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2017年11月27日 (月)

「eスポーツと景品表示法」(白石忠志東大教授)を読んで

 eスポーツというのは、本来のスポーツ=運動競技とは異なり、コンピュータゲームによる競技の大会です。このeスポーツに関して、欧米では盛んに行われているのに、日本ではあまり開催されないのは、景品表示法の景品規制により、賞金の最高額が10万円と低額だから、という話を、最近、特にネット上で見ます。日経電子版でもそのような紹介があったようです(本年7月19日付)。

 この景品表示法の件は以前から言われてはいたのですが、カジノなどの研究者である木曽崇氏が、昨年、消費者庁に、この問題について意見照会したところ、消費者庁もこれを認めた、という話が一挙に拡がった、というところが現在の状況です。これについては、私も、若干、消費者庁の回答の内容の検討がなされないまま、結論だけが一人歩きをしている感じがしておりました。

 そして今回、この問題について、独占禁止法景品表示法などの研究者である白石忠志東京大学教授が、東京大学法科大学院ローレビュー(Vol.12 2017.11)に、 「eスポーツと景品表示法」という論説を掲載されました。この論説はネットで読むことができますので、詳しくはそちらをご覧下さい。ただ、景品表示法の景品規制の制度についての基礎知識がないと、ちょっと難しいかもしれません。

 白石教授は、冒頭で、「この問題に関する検討材料を提示しようとするものである。」とされ、景品規制の制度の紹介と趣旨の解説の後、上記の木曽崇氏による意見照会(法令適用事前確認手続)と消費者庁の回答の内容を踏まえて、eスポーツの大会を、大きく2つに分けて検討されています。ひとつは、 「一般ユーザー競技大会」の場合で、もうひとつが、 「一般ユーザー観戦大会」の場合です。前者は、一般の(普通の)ユーザーが競技者となることを中心とする大会で、後者が、有名選手らによる高度な大会で一般ユーザーは観戦することが中心である大会とされています。もちろん、白石教授も、この中間形態の大会があることは前提として、検討のための単純化したモデルを示されているものです。また、ここでは、ゲーム開発会社が大会を主催し、賞金も当該会社が提供することを前提とされています。

 そのうえで、従前の当局(公正取引委員会消費者庁)の関連する告示、運用基準等の紹介をされて、特に「一般ユーザー観戦大会」の場合は、 「顧客を誘引する手段として」(景品表示法2条3項)に該当しないと考えることができるのではないか、そして、 「一般ユーザー競技大会」の場合であっても、一定の要件を満たす場合には、同様に考えられるのではないか、と述べられています。

 「優等懸賞」 (単純なくじや抽選ではなく、特定の行為の優劣又は正誤によって景品類が提供される方式。)や、 懸賞の例外とされている「セールスコンテスト等」、また以前に規制が廃止された「オープン懸賞」などについての従前の考え方も丁寧に解説されており、eスポーツの賞金問題に関する議論が一人歩きしている現在の状況において、大変タイミングの良い素晴らしい論説かと思って、読みました。

2017年7月19日 (水)

ガンホーとグリーに対する景表法の措置命令(消費者庁)

 消費者庁は、本日、どちらもゲーム運営事業者であるガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社(東京都千代田区)およびグリー株式会社(東京都港区)に対し、景品表示法に違反する不当表示であるとして措置命令を出しました。

 → 消費者庁公表資料 (PDF)   
   ・ ガンホーに対する景品表示法に基づく措置命令

   ・ グリーに対する景品表示法に基づく措置命令

 まず、ガンホーは、オンラインゲーム「パズル&ドラゴンズ」(パズドラ)「ディズニーマジックキングダムズ」に関して、優良誤認表示有利誤認表示があったというもので、どういう表示かというと、

 「パズドラ」に関しては、特別のモンスターを提供する「特別レアガチャ『魔法石10個!フェス限ヒロインガチャ』」において、あたかも、13のモンスター全部が「究極進化」の対象となるかのように示す表示をしていたが、実際にはモンスター2体だけを「究極進化」の対象とし、他の11体は「究極進化」ではなく「進化」という別の対象としていたというものです(優良誤認表示)。

 また、 「ディズニーマジックキングダムズ」に関しては、表示されるバナー広告において、あたかも、複数のアイテムをパックで購入する場合の提供価格は、別々に購入する場合の合計金額に比べて安いかのように表示していたが、実際には、別々に購入する場合の合計金額に比して安くはなかったというものです(有利誤認表示)。

