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2017年9月29日 (金)

健康食品の痩身効果表示に対する消費者庁の処分に関する2題

 消費者庁は、本日、ティーライフ株式会社(静岡県島田市)に対し、同社の「ダイエットプーアール茶」に係る表示が景品表示法に違反する優良誤認表示であるとして、措置命令を行っています。

 自社webサイトにおいて、あたかも、普段の食生活における飲料を対象商品に替えることにより、対象商品に含まれる成分による痩身効果の促進作用が容易に得られるかのように示す表示をしていたものですが、不実証広告制度(景品表示法7条2項)に基づき、消費者庁から裏付け資料の提出を求められたが、合理的な根拠を示すものと認められる資料は提出されなかった、というものです。


 ところで、健康食品の痩身効果の表示といえば、本年8月6日付当ブログ記事で、葛の花由来イソフラボンを含む機能性表示食品の痩身(ダイエット)効果の表示について、消費者庁景品表示法違反ではないかと調査しているという通販新聞の記事を紹介しました。

 → 「機能性表示食品「葛の花イソフラボン」の不当表示調査の報道」 (8/6)

 そして、この件に関し、昨日(9/28)付の通販新聞「機能性表示食品 「葛の花」に措置命令へ 新制度で初、処分10社前後か」という続報記事を出しています。

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 これによれば、消費者庁が10月中にも景品表示法に基づく措置命令および課徴金納付命令を下す方針であり、対象は10社前後にのぼる模様である、とのこと。

 事案の詳しい内容は、上記の当ブログの以前の記事と今回の通販新聞記事をお読みいただきたいですが、単なる健康食品ではなく、機能性表示食品の表示に関するケースということで、10月中にも出されると見られる処分が注目されます。また、記事中にもありますが、葛の花イソフラボンの供給元である東洋新薬についての対応もポイントですね。

2017年9月 1日 (金)

「経口補水液」の広告・表示に関する消費者庁要請

 昨日付(8/31)で、消費者庁食品表示企画課長から、自治体の衛生担当部局宛に、 「特別用途食品と誤認されるおそれのある表示について(周知)」という事務連絡が出ていました。

  → 消費者庁公表資料 (PDF)

 要するに、最近の猛暑の中、電解質組成を調整した清涼飲料水について、 「経口補水液」という名前と共に、広告・表示に、「脱水時」「熱中症対策」等と記載して、脱水症状を起こしている人を対象とした病者用食品であるかのように表示している事例が散見されるけれども、このような表示は、病者などの健康の保持・回復等の特別な用途を食品に表示する場合は、内閣総理大臣の許可を受けなければならないとする健康増進法26条1項に違反するおそれがある、というものです。

Photo

※いらすとや使ってみました※

 さらに、このような表示の清涼飲料水の中には、脱水時等に経口補水療法を行う際に用いられる組成を参考として、強制的に体内に水分及び電解質が吸収されるよう調製されているものがあるが、特に、ナトリウムが多く含まれている製品については、脱水でない状態で大量に摂取した場合、ナトリウムの過剰摂取につながる可能性があり、腎機能に問題のない健常者であっても、ナトリウムの摂取量と腎臓により排泄される量が定常状態になるには、数日かかるといわれており、血圧や心臓への負荷等の影響も懸念される、とのことです。

 このような問題を踏まえて、自治体の担当部局には、管轄の関連事業者に対して、以下の3点を周知して欲しい旨を要請しています。

  1.  脱水時における水分及び電解質の補給を目的として調製された清涼飲料水に、「経口補水液」又はこれに類する広告その他の表示をするためには特別用途食品の許可が必要であること。

  2.  熱中症対策と称して、清涼飲料水と特別用途食品としての許可を受けたものを区分せず同一の棚に陳列して販売する等により、消費者に対して、当該清涼飲料水が特別用途食品としての許可を受けたものと誤認されるような表示をした場合健康増進法31 条1項(誇大表示の禁止)に違反するおそれがあること。

