であっても成立します。たとえば、私に、殺人の前科があったとして、そのことは回りの人は知らないのに、「あいつは人殺しだ。」と言いふらしたような場合には、内容は真実ではありますが、名誉毀損が成立する可能性は十分にあります(もっとも、真実であれば、責任が問われない場合もあるとか、他にいろいろと例外的なことは法的にはあるのですが、複雑になるので、ここでは全て省略します。)。

【追記】(7/27)

弁護士ドットコムにこんな記事が出てました。
 → 「高須院長「民進党は何も反論しなかった」は誤解?」 

2017年7月16日 (日)

「ラグビー トップリーグの移籍制限 公正取引委員会が調査」との報道(独禁法)

 先日ご紹介した「私の愛すべき依頼者たち」(野島梨恵弁護士著、LABO刊)が類書としては良く売れているようです。著者とは直接面識はないのですが、編集者さんが大変喜んでおられました。紹介した私もなんとなく嬉しいです(笑)


 さて、芸能人の芸能プロとの契約についてのNHKの報道に関連して、当ブログにて「芸能プロダクションと芸能人との契約について公取委が調査との報道」(7/8)と  「芸能プロ契約問題と「人材と競争政策に関する検討会」(公取委)」 (7/13)という2記事を投稿しましたが、昨日(7/15)は、またNHKが、「ラグビー トップリーグの移籍制限 公正取引委員会が調査」というニュースを流していました。
 ラグビーのトップリーグというのは、日本の実業団ラグビーの最高位のリーグで、サッカーでいえばJ1にあたるわけですが、ラグビーでは選手はプロとアマが混在しています。今回の報道は、トップリーグ規約に、旧所属チームの承諾がない場合にトップリーグのチームに移籍した選手は1年間公式試合に出場できない、とされている点が独占禁止法に違反しないか、などにつき、トップリーグを主催する日本ラグビー協会に聴き取り調査などを行う、というものです。トップリーグ規約93条(選手の移籍)ですね。( 「ジャパンラグビートップリーグ規約 5.選手」 余談ですが、ここの93条2項に、「会社更正」というのがありますが、正しくは「会社更生」ですね。)

 そして、こういった問題も先日紹介しました公取委競争政策研究センター「人材と競争政策に関する検討会」(座長 泉水文雄神戸大学教授)で検討される、ということで、芸能人の契約と同じ場で検討されることになりました。

 ただ、このラグビーの規約は、所属チームとラグビー選手の契約自体の問題ではなくて、トップリーグを主催する日本ラグビー協会が決定したトップリーグ全体についての規約ですので、事業者団体の行為に関する独占禁止法8条の問題ですね。

 (なので、ちょっとずれますが、)スポーツ選手と所属チームとの契約に関しては、プロ野球の契約関係で、従前、請負契約ではなくて雇用契約であり、労働契約については独占禁止法の適用はないから云々、という見解がとられていました(参考: 公取委事務総長定例会見記録 平成24年3月28日 同年4月4日 いずれも質疑応答を参照してください。)。しかし、そんなことはないだろうという意見も強く、例えば、今回の上記検討会の座長である泉水文雄教授のご見解植村幸也弁護士のご見解も同様です。ここらは、芸能人の契約問題とも関係してくるかもしれませんね。今回のトップリーグの問題についていえば、事業者団体が所属企業の従業員の雇用契約内容を制限するようなものですので、独占禁止法が適用されない、と解する必要は全くないと思います。

【追記】(7/18)

トップリーグのチェアマン談話が出されました。
http://www.top-league.jp/2017/07/18/news0718/

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2017年7月13日 (木)

芸能プロ契約問題と「人材と競争政策に関する検討会」(公取委)

 先日、NHKの報道に関して、 「芸能プロダクションと芸能人との契約について公取委が調査との報道」 (2017/7/ 8)を書きましたが、今日は朝日新聞が関連記事を報じています。

 これは、芸能タレントやスポーツ選手、コンピュータープログラマーなど、特殊な技能を持つ人と企業などとの契約について、公正取引委員会が有識者会議を来月から開催し、早ければ今年度中に報告書を公表する、としているものです。

 おそらく、公正取引委員会競争政策研究センター(CPRC)が昨日(7/12)公表した 「「人材と競争政策に関する検討会」の開催について」「人材と競争政策に関する検討会」のことかと思われます。

 公表内容では、特に、芸能、スポーツなどに絞ってはいませんが、アメリカや欧州でのスポーツ選手の移籍問題や、昭和38年の我が国の映画会社の事案などに触れており、オブザーバーにスポーツ庁も入っていますので、芸能、スポーツ関係も視野に入れていることは間違いないようです。

 検討会のメンバーは以下の通りです。

   荒木 尚志 東京大学大学院法学政治学研究科教授
   大橋 弘
    東京大学大学院経済学研究科教授
              (
競争政策研究センター主任研究官)
   風神 佐知子
 中京大学経済学部准教授
   川井 圭司
 同志社大学政策学部教授
   神林 龍
   一橋大学経済研究所教授
座長 泉水 文雄
 神戸大学大学院法学研究科教授
   高橋 俊介
 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任教授
   多田 敏明
 日比谷総合法律事務所 弁護士
   土田 和博
 早稲田大学法学学術院教授
   中窪 裕也
 一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授
   中村 天江
      リクルートワークス研究所労働政策センター長
   和久井 理子
 大阪市立大学大学院法学研究科特任教授
              (
競争政策研究センター主任研究官)