 グリーについては、オンラインゲームでの抽選企画に関するもので、、携帯電話向けの自社ウェブサイトの「超豪華プレゼント!年末年始キャンペーン」という懸賞企画において、例えば、「スマートグラス MOVERIO 当選本数100本」と記載するなど、あたかも、その懸賞企画においてはそれぞれの景品類について、サイト上に記載された当選本数と同数の景品類が提供されるかのように表示していたが、実際には、サイト上の記載を下回る数の景品類の提供を行っていたというものです(有利誤認表示)。「GREEコイン」と称する仮想通貨を1,000枚使用するごとに抽せん券を1枚付与するという抽選企画のようですね。
 要するに、抽選の景品を、公表していた数より少ない数しか出さなかった、ということで、雑誌の懸賞企画でも過去に不当表示(有利誤認表示)とされた事案がありました。平成25年8月20日の秋田書店に対する措置命令、平成27年3月13日の竹書房に対する措置命令、平成27年12月8日のアイアに対する措置命令ですね。

 今回は、課徴金納付命令は出てませんが、どうなるでしょうね。

2017年4月22日 (土)

USJとポケモンGO

 先日、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)に行ってきました。USJは、開場した後、2回くらい行きましたが、子どもも大きくなり、ずっと行ってませんでしたが、今回は研究会のイベントです。

 毎年恒例の電子商取引問題研究会九州IT研究会の合宿(私は宿泊はせず、懇親会まででしたが)で、USJ社の方から法務、主にライセンス関連のお話を聞くというものです。

 USJディズニーランドと違って、ユニバーサルスタジオ自身のキャラクター以外もたくさんあり(ハローキティやら、ハリーポッターやら)、それぞれいろいろとライセンス契約を行わないといけないので、そのあたりのお話とかをお聞きして面白かったです。お話を聞いた立派な会議室を含めて裏方の施設はこんなところにあるのか、という場所でしたが、内緒です(笑)

 そのお話の後、せっかくの機会なので、懇親会の時間までUSJをゆっくり回っていなさい、という企画者の暖かい配慮のもと、私は単独で数時間ウロウロと久し振りにUSJを徘徊してました。倹約のため、アトラクションには一切入らず。

 当初あった「バック・トゥ・ザ・フューチャー」がなくなっていたのと、最近人気のハリーポッターのエリアができていたのが、昔のとの大きな違いでしたね。

 キャラクターのライセンスのお話を聞いた後だったので、思い立って、ポケモンGOをやってみたところ、たくさんのモンスターが現れました。結構レアなのが出たりとか、真ん中の池のあたりではコイキングが大漁だったり。ジムも何本か立ってて、そのうちの「ジュラシック・パーク・ゲート」というジムを奪取しときました。

 さて、ここから本題です。当ブログでも書きましたが、昨年の情報ネットワーク法学会(明大・中野)で、「位置情報とソーシャルゲーム」という分科会でちょこっと登壇しました。

  → 「位置情報とソーシャルゲームの法律問題」 (2016/11/17)

 そこでは、勝手に自分の敷地の中や家の前に、ジムやポケストップが立てられているような場合に排除したりできるのか、などといった問題も出ていました。

 上のUSJの状況を見ると、ライセンス的な問題もありそうです。ハリーポッターなどのエリアには、USJ社としても他のキャラクターを置くことは許されていないと想像されますが、スマホ上では、ポケモンたちがたくさん出てきます。これは、キャラクターライセンス契約上問題とならないのか、USJ社としては排除できるのか、など。

 また、上に書いたように、ジムの名前として「ジュラシック・パーク・ゲート」などと表示されており、これは、ジュラシック・パークは商標登録されていると思いますが、商標権侵害や不正競争防止法上の問題は生じないのか、というようなことも考えられますね。

 その後の懇親会で聞いたところでは、ポケモンGOが開始されるときに、立入禁止場所への立入の危険性などについて検討はしたようですが、実際にはそれほどの問題はなかったので特段の規制はしなかったようなお話でした(吞みながらの話ですので、正確ではないかもしれません。)。