  3. 健常者が、水分及び電解質の補給を目的として調製された清涼飲料水を、脱水予防等のためとして短時間に大量に摂取した場合、ナトリウム過剰摂取等による健康リスクが生じるおそれがあることに留意の上、当該製品の成分調製内容に適した広告その他の表示を行うこと。

2017年8月 6日 (日)

機能性表示食品「葛の花イソフラボン」の不当表示調査の報道

 前回記事で、薬機法(旧・薬事法)景品表示法に関連したDVDについて宣伝させていただきましたが、ちょうど関連するような報道が出ています。


 8月3日付の通販新聞が、 「機能性表示食品の広告問題 「葛の花」販売企業を〝一斉聴取〟 課徴金調査で処分不可避か」 という記事を報じています。 

 詳しい経緯は、上記のリンク先記事をご覧いただきたいですが、要するに、東洋新薬がOEM供給する「葛の花由来イソフラボン」を含む機能性表示食品の広告問題が、本年5月のスギ薬局の「お詫び社告」で明らかになりましたが、これに関し、他の多数の東洋製薬の供給先についても消費者庁が調査を行っていることに関する報道です。供給先は記事によれば26社とのことです。

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 スギ薬局の社告に関しての前回の通販新聞の記事(本年6月8日付)はこれです。

「機能性表示食品で初の処分か スギ薬局「お詫び社告」の波紋、東洋新薬「葛の花」OEMで」

 この6月の記事でも、既に他の供給先への調査の拡大について触れているのですが、今回の記事によれば、6月下旬から2週にわたり、十数社を対象に調査が行われた、とか、7月下旬から少なくとも4社に課徴金に関する調査の依頼が来たことが確認できた、などと、かなり具体的に突っ込んだ内容の報道になっています。

 消費者庁からの正式な情報があるわけではありませんので、詳細はわかりませんが、通販新聞の報道の通りだとすると、景品表示法だけではなく、薬機法違反の問題も生じてきます。薬機法違反の表示の場合は、刑事罰が科せられることもありますので、注意が必要です。つい先日も、水素水をガンに効くと宣伝したスーパーと担当社員が警視庁により書類送検されています( これについての当ブログ記事 )。

 今回、対象となっている商品は、単なる健康食品ではなくて、機能性表示食品に関するものです。健康食品などの商品広告・表示に関して、消費者庁の対応は厳しくなっており、特定保健用食品(トクホ)機能性表示食品の広告・表示についても監視を強めていることは、以前にも当ブログで触れています。

「日本サプリメントに対する措置命令及びトクホ等に関する景表法の取組要請(消費者庁)」 (2017/2/14)

 健康食品や美容サービスなどに携わる事業者は、これまで皆が同じような宣伝をやってきたから、という安易な考えは改めないと、単なる表示差止の措置命令だけではなく、高額の課徴金の支払いを消費者庁から命じられるリスクが高くなってきていることを肝に銘じて対策を取っておく必要があります(これまでにも繰り返し言ってきたことですけれども)。これは、今回のようなOEM供給製品の供給元も供給先も同じことです。

 なお、機能性表示食品について詳しく知りたい方は、この消費者庁の資料等をご参考にしてください。

 → 「機能性表示食品制度に関する情報」(消費者庁サイト)

【追記】(8/8)

 8月1日付で、葛の花イソフラボンの商品に関して、日本第一製薬が、「【葛の花イソフラボンスリム】広告表現に関するお詫びとお知らせ」を自社サイトに掲載していました。内容抜粋は以下の通りです。

 平素より日本第一製薬株式会社に格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。
 弊社で販売しております機能性表示食品『お腹の脂肪に 葛の花イソフラボンスリム』のWEBページ等の広告において、葛の花由来イソフラボンには「肥満気味な方の、体重やお腹の脂肪(内臓脂肪と皮下脂肪)やウエスト周囲径を減らすのを助ける」機能がある機能性表示食品でありながら、あたかも本商品を摂取するだけで、どんな条件下でも誰もが容易に痩身効果を得られるとお客様に過度の期待を抱かせる表示を行っておりました。
このため、弊社全ての広告を見直し、逸脱した表現を速やかに削除、変更する対応を進めております。広告表現が不適切でありましたことを深くお詫び申し上げます。

