フォト

weathernews

ツイッターでつぶやく

無料ブログはココログ

« 2018年8月 | トップページ | 2018年10月 »

2018年9月の記事

2018年9月21日 (金)

「星ドラ」ガチャの表示に関する判決

 前回記事で触れましたが、スマホゲーム「星のドラゴンクエスト」(星ドラ)において、期間限定で提供されていたガチャの説明表示に関して、プレイヤーたちが原告となって運営会社スクウェア・エニックスを被告として、ゲーム内通貨の購入金額などの支払を求める訴訟の一審判決が、9月18日に東京地裁で言い渡されました。
 結果は原告らの請求棄却(敗訴)です。この判決を読む機会がありましたので、ご紹介します。(以下は、今回の判決の記載内容に拠っています。)

 この訴訟では、「星ドラ」には「★5そうび」と称する貴重なアイテムを得ることができる「宝箱ふくびき」と称するいわゆるガチャ(ゲーム内通貨を対価とする)の表示が問題となっています。このガチャでは、「★5そうび」が一定の確率で提供されるのですが、期間限定でのみ提供される「★5そうび」(ピックアップそうび)が排出されることとなっており、その説明画面には、「※★5そうびは、上記のそうび(川村注:ビックアップそうび、のこと)の他にも排出される場合があります。」と表示されていました。
 プレイヤーである原告らは、この表示は、ピックアップそうび以外の★5そうびも排出される場合もある、という程度、すなわち、ピックアップそうび以外については低い確率で排出されるという内容であると主張し、にもかかわらず、実際には、ピックアップそうびは極めて低い確率でのみ排出されるようになっていたことに関して、   

  1. 債務不履行解除
  2.    
  3. 錯誤無効
  4.    
  5. 詐欺取消
  6.    
  7. 不実告知(消費者契約法4条1項)に基づく取消
  8.    
  9. 景品表示法違反(優良誤認および有利誤認)

により、1については原状回復請求権、2~4については不当利得返還請求権、5については不法行為に基づく損害賠償請求権により、ゲーム内通貨購入金額の返還を求めるなどしたものです。

 これに対して、今回の判決では、まず、上記の「※★5そうびは、上記のそうびの他にも排出される場合があります。」という表示が意味するところについて、ピックアップそうびの出現確率が他の★5そうびよりも高いことを表示していると認識させるものとはいえず、一般通常人をして、単に、ピックアップそうび以外の★5そうびも排出する可能性があるという事実を指摘しているものと認識されるにとどまる、としました。

 そして、この判断を前提とすれば、原告らの上記1~5の主張には理由がないものとして、原告らの請求を棄却したものです。

 上記の表示についての認識内容について、原告らの主張が認められなかったということになりますが、原告団のTwitterアカウント「星ドラ集団訴訟ツイッター」によると、東京高裁への控訴を準備中とのことです。

100

続きを読む "「星ドラ」ガチャの表示に関する判決" »

2018年9月20日 (木)

牛肉の不当表示事案(大阪府)と健康食品への措置命令取消訴訟

 ブログの更新ができない間に、景品表示法関連のニュースがいくつか入っています。

 まず、スマホゲーム「星のドラゴンクエスト」に関するガチャの不当表示を巡る返金訴訟の判決で原告側が敗訴した(9/18)という件については、判決を入手しましたので、後日に別記事にてご紹介したいと思います。


 次に、9月11日に大阪府が、先日(4/19)のイオンに対する措置命令「ようやく大阪府も措置命令(景品表示法)」参照)に続き、法改正以来2件目となる措置命令を出しました。

 これは、株式会社恒づね(大阪府枚方市)が経営する飲食店「ステーキカッポー恒づね」が提供する料理の提供およびネットショップで販売する牛肉商品について、その表示が景品表示法に違反する不当表示(優良誤認表示)に該当するとして、大阪府措置命令を出したものです。

