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2017年11月の記事

2017年11月30日 (木)

民法(債権法)大改正といわゆる「電子(消費者)契約法」

 民法(債権法)の大改正となって、施行に向けて、私たち専門家も関連企業も、その勉強なり準備なりに迫られているところです。

 昨日は、私が所属するNPO法人・消費者ネット関西の理事会にて、消費者問題と関連して概括的な勉強会を行いました。

 今回の大改正によって、民法そのものだけではなく、当然ながら、民法の特別法など他の法令の内容にも大きな影響を与えることになります。そのための関連法の整備のために、 「民法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」という法律(以下、整備法と略します。)も成立しておりまして、関連するたくさんの法律の改正の内容が定められています。

 この整備法の規定には、いわゆる「電子契約法(電子消費者契約法)」と称されている法律も含まれています。この法律の正式名称は、 「電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律」で全部でわずか4ヶ条のみの法律です。1条は趣旨、2条は定義で、中身的には、3条民法95条(錯誤)の、4条民法526条、527条(隔地者間の契約の成立時期等)について、それぞれ民法の規定の特例を定めている法律です。

 上にも略称をカッコ書きで書いていますが、 「電子契約法」だと何だか大層な電子契約全般に関する基本法みたいな印象を受けますし、 「電子消費者契約法」も若干大層なうえに、3条電子消費者契約を対象とするものであるのに対して、4条はそれに限らず広く電子契約に関するものですので、ちょっと誤解が生じることになります。私は、2つの法科大学院で、それぞれ消費者法と情報法の授業を担当しておりますので、この法律はどちらの授業でも取り上げるのですが、略称については、いつも言い訳をしながら使っていました。そういう印象を軽減するために、 「電子(消費者)契約特例法」という名称を使ったこともあります。

 前置きが長くなりましたが、今回の民法(債権法)大改正に伴って、この法律がどうなるか、ということは、整備法298条に規定されていて、3条に関連しては、民法95条に関する改正がありますので、 「第95条ただし書き」 「第95条第3項」に、 「電子消費者契約の要素に錯誤があった場合であって、当該錯誤が」「意思表示が同条第一項第一号に掲げる錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであり、かつ、」 に変わります。前者は条文番号の変更に伴うものであり、後者は、これまでのいわゆる「要素」の錯誤の部分の表現が変わりましたので、それによるものです。

 そして、4条については、民法における隔地者間の契約成立時期等が、改正により、従前の(意思表示の)発信主義が、到達主義(一般の契約成立の場合の原則)に変わるため、発信主義の例外を定めていた4条は不必要になりますので、削除となります。それに関連して、1条(趣旨)、2条(定義)4条関連部分も削除されます。

 また、法律の名称自体も、4条が削除されたことにより、 「電子消費者契約に関する民法の特例に関する法律」と変わりますので、「電子消費者契約法」とか「電子消費者契約特例法」と略称してもおかしくないことになりました。

2017年11月27日 (月)

「eスポーツと景品表示法」(白石忠志東大教授)を読んで

 eスポーツというのは、本来のスポーツ=運動競技とは異なり、コンピュータゲームによる競技の大会です。このeスポーツに関して、欧米では盛んに行われているのに、日本ではあまり開催されないのは、景品表示法の景品規制により、賞金の最高額が10万円と低額だから、という話を、最近、特にネット上で見ます。日経電子版でもそのような紹介があったようです(本年7月19日付)。

 この景品表示法の件は以前から言われてはいたのですが、カジノなどの研究者である木曽崇氏が、昨年、消費者庁に、この問題について意見照会したところ、消費者庁もこれを認めた、という話が一挙に拡がった、というところが現在の状況です。これについては、私も、若干、消費者庁の回答の内容の検討がなされないまま、結論だけが一人歩きをしている感じがしておりました。

 そして今回、この問題について、独占禁止法景品表示法などの研究者である白石忠志東京大学教授が、東京大学法科大学院ローレビュー(Vol.12 2017.11)に、 「eスポーツと景品表示法」という論説を掲載されました。この論説はネットで読むことができますので、詳しくはそちらをご覧下さい。ただ、景品表示法の景品規制の制度についての基礎知識がないと、ちょっと難しいかもしれません。

