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2019年1月の記事

2019年1月18日 (金)

酵素健康食品のダイエット効果の不当表示(消費者庁)

 昨日(1/17)、消費者庁は、株式会社はぴねすくらぶ(福岡市中央区・旧:メディア・プライス)が販売する健康食品「酵母と酵素 de さらスルー」の表示について、景品表示法に違反する不当表示(優良誤認)に該当するとして、措置命令を行っています。消費者庁及び公正取引委員会九州事務所の調査の結果によるものです。

消費者庁公表資料 (PDF)

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 これは、はぴねすくらぶが、自社webサイト上で、例えば、「酵素 酵母 乳酸菌の発酵パワーでダイエット!」、「食べることが大好きなあなたへ!」、「『酵母と酵素deさらスルー』は、生きた酵素と酵母、乳酸菌、さらに白キクラゲ由来のエイドライフリーWJをたっぷり配合した新しいダイエットサプリ。」等と記載するなどして、本件の健康食品が、あたかも、摂取するだけで、特段の食事制限をすることなく、含有成分の作用により、容易に痩身効果が得られるかのように示す表示をしていたというものです。   
 消費者庁は、景品表示法に基づいて、はぴねすくらぶに対して、これらの表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、資料が提出されましたが、資料はいずれも、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものであるとは認められず、優良誤認表示が認定されたものです(不実証広告)。

 はぴねすくらぶは、この措置命令に関して、自社webサイトに「お詫びとお知らせ」を掲載しましたが、措置命令の内容に反論することなく、 「・・・・あたかも、特段の食事制限をする事なく本品摂取だけで容易に痩身効果が得られるかのように示す表示をしておりました。本件表示は、本件商品の内容について、一般消費者に対し、実際のものより著しく優良であると示すものであり、景品表示法に違反するものでした。」不当表示を行ったことを認めたうえで、謝罪をしています。

 酵素食品については、昨年10月にも優良誤認表示であるとして、別の会社に対して消費者庁が措置命令・課徴金納付命令(1814万円)を命じていますが、それに続くものですね。「酵素」、「酵母」、「発酵」などをマジックワードとした健康食品は他にも多くありますが、イメージだけで根拠のない表示の商品には手を出さないことが肝心かと思います。

 → 「酵素飲料の新聞広告に対する措置命令・課徴金納付命令(消費者庁)」    
                         (2018/10/30)

 なお、本件の表示の一部については、いわゆる打消し表示として、「※使用感・結果には個人差があります。」と記載していたようですが、消費者庁は、これについて、「当該記載は、一般消費者が当該表示から受ける42粒入りの効果に関する認識を打ち消すものではない。」としています。

2019年1月 9日 (水)

民法(相続法)の改正(遺言の方式緩和)の施行

 民法には、債権や物権などの分野のほかに「家族法」についての規定もあり、大きく「親族法」(結婚や親子などについての規定)と「相続法」(相続についての規定)に分かれます。 

 そのうち、相続分野について大きな改正が昨年7月になされました。この改正の施行日は原則として、今年2019年7月1日なのですが、規定によって段階的に施行されることとなっており、今度の日曜日1月13日には、遺言に関する改正部分が施行となります。

 → 法務省サイト

 今回の相続法の改正事項は、

1 配偶者の居住権を保護するための方策

2 遺産分割に関する見直し等

3 遺言制度に関する見直し

4 遺留分制度に関する見直し

5 相続の効力等に関する見直し

6 相続人以外の者の貢献を考慮するための方策

7 その他

となっています。
 このうち、上記の通り、の内の「自筆証書遺言の方式を緩和する方策」の施行が2019年1月13日「配偶者居住権及び配偶者短期居住権の新設等」の施行が来年2020年4月1日となり、その他の部分の施行が2019年7月1日となります。なお、民法改正と合わせて、新たに自筆証書遺言の保管制度(法務局で保管してもらえる)ができましたが、その法律(法務局における遺言書の保管等に関する法律)の施行は、2019年7月10日となっています。

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 各改正点についての詳細な説明は省略しますが(ご相談、講演のご依頼などお待ちしております。)、1月13日から施行される自筆証書遺言の方式の緩和について、少し触れておきます。