2017年3月 3日 (金)

水素水関連商品の不当表示に対する措置命令(消費者庁)

 水素水関連商品の広告表示については、以前から問題になっていましたが、本日、消費者庁は、株式会社マハロ(東京都港区)、株式会社メロディアンハーモニーファイン(大阪府八尾市)、千代田薬品工業株式会社(東京都千代田区)に対し、景品表示法に違反する不当表示(優良誤認表示)として、措置命令を出しました。不実証広告(景品表示法7条2項)に基づくものです。

 水素水関連商品の問題については、当ブログでも何度か取り上げており、過去の不当表示事件などについては、以下の過去記事をご覧ください。

 → 「水素水商品に関する報告書(国民生活センター)」 ( 2016/12/15)

 → 「マルチ大手業者に対する業務停止命令(特定商取引法)と「水素水」の効能表示」 (2016/3/12)

 今回の措置命令の対象商品は、マハロが「ビガーブライトEX」(清涼飲料水)、メロディアンハーモニーファインが「水素たっぷりのおいしい水」(清涼飲料水)、千代田薬品工業が「ナチュラ水素」(食品)です。

 対象となった表示はいずれもwebサイト上の表示で、対象商品を摂取するだけで、特段の運動や食事制限をすることなく、著しい痩身効果が得られるかのように示したり、脂質代謝を促進し、血糖値の急上昇も抑制する効果が得られるかのように示したり、炎症を抑制し、肩こりや筋肉痛を軽減、ニキビ、吹き出もの、かぶれを解消する効果が得られるかのように示したりしていたというもの。

 これらについて、消費者庁が、3社に対して、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、2社からは資料が提出されたが、裏付けとなる合理的な根拠を示すものとは認められなかったため、不実証広告規定により優良誤認表示とみなされたものです。

 なお、対象となった表示の期間が、いずれも平成28年4月1日以前ということですので、同日に施行された不当表示に対する課徴金制度の適用はありません。    

2016年12月27日 (火)

コメダ喫茶店の外観等に酷似する店舗に対し使用差止の仮処分が東京地裁で認められた事案

 人気の飲食店チェーン「コメダ珈琲店」に外観や内装が酷似しているとして株式会社コメダ(名古屋市)が、株式会社ミノスケ(和歌山市)を相手取って、ミノスケによる和歌山市内の「マサキ珈琲中島本店」の営業は、関西地方におけるコメダ珈琲店の郊外型舗と酷似した店舗外装 、内構造及び店舗外装 、内構造等を用いて行われおり、不正競争防止法の定める不正競争行為に該当することを理由として、店舗外観などの使用差止を求めていた仮処分の申し立てについて、12月19日付で、東京地裁(嶋末和秀裁判長)が差止を命じる決定をした、とのことです。

 コメダは、不正競争防止法2条1項1号(周知表示)もしくは2号(著名表示)に該当するとして申し立てたようですが、今回の決定の報道の内容から見ると、裁判所は1号該当として決定を出したのだと思われます。

 なお、チェーン店の店舗外観が不正競争防止法上問題になった事件としては、フジオフーズの事案(「まいどおおきに食堂」事件)があげられます(大阪地裁平成19年7月3日判決大阪高裁平成19年12月4日判決)。

 → コメダホールディングス公表資料(PDF) (双方の外観写真も掲載されています。)

 さて、では、申し立てたのは名古屋コメダ、相手方は和歌山ミノスケ、そして似ていると主張された店舗も和歌山所在なのに、この差止の仮処分事件は、どうして東京地裁で審理、決定されたのでしょう。以下は、その点について推測を交えて書いておきます(間違いがあればご指摘ください。)。

 仮処分や仮差押といった民事保全事件の管轄は、本案の管轄裁判所又は仮に差し押さえるべき物若しくは係争物の所在地を管轄する地方裁判所が管轄する(民事保全法12条1項)、となっています。