 白石教授は、冒頭で、「この問題に関する検討材料を提示しようとするものである。」とされ、景品規制の制度の紹介と趣旨の解説の後、上記の木曽崇氏による意見照会(法令適用事前確認手続)と消費者庁の回答の内容を踏まえて、eスポーツの大会を、大きく2つに分けて検討されています。ひとつは、 「一般ユーザー競技大会」の場合で、もうひとつが、 「一般ユーザー観戦大会」の場合です。前者は、一般の(普通の)ユーザーが競技者となることを中心とする大会で、後者が、有名選手らによる高度な大会で一般ユーザーは観戦することが中心である大会とされています。もちろん、白石教授も、この中間形態の大会があることは前提として、検討のための単純化したモデルを示されているものです。また、ここでは、ゲーム開発会社が大会を主催し、賞金も当該会社が提供することを前提とされています。

 そのうえで、従前の当局(公正取引委員会消費者庁)の関連する告示、運用基準等の紹介をされて、特に「一般ユーザー観戦大会」の場合は、 「顧客を誘引する手段として」(景品表示法2条3項)に該当しないと考えることができるのではないか、そして、 「一般ユーザー競技大会」の場合であっても、一定の要件を満たす場合には、同様に考えられるのではないか、と述べられています。

 「優等懸賞」 (単純なくじや抽選ではなく、特定の行為の優劣又は正誤によって景品類が提供される方式。)や、 懸賞の例外とされている「セールスコンテスト等」、また以前に規制が廃止された「オープン懸賞」などについての従前の考え方も丁寧に解説されており、eスポーツの賞金問題に関する議論が一人歩きしている現在の状況において、大変タイミングの良い素晴らしい論説かと思って、読みました。

2017年11月25日 (土)

「ガンが治る」飲料水の連鎖販売取引業者への業務停止命令(特商法)と電子治療器?に関する記事

 昨日(11月24日)、消費者庁は、 「ナチュラルDNコラーゲン」と称する清涼飲料水を販売する連鎖販売業者であるフォーデイズ株式会社(東京都中央区)に対して、特定商取引法に基づく業務停止命令(6ヶ月)を行いました。連鎖販売取引に係る取引の一部(新規勧誘、申込受付及び契約締結)の停止を命じたものです。

 「連鎖販売取引」とは、いわゆるマルチ商法のことで、特定商取引法において厳しい規制がなされています。ただし、本件に関しては、連鎖販売取引特有の規制に関するものではなく、一般的な訪問販売であっても同じことです。

 また、あわせて、フォーデイズに対して、特定商取引法に基づいて、   

  1. 商品購入者に対して、「本件商品を摂取することで、あたかも病気の治療若しくは予防又は症状の改善ができるかのように告げていたことがあるが、本件商品にはそのような効能はない。」旨を通知し、結果を消費者庁に報告すること。
  2.    
  3. 特定商取引法違反行為の発生原因について、調査分析の上検証し、結果を消費者庁に報告すること。
  4.    
  5. 再発防止策及びコンプライアンス体制について、消費者庁に報告すること。

を指示しています。

  → 消費者庁公表資料 (PDF)

 今回、認定された違反行為は、氏名等不明示及び不実告知です。

 具体的には、   

  •  連鎖販売取引をしようとする際に事前連絡なく自宅訪問し、勧誘に先立って、会社の名称、連鎖販売取引勧誘目的、商品の種類を明らかにしなかったこと(特定商取引法33条の2〔氏名等明治義務〕違反)
  •    
  •  連鎖販売締結勧誘をするに際し、そのような効能がないのに「これを飲んだら目が治ります。」、「脳幹出血も改善します。」、「鬱っぽい気持ちになっているお母さんの状態も治り、絶対元気になるから。」、「多くの人の病気が治っているし、ガンが治った人もいる。」、「パーキンソン病が良くなって、デーサービスに行けるようになった。」、「杖なしでは歩けなかった人が、歩けるようになった。」、「血液検査の数値が改善された人もいる。」、「父は膀胱がんになったんだけど、治りました。」など、病気の治療、予防、症状の改善ができるかのように告げていたこと(特定商取引法34条1項1号〔不実告知〕違反)

