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2018年7月の記事

2018年7月31日 (火)

豊胸効果をうたう健康食品の不当表示(消費者庁)

 昨日(7/30)、消費者庁は、株式会社GLORIA(東京都文京区)が販売する食品(サプリ)「pinky plus」の表示について、不当表示(優良誤認)であるとして措置命令を出しています。

 → 消費者庁公表資料 (PDF)

 これは、自社webサイトに、「ツイッターやfacebookで話題のバストアップサプリ!」、「『プエラリア』で満足出来なかった女性」、「94%が2カップ以上UPを実感」、「10日間でまさかの2カップUP」などと記載して、商品を摂取するだけで、誰でも容易に著しい豊胸効果が得られるかのように示す表示をしてました。   
 しかし、消費者庁から、GLORIAに対して、表示の裏付け資料の提出を求めたところ、同社から提出された資料は合理的な根拠を示すものとは認められなかったものです(不実証広告)。

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                 ※ 画像は消費者庁公表資料より

 豊胸効果をうたう健康食品については、「プエラリア・ミリフィカ」を含む商品について、以前、措置命令および課徴金納付命令が出されています。今回の措置命令で対象となった「『プエラリア』で満足できなかった女性」という記載の「プエラリア」というのは、この「プエラリア・ミリフィカ」のことですね。

「「プエラリア・ミリフィカ」を含む健康食品の危険性(国民生活センター)」
                              (2017/7/21)

「プエラリアのバストUP広告に対する課徴金納付命令など」 (2018/3/24)

2018年7月27日 (金)

電子商取引及び情報材取引等に関する準則の改訂(経産省)

 本日、経済産業省が、 「電子商取引及び情報材取引等に関する準則」につき、AIやブロックチェーン等最新技術が取引環境にもたらす変化等を踏まえた改訂を公表しています。

  → 経済産業省ニュースリリース

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 「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」は、電子商取引や情報財取引等に関する様々な法的問題点について、民法をはじめ、関係する法律がどのように適用されるのかを明らかにすることにより、取引当事者の予見可能性を高め、取引の円滑化に資することを目的として、平成14年3月に策定されたもので、毎年のように改訂がなされています(前回改訂は、平成29年6月)。

 今回の改訂内容は以下の通りです。

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 1.取引環境の変化に応じた改訂を要する論点

Ⅰ-10
AI スピーカーを利用した電子商取引(新規)

 電子商取引の分野においても、AI やブロックチェーンを初めとする新たな技術を活用したサービスが登場・普及しつつある。こうした新たなサービスの利活用の促進、未然の紛争防止等を目的に、準則においても先進的なサービスを巡る法的論点を取り上げることとし、本論点では、いわゆる AIスピーカー(スマートスピーカー)を対象に、サービス事業者の責任について解説している。

Ⅰ-10-1
AIスピーカーが音声を誤認識した場合(新規)
      
 AI スピーカーが発注者の発言がないのに誤って音声を認識し、発注処理をした場合、ユーザにどのような救済が与えられるかを整理している。

Ⅰ-10-2
AIスピーカーに対して発注者が言い間違いをした場合(新規)

 発注者が AI スピーカーで音声発注をしようとして、うっかり言い間違えをしてしまったため、発注者の意図と異なる物品が発注された場合に、発注者にどのような救済が与えられるのかを整理している。

Ⅲ-14
 ブロックチェーン技術を用いた価値移転(新規)      

 ブロックチェーン上で管理される財産的価値(トークンや仮想通貨等)の移転を約する契約(例:ビットコインによる商品・サービスの購入など)において、相手方が契約違反をした場合、当該財産的価値の移転を内容とする請求が可能かについて解説している。

Ⅳ-7
 国境を越えた取引に関する製品安全関係法の適用範囲(新規)

 公法規制の国境を越えた取引における適用は、今日の電子商取引・情報財取引における大きな課題となっていることを踏まえ、製品安全関係法(消費生活用製品安全法、電気用品安全法、ガス事業法、液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律)が海外の事業者に適用される場合がある場合について解説している。

2.特定商取引法施行規則改正に伴う改訂

Ⅰ-2-4
 自動継続条項と消費者契約法第 10 条等

Ⅱ-4-2
 特定商取引法による通信販売に係る広告規制

3.論点の削除

Ⅰ-1-3
 インターネット通販における分かりやすい申込画面の設定義務
 (消費者庁のガイドラインを参照しているのみであるため、削除)

4.その他

Ⅰ-1-2
 自動継続条項と消費者契約法第 10 条等
 (消費者庁のガイドラインへの参照を追記)

Ⅰ-7-1
 ユーザー間取引に関するサービス運営事業者の責任
 (ユーザー間取引にフリマサービスを含むことを明確化)