 だとすると、通常の事件であれば、普通裁判籍(民訴4条1項)は、被告の本店所在地(住所)ですので、和歌山地裁となります。ただ、民訴5条にはその他の特別の裁判籍が規定されています。しかし、それだけだと、やはり和歌山地裁か、せいぜい名古屋地裁(義務履行地の裁判籍)しか無理そうです。

 さらに、不正競争防止法の不正競争行為に関する事件であるところから、民訴6条の2の適用がありますが、これを単純にみると、和歌山地裁に加えて大阪地裁が選択肢に入るだけですね。

 ここで行き詰まってはいけないので、コメダの上記公表資料をよく見ると、「コメダは、上記の申立と同時に、東京地方裁判所に、㈱ミノスケを相手取って、上記仮処分命令の申立と同様の差止及び損害賠償を求める本案訴訟を 訴訟を提起しており、現在もその審理が行われています。」とあります。

 つまり、差止請求だけだと、本案訴訟は東京地裁管轄にはならないはずなのですが、差止に損害賠償請求も本案訴訟では加えているために、損害賠償債権は「持参債務」として義務履行地が名古屋となり、それが民訴6条の2によって、東京地裁でも本案訴訟を提起することが可能になっているのだと思われます。この場合でも、本案訴訟の提起を後日にして、仮処分申立だけをする場合、裁判所は東京では駄目、というかもしれませんが、本件では上記の通り、同時に申し立てており、本案訴訟は東京地裁に適法に係属しますので、仮処分事件も東京地裁で審理することには何ら問題がない、ということになりますね。

2016年12月21日 (水)

神戸牛のおとり広告に対する措置命令(消費者庁)

 本日、消費者庁は、イズミヤ株式会社(大阪市西成区)及び株式会社牛肉商但馬屋(姫路市)に対し、景品表示法に基づく措置命令を行っています。

 両社の神戸牛に係る表示について、新聞折り込みチラシに「土 13日限り」、「和牛専門店 但馬屋」、「八尾店・広陵店は『兵庫産神戸牛・佐賀産和牛』」、「神戸玉津店は『兵庫産神戸牛・神戸ワインビーフ』」、「今ついている本体価格よりレジにて3割引」と記載したり、Webサイトに同様の表示をするなどして、あたかも、対象商品を当該日に販売するかのように表示していました。 

  → 消費者庁公表資料(PDF)

 しかし、実際には各店で、販売するための神戸牛の仕入れは行っておらず、対象商品の全部について取引に応じることができないものだった、というものです。 

 景品表示法で規制される不当表示行為は、優良誤認表示(5条1号)、有利誤認表示(5条2号)の他に、「商品又は役務の取引に関する事項について一般消費者に誤認されるおそれがある表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認めて内閣総理大臣が指定するもの」(5条3号)というのがあって、これに基づいて「おとり広告に関する表示」(平成5年公正取引委員会告示第17号)が出されています。
 この告示では、事業者が顧客誘引の手段として「取引の申出に係る商品又は役務について、取引を行うための準備がなされていない場合その他実際には取引に応じることができない場合のその商品又は役務についての表示」を行うことが不当表示行為とされており、本件では、これに該当するとされたものです。

 おとり広告に対する措置命令は、そんなに多くはありませんが、最近のものでは中古車販売業者が、中古車情報誌において、情報掲載日より前に売れた中古車8台の情報を掲載していたことについて、措置命令が出されています(平成27年5月1日措置命令)。

 なお、この景品表示法5条3号に基づく指定告示としては、現在、

①無果汁の清涼飲料水等についての表示      
②商品の原産国に関する不当な表示       
③消費者信用の融資費用に関する不当な表示       
④不動産のおとり広告に関する表示       
⑤おとり広告に関する表示       
⑥有料老人ホームに関する不当な表示

の6つが出されています。 

2016年12月15日 (木)

水素水商品に関する報告書(国民生活センター)

 本日、国民生活センターから、報告書「容器入り及び生成器で作る、飲む「水素水」-「水素水」には公的な定義等はなく、溶存水素濃度は様々です-」が公表されています。
 → 広 報 資 料
 → 報告書全文(PDF)