というものです。   

 本件は、特定商取引法違反行為ということで業務停止という消費者庁の行政処分がなされましたが、根拠なく病気が治るというようなセールストークを行って消費者に商品を買わせるというのは、景品表示法違反(優良誤認表示)に該当して、措置命令課徴金納付命令の対象となります。もちろん、医薬品ではない、ただの健康食品(飲料水)の販売に際して人体への効能効果をうたうことは、薬機法(旧薬事法)にも違反する行為であり、こちらは、刑罰の対象となる犯罪行為です。そして、当然のことながら、効果がないことを知りながら消費者を騙して商品を購入させることは、刑法上の詐欺罪に該当する犯罪です。本件では、相当の売上をあげているようですし、今回の特定商取引法による業務停止命令だけではなく、これらの法令を厳格に適用してほしいものです。特に、要件に該当するのであれば、課徴金納付命令を行って収益を取り上げてほしいですね。

 さて、こういった効能効果を宣伝文句にして健康食品を売りつける詐欺的な商法については、これまで何度も当ブログで取り上げてきたところですが、上記の業務停止命令と同じ昨日、朝日新聞の長野剛記者が、電子治療器(?)に関して、このような記事を書かれています。

  → 「元大臣も称賛!? 「何でも治る」治療器の社長、根拠論文は「ない」」   
                     withnews 長野 剛(朝日新聞記者)

 詳しくは、リンク先の記事を読んでいただきたいですが、こちらは健康食品ではなく、医療機器のような機械です。医薬品と同じで、医療機器として認定されていない機械などの使用により身体への効能効果をうたうことは薬機法(旧薬事法)で禁止されていますので、記事の通りだとすれば、薬機法違反ということになろうかと思います。もちろん、根拠なしに効能効果をうたうことが景品表示法違反(優良誤認表示)にあたる可能性が高いことは上の事案と同様です。

2017年11月19日 (日)

AirbnbとAmazonの排他的取引の報道(独占禁止法)

 独占禁止法に関連する米系企業の2つのニュースが続けて流れてきました。

 1つは、いわゆる「民泊」の世界最大の紹介サイトを運営しているアメリカのIT企業「Airbnb」(エアビーアンドビー)が、民泊を行う国内の業者に対し、他の民泊紹介サイトに情報を掲載しないよう求めていたとして、公正取引委員会が、独占禁止法違反の疑いで、10月に日本法人Airbnb Japan(東京都)に立入検査をしていたことがわかった、というものです。

 もう1つは、インターネット通販大手のAmazonが自社の人工知能(AI)スピーカー「Amazon Echo」(アマゾン エコー)を国内発表した11月8日以降、競合するLINEのAIスピーカー「clova wave」(クローバ ウェーブ)のAmazon内での販売を禁止したことがわかった、というものです。LINEAmazon内に正式サイトを出店していて、このclova waveも販売していたのですが、Amazonの商品一覧から削除されたとのこと。

 Airbnbの事案は、取引先である民泊業者に対して、ライバル業者と取引するな、という形であるのに対して、Amazonの事案は第三者への圧力ではなく、自社の通販サイトでの販売をできなくさせた、という形で、少し異なりますが、市場において強い支配力を持つ企業が、ライバル業者の事業を妨害する結果となる点では似ています。

 Airbnbの事案については、公正取引委員会が立入検査を行ったのは、各社の報道では同社も認めているということですが、公正取引委員会は現段階では何らの公表を行っていないので、どういった疑いで調べているのかは明らかではありません。

