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2018年10月の記事

2018年10月18日 (木)

ドコモショップのユニフォーム発注に関する談合(公正取引委員会)

 本日、消費者庁は、株式会社ジャパネットたかた(長崎県佐世保市)に対し、同社が販売するエアコンとテレビの表示について、不当表示(有利誤認)に該当として、景品表示法に基づく措置命令を行いました。

 これは、カタログ、折込チラシ、ダイレクトメールやwebサイトの表示において、実際には実績のない「ジャパネット通常税抜価格」等を記載し、あたかも実際の販売価格が通常販売している価格に比べて安いかのように表示していた、という二重価格表示に関する有利誤認表示の事案です。

 この件は、公正取引委員会九州事務所の調査の結果を踏まえたものということですね。

 → 公取委報道発表資料


 さて、その公正取引委員会ですが、本日、株式会社NTTドコモのドコモショップ女性スタッフ用ユニフォームの縫製会社、レンタル運用会社を決定するための見積り合わせの参加業者に対して、独占禁止法の禁止する不当な取引制限行為(カルテル・談合)があったとして、排除措置命令および課徴金納付命令を行っています。

 事案は、ユニフォームの縫製会社の決定、ユニフォームのレンタル運用会社の決定にあたり、事前に受注予定者を決める合意をしていた、という談合行為を行っていたものです。

 → 公取委報道発表資料

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 違反事業者は、計9社(伊藤忠商事、高島屋、ツカモトユーエス、サンペックスイスト、双日ジーエムシー、そごう・西武、三菱商事ファッション、丸紅、丸紅メイト)で、その内、排除措置命令対象事業者は7社(伊藤忠商事、高島屋、ツカモトユーエス、サンペックスイスト、双日ジーエムシー、そごう・西部、三菱商事ファッション)、課徴金納付命令対象事業者は3社(伊藤忠商事、高島屋、ツカモトユーエス)で課徴金の金額は合計1025万円となっています。

 丸紅丸紅エイトは、自主申告による課徴金減免制度(リニエンシー)に基づいて課徴金が免ぜられています(両社は排除措置命令の対象にもなっていませんね。)。

 本件のようなユニフォーム(制服)の取引に関しては、公正取引委員会は、昨年、公立中学校の制服取引実態の調査報告書を出して以降、今年になって、下記の公取委報道発表のように、JR(東日本、西日本)、ANA、NTT東日本のそれぞれ発注する制服や作業服に関して排除措置命令などを連続して出しており、この分野についての監視の目を強めているようです。

 → 公取委報道発表資料(公立中学校制服取引実態調査 2017/11/29)

 → 公取委報道発表資料(JR東日本、西日本の制服の事案 2018/1/12)

 → 公取委報道発表資料(NTT東日本の作業服の事案 2018/2/20)

 → 公取委報道発表資料(ANAの制服の事案 2018/7/12)

2018年10月 5日 (金)

都道府県の措置命令に関して初の課徴金(景表法)

 本日、消費者庁は、2件の課徴金納付命令を出しました。

 いずれも既に不当表示に対する措置命令が出されている事案ですが、1件は東京都が出した措置命令に係る事案です。課徴金の金額は、全部で8480万円と高額になっています。    
 平成26年12月から都道府県による措置命令ができるようになりましたが(それ以前は「指示」)、その場合でも課徴金納付命令消費者庁が行うことになっています。都道府県による措置命令の事案で課徴金納付命令が出されたのは初めてではないかと思います。都道府県による措置命令の案件は、売上高が少ないものも多いかと思いますので、課徴金の適用要件に満たないのも多いかもしれません。    
なお、東京都景品表示法違反で措置命令を行ったのは、この事案が最初のものです(まだ、これ1件ですが)。

 → 消費者庁報道発表資料 (PDF)