(オブザーバー)
文部科学省(スポーツ庁) 厚生労働省 経済産業省
             [五十音順,敬称略,役職は平成29年7月12日現在]

 いつもいろいろとお世話になってます神戸大学の泉水文雄教授が座長となっておられますね。今後の検討状況を注目したいです。

【追記】(7/18)

 「人材と競争政策に関する検討会」について、公取委事務総長定例会見でも触れられていたようですので、追記しておきます。
 → 事務総長会見記録(平成29年7月12日) 

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2017年5月10日 (水)

米国FTCがSNSによる女優らのステマ投稿に警告

「ステマはだめ!」、InstagramインフルエンサーにFTCが警告 (ITpro)

 これは、先月4月20日の記事ですが、この中では誰に警告を送ったのかは公開されていない、とされています。

 ところが、このほどロイターが送付先の資料を入手したとして報じています。

米規制当局が女優やモデルに注意喚起、SNSでの商品推奨に (ロイター)

 これによれば、「米女優のソフィア・ベルガラ、スーパーモデルのハイディ・クルム、元プロバスケットボール選手のアレン・アイバーソンなど35人以上の著名人や40社を超える企業に対し3月に書簡を送付した」とのことですね。

 FTCの警告は、FTCの推奨・体験談(エンドースメント)に関する広告ガイドラインによるものです。当ブログでもステマの問題は何度も取り上げていますし、このFTCガイドラインについても以前書きました(ガイドラインは2015年5月に改訂されています。)。

 「ブログのステマ記事と米FTCガイドライン」 (2012/12/22)

 また、FTCは、このエンドースメントに関する広告ガイドラインとは別に、新たに いわゆるネイティブ広告(広告という形をとらない広告)についてのガイドラインを2015年12月に公表しています。

 なお、これまでのエンドースメントに関する広告ガイドラインによる勧告の事案(FTCとの和解で終了)としては、デパートのロード&テイラーに関するものがあります。

 「「広告であることを明かさないで消費者をだました」と、米連邦取引委員会が老舗デパートを罰する」 (田中善一郎)

2017年2月23日 (木)

ステマ規制に関する日弁連意見書と「昆虫表紙」マーケティング

 日本弁護士連合会(日弁連)が2月16日に「ステルスマーケティングの規制に関する意見書」を出しています。

  → 日弁連サイト (報告書本文はこのページからリンクされたPDFへ)

 詳しくは報告書を読んでいただきたいのですが、意見の趣旨は、次の通りです。

「不当景品類及び不当表示防止法第5条第3号に基づく内閣総理大臣の指定に、下記の指定を追加すべきである。

               記

 商品又は役務を推奨する表示であって次のいずれかに該当するもの   

  1. 事業者が自ら表示しているにもかかわらず,第三者が表示しているかのように誤認させるもの
  2.    
  3. 事業者が第三者をして表示を行わせるに当たり、金銭の支払その他の経済的利益を提供しているにもかかわらず、その事実を表示しないもの。      
    ただし、表示の内容又は態様からみて金銭の支払その他の経済的利益が提供されていることが明らかな場合を除く。」

 つまり、いわゆるステルスマーケティング(ステマ)の広告・表示について、景品表示法が定める不当表示のうち、「優良誤認表示」「有利誤認表示」に並んで規定されている5条3号の「告示」に基づく不当表示に追加せよ、というものです。

 この5条3号に基づく「告示」は現在、

  商品の原産国に関する不当な表示
  無果汁の清涼飲料水等についての表示
  消費者信用の融資費用に関する不当な表示
  おとり広告に関する表示
  不動産のおとり広告に関する表示
  有料老人ホームに関する不当な表示
 

の6つが出されており、これにステマに関する告示を追加しようということですね。

 ステマについては、このブログでは何度も取り上げておりますが、日弁連が具体的な規制として、景品表示法改正による規制の意見を出したことは有意義であろうと思います。


 ステマに少し関連して、もうひとつ面白い記事を見つけました。dot.という朝日新聞系のサイトに掲載された「「ジャポニカから虫が消えた」騒動は“つくられた”ものだった」という記事です。 

 一昨年末に、「ジャポニカ学習帳」の表紙から、昆虫の写真が消え、花の写真になっていた、と新聞で報じられ、その理由のひとつが「昆虫は気持ち悪いというクレームが増えたため」だった、ということで、主にネット上で論議がわき起こったものです。その後、この昆虫版は復刻され、すぐに売り切れた、ということでした。そして、今回の記事は、これにはコンサルタントによる仕掛けがあった、と紹介されています。

 昆虫の表紙がその2年ほど前に廃止されていたのは間違いないようですが、これを聞いたコンサルタントのアイデアで、社長に取材に来た新聞記者にこの昆虫の表紙の話をして、それが記事になり、目論見が当たって広く議論となって、マーケティングとしてうまくいった、ということです。

 これは、ステマとはいえないですし、虚偽の話をしたわけでもなく、直接、法的にどうこうということではないと思います。しかし、いわゆる「炎上マーケティング」的な宣伝活動であり、こういったマーケティングに不快感を持つ消費者も多いのではないかと思います。私は、このジャポニカ学習帳の件は記事で読む限りでは、特に問題があるとまでは考えませんけれども、同様の手法で、消費者が誤認するようなマーケティングが行われる可能性はあり、注意が必要ではないか、と思いますし、事業者も広告、マーケティングについてのコンプライアンスのチェックは十分に行ってほしいと思います。

 もっとも以前からのファッション界などが流行やブームを作り出す、というのも同じようなものかもしれませんが。

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