2019年10月16日 (水)

唐揚げ専門店による産地不当表示(景表法)

消費者庁は、本日、株式会社プラスワン(神戸市兵庫区)に対し、同社が運営する「からあげ専門店こがね」の店舗において、鶏の「もも」と称する部位を使用した唐揚げ及び当該唐揚げを含む商品に係る表示について、景品表示法に違反する不当表示(優良誤認)に該当するとして、措置命令を行っています。消費者庁公正取引委員会(公正取引委員会事務総局近畿中国四国事務所)の調査の結果を踏まえたものです。

 → 公正取引委員会報道発表資料

 店舗の看板又は軒先テントの表示に関するもので、例えば、塚本店の看板において、「からあげ専門店 こがね」及び「国産若鶏使用 絶品あげたて」と表示するなどして、あたかも、対象商品には、国産の鶏もも肉を使用しているかのように示す表示をしていたものですが、実際には、全部~一部(3割程度)、ブラジル産の鶏もも肉を使用していたというものです。

 景品表示法違反として消費者庁措置命令を受けたものですが、このような食肉の原産地偽装は、不正競争防止法の対象(誤認惹起行為。同法2条1項20号。)ともなります。景品表示法違反の不当表示行為自体には刑罰はありませんが、不正競争防止法違反行為は刑罰の対象です。

 これまでにも、今回の件と同様に、ブラジル産輸入鶏肉を国産と偽って自治体に対して学校給食用に販売したケースで、不正競争防止法違反で有罪判決を受けたものは複数あります。外国産の鶏や豚を国産と偽ったり、鶏や豚などを混ぜて製造したミンチ肉を牛100%と表示したりしたミートホープ(北海道)事件では、社長に懲役4年の実刑判決が出ています。

 今回の件は店舗での表示であり、学校給食用に偽装し大量に販売するようなケースとは、規模や悪質性などの状況が異なるため、こういった刑事事件に発展するのかどうかはわかりませんが、報道によれば故意にやっていたようですので、形式的には不正競争防止法違反罪に該当するのではないかと思われます。

2019年5月24日 (金)

日本マクドナルドに対する課徴金納付命令(景品表示法)

 本日は、消費者庁景品表示法違反事案に対する課徴金納付命令を2件出しています。

 1件は、一昨年(2017年)12月に措置命令が出されていた株式会社e-chanceのカーケア用品の不当表示(優良誤認表示)に関する課徴金納付命令(2845万円、消費者庁公表資料〔PDF〕)です。


 そして、もう1件は、日本マクドナルドに対するもので、昨年(2018年)7月に措置命令が出されていた事案に関する課徴金納付命令です。課徴金の金額は、2171万円。全国の大規模なチェーン店なのに金額がこれくらいにとどまっているのは、対象の不当表示をしていた期間が約1ヶ月と短かく、直ちに商品の販売もやめたからですね。課徴金は対象商品の売上額の3%が基準になります。

 → 消費者庁公表資料 (PDF)

 本件は、ブロック肉ではなく、成形肉を使用していたのにもかかわらず、「ローストビーフ」と表示していたことが問題となっています。なお、措置命令の際にも、この事案について当ブログで取り上げておりますので、詳しくはそちらをご覧下さい。

 → 「マクドナルドの「ローストビーフバーガー」に措置命令(消費者庁)」 (2018/7/25)

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2019年4月16日 (火)

焼き肉「黒毛和牛」の不当表示など(景品表示法)

 昨日(4/15)、消費者庁から流通大手イオンの子会社であるイオンライフ株式会社(千葉県美浜区)に対し、197万円の課徴金納付命令が出されました。同社が提供する葬儀サービス「イオンのお葬式」の表示について、不当表示(有利誤認)であるとされたもので、この件については、2017年12月に措置命令が出されていたものです。

 → 消費者庁公表資料 (PDF)

 これは、葬儀の追加サービスの追加料金が不要とした表示が問題となったものですが、ほぼ同様の葬儀サービスの不当表示事案については、別の会社に対して、昨年末にも措置命令が出されており、そちらは当ブログでも紹介しています。

 → 「「小さなお葬式」の料金表示についての措置命令(消費者庁)」 (2018/12/22)


