牛肉の不当表示事案(大阪府)と健康食品への措置命令取消訴訟
ブログの更新ができない間に、景品表示法関連のニュースがいくつか入っています。
まず、スマホゲーム「星のドラゴンクエスト」に関するガチャの不当表示を巡る返金訴訟の判決で原告側が敗訴した(9/18)という件については、判決を入手しましたので、後日に別記事にてご紹介したいと思います。
次に、9月11日に大阪府が、先日(4/19)のイオンに対する措置命令( 「ようやく大阪府も措置命令(景品表示法)」参照)に続き、法改正以来2件目となる措置命令を出しました。
これは、株式会社恒づね(大阪府枚方市)が経営する飲食店「ステーキカッポー恒づね」が提供する料理の提供およびネットショップで販売する牛肉商品について、その表示が景品表示法に違反する不当表示(優良誤認表示)に該当するとして、大阪府が措置命令を出したものです。
料理提供に関しては、店舗用メニューなどで「ディナーの牛肉は融点温度の低い雌牛のみを使用しています」と表示して、あたかも全てのディナーに雌牛を使用するかのように表示していましたが、実際には、使用されていた牛肉の大半(「和牛ヒレ」は約66%、「和牛サーロイン」は約44%、「国産牛ヒレ」は約99%)が雄牛(去勢牛)であった、ネットショップの牛肉商品に関しては、商品名などに「恒づねA5和牛」、「最上級A5ランク」、「A5ランク霜降り和牛」などと表示していましたが、実際には、商品を仕入業者から購入する際に、牛肉の格付けを確認しておらず、本件商品がA5ランクであることの裏付けとなる合理的な根拠を示す資料を示すことができず、大阪府の調査の結果、本件商品にA5ランク以外の精肉が混入していたことが認められた、というものです。
また、昨年3月に、健康食品「アスタキサンチン アイ&アイ」による目の症状改善についての表示について、消費者庁より措置命令が出されていた株式会社だいにち堂(長野県安曇野市)が、8月24日に、この措置命令の取消を求めて、消費者庁を相手として訴訟を提起したと、本日の通販新聞が報道しています。
→ 通販新聞「だいにち堂 消費者庁を提訴、アイケイ健食の処分取消し求め」(9/20)
この同社に対する昨年の本件措置命令については、当ブログでもご紹介しています。
→ 「健康食品による目の症状改善についての不当表示に対する措置命令」
(2017/3/9)
なお、通販新聞の記事によれば、「だいにち堂をめぐっては、処分以降、通常であれば行われる日刊紙等への「謝罪広告」の掲載が行われておらず」とあり、同社が措置命令に従っていないような表現となっています。景品表示法違反の不当表示行為自体には罰則規定はありませんが、措置命令の違反については罰則があります。このあたりはどうなっているのかな、と思います。
« やせる健康食品の不当表示(消費者庁) | トップページ | 「星ドラ」ガチャの表示に関する判決 »
「グルメ・クッキング」カテゴリの記事
- 酵素健康食品のダイエット効果の不当表示(消費者庁)(2019.01.18)
- 鮮魚の当日配送についての飲食店の不当表示(消費者庁)(2018.11.08)
- 続けて「酵素飲料」の不当表示と高額の課徴金(2018.11.01)
- 酵素飲料の新聞広告に対する措置命令・課徴金納付命令(消費者庁)(2018.10.30)
- 牛肉の不当表示事案(大阪府)と健康食品への措置命令取消訴訟(2018.09.20)
「法律」カテゴリの記事
- 新聞購読勧誘の不当景品に関する立入検査報道(2019.02.14)
- 酵素健康食品のダイエット効果の不当表示(消費者庁)(2019.01.18)
- 民法(相続法)の改正(遺言の方式緩和)の施行(2019.01.09)
- ZOZO社長のお年玉宣言と独禁法・景表法(2019.01.07)
- ベネッセ個人情報流出事件の判決(東京地裁)(2018.12.29)
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/183277/67188845
この記事へのトラックバック一覧です: 牛肉の不当表示事案(大阪府)と健康食品への措置命令取消訴訟:
コメント