 この東京都による措置命令(平成30年3月26日)は、株式会社ギミックパターン(東京都渋谷区)に対するもので、同社が自社webサイト上で、ストッキングやブラジャーなどを着用するだけで、容易に「脚が細くなる」、「豊胸」、「痩身」などの効果が得られるかのように表示していた、というものです。この表示につき、東京都は同社に対して、合理的な根拠を示す資料の提出を求めましたが、同社は、期間内に資料を提出しませんでした(不実証広告により優良誤認表示とみなされます)。また、この件では、実際には存在しない「通常価格」を表示して、あたかも、実際の商品販売価格が「通常価格」よりも安いかのように表示していました(有利誤認表示)。

 → 東京都報道発表

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                 ※画像は消費者庁発表資料より

 もう1件の課徴金納付命令は、株式会社SAKLIKIT(大阪市中央区)に対して、消費者庁により措置命令(平成29年12月14日)が出されていたものです。    
不当表示の内容としては、上記のギミックパターンの件と似ていて、レギンスを履くだけで痩せるという表示をしていたものですが、これについては、当ブログでも以前ご紹介していますので、こちらをご覧ください。    
こちらの課徴金は、255万円です。

 → 消費者庁報道発表資料 (PDF)

 → 「履くだけで痩せる」レギンスの不当表示(消費者庁) (2017/12/15)      

2018年10月 3日 (水)

近畿大手百貨店の送料値上カルテル

 本日(10/3)、公正取引委員会は、近畿地区に店舗を持つ大手百貨店に対して、独占禁止法3条(不当な取引制限[カルテル行為]の禁止)に違反したとして排除措置命令及び課徴金納付命令を行いました。

  → 公正取引委員会発表資料 

 これは、阪急阪神百貨店(大阪市北区)、髙島屋(大阪市中央区)、近鉄百貨店(大阪市阿倍野区)、京阪百貨店(大阪府守口市)、そごう・西武(東京都千代田区)、大丸松坂屋百貨店(東京都江東区)の大手6社などが、各社の物流担当者が参加する会合の場で又は個別に,近畿地区の各店舗において顧客が支払う「優待ギフト送料」の額の引上げについて情報交換を行って、送料を一定額引き上げることを合意した、というものです。

 ※「優待ギフト送料」=中元・歳暮カタログの商品配送料金(全国一律)。

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                     ※公取委発表資料より

 課徴金納付命令の金額は、阪急阪神百貨店が6,758万円、髙島屋が5,876万円、近鉄百貨店が4,485万円、京阪百貨店が1,637万円、そごう・西武が641万円の合計1億9,397万円となっており、大丸松坂屋百貨店排除措置命令・課徴金納付命令の対象にはなっていません。

 課徴金は、カルテル・談合の実行期間中(最長3年間)の対象商品又は役務の売上額を基に、事業者の規模や業種ごとに定められた課徴金算定率を乗じて計算することになっています。
ただし、課徴金減免制度(リニエンシー)という、違反事実を自主申告した事業者には課徴金を減免する制度があります。

 これは、調査開始日前の最初の申請者については課徴金を免除し、調査開始日前の2番目の申請者は50%減額、3番目以降の申請者は30%減額となりますが、対象となるのは、調査開始日前と調査開始日以後とで合わせて最大5社(調査開始日以後は最大3社まで)に適用されることとなっています。
 今回は、大丸松坂屋百貨店が調査開始日前に最初に自主申告したために課徴金全額を免除され、調査開始日後に高島屋、近鉄、そごう・西武の3社が自主申告したために30%の減額を受け、それに遅れた阪急阪神、京阪の2社は課徴金減免制度の適用を受けられなかったということになっているようですね。

 今回の各社の事情はわかりませんが、かつて、光ケーブルのカルテルについて自主申告が遅れたため課徴金減免制度を受けられなかった住友電工の役員らに対して株主が課徴金と同額(約88億円)の損害賠償を会社に対して行うよう求めた株主代表訴訟が提起され、結局、訴訟上の和解で、役員らが会社に5億2000万円の解決金を支払うこととなったケースがありますので、カルテル、談合が行われていたことが発覚した場合には迅速に自主申告などの対応を検討・実行しなければ、役員は個人で極めて高額の賠償責任を負うリスクがあります。

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