 
さて、本日、消費者庁は、株式会社ロイヤルダイニング(東京都国分寺市)に対し、同社が運営する飲食店「焼肉レストランROINS」2店舗において出される「タン」、「ハラミ」、「シマチョウ」と称する牛肉の部位を使用した料理に係る表示について、景品表示法に違反する不当表示(優良誤認)に該当するとして、措置命令を行っています。

 → 消費者庁公表資料 (PDF)

 これは、自社webサイトにおいて、「沖縄県産の食材と日本全国選りすぐりの黒毛和牛専門店」、「『心のこもったお料理を』をモットーに 料理長が厳選した黒毛和牛のみを使用した、ROINS自慢の新鮮でクオリティの高い料理をお楽しみください。」、「【厚切りの黒毛和牛を使用した上タン塩】お客様が必ず驚く当店の上タン塩は、黒毛和牛の舌を丸ごと一本使用仕入れております。」などと記載するなどして、あたかも、対象の料理には、黒毛和牛の部位を使用しているかのように示す表示をしていましたが、実際には、黒毛和牛ではなく、外国産牛のものを使用していた、というものです。

 蛇足ですが、この行為は、前回記事で触れました不正競争防止法違反行為(品質(原産地等)誤認惹起行為)でもありますね。

2019年3月29日 (金)

酵素食品の痩身効果の不当表示など(景品表示法)

 年度末押し詰まった3月下旬になって、ばたばたと、消費者庁から景品表示法措置命令課徴金納付命令が連発されています(苦笑)

 本日も措置命令2件、課徴金納付命令1件が出ました。

 課徴金納付命令は昨年(2018年)3月にジュピターショップチャンネル社に出された措置命令に関するもので、テレビショッピングの番組で提供商品(テレビとずわいがに)の価格について、不当な二重価格表示(有利誤認)を行っていたという事案に対するもので、本日、同社に対して、合計1534万円課徴金の納付が命ぜられました。

 → 消費者庁公表資料 (PDF)


 措置命令は2件で、1つは、株式会社アルトルイズム(福岡市中央区)が販売する食品「黒フサ習慣 ブラックマックスS」の、あたかも、この商品を摂取することで、白髪が艶のある黒髪となる効果が得られるかのように自社webサイトにおける表示をしていたことが、景品表示法に違反する不当表示(優良誤認)とされたものです(不実証広告制度による)。

 本件では、「体験談は個人の感想で、実感を保証するものではありません。」と記載や、「1.艶のある深い黒さに※1」及び「2.フサフサボリュームも※2」との表示について、「※1:サプリメントの粒の色のことです。」及び「※2:ボリュームのある内容量のことです。」との記載(文字と背景との区別が付きにくくかったり、小さな文字での記載だったりした)がありましたが、いずれも一般消費者が表示から受ける本件商品の効果に関する認識を打ち消すものではない、とされました。

 → 消費者庁公表資料 (PDF)


 もう1件の措置命令は、酵素等の成分の作用による痩身効果を標ぼうする食品の販売事販売事業者5社が、折込チラシや自社webサイトなどで行った不当表示(優良誤認)に対するものです。

 5社は、ジェイフロンティア株式会社(東京都渋谷区「酵水素328選生サプリメント」)、株式会社ビーボ(東京都港区、商品「ベルタ酵素ドリンク」)、株式会社ユニヴァ・フュージョン(東京都港区、商品「コンブチャクレンズ」)、株式会社ジプソフィラ(東京都新宿区、商品「生酵素」)、株式会社モイスト(東京都江東区、商品「雑穀麹の生酵素」)です。

 たとえば、「・『まだまだ間に合います!酵水素328選でダイエットに成功した人続々と!こんな酵素エキス 見たこと無い!』と題し、『BEFORE』と付記された肥満気味の腹部を露出した人物の写真及び『なかなか落ちなかった脇腹の贅肉・・・』と付記された脇腹の肉を両手でつまんだ写真及び左手でガッツポーズを作り、右手でズボンのウエストを引っ張っている同人の写真と共に、『たるみ腹がスッキリしたから体型だけじゃなくて見た目も若く!』及び『約2カ月で52.7kgから45.4kgへ -7.3kg ●● ● ●さん(57歳)』と記載するなど記載して、あたかも、商品を摂取するだけで、商品に含まれる成分の作用により、容易に痩身効果が得られるかのように示す表示をしていましたが、これも不実証広告制度により、消費者庁が、期間を定めて、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、5社から資料が提出されたが、いずれも、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものとは認められないものであった、というものです。