 ポケモンGO騒動も落ち着いたようですし、あまり肩肘張った対応も夢のないことになるので、現状はよろしいかと私も思います。しかし、ポケモンGOに限らず、こういうVRARを利用したゲームやビジネスが発達した場合には問題が発生する可能性はあるよなぁ、と思います。あのライセンスの権利にうるさい「鼠の國」は、ポケモンGOには何か対応したのでしょうか。

 特に結論もオチもないのですが、そんなことを思ったUSJ徘徊でした。

【追記】(4/22)
 本文を投稿してから、検索してみたら、ディズニーランドも、ポケモンGOのレアスポットとして紹介されていますね。確かに、長時間の行列の間の暇つぶしにはなるから、ランド側もメリットあるかもしれませんね。

2016年11月17日 (木)

位置情報とソーシャルゲームの法律問題

 先週末(12、13日)の情報ネットワーク法学会(明治大学中野キャンパス)では、13日午後の第11分科会「位置情報とソーシャルゲーム」に登壇してまいりました。もっとも私はメインではなく、コメンテーターみたいなお気楽な立場でしたけども。

 ポケモンGOが日本で7月下旬にリリースされてから4ヶ月ほどですが、この間の拡がりは御存じの通りで、当初ほどのブームはさすがに沈静化しているとはいえ、まだまだ根強い人気があるようです。

 このポケモンGOに関する法律問題等については、既に「月刊住職」9月号で特集され大島義則弁護士がコメントされているなど、こういった新しいゲームから生じる問題については、私も実務家として関心のあるところです。また、単にポケモンGOという特定のゲームに限らず、今後、AR(拡張現実)、VR(仮想現実)を活用したゲーム(だけではなく他のシステムも。)がもっと進んだ形で出てくることは間違いないと思いますので、そういった場合の問題を考えておくことは必要かと思います。この分科会だけではなく、当日午前の個別報告でも新潟大学の学生さんがポケモンGOの法律問題について報告されておりました。

 今回の情報ネットワーク法学会では、例年どおり様々なテーマの分科会が開催されていましたが、最初の夏井先生の記念講演をはじめとして、リアルとサイバーの融合(垣根がなくなっていく)という視点から将来の新しい法律の世界を考えさせられたという点で非常に興味深い研究大会でした。いつもながらお忙しい中、大変な準備作業にあたられた学会の理事者および運営にあたられた(学生さんを含めた)スタッフの方々に御礼申し上げます。

 もうひとつポケモンGOを特集している雑誌としては、情報処理学会「情報処理」11月号が挙げられます。特集は、「ゲーム産業の最前線~企画、デザインからビジネスモデルまで~」というもので、この中の特別コラム「ポケモンGOの衝撃」として9名の方々がそれぞれの分野で書かれています。法的問題については板倉陽一郎弁護士、観光との関係では井出明先生、歩きスマホ禁止に反対する立場からは神戸大学のあの塚本正彦先生など、それぞれ短いコラム形式ですが、豪華執筆陣となっていますね。

 ところで、このごろ、ポケモンを博士に送ると、しょっちゅうフリーズするようになったのですが、何故でしょうか?

2016年2月10日 (水)

タトゥーの著作権に関する日米の裁判

 ギズモード・ジャパンが、タトゥー(刺青・入れ墨)の著作権に関するアメリカの裁判のニュースを掲載しています。

 米プロバスケットNBAのゲームに登場する選手の身体に、実際の選手と同じタトゥーが描かれており、そのタトゥーのオリジナルデザインをした会社が、ゲーム制作会社を相手取って裁判を起こしたようです。 

  →  著作権侵害だ! NBAゲームに登場する選手のタトゥーで裁判沙汰 

 元ネタはロイターの記事のようですね。 

  →  ロイターの記事(英文) 

 選手の肖像権とかキャラクター権的なものは、たぶんNBAで管理されていてゲーム制作会社にライセンスを与えているのだと思いますが、タトゥーまでは権利処理の対応をしていなかったということかと思います。 

 タトゥーのデザインに著作権が生じるのか、という問題ですが、実は、似たような裁判が日本でも起こされて、著作物性を認める知的財産高裁の判決が出ています。なお、一審判決については、当ブログでも記事にしています。 

一審判決   
  平成23年7月29日 東京地裁判決   

  → 当ブログ記事「入れ墨の著作権に関する判決(東京地裁)」(2011年8月4日)

