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2018年7月 3日 (火)

老人ホームのパンフレット表示に対する措置命令(消費者庁)

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 本日、消費者庁は、HITOWAケアサービス株式会社(東京都港区)に対し、同社が運営する有料老人ホーム「イリーゼ」において提供するサービスに関するパンフレットの記載内容が、不当表示(景品表示法5条3号)であるとして、措置命令を行っています。

 昨日の神戸大学法科大学院の消費者法の講義で、ちょうど景品表示法の話をしたところですので、来週の講義にはこれを資料に持って行こうと思います。

 → 消費者庁公表資料 (PDF)

 「イリーゼ」は北海道から沖縄まで100個所以上もの施設があるようですね。

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 このパンフレットには、「終の棲家として暮らせる重介護度の方へのケア」とした上で、「寝たきりなど要介護度が重い方もお過ごしいただくことができます。ご希望の方には、医療機関と連携しご家族様のお気持ちに寄り添いながら看取り介護にも対応しております。」と記載されていました(画像は、消費者庁公表資料より)。
 しかし、実際には、入居者の行動が、他の入居者や従業員の生命身体に危害を及ぼし、または、その切迫したおそれがある場合であって、「イリーゼ」における通常の介護方法又は接遇方法ではこれを防止することができないときは、当該入居者との入居契約を解除することがある、とのことのようです。

 措置命令の本文を見ても、本件の契約解除というのが、契約上記載されているということなのか、契約には書いていないが現実に解除している、ということなのか、明確ではないのですが、記載されている内容の契約条項があるとして、通常は、その条項自体が違法だとか無効だとかまでは言えないと思います。本件の措置命令は、もしそういうことならば、ちゃんとパンフレットに記載しておきなさい、というものです。

 景品表示法不当表示は、5条1~3号に規定され、優良誤認表示(1号)、有利誤認表示(2号)、告示指定表示(3号)となっています。
 3号の告示は、現在6種類(記事最後に記載)ありますが、本件はその内の、「有料老人ホームに関する不当な表示」6項(居室の利用についての表示)に該当するものとして措置命令が出されました。   
 これは「終身にわたって入居者が居住し、又は介護サービスの提供を受けられるかのような表示であって、入居者の状態によっては、当該入居者が当該有料老人ホームにおいて就寝にわたって居住し、又は介護サービスの提供を受けられない場合があるにもかかわらず、そのことが明りょうに記載されていないもの」が不当表示となるものです。

 措置命令の対象となる不当表示のほとんどは、優良誤認表示有利誤認表示ですので、この指定告示表示はかなり少ないのですが、比較的多いのが原産国表示で、最近では、昨年6月のボーネルランド社の玩具についての措置命令があります。

 → 「玩具の商品原産国に関する不当表示(景表法5条3号)の措置命令」
                                (2017/6/23)

 なお、不当表示課徴金は、優良誤認表示有利誤認表示が対象となっており、本件の3号の告示指定表示については対象となっておりません。

〔告示〕(リンク先は消費者庁サイトのPDF)   

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