 → 消費者庁公表資料 (PDF)

 なお、こういった「酵素食品」の広告に対する消費者庁の措置命令は、昨年7月、10月、今年1月にも出されています。ご参考まで。

→ 「「太る」サプリについての優良誤認表示(消費者庁)」 (2018/7/26)

→ 「酵素飲料の新聞広告に対する措置命令・課徴金納付命令(消費者庁)」 (2018/10/30)

→ 「酵素健康食品のダイエット効果の不当表示(消費者庁)」 (2019/1/18)

【追記】(3/29)
 上記のうち、7月の「太る」サプリについては、記事中では書いてませんが、表示の中に「 『痩せ菌ブロック酵素』」、「太るためにいちばん大切なのは『食事』です。そこで『ファティーボ』は栄養の効率的な消化吸収を目指し、5種の酵素と3種の麹菌が作る生酵素を厳選しました。」などと書かれていて、これも酵素の効果を標榜する表示でした。

2019年3月28日 (木)

東京都の健康食品表示調査結果と消費者庁の痩身等の表示に対する措置命令

 東京都が、3月26日付で、平成30年度健康食品試買調査結果を公表しています。健康食品による健康被害を未然に防止するため、東京都が、法令違反(食品表示法、食品衛生法、健康増進法、医薬品医療機器等法、景品表示法、特定商取引法の各広告・表示規制)の可能性が高いと思われる健康食品を販売店やインターネット通信販売などで購入し、調査を行った結果のとりまとめです。

 東京都が、3月26日付で、平成30年度健康食品試買調査結果を公表しています。健康食品による健康被害を未然に防止するため、東京都が、法令違反(食品表示法、食品衛生法、健康増進法、医薬品医療機器等法、景品表示法、特定商取引法の各広告・表示規制)の可能性が高いと思われる健康食品を販売店やインターネット通信販売などで購入し、調査を行った結果のとりまとめです。

 → 「健康食品の不適正な表示・広告にご注意!」(東京都)

 → 「平成30年度健康食品試買調査結果(平成31年3月26日現在)」 (PDF)

  この調査の結果、販売店で購入した製品では、44品目中29品目(65%)、インターネット等の通信販売で購入した製品では、86品目中79品目(91%)に不適正な表示・広告がみられました。

 また、9製品には、医薬品成分が含まれていたとのことです。


 そして、本日も、健康食品等を販売する業者に対して、消費者庁措置命令を出しています。

 消費者庁は、株式会社Growas(大阪市淀川区)に対して、同社の販売する「アルバニアSPホワイトニングクリーム」という商品(①)、「クレンズスプラッシュ」という食品(②)、「バブリアボディ」という商品(③)、「ノンファットタイム」という食品(④)、「ウルトラシックス」というシャツ(⑤)について、景品表示法に違反する不当表示(優良誤認、有利誤認)に該当するとして措置命令を行っています。

 まず、優良誤認表示に関しては、同社は、自社webサイトにおいて、あたかも、①については、商品を使用するだけで短期間に容易にシミを解消、軽減し、肌を白くするかのような表示を、②~③については、商品を使用、または、摂取するだけで容易に著しい痩身効果があるかのような表示を、⑤については、痩身のほか、著しい筋肉の増強効果があるかのような表示を、それぞれ行っていたものです。

 これらについて、消費者庁景品表示法に基づいて、期間を定めて、当該表示の裏付けとなる合理的案資料の提出を求めましたが、期間内に資料の提出はなかったため、優良誤認表示と認定されたものです(不実証広告)。

 なお、一部の商品については、「※使用感の感想です。」「※効果には個人差があります。」との記載がなされていたようですが、消費者庁は、これらは、上記の表示から消費者が受ける認識を打ち消すものではない、としています。

 次に、有利誤認表示に関しては、それぞれの商品について、自社webサイトにおいて、通常販売価格やメーカー希望小売価格などとした比較対照価格を記載して、それよりも実際の販売価格が安いかのように表示していましたが、実際には、そのような比較対照価格は存在しなかった、というものです。不当な二重価格表示の類型ですね。

 

2019年3月15日 (金)

シュークリームの不当表示(原材料の産地)