Ⅱ-6
 インターネット上への商品情報の掲示と商標権侵害
 (ユーザー間取引にフリマサービスを含むことを明確化)

2018年7月26日 (木)

「太る」サプリについての優良誤認表示(消費者庁)

 昨日、消費者庁は、株式会社Life Leaf(東京都港区)に対して、同社の販売する健康食品「ファティーボ」の表示について、景品表示法に違反する不当表示(優良誤認)であるとして、措置命令を行っています。

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 → 消費者庁公表資料 (PDF)

 最初、ネットの記事を見たとき、よくあるダイエット食品の痩身効果の不当表示の事案かと思ってしまいましたので、記事に「肥満効果をうたうサプリに措置命令を行うのは今回が初。」とあったので、ええっ!となったのですが、よく見ると、痩身をうたうダイエット食品ではなくて、太りたい人向けの商品でした。私などは、油断すると(油断しなくても?)、どんどん太ってしまいますが、太りたいのに太れない、という人からすると切実な問題でしょう。

 本件は、自社webサイトや商品に同梱のチラシの表示についてのもので、例えば、自社ウェブサイトにおいて、「太れない体質だとあきらめたくない!」、「女性らしい美ボディに!健康的にふっくらしたい」、「3ヶ月で5.1kg増えた『7つの秘訣』プレゼント!」等と記載するなどすることにより、あたかも、この商品を摂取することにより、容易に肥満効果が得られるかのように示す表示をしていました。しかし、消費者庁が、景品表示法7条2項に基づいて、Life Leafに対し、表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、同社から資料が提出されましたが、それらの資料はいずれも、表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものとは認められないものだったとして、優良誤認とされたものです(不実証広告制度)。
                          ※ 画像は消費者庁公表資料より

2018年7月25日 (水)

マクドナルドの「ローストビーフバーガー」に措置命令(消費者庁)

 昨日、消費者庁は、日本マクドナルド株式会社(東京都新宿区)に対し、同社の「東京ローストビーフバーガー」、「東京ローストビーフマフィン」とこれらを含むセット料理の表示(テレビCM、自社サイト、店頭など)が、景品表示法に違反する不当表示(優良誤認)であるとして、措置命令を行いました。

  → 消費者庁公表資料 (PDF)

 これは、例えば「東京ローストビーフバーガー」について、テレビCMにおいて、「しっとりリッチな東京ローストビーフバーガー」との音声と共に、ローストされた牛赤身の肉塊をスライスする映像を放送するなど、あたかも、使用されている「ローストビーフ」には、ブロック肉を使用しているかのように示す表示をしていましたが、実際には「ローストビーフ」の過半について、成形肉(牛赤身のブロック肉を切断加工したものを加熱して結着させて、形状を整えたもの)を使用していた、というものです。

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                    ※画像は消費者庁公表資料より

 昨年8月の事案ですが、当時、ネット上では、この商品について、いろいろとツッコミがされていました。例えば、J-CASTニュースでは、 「マックの「ローストビーフバーガー」騒動 豚肉説は誤解も...もう一つの「疑問」が」(2017/8/14)という記事を出しています。
 本来は「ローストビーフ」は塊のブロック肉を使うもので、成形肉を使ってはいけないことは食品衛生法に基づく製造基準に書かれており、2013年には、複数の企業がこれに違反していたことが報道されています。本件を食品衛生法上どう見るか、というのは、このJ-CASTの記事にもあるように、ちょっと微妙なところがあります。

 なお、成形肉を使ったことによる景品表示法違反の事件は過去にも、いくつかありますが、詳しくは、下記のブログ記事をご覧下さい。

「牛脂等注入肉と成形肉の偽装表示に関して(景品表示法)」 (2013/11/10)

2018年7月16日 (月)

「カフェパウゼで法学を-対話で見つける〈学び方〉」(横田明美著)

 横田明美先生(千葉大大学院准教授)が、主として法律を学ぶ学生向けに書かれた書籍を出版されました。

 「カフェパウゼで法学を-対話で見つける〈学び方〉」 (弘文堂)です。

 横田先生は、行政法を専門とされていますが、行政法消費者法とが交錯する分野についても研究されており、先生のブログの1つ「横田明美研究室」でも、

 「「ロボットと消費者保護 行政法の視点から」を報告しました」

 「主婦連・全地婦連が検討した法的手段~処分等の求めとは」

というような記事を読むことができます。

 消費者法というと、従来、弁護士にせよ、研究者にせよ、民事法の面からのアプローチが中心だったように思いますが、特定商取引法にしろ、景品表示法にしろ、もちろん、各種の業法にしろ、その多くは行政法でもあるわけです。なので、特定商取引法業務停止命令や、景品表示法措置命令・課徴金納付命令などなどの行政機関による権限行使、執行が、消費者問題に関しても重要な役割を果たすのですから、行政法からの視点も重視しなければならないことは当然です。横田先生には、この分野でますます活躍されること期待しています。