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 自筆証書遺言(つまりは公正証書ではなく、自分で書く遺言書のこと)は厳格な方式が要件として定められており、全文を自分で書く必要がありました。それを、遺言の内、財産目録の部分は、自筆でなくてもOKという改正です。しかし、財産目録部分については、各頁に本人が署名押印しなければなりません。

 財産目録といっても、形式が特に定められているわけではなく、法務省の解説では、パソコンで作成した財産目録はもちろんのこと、銀行預金通帳のコピーや不動産登記の登記事項証明書などを添付するような形でもよいようです。相続財産の多い人にとっては、遺言書の作成が楽になりますね。

 ただ、その他の形式要件は変更になっておらず、財産目録以外の部分はパソコンなどで作成しては駄目で自筆であることが必要だとか、作成日付を必ず入れるなどといった点は注意しないと、本人が作ったことが仮に明らかであったとしても、法律的には無効の遺言となってしまいますので、ご注意ください。なるべく、弁護士、司法書士にご相談されることをお薦めいたします。

※ 画像は法務省サイトより

2019年1月 7日 (月)

ZOZO社長のお年玉宣言と独禁法・景表法

 新年あけましておめでとうございます。
   本年もよろしくお願い申し上げます。


 昨年から、いろいろと話題の多い株式会社「ZOZO」代表取締役社長の前澤友作さんが1月5日に、前澤氏のTwitterアカウントをフォローして、RT(リツイート)してくれた人、100人に100万円をプレゼントすると宣言して、また話題になっています。総額1億円ですね。

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 これについて、景品表示法上、大丈夫なの、というネット上の声もあるようです。これについて、見ていきたいと思います。

 まず、景品表示法上の「景品」の定義は、

①顧客を誘引するための手段として

②事業者が自己の供給する商品又は役務(サービス)の取引(不動産に関する取引を含む。)に付随して

③取引の相手方に提供する物品、金銭その他の経済上の利益

であって、内閣総理大臣が指定するものをいうと定義されています。

 ここでは、②の要件に関して2つ問題があって、「事業者が自己の・・・」とあるので、お金は会社であるZOZOではなく、社長個人の私財から個人として提供している、という点と、取引附随性はない、という点です。

 前者については、法人と個人とはいえ、法人の営業活動に関して、オーナー社長が提供しているのだから、実質的には事業者が提供しているのと同一視できるのではないか、とみる余地はあるような感じはします。

 後者については、このような、事業者の商品やサービスの購入取引とは全く無関係に誰でも応募し、当選する可能性がある形態のものは、「オープン懸賞」と呼ばれ、取引附随性がありませんので、本来、景品表示法の適用対象外のものです。
【追記】ただ、フォローを条件としていますので、フォロワーのアカウントを収集するという行為、データ収集は取引に附随すると見られるのではないか、ということもできるような気もしますが、ここではひとまず置きます。)

 ただし、かつて公正取引委員会消費者庁設置前は景品表示法も所管)は、独占禁止法上の「不公正な取引方法」の指定として、「広告においてくじの方法等による経済上の利益の提供を申し出る場合の不公正な取引方法」という告示を出していました。
 そして、その告示運用基準(通達)に、「この告示に規定する「正常な商慣習に照らして過大な金銭、物品その他の経済上の利益」については、1000万円を超える額の経済上の利益はこれに該当するものとする。ただし、この範囲内で公正競争規約を締結している業種にあつては、当該公正競争規約の定めるところを参酌する。」(注:1000万円は平成8年改正後)とあり、要するに「オープン懸賞」の場合には、景品表示法ではなく、独占禁止法上、1000万円を超える賞金等が禁止されていたのです。

 しかし、この「オープン懸賞」についての上限規制も、あんまり意味はないよね、ということで、平成18年に撤廃されました。したがって、現在、独占禁止法景品表示法による規制はなくなっています。もっとも、本件は100万円なので、どっちにしても問題ないのですが。

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 ということで、冒頭の前澤氏の100万円提供は、独占禁止法景品表示法による規制はない、ということに一応はなります。もっとも、独占禁止法上の別の規制(例えば、不公正な取引方法欺まん的顧客誘引など)に該当するような場合は別ですし、上で書いたいくつかの点の評価によっては、「オープン懸賞」ではなく、「一般懸賞」として、景品表示法の対象とされる可能性も考えられなくもありません(この場合は、最高額は10万円なので、抵触してしまいます。)。

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