 先日、静岡県措置命令を出したという記事を書いたばかりですが、その当日(3/13)、大阪府不当表示に対する措置命令を出していました。

 景品表示法の改正により、平成26年12月から都道府県による措置命令が出せるようになって、4年を経過しましたが、本年1月末現在で都道府県による措置命令は、わずかに14件です。大阪府は、これでようやく3件目(3件とも食品ですね。)のはずですが、それでも多いほうで、ほとんどの都道府県では、まだ1回も措置命令が出ておらず(宮城、神奈川、愛知など大都市を抱えているところを含む)、出したところも、東京を含めて1回だけのところがほとんどです。一番多いのは、静岡で、先日のを含めて4件となっています。

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 今回の事案は、大阪府が、株式会社ヤムヤムクリエイツ(大阪府東大阪市)に対し、同社が販売する「プチリッチシュー」、「焦がしシュークリーム」の表示について、不当表示(優良誤認)に該当するとして、措置命令を行ったものです。

 → 大阪府報道発表資料

 これは、同社が運営する菓子販売店「Baby Magic」、「BAKED MAGIC」およびという「楽天市場」に出店している「焦がしシュークリーム専門店 ベイクドマジック/Baked Magicにおいて「プチリッチシュー」、「焦がしシュークリーム」という商品を販売していたが、例えば、商品の持ち帰り箱やwebサイトにおいて、「食べて幸せな笑顔になってもらうため、安心安全素材を徹底的に厳選しました。材料には、新鮮な卵に北海道産生クリーム、北海道産小麦をたっぷり使用し、熟練した職人技術により、従来のプチシューのイメージを大幅に覆す、焼きたてサクサク食感の風味豊かなプチリッチシューが完成しました。」と記載したり、、「こだわり厳選した素材を使用 シュー生地は国産の小麦粉を使用し、パイ生地を合わせたオリジナルブレンド」と記載し、あたかもの材料に国産の小麦粉を使用するかのように表示して、あたかも菓子の材料に北海道産の小麦を多量に使用するかのように表示していました。   

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 しかし、実際には、材料として使用された小麦粉は、アメリカ産及びカナダ産の小麦を原料とする小麦粉とアメリカ産の小麦を原料の大半とする小麦粉の2種類であり、国産小麦(北海道産には限定されない)はアメリカ産小麦を原料の大半とする小麦粉のみに一部ブレンドされているに過ぎず、また、国産小麦も北海道産に限定されたものではなかったというものです。

2019年3月 7日 (木)

おせち料理の「歳末特別価格」(消費者庁)

 昨日(3/6)、消費者庁は、株式会社ライフサポート(大阪市西区)が販売するおせち料理の広告表示が、景品表示法に違反する不当表示(有利誤認)に該当するとして、措置命令を行っています。   

 → 消費者庁公表資料(PDF)

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 これは、ライフサポートが自社webサイトおよび「Yahoo!ショッピング」上の自社webサイトにおいて、おせち料理商品7種について、例えば、「数量限定 歳末特別価格! 年末のおせちお急ぎください!なくなり次第終了! 通常価格28,800円(税別) ↓ ↓ ↓ 残りわずか!! 今なら!!8,000円お値引き 歳末特別価格20,800円 税別」と記載するなどして、あたかも「通常価格」と称する価額は、ライフサポートにおいて本件商品について通常販売している価格であり、「歳末特別価格」と称する実際の販売価格が当該通常販売している価格に比して安いかのように表示していましたが、実際には、「通常価格」と称する価額は、ライフサポートにおいて本件商品について最近相当期間にわたって販売された実績のないものであった、というものです。
 ※右画像は、消費者庁資料より

 いわゆる不当な二重価格表示の事案です。だいたい、おせち料理ですので、「歳末特別価格!」というのがおかしいですよね。普通、歳末以外に通常価格で売ってるおせち料理ってありません。二重価格表示の運用については、以下の消費者庁ガイドライン5頁以下をごらんください。

 → 「不当な価格表示についての景品表示法上の考え方」 (PDF)

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 おせち料理のネット上の不当表示事案というと、2011年正月に話題になった「スカスカおせち」事件が思い出されます。
 グルーポンのwebサイトで宣伝していたバードカフェ(株式会社外食文化研究所)のおせち料理が実際に届けられた商品が宣伝と全く違う食材だったり、重箱の中がスカスカだったりなどと、2010年末に実際に届けられた人が続々と写真をweb掲示板にアップしたりして炎上した事件ですので、ご記憶の方も多いと思います。
 この「スカスカおせち」事件でも、消費者庁から不当表示として措置命令が出されたのですが、この措置命令が対象としたのは、話題となった商品の中身の問題(優良誤認)だけではなく、今回のライフサポートと同じく、不当な二重価格表示(有利誤認)も含まれています。    
この事案については、当ブログでも何回か書いてますので、次にリンクをしておきます。