控訴審判決
  平成24年1月31日 知的財産裁判決
 

 事案は、彫物師である原告が、Aの大腿部に入れ墨(仏像)を施したところ、Aは自分の来歴を記した書籍を出版するにあたり、原告の許諾を得ずに、入れ墨の画像を書籍の表紙カバーなど2ヶ所に掲載するなどしたとして、書籍の発行、販売業者と共に被告として、著作者人格権等を侵害するとして、訴訟を起こしたものです。 

 そして、本件入れ墨は、仏像写真を参考にしているが、原告の思想、感情が創作的に表現されているとして、一審、控訴審共に著作物性を認めました。そのうえで、著作者人格権(氏名表示権、同一性保持権)を侵害するものとして、被告らに対して損害賠償を命じています。なお、本件訴訟では、複製権侵害などは主張されていません。 

 さて、アメリカのタトゥー裁判はどうなるでしょうか。

2012年12月21日 (金)

オンラインゲーム110番(大阪弁護士会)

   国民生活センターから、オンラインゲームのトラブルについての報告書が昨日公表されました。
 → 「大人の知らない間に子どもが利用!オンラインゲームのトラブルにご注意を」
 → 報告書本文(PDF)

 そして、ちょうどタイミングがいいというのか、大阪弁護士会にて「オンラインゲーム110番」を本日10時から16時まで実施中です。

電話番号   06-6312-7357

オンラインゲームに関する各種トラブル事例がありましたら、どうぞ。

 → 大阪弁護士会サイト
 → 案内文(PDF)

 なお、冒頭の国民生活センターの報告書は、子どもの利用に関する問題がメインですが、相談からみられる特徴としては、

  1. 大人は子どもが利用する機器やオンラインゲームの仕組みを十分に理解していない
  2. クレジットカードの仕組みや課金の意味を理解していなくても、子どもは、決済の手続きを簡単に行っている
  3. 決済手段が多様化しており、高額利用につながる危険性を大人が十分に把握していない
  4. オンラインゲーム会社等は利用者の年齢を把握しにくい

といった点が挙げられており、消費者へのアドバイスとして、

  1. 子どもにオンラインゲームを利用させる場合には、利用方法等を子どもと十分に話し合う
  2. クレジットカードやその情報を登録しているサイトID 等の管理には細心の注意を払う
  3. 大人の携帯電話やスマートフォン、大人が会員登録したID を未成年者には利用させない
  4. オンラインゲームを子どもに利用させる場合には、ゲームの内容や課金の仕組み、利用する機器の機能を十分に確認する
  5. トラブルにあった場合は、最寄りの消費生活センターに相談する

としています。

2012年12月11日 (火)

12/21『オンラインゲーム110番』(大阪弁護士会)

 大阪弁護士会が、12月21日(金)午前10時~午後4時「オンラインゲーム110番」を実施します。来週の金曜日です。

 → 「オンラインゲーム110番の実施について」(pdf)

 電話番号は、

     06-6312-7357

 です。

 電話受付は、私の所属している大阪弁護士会消費者保護委員会の第1部会が中心となって担当しています。もっとも私は今回は担当しておりません(申し訳ありません。)。

 なお、当ブログでも先日ご紹介しましたが、国民生活センターが、「オンラインゲームに関する相談の状況」(2012年12月5日)を公表しています。オンラインゲームに関する相談、苦情の状況に関してはこれが参考になるかと思います。

 実施の理由として、大阪弁護士会は、

「近時では、オンラインゲームという、コンピューター・携帯電話・スマートフォン等とインターネットを利用したゲームでのトラブルが増えております。その中でも他のユーザーとコミュニケーションをとりながらゲームを進めることができるソーシャルゲームが近時増えておりますが、そこではゲームの基本使用料が無料である反面、ゲームを進めるために必要なアイテムを有料で購入する、というケースが多くあります。アイテム等購入の際の代金の支払い方法として、クレジットカードや電子マネーにより決済がなされたり、又は、携帯会社の課金代行サービスが利用されたりしております。
 このソーシャルゲームを中心とするオンラインゲームを巡り、未成年者が親に無断でクレジットカードを利用して高額のアイテムの購入を行ったり、ゲーム内のアイテム等購入の条件についての説明内容が不十分であるため利用者が十分認識しないまま高額のアイテム等を購入してしまう、という利用者と運営会社とのトラブル、ゲーム内のアイテムを不正に他の利用者に奪われた、等の利用者間のトラブルが増えております。
 オンラインゲームを巡るトラブルについては、上記の通り被害が増えていることは明らかであるものの、その被害実態の詳細についてはなお不明な点も多く、今後のネットワークゲームを巡る被害の救済及び被害の発生を未然に予防するために、被害実態を把握する必要があります。
 そこで、被害に遭った消費者からの相談を広く受けるとともに、近時いかなる被害が消費者に生じているのかを正確に把握するため、110番を実施いたします。」