 公正取引委員会の流通・取引慣行ガイドラインでは、

市場における有力な事業者が,例えば次のように,取引先事業者に対し自己又は自己と密接な関係にある事業者の競争者と取引しないよう拘束する条件を付けて取引する行為取引先事業者に自己又は自己と密接な関係にある事業者の競争者との取引を拒絶させる行為取引先事業者に対し自己又は自己と密接な関係にある事業者の商品と競争関係にある商品の取扱いを制限するよう拘束する条件を付けて取引する行為を行うことにより,市場閉鎖効果が生じる場合には,当該行為は不公正な取引方法に該当し,違法となる(一般指定2項(その他の取引拒絶),11項(排他条件付取引)又は12項(拘束条件付取引))。」

とされています。

 Amazonの事案は、上記の通り、取引先事業者に対する行為ではないので、Airbnbの事案とは異なります。また、こちらは、現時点で公正取引委員会が動いたとかの事案ではありませんし、Amazonがどのような規制をかけたのかが明らかではありませんが、産経新聞の記事では、舟田政之立教大名誉教授が、独禁法違反の可能性もある、というコメントが出されていますね。   
 こちらのほうは、私的独占とか単独の取引拒絶(ボイコット)などが思い浮かぶのですが、AIスピーカーという新しい商品分野に関して、Amazonが後発で発売している状況であり、しかも、LINEは自社サイトを含め他の流通ルートでの販売は可能ですので、そこらあたりをどう考えるかでしょうか。   
 なお、Amazonによる販売禁止商品に関しては、Apple TVAmazonで販売ができない状態が続いているようです(最近、和解したとかのようですが。)。

2017年11月17日 (金)

ジャパンライフに3回目の業務停止命令(特定商取引法・消費者庁)

 本日、消費者庁は、ジャパンライフ株式会社(東京都千代田区)に対して、特定商取引法違反行為があったとして、平成29年11月18日から平成30年11月17日までの12か月間、業務提供誘引販売取引      
に係る取引の一部(新規勧誘、申込受付及び契約締結)
を停止するよう命じました。

 今回、認定された違反行為は、勧誘目的等不明示、故意による事実不告知、契約書面不交付及び迷惑解除妨害ということです。詳しい違反行為の内容は消費者庁のプレスリリースをご覧ください。

  → 消費者庁公表資料 (PDF)

 ジャパンライフは磁石を埋め込んだベルトなど磁気治療器の預託商法などを展開する会社であり、特定商取引法、特定商品預託法に基づいて、昨年(平成28年)12月16日に3ヶ月、本年3月16日に9ヶ月の、勧誘、申込受付及び契約締結についての業務停止命令を受けており、1年の間に3回目の業務停止命令を受けたということになります。

 以下は、過去2回の業務停止命令についての消費者庁のプレスリリースです。

  → 1回目 消費者庁公表資料 (PDF)

  → 2回目 消費者庁公表資料 (PDF)

 1回目(3ヶ月)も2回目(9ヶ月)も業務停止命令の対象となったのは、

 預託等取引契約に関する業務の一部(勧誘、申込受付及び契約締結)      
 訪問販売に関する業務の一部(勧誘、申込受付及び契約締結)      
 連鎖販売取引に関する取引の一部(勧誘,申込受付及び契約締結)

でした。2回目の業務停止命令については、本年12月16日までですので、現在も停止期間中です。

 今回は、特定商取引法で定める「業務提供誘引販売」の取引の一部(勧誘、申込受付及び契約締結)が対象となっています。

 「業務提供誘引販売」というのは、いわゆるモニター商法や内職商法などがその典型で、ちょっと難しいのですが、その要件は、特定商取引法51条によれば、

(1)「業務提供利益」を収受しうることをもって顧客を誘引し、      
(2)「特定負担」を伴う、      
(3)「商品の販売もしくはそのあっせん、または役務の提供もしくはそのあっせんに係る取引」

となっています。   
概要はこちらを参照ください。 → 業務提供誘引販売取引|特定商取引法ガイド

 なお、以前このブログでもご紹介しましたが、ドロップシッピング業者の行為がこれにあたるとした判決を私も所属していた弁護団でとったことがあります。

  → 「悪質ドロップシッピング業者に対する勝訴判決(大阪地裁)」 (2011/3/25)