 → 「グルーポンのおせち事件」 (2011/1/3)

 → 「グルーポンのおせち事件の続報」 (2011/1/30)

 → 「バードカフェおせち事件に関する措置命令及び要請(景品表示法・消費者庁)」
                            (2011/2/22)

2019年3月 1日 (金)

不当表示に対する課徴金納付命令2件(消費者庁)

 昨年、景品表示法に基づく措置命令が出された不当表示2事案で、消費者庁課徴金納付命令を出しましたので、ご紹介です。

 先日(2/22)、株式会社TSUTAYA(東京都渋谷区)に対し、同社の動画配信サービスに係る不当表示について、課徴金納付命令を行いました。これは、昨年5月に出された措置命令の事案に関するもので、当ブログでも取り上げています。

 本件の課徴金は、1億1753万円とかなり高額になっています。

 → 消費者庁公表資料(PDF)

 → 「TSUTAYAの動画配信サービスなどについての不当表示(消費者庁)」(2018/5/30)


 次に、これも昨年5月に不当表示がなされたとして景品表示法に基づく措置命令が出されていた案件なのですが、「塚田農場」などを運営する株式会社エー・ピーカンパニー(東京都港区)に対して、本日、消費者庁は、課徴金納付命令を行っています。 

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 同社が、「塚田農場」などの運営店舗のメニューの表紙に、「地鶏一筋」を記載された印影を掲載し、メニューに「地鶏は野生の旨味」、「在来種の血統『地鶏』はほんの一部」などと記載し、「みやざき地頭鶏」の写真や流通過程の図を掲載するなどしていましたが、実際には、「チキン南蛮」にはブロイラーを、「月見つくね」、「塩つくね」にはほとんどブロイラーを、「椎茸つくね南蛮」には地鶏ではない親鶏等を使用していたというものです。

 → 消費者庁公表資料 (PDF)

 昨年の措置命令の内容の詳細については、こちらも当ブログに書いてますので、ご参考まで。

 → 「「塚田農場」の地鶏メニューがブロイラーだった事案」 (2018/5/22)

 全国に店舗を展開しているだけに、課徴金の額はこちらも、結構高額になるのかな、と思ってましたが、対象期間が短いこともあり、合計で、981万円となっています。なお、景品表示法違反による課徴金の金額は、基本的には、対象期間の対象商品の売上金額の3%となります。

2019年1月18日 (金)

酵素健康食品のダイエット効果の不当表示(消費者庁)

 昨日(1/17)、消費者庁は、株式会社はぴねすくらぶ(福岡市中央区・旧:メディア・プライス)が販売する健康食品「酵母と酵素 de さらスルー」の表示について、景品表示法に違反する不当表示(優良誤認)に該当するとして、措置命令を行っています。消費者庁及び公正取引委員会九州事務所の調査の結果によるものです。

消費者庁公表資料 (PDF)

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 これは、はぴねすくらぶが、自社webサイト上で、例えば、「酵素 酵母 乳酸菌の発酵パワーでダイエット!」、「食べることが大好きなあなたへ!」、「『酵母と酵素deさらスルー』は、生きた酵素と酵母、乳酸菌、さらに白キクラゲ由来のエイドライフリーWJをたっぷり配合した新しいダイエットサプリ。」等と記載するなどして、本件の健康食品が、あたかも、摂取するだけで、特段の食事制限をすることなく、含有成分の作用により、容易に痩身効果が得られるかのように示す表示をしていたというものです。   
 消費者庁は、景品表示法に基づいて、はぴねすくらぶに対して、これらの表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、資料が提出されましたが、資料はいずれも、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものであるとは認められず、優良誤認表示が認定されたものです(不実証広告)。

 はぴねすくらぶは、この措置命令に関して、自社webサイトに「お詫びとお知らせ」を掲載しましたが、措置命令の内容に反論することなく、 「・・・・あたかも、特段の食事制限をする事なく本品摂取だけで容易に痩身効果が得られるかのように示す表示をしておりました。本件表示は、本件商品の内容について、一般消費者に対し、実際のものより著しく優良であると示すものであり、景品表示法に違反するものでした。」不当表示を行ったことを認めたうえで、謝罪をしています。