 さて、今回出版された本ですが、なかなか可愛らしい装丁になっています。

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 内容は、ぱうぜ先生(横田先生のハンドルネーム)と学生3名の対話を中心として、高校までの勉強と大学の研究の違い、大学での学び方、論文の書き方、進路などについて、学生たちに丁寧に指導、説明する内容になっています。構成は以下のようになっていますが、最後の第Ⅴ部から読み始めても、取っつきやすいかな、と思ったりしました。

 第Ⅰ部 大学生活を楽しもう――1年生編
 第Ⅱ部 レポートをちゃんと書いてみよう――2年生編
 第Ⅲ部 法学を学ぶあなたに――3年生編
 第Ⅳ部 卒論を書いてみよう――卒論編
 第Ⅴ部 自分の未来を作るには――進路編

 四半世紀以上も前の私の法学部生時代には、大学は今ほど学生たちに親切ではなかったですので、法学部に入ってみたものの、法律学の考え方を本当に理解できるまで結構時間がかかりましたし、大学で何をするのか、といった基本的なことも試行錯誤の世界でした。自分でつかんでいくことも、もちろん重要なのですが、基本的な方向付けは指導してもらうことができれば、余計な時間を費やしたり、方向違いを起こしたりすることは減っただろうと思います。

 法学関係の学生さんには是非読んでいただきたい一冊ですね。

2018年7月 3日 (火)

老人ホームのパンフレット表示に対する措置命令(消費者庁)

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 本日、消費者庁は、HITOWAケアサービス株式会社(東京都港区)に対し、同社が運営する有料老人ホーム「イリーゼ」において提供するサービスに関するパンフレットの記載内容が、不当表示(景品表示法5条3号)であるとして、措置命令を行っています。

 昨日の神戸大学法科大学院の消費者法の講義で、ちょうど景品表示法の話をしたところですので、来週の講義にはこれを資料に持って行こうと思います。

 → 消費者庁公表資料 (PDF)

 「イリーゼ」は北海道から沖縄まで100個所以上もの施設があるようですね。

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 このパンフレットには、「終の棲家として暮らせる重介護度の方へのケア」とした上で、「寝たきりなど要介護度が重い方もお過ごしいただくことができます。ご希望の方には、医療機関と連携しご家族様のお気持ちに寄り添いながら看取り介護にも対応しております。」と記載されていました(画像は、消費者庁公表資料より)。
 しかし、実際には、入居者の行動が、他の入居者や従業員の生命身体に危害を及ぼし、または、その切迫したおそれがある場合であって、「イリーゼ」における通常の介護方法又は接遇方法ではこれを防止することができないときは、当該入居者との入居契約を解除することがある、とのことのようです。

 措置命令の本文を見ても、本件の契約解除というのが、契約上記載されているということなのか、契約には書いていないが現実に解除している、ということなのか、明確ではないのですが、記載されている内容の契約条項があるとして、通常は、その条項自体が違法だとか無効だとかまでは言えないと思います。本件の措置命令は、もしそういうことならば、ちゃんとパンフレットに記載しておきなさい、というものです。

 景品表示法不当表示は、5条1~3号に規定され、優良誤認表示(1号)、有利誤認表示(2号)、告示指定表示(3号)となっています。
 3号の告示は、現在6種類(記事最後に記載)ありますが、本件はその内の、「有料老人ホームに関する不当な表示」6項(居室の利用についての表示)に該当するものとして措置命令が出されました。   
 これは「終身にわたって入居者が居住し、又は介護サービスの提供を受けられるかのような表示であって、入居者の状態によっては、当該入居者が当該有料老人ホームにおいて就寝にわたって居住し、又は介護サービスの提供を受けられない場合があるにもかかわらず、そのことが明りょうに記載されていないもの」が不当表示となるものです。

 措置命令の対象となる不当表示のほとんどは、優良誤認表示有利誤認表示ですので、この指定告示表示はかなり少ないのですが、比較的多いのが原産国表示で、最近では、昨年6月のボーネルランド社の玩具についての措置命令があります。

 → 「玩具の商品原産国に関する不当表示(景表法5条3号)の措置命令」
                                (2017/6/23)

 なお、不当表示課徴金は、優良誤認表示有利誤認表示が対象となっており、本件の3号の告示指定表示については対象となっておりません。

〔告示〕(リンク先は消費者庁サイトのPDF)   

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