 → 大阪府報道発表資料

100

 料理提供に関しては、店舗用メニューなどで「ディナーの牛肉は融点温度の低い雌牛のみを使用しています」と表示して、あたかも全てのディナーに雌牛を使用するかのように表示していましたが、実際には、使用されていた牛肉の大半(「和牛ヒレ」は約66%、「和牛サーロイン」は約44%、「国産牛ヒレ」は約99%)が雄牛(去勢牛)であった、ネットショップの牛肉商品に関しては、商品名などに「恒づねA5和牛」、「最上級A5ランク」、「A5ランク霜降り和牛」などと表示していましたが、実際には、商品を仕入業者から購入する際に、牛肉の格付けを確認しておらず、本件商品がA5ランクであることの裏付けとなる合理的な根拠を示す資料を示すことができず、大阪府の調査の結果、本件商品にA5ランク以外の精肉が混入していたことが認められた、というものです。


 また、昨年3月に、健康食品「アスタキサンチン アイ&アイ」による目の症状改善についての表示について、消費者庁より措置命令が出されていた株式会社だいにち堂(長野県安曇野市)が、8月24日に、この措置命令の取消を求めて、消費者庁を相手として訴訟を提起したと、本日の通販新聞が報道しています。

 → 通販新聞「だいにち堂 消費者庁を提訴、アイケイ健食の処分取消し求め」(9/20)

 この同社に対する昨年の本件措置命令については、当ブログでもご紹介しています。

 → 「健康食品による目の症状改善についての不当表示に対する措置命令」
 (2017/3/9)

101

 なお、通販新聞の記事によれば、「だいにち堂をめぐっては、処分以降、通常であれば行われる日刊紙等への「謝罪広告」の掲載が行われておらず」とあり、同社が措置命令に従っていないような表現となっています。景品表示法違反の不当表示行為自体には罰則規定はありませんが、措置命令の違反については罰則があります。このあたりはどうなっているのかな、と思います。

2018年9月 5日 (水)

やせる健康食品の不当表示(消費者庁)

 昨日は台風21号が四国、近畿、北陸を駆け抜けていき、ご承知の通り、関西国際空港をはじめとして、大阪近辺でも大きな風の被害を残していきました。私の事務所も昨日は休業しましたが、今朝は、あちこちで街路樹が倒れているなどの情景を目にしました。

 さて、その昨日(9/4)、消費者庁は、株式会社キリン堂(大阪市淀川区)に対し、同社の販売する健康食品「グラリスゴールド」の表示について、景品表示法に違反する不当表示(優良誤認)に該当するとして、措置命令を行っています。キリン堂は、大阪を中心に多くの店舗を展開するドラッグストアチェーンですね。健康食品の宣伝に関する不当表示事案が続いています。

 → 消費者庁公表資料 (PDF)

 本件は、キリン堂の各店舗における店頭表示物に、太った人物が腹部を掴んでいるイラスト、細身の人物がサイズの大きなズボンを掴んでいるイラスト及び人物が腹部を指差している画像と共に、「挑戦者続出」、「食べるの大好き&運動嫌い」、「でも燃えた!!」、「脂肪を減らしながら基礎代謝を上げる だからリバウンドしにくい」、「①脂肪分解酵素を分解 ②脂肪燃焼力を大幅UP ③脂肪合成酵素を徹底抑制 + さらに④還元型CoQ10で燃焼力UP↑」及び「脂肪の消費を大幅UP」と記載して(下の絵)、あたかも、摂取するだけで、特段の運動や食事制限をすることなく、体脂肪の分解、燃焼及び合成抑制による、外見上身体の変化を認識するまでの痩身効果が得られるかのように示す表示をしていた、というものです。

100

                     (※画像は消費者庁公表資料より)

 しかし、消費者庁が、キリン堂に対し、期間を定めて、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求め、同社は資料を提出しましたが、それらは、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものとは認められず、不実証広告制度(景品表示法7条2項)により、優良誤認表示とみなされたものです。

« 2018年8月 | トップページ | 2018年10月 »

楽天ブックス

amazon