 ジャパンライフは、2回も業務停止命令を受けて、その取引の悪質性が指摘されていたにもかかわらず、それを改めることなく、違法な勧誘行為を続けていたわけです。もちろん、今回の1年間の業務停止命令は同社の経営に大きな影響を与えるものと思われます。

【追記】(11/17)

 どうやら2回目の業務停止命令を受けたので、3月以降に、新しく業務提供誘引販売取引を開始したようですね。

 高齢者などに装着タイプ磁気治療器を販売する際に、商品の拡販や宣伝活動を条件に、販売価格の6%の金額を毎年支払うという契約を締結していたとのことです。

2017年11月13日 (月)

中古車走行距離の不当表示に対する長野県の措置命令

 この土曜、日曜に開催された情報ネットワーク法学会研究大会(第17回、於:名古屋大学)に行ってきました。例年通り、盛りだくさんのテーマでしたが、情報法関連の最先端の報告、議論に触れることができました。


 さて、11月10日、長野県は、中古車販売業「サミット」を経営する有限会社ヴィアン(長野県安曇野市)に対して、景品表示法に基づく措置命令を行っています。 

 これは、ヴィアンが、中古自動車の取引に関して、中古自動車のサイトや中古自動車情報誌に、同社の中古自動車情報を表示掲載していましたが、その走行距離等の表示内容について、実際のものよりも著しく優良である示すことにより、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められる表示(優良誤認表示)をしていた、というものです。

 → 長野県県民文化部プレスリリース

 長野県による景品表示法措置命令は今回が初めてです。   
 都道府県による措置命令は、景品表示法の改正により、平成26年12月以降、行うことができるようになったもので、既に3年近く経過していますが、この間、実際に措置命令が出されたのは、わずかであり、今回の長野県措置命令で全国で9件目(7道県)ということになります。

 東京都のように景品表示法や条例に基づいて、多数の改善の指示を出しているところもありますので、措置命令の数だけで単純にはいえません。しかし、景品表示法が改正されて、せっかく措置命令の権限を与えられたのに、いまだに多くの都府県で1回も行使されていないようでは意味がないですね。

 ご参考までに、これまでの8件について、下に並べておきます(新しい事案順)。
 詳しい内容は、各都道府県のサイトなどにありますので、検索してみてください。

 なお、当ブログで扱ったものについては、記事のリンクも付けていますので、興味のある方はご覧ください。                     

福岡県 賃貸住宅 おとり広告 2017/8/30
北海道 食品原材料 優良誤認 2017/8/22
静岡県 シルク衣料 優良誤認 2017/8/8
静岡県 シルク衣料 優良誤認 2017/8/8
静岡県 桜エビ 優良誤認 2017/3/30
広島県 小顔矯正 優良誤認 2016/3/9
岐阜県 牛肉(産地) 優良誤認 2016/2/3
埼玉県 中古車(修復歴) 優良誤認 2015/12/25

          ※3,4は同時に2社が対象となったもの

(当ブログ記事)   
  6について   
   → 「「小顔矯正」の宣伝表示を不当表示とした広島県の措置命令(他1件)」

  8について   
   → 「都道府県初の景品表示法に基づく措置命令(埼玉県)」

2017年11月 7日 (火)

「葛の花イソフラボン」を含む機能性表示食品に対する措置命令(不当表示)

 当ブログで今年8月6日に書きました記事機能性表示食品「葛の花イソフラボン」の不当表示調査の報道」で、消費者庁が調査を行っていることをご紹介した葛の花由来イソフラボンを含む機能性表示食品について、本日、措置命令が出されました。 

 これは、葛の花由来イソフラボンを機能性関与成分とする機能性表示食品の販売事業者16社に対して、景品表示法に違反する不当表示(優良誤認)が認められたとして、出されたものです。