 酵素食品については、昨年10月にも優良誤認表示であるとして、別の会社に対して消費者庁が措置命令・課徴金納付命令(1814万円)を命じていますが、それに続くものですね。「酵素」、「酵母」、「発酵」などをマジックワードとした健康食品は他にも多くありますが、イメージだけで根拠のない表示の商品には手を出さないことが肝心かと思います。

 → 「酵素飲料の新聞広告に対する措置命令・課徴金納付命令(消費者庁)」    
                         (2018/10/30)

 なお、本件の表示の一部については、いわゆる打消し表示として、「※使用感・結果には個人差があります。」と記載していたようですが、消費者庁は、これについて、「当該記載は、一般消費者が当該表示から受ける42粒入りの効果に関する認識を打ち消すものではない。」としています。

2018年11月 8日 (木)

鮮魚の当日配送についての飲食店の不当表示(消費者庁)

 昨日(11/7)、消費者庁は、チムニー株式会社(東京都墨田区)に対し、同社が経営する飲食店「はなの舞」、「花の舞」、「さかな道場」において提供する魚介類のさしみなど料理に関する表示が不当表示(優良誤認)であるとして、景品表示法に基づいて措置命令を行いました。

 → 消費者庁公表資料 (PDF)

 本件では、チムニーが、各店舗のPOP広告やポスターにおいて、「超速鮮魚と既存流通の違い なぜ鮮度が違う?」「超速鮮魚 当日(産地によっては前日) 到着」と記載したうえで店舗配送までの流通経路を示すイラストを掲載することにより、あたかも、各店舗の対象料理で使用している魚介類は一部産地を除いて、水揚げされた当日のうちに店舗に配送されたものであるかのように表示していました。

 しかし、実際には、対象となっている料理の全ての魚介類が、水揚げされた翌日以降に配送されたものであった、というものです。

 本件の表示では、一般の流通が産地から陸送されて中央市場を介して各小売店・飲食店に配送されるのに対して、産地から羽田空港に空輸されてそこから直接、小売店・飲食店に陸送されるという表示がされていました。
 ご注意いただきたいのは、一部報道で、「朝どれ」表記に対する措置命令であるかのようなものがあったようですが、本件では、「朝どれ」「朝捕り」など、朝に漁獲したという表現が問題になったものではありません。

 ところで、今回の消費者庁の公表資料には(措置命令自体にはない)、わざわざ、次のような注釈を入れています。

「本件の措置命令は、羽田市場株式会社が提供する「超速鮮魚」と称する魚介類について、羽田市場株式会社の流通自体を問題としているものではない。 チムニー株式会社が仕入れていた魚介類のうち、「超速鮮魚」と称する魚介類は、平成28年3月31日までは、表示内容どおり、一部の産地を除き当日のうちにチムニー株式会社の店舗に配送されていたが、チムニー株式会社が物流を変更し、同社の物流センターを経由することにした結果、平成28年4月1日以降は、翌日、産地によっては翌々日にチムニー株式会社の店舗に配送されることとなったものである。」

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 これは、チムニーが利用していた鮮魚の運送は、別会社である羽田市場株式会社が行っていたようで、この会社の社名やサービスブランドである「超速鮮魚」(商標登録もあるようです。)の文字やロゴを、右の画像(消費者庁公表資料より)でもわかるように、本件の対象となったPOP広告などに使用しているため、今回の措置命令により、この羽田市場株式会社の運送サービスについての不当表示であるかのような誤解を招かないように消費者庁が配慮したのではないか、と思われます。

 

なお、日本経済新聞の報道によると、チムニーは、商品の品質には問題がないので返金はしない、との対応のようです。もちろん、消費者庁不当表示を認定されたからといって、即、消費者への返金義務が法的に生じるものではなく、今回の件で、返金すべきか否かについてコメントすることはできません。ただ、一般論としては、法的責任とは別として、消費者への対応が以後の消費者の企業評価に繋がるものであることは念頭において検討すべき事柄です。また、消費者への法的な返金義務の有無とは関係なく、課徴金納付命令の対象にはなります(売上要件などを満たせば)。

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