  国民生活センターが、飲用水として販売されている水素水10銘柄と、飲用の水素水を作るという水素水生成器9銘柄の計19銘柄について、表示・広告、溶存水素濃度を調べ、事業者へのアンケート調査の結果も取りまとめて、公表したものです。
 水素水の表示の問題については、当ブログでも取り上げています。興味のある方は、こちらもご覧下さい。
 → 「マルチ大手業者に対する業務停止命令(特定商取引法)と「水素水」の効能表示」(2016.3.12)

 報告書の内容については上記リンク先を見ていただきたいですが、溶存水素濃度のテスト結果として、

「開封時の溶存水素濃度を測定したところ、容器入りのパッケージの溶存水素濃度表示に、充填時や出荷時と記載のあった5銘柄のうち3銘柄で、表示値より測定値の方が低い濃度でした。また、パッケージに表示のない3銘柄のうち、ペットボトルの2銘柄では溶存水素(水素ガス)は検出されませんでした。 」

「開封時に溶存水素が検出された容器入り8銘柄を、未開封のまま20℃で1カ月間保管したところ、全ての銘柄で溶存水素濃度がやや低下していました。」 

「開封時に溶存水素が検出された容器入り8銘柄を、開封後に蓋(ふた)を閉めて放置した場合には、溶存水素濃度が5時間後には30~60%程度に、24時間後には10%程度に低下しました。」

「生成器の取扱説明書等には、水質等により値が変わる旨の記載もありましたが、取扱説明書等に溶存水素濃度の表示のあった銘柄で、表示値よりも測定値の方が低くなったものがありました。」   

「生成器で作った水をコップに移し替えると、1時間後に溶存水素濃度が約50~60%に低下しました。」

とのことです。 

 また、 効能効果等に関する表示・広告については、

「販売元等のホームページや直販サイトには、容器入りは10銘柄中8銘柄で、生成器は9銘柄中7銘柄で、水素や水素水に期待されている効能効果に関する記載がありました。中には、「様々な病気の原因といわれる悪玉活性酸素を無害化する」など健康保持増進効果等と受け取れる記載があり、医薬品医療機器等法や健康増進法や景品表示法に抵触するおそれがありました。」 

「販売元のホームページや直販サイトには、商品について、容器入りの3銘柄、生成器の2銘柄で、「アトピーに 痒(かゆ)い部分に水素水をつけて下さい」など健康保持増進効果等と受け取れる記載があり、医薬品医療機器等法や健康増進法や景品表示法に抵触するおそれがありました。また、1銘柄の商品のパッケージにも、同様の記載がありました。」

とされています。 

 事業者に対するアンケート調査もされているのですが、「飲用により期待できる効果を尋ねたところ、15社(3社は無回答)では、「水分補給」が最も多い回答でした。」というのが面白かったですね。

 報告書の最後には、消費者へのアドバイス、事業者への要望と並んで、行政への要望が書かれており、消費者庁表示対策課厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課に対して、 

「販売元等のホームページや直販サイトには、容器入り水素水の10銘柄中5銘柄で、水素水生成器の9銘柄中7銘柄で、「様々な病気の原因といわれる悪玉活性酸素を無害化する」、「アトピーに痒い部分に水素水をつけて下さい。」など健康保持増進効果等があると受け取れる記載がありました。また、水素水生成器の1銘柄の商品のパッケージにも、同様の記載がありました。これらは、医薬品 医療機器等法や健康増進法、景品表示法に抵触するおそれがありますので、事業者に対し、表示の改善を指導するよう要望します。」

とされており、今後消費者庁および厚生労働省が何らかの指導や行政処分を行う可能性がありますね。注目したいと思います。

2016年3月31日 (木)

ココナッツジャパンに対する措置命令と平成27年度の措置命令のまとめ

 昨日に続いて、本日も健康食品の広告に関して消費者庁措置命令を出しています。

 → 消費者庁公表資料(PDF)