 対象となったのは以下の16社です。

株式会社太田胃散(東京都文京区)、 株式会社オンライフ(東京都品川区)、 株式会社CDグローバル(東京都豊島区)、 株式会社全日本通教(東京都杉並区)、 ありがとう通販株式会社(神戸市中央区)、 株式会社ECスタジオ(東京都千代田区)、 株式会社協和(東京都福生市)、 株式会社スギ薬局(愛知県安城市)、 株式会社ステップワールド(東京都渋谷区)、 株式会社テレビショッピング研究所(東京都大田区)、 株式会社Nalelu(東京都江戸川区)、 株式会社ニッセン(京都市南区)、 日本第一製薬株式会社(福岡市博多区)

 → 消費者庁公表資料 (PDF)

 対象となった表示は自社webサイトや新聞、雑誌、テレビ広告などの表示で、16社は、それぞれ、あたかも、対象商品を摂取するだけで、誰でも容易に、内臓脂肪(及び皮下脂肪)の減少による、外見上、身体の変化を認識できるまでの腹部の痩身効果が得られるかのように示す表示をしていた。しかし、消費者庁景品表示法の規定(不実証広告)に基づき、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたが、提出された資料はいずれも当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものとは認められませんでした。

 また、注文数量に係る表示に関しても、1社(CDグローバル)は、自社webサイトやSNSにおいて、あたかも、商品の販売数量に関する具体的な予想を立て、当該予想販売数量を上回るほどの相当程度多数の注文を受けているかのように示す表示をしていましたが、実際には、具体的な数値予想を立てておらず、期間中における注文数は僅少であった、というものです。

 なお、今回の措置命令には、「その他」として、内11社が、対象商品の内容について、実際のものよりも著しく優良であると示す表示をしていた事実を、日刊新聞紙2紙に掲載したこと、内1社(ニッセン)は、対象商品の販売を終了し、全購入者に対して実際のものよりも著しく優良であると示す表示をしていた事実を通知するとともに、購入額の全額返金の措置を講じたことが記載されています。

 おそらく、本件に関しては、引き続いて、課徴金納付命令が出されることが予想されます。

【追記】(11/8)

 今回の商品は、別の製薬会社がOEM供給していたもののようですが、場合によっては、上記の販売会社らとの間で紛争が生じる可能性もあります。
 それについては、他の景表法事案での当ブログの別記事でも書いてますので、リンクしておきます。

 → 「景表法違反措置命令を受けた通販会社に対する製造メーカーの法的責任」(2016/3/25)

 また、今回の葛の花由来イソフラボンに関しては、今年9月に、もうひとつ別の記事を書いていましたので、それもリンクしておきます。

 → 「健康食品の痩身効果表示に対する消費者庁の処分に関する2題」 (9/29)

2017年11月 2日 (木)

第三者の比較サイトと見せかけた広告などが不当表示とされた事案(ステマ)

 消費者庁は、本日、株式会社ARS及び株式会社リュウセン(いずれも東京都台東区)に対し、両社の「日常生活における各種トラブルを解決するための役務」に係る表示について、景品表示法違反の不当表示(優良誤認)が認められたとして、措置命令を行っています。

  → 消費者庁公表資料 (PDF)

 これは、一般家庭など向けに電気や水道、鍵などのトラブルに関する生活関連サービスを事業としている両社が、自社のwebサイトの他に、自社とは無関係の事業者が運営するものであるかのように装ったwebサイトにおいて、サービス拠点の数や、従来の実績件数、テレビの取材件数などを過大に表示したり、根拠なく、「最大手」、「業界No.1」、「日本一」等の表示を行っていたものです。

 こういった生活サービス業者の広告表示についての不当表示措置命令が出されたのは珍しいですし、本件は自社サイトでの宣伝表示と共に、実際には自社が運営していて、表示内容を自ら決定しているにもかかわらず、見かけは自社とは無関係のサービス業者比較webサイトでの表示についての措置命令というのも珍しいですね。第三者の客観的なサービス内容の比較サイトであると見せかけて、消費者に対して自社が優良なサービスを提供しているかのごとく誤認させるもので、一種のステルスマーケティングであり、悪質な宣伝だと思います。

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