ということです。

 なお、法律相談又は弁護士の紹介を希望される相談者には、当会総合法律相談センターを紹介することとなっております。

2012年8月 8日 (水)

釣りゲームのデザイン著作権控訴審判決(グリーvsDeNA:知財高裁判決)

 立秋を過ぎましたが、政局はバタバタとしており、消費者問題の関連法案もどうなるのやら、というところですが、昨日までの状況は、参議院を既に通過している、特定商取引法改正案消費者教育推進法案消費者基本法改正案は、昨日に衆議院の消費者問題特別委員会審査を終えたようで、後は衆議院本会議での可決のみとなっています(本日の状況は把握していません。)。そして、消費者安全法の改正法案は、衆議院を通過して、現在参議院の消費者問題特別委員会の審査中です(一昨日、委員会開催予定でしたが中止になっていますね)。

  また、今国会に提出されるはずであった集団的消費者被害救済制度の立法については、昨日、消費者庁から「『集団的消費者被害回復に係る訴訟制度案』についての意見募集及び説明会について 」と「『集団的消費者被害回復に係る訴訟制度の骨子』についての意見募集に対する主な意見の概要及び意見に対する消費者庁の考え方について」というのが公表されました。この意見募集(パブコメ)は9月6日までとなっており、今国会中の法案提出はこれで完全に無理になりましたね。

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  さて、速報的になりますが、魚釣りを題材にしたゲームのデザインの著作権侵害が問題となっていたグリーDeNAの裁判の控訴審(知的財産高裁)の判決が本日出たようです。この一審(東京地裁)判決については、当ブログでも触れましたが、原告のグリーが一部勝訴し、被告のDeNAに対してゲームの配信停止等と約2億3400万円の損害賠償の支払が命じられました。  → 「携帯ゲームの「魚の引き寄せ画面」の著作権(グリーvsDeNA著作権侵害事件東京地裁判決)」 (3/14) 

 ところが、本日の知的財産高裁判決では覆り、グリーの逆転敗訴となってしまいました。要するに、著作権侵害が認められなかったということです。

   まだ、判決文が公表されていませんので詳細はわかりませんが、一部報道では、両ゲームの共通部分は抽象的で著作権侵害に当たらないと判断されたとのことです。判決の公表は近日中になされると思いますので、取り上げてみたいと思います。 

 私は知的財産専門弁護士でないわりには著作権に関する裁判や相談などは比較的関与しているほうだと思いますが、実際に二つのデザインを見比べて著作権侵害か否かを判断するのは結構難しいです。東京地裁と知的財産高裁でも全く逆の結論が出されるのですから、当然といえば当然なのですが。

 なお、グリーは、自社のWEBサイトで、上告する方針であることを公表しています。

2012年5月22日 (火)

ソーシャルゲーム問題~不当表示視点からの検討~

 またソーシャルゲームのコンプガチャ規制問題との関連の話に戻ります。

 日経サイトで、「続・行き過ぎたソーシャルゲーム 依然残る『射幸心』-「ガチャ依存」か「脱ガチャ」か 健全化への分水嶺」という記事(井上理記者)を読みました。
 「コンプガチャ」の禁止により一段落ついたかに見える今回の問題ですが、それ以後について鋭く切り込んでいる良い記事であると思います。

 今回は、昔に問題となって禁止対象とされていた「カード合わせ」規制が、「コンプガチャ」に合致したため、ある意味「ラッキー」な部分があったともいえるわけですが、もし、「カード合わせ」規制がなかったらどうか、それは許されるのか、という点も考えなければなりません。もちろん、その場合でも、以前のカード合わせ問題の時と同様に新たに景品規制の対象とするということも1つの方法であったかもしれません。