 ココナッツジャパン株式会社(東京都港区)が販売する健康食品「エクストラバージンココナッツオイル」、エクストラバージンココナッツオイルカプセル」について、同社のwebサイト上で、認知症、ガン等の各種疾病を予防する効果等があるかのように表示したことが優良誤認表示とされたものです。今回も不実証広告制度が使われています。

 こういうのは、医薬品医療機器等法(薬機法、旧薬事法)で取り締まったほうがいいのではないかと思いますね。 


 ところで、平成27年度が終わる段階で、消費者庁による景品表示法措置命令件数は、合計13件となりました。これ以外に都道府県による措置命令が3件です。消費者庁は3月に5件の措置命令を出して頑張りましたが、それでも、   

 平成18年 32件      
 平成19年 56件      
 平成20年 52件      
 平成21年 12件(途中で公取委→消費者庁)      
 平成22年 20件      
 平成23年 28件      
 平成24年 37件      
 平成25年 45件      
 平成26年 30件      
 平成27年 13件

と、年度途中に消費者庁が発足した平成21年を除くと概ね半分以下という少ない件数となっています。
 今年度の法執行の少なさは、昨年10月にも当ブログで取り上げました。

 → 「消費者庁は景品表示法への課徴金導入でお忙しい?」(27/10/25)

 なお、今月に出された5件のうち、3件は健康食品関連、27年度全体でみても、13件のうち、約半分の6件が痩身効果やがん予防などの健康食品関連というのも特徴的ですね。

 いよいよ明日4月1日には、課徴金制度導入の改正法が施行されます。もちろん、すぐに課徴金納付命令が発せられるわけではありませんが、事業者の不当な広告表示に対して、消費者庁がどのように法執行をしていくのか、景品表示法だけではなく、特定商取引法健康増進法食品表示法などを含めて(厚労省の薬機法もですが)、消費者サイドも注視していく必要があろうかと思います。

2016年3月30日 (水)

健康食品の痩身効果表示についての不当表示措置命令(消費者庁)

 先日、消費者委員会の専門調査会において、健康食品の広告表示に関する報告書が取りまとめられたことを取り上げたばかりですが、今日は、健康食品の痩身効果の広告表示に関して景品表示法の措置命令が出されました。健康食品の痩身効果についての措置命令はアサヒ食品(埼玉県川口市)に対する措置命令に続いて今月2件目になりますね。

 消費者庁は、本日、株式会社えがお(熊本市東区)に対し、同社の販売する「えがおの黒酢」と称する食品の痩身効果に係る表示について、優良誤認表示に該当するとして、措置命令を行いました。    
 同社のwebサイトに、平成25年3月から平成27年5月までの期間に、以下のような記載をすることにより、あたかも、対象商品を摂取するだけで、特段の運動や食事制限をすることなく容易に著しい痩身効果が得られるかのように示す表示をしていた、というものです。本件も不実証広告制度によるもので、同社から提出された資料は、裏付けとなる合理的な根拠を示すものとは認められませんでした。

【表示内容】   
「アミノ酸一般食酢の120倍のえがおの黒酢でダイエットサポート!」、「『黒酢』に含まれたアミノ酸のメラメラパワー!」、「タンスの奥のジーンズが出せた!」、「運動量は変わらないのに遂に出産前のスタイルに!」、「たとえば、脂肪1kg(約7,000kcal)を燃やすにはこんな運動&食事制限が必要なんです。」、「ウオーキング約63時間!」、「平泳ぎ約13時間!」、「絶食約7日!」、「こんなに?できない!」など。

 → 株式会社えがおに対する景品表示法に基づく措置命令について

 株式会社えがおは、本件対象商品の黒酢のほか、ブルーベリーや青汁などのいわゆる健康食品の通信販売業者ですが、適格消費者団体消費者支援機構関西(KC’s)が平成26年から昨年にかけて、同社のブルーベリー商品のテレビCM、新聞チラシ、webサイトの表現に関して、景品表示法上の問題があるとして、書面による意見交換及び面談協議により、同社に対し改善を求める活動を行っていました。
 その中で、同社は広告表現に関して一定の改善を行うことを約したため、KC’sは活動を終了しました。今回の黒酢の表示については対象となっていませんでしたが、期間的には重なることになりますね。

消費者支援機構関西サイト

2016年3月22日 (火)

特定保健用食品やいわゆる健康食品の広告表示などに関する報告書(消費者委員会専門調査会)

 先日、当ブログにて、トクホ(特定保健用食品)のトマト酢飲料の新聞広告が健康増進法の禁止する誇大広告にあたるとして消費者庁が勧告を行った事案を取り上げました。

 → 「トマト酢飲料(特定保健用食品)の広告表示に対する健康増進法に基づく勧告(消費者庁)」(3/1)

 このようにトクホ商品やその他いわゆる健康食品の広告表示については、問題が指摘されているところですが、3月16日に開催された第8回特定保健用食品等の在り方に関する専門調査会(内閣府・消費者委員会に設置)では、報告書の取りまとめがなされたようです。
 この報告書は、トクホや健康食品の広告・表示や制度・運用について検討されたものを取りまとめるものです。なお、現時点で内閣府サイトに掲載されているのは、報告書(案)ですので、最終的な報告書ではありませんが、ほぼこのまま決定されたと思われますので、以下はそれを前提としています(後日、正式版が公表された場合は、この記事を書き換えるかもしれません。)。

 → 「第8回 特定保健用食品等の在り方に関する専門調査会」    
                            (内閣府・消費者委員会)

 報告書では、トクホや健康食品について、広告・表示について問題があることを確認し、その状況を踏まえて、必要な行政の取組などをあげています。

 その中の不正な表示・広告の適切な取り締まりのための行政の取組としては、(1)健康増進法に関する見直し(2)トクホの審査等取扱い及び指導要領に関する見直し、などとなっています。

 注目されるのは、問題のある「いわゆる健康食品」が依然として存在し、消費者にとって適切な製品選択が難しい状況が続いており、広告内容に疑義が生じた場合は行政側が実証しなければいけないことが迅速な法執行の障害となっているということで、健康増進法景品表示法と同じような「不実証広告規制」を導入することを検討すべき、としている点です。   
 「不実証広告規制」(景品表示法4条2項)とは、表示が優良誤認表示に該当するか否か判断するため必要があると認めるときは、消費者庁が期間を定めて事業者に表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができ、事業者が求められた資料を期間内に提出しない場合や、提出された資料が表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものと認められない場合は、その表示が不当表示とみなされるというものです。景品表示法の執行では、この制度がかなり活用されています。

 また、誇大広告を禁止する健康増進法31条「著しく事実に相違する表示をし、又は著しく人を誤認させるような表示」の「著しい」の具体例を充実するなど、所管省庁において、法違反か否かの判断基準を一層明確化する必要がある、ともされているうえ、一部の委員から「著しい」という文言を健康増進法から削除すべきという意見も出されたことを紹介しています。

 トクホ商品についても、一部の広告・表示が実際の効果より高い効果が期待できるといった誤認を消費者にさせている可能性があるなどの状況が認められ、トクホは、効果の面では、医薬品のような高い効果はなく、製品に記載されている摂取方法に従って利用することにより、効果が「期待できる」製品群であるけれども、消費者の中にはそういった製品であるということをあまり理解しておらず、安全である上に、広告・表示から連想する効果を得られると考えて製品を購入している人もいると思われる、としています。
 そして、「そのような状況の中で、消費者に誤認を与えるような暗示的な広告を行うことは、食品の機能性に期待をして特保をあえて選択し、購入している消費者にとって、適切な商品選択につながっていないといえる。」として、許可を受けた際に確認されている効果を超える効果を類推させる広告・表示を一切禁止するなど、「特定保健用食品の審査等取扱い及び指導要領」(消費者庁次長通知)の広告・表示のルールの見直しを行うことなどを提言しています。   

【追記】(4/13)

 上記の報告書を踏まえて、消費者委員会から関係大臣に対して、「健康食品の表示・広告の適正化に向けた対応策と、特定保健用食品の制度・運用見直しについての建議」が出されました。