 ただ、以前の、菓子に入っていたカードとは、そもそも別の問題であるように思います。現在の問題状況で「コンプガチャ」だけを規制することの妥当性も考える必要があります。上の日経記事は、そのあたりの実態も紹介しています。

 私は、この問題については、景品表示法での規制に限っていうならば、景品規制ではなく、本来は不当表示での規制が必要なのではないかと最近は考えています。まだ、詳しく検討できていませんが、コンプガチャを含めてガチャの場合には、確率表示などが本来必要な場合があるのではないか、それを不表示にしておれば、それ自体が不当表示には該当しないか、という点の検討がありうると思います。特に、一般のユーザーが期待する確率より相当程度低い確率でしか欲するアイテムを得られないというような状況があるとすれば、不表示や間違った表示は優良誤認に該当しないでしょうか(換金性を意識すれば、有利誤認もあるかな。)。

 上の日経記事には、「確率変動の疑念」が紹介されています。カードの組み合わせが完成に近づくと、必要なカードが出る確率が低くなるようになっているなどの可能性について言及しています。このような行為は、景品表示法を離れて、刑事的にも民事的にも大問題だと思いますので(この点は今回は触れませんが)、当然、大手事業者はそのような行為は否定しているとのことですが、仮に現在そのような事業者がいないとしても、ネットのゲームでは、悪質な事業者がそのような操作をすることは容易であり、そのような行為についての規制は現段階でも検討すべきであろうと思います。

 記事中には、そのような行為も何が問題なのか、という開発会社の声も紹介されていますが、競馬などのギャンブルであれ、投資であれ、勝敗、損得は当然予定されているとはいえ、運営事業者側は客に対して公正である必要はあります。勝敗を管理することによって、客に不当に損をさせて自分が儲けるということは許されません。ここは、パチンコやパチスロでも、カジノや丁半博打でも、基本的には同じことだと思うのですが。競馬で八百長は許されないし、商品先物取引や証券取引などでの業者による「客殺し」行為も許されないのは当然で、これは客側の自己責任とは別の問題です。

 今の所、私としては、ソーシャルゲーム(に限らないと思うのですが)でのガチャなどについては、上で述べたように、優良誤認での一般的な規制も可能ではあると思いますが、ただ、実際には運用上困難なところもあろうかと思いますので、この際、景品表示法4条1項3号の具体的な表示指定をしてしまえないかと思っています。また、公正競争規約(11条)による自主規制ということも考えられますね(この場合はアウトサイダーには直接及ばないですが)。

 中途半端なことをごちゃごちゃと書いてきましたが、パブコメの意見をまとめるための雑感ですので、ご容赦ください。


【追記】(5/23)

 読売も、確率操作、調整について、こんな記事を出していましたね。

 なお、本文のを含め、新聞記事リンクは後日切れると思いますので、ご注意ください。

 → 読売新聞(5月14日)
   「コンプガチャ、カギはネトゲ廃人・搾り取り加減」

2012年5月21日 (月)

すみません。またコンプガチャ関連です。

 他の話題を書きたいところですが、またコンプガチャ関連で恐縮です。

 実は、さきほど、ブログ「企業法務戦士の雑感」を読ませていただいて初めて気づいたのですが、19日の日本経済新聞朝刊にこの問題について私のコメントが少し掲載されたようです。取材は受けましたが、土日はほとんど新聞を見ておらず、掲載されたのはさっきまで全く知りませんでした。

 → 企業法務戦士の雑感
  
「[企業法務]コンプガチャ問題に消費者庁が示した一つの「結論」」

 コンプガチャの返金等についての私の考え方は、企業法務戦士氏に書いていただいた通りで、当ブログの最近の記事の通りです。記者の電話取材にも全く同じ内容でお話したつもりなのですが、実際に新聞のコメントになると短くなってしまうので、今回に限らず、こういうことがよくありますね。私も気づかない内に、その点をフォローいただいた企業法務戦士氏に感謝いたします。

 それと、日経に掲載されたことを知らなかったもので、一昨日にこの問題に関してメッセージをいただいたりして不思議に思っていたところ、やっと状況が分かりました。なんだか話が噛み合わないな、と思っていましたが、これを見て合点がいきました。

 ちょっと、釈明かたがた、でした。

 消費者庁のパブコメには意見提出しようと思っていますが、仕事がバタバタしているので、いつになるやら、というところです。