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2017年8月29日 (火)

「JAROの最近の審議事例にみるインターネット上の広告・表示の現状と課題」

 日本広告審査機構(JARO)が、8月22日付で、 「JAROの最近の審議事例にみるインターネット上の広告・表示の現状と課題」 (リンク先はPDF)を公表しています。

 これによると、平成28年度にJAROに寄せられたインターネット広告の苦情は1936件で、前年度比128.9%となり、今後も苦情は増えていくと予想され、その適正化は重要な課題であるとされています。

 最近の特徴としては、以前から多かった、自ら商品を販売を行う広告主が主体となる広告における表現の問題に加えて、アフィリエイターの存在が目立ってきているとしています。

 そして、平成28年度にJAROが警告を発した事例5件があげられています。詳しくは上のリンク先PDF資料を見ていただくとして、内4件が薬機法(旧薬事法)等違反に関するもので、その概要を紹介します。なお、他の1件はゲームアプリ内の課金イベントの告知表示が不適切とするものです。


【ケース1】

 健康食品事業者のケース。あるポータルサイトに、「○○症状の改善が期待できる成分A」とうたい、○○症状の要因について免疫系の働きを示唆する内容のバナー広告が掲載され、これをクリックすると、ポータルサイトとのタイアップによる記事体広告に移り、成分Aが○○症状に有効であることが研究により確認できたという内容になっていた。それだけなら商品広告にはならないので、薬機法の対象とはならないが、その記事体広告の最後にある「会社概要」をクリックすると、事業者のサイトに移動し、そこでは成分Aが配合された健康食品が購入できるようになっていた。

 これに対してJAROは、薬機法に抵触するおそれがあると指摘した。

【ケース2】

 大手ショッピングモールのメールマガジンに掲載された「気になる個所を集中ケア」などとうたうバナー広告をクリックすると、薬機法上不適切な表示が多い化粧品広告サイトに移動し、そこで購入ボタンをクリックするとショッピングモールにある広告主のショップに移る。そのショップの表示は適切。大手ショッピングモールは最初はその中間ページの内容も確認して不適切ではないと判断したようだが、その後ページを差し替えていた。

 JAROは、全体が化粧品の一連の広告に該当し、中間ページの表示は薬機法に抵触するおそれがあると指摘した。

【ケース3】 これは、アフィリエイターによるインフィード広告(twitter、facebookやニュースアプリなどのスマホのタイムライン中に出てくる広告)のケースですね。

 スマホ版のポータルサイトに掲載されたダイエットサプリメントに関するインフィード広告のリンク先はアフィリエイトサイトとなっていて、そのサイトの「購入はこちら」などのボタンから、サプリメント販売者の通販サイトに移動する。その通販サイトには不適切表示は少ない。しかし、アフィリエイトサイトには、飲むだけで痩身効果が得られるかのような文言や画像などの表示がされている。薬機法健康増進法は「何人も」が規制対象であるので、アフィリエイターであってもそれらに抵触するおそれがある、などと、JAROが警告を行った。

【ケース4】 これは比較ランキングサイトアフィリエイトのケースです。

 足がつる症状が改善するサプリメントのランキングを紹介するサイトで、そこが複数のサプリメントのアフィリエイト広告になっていて、商品名等をクリックすると、それぞれの商品の通販サイトに移動する。薬機法、健康増進法上問題となるおそれのある表示があるとして、JAROがサイト運営事業者に指摘をした。


 ケース3,4がアフィリエイト広告に関するものですが、景品表示法の表示規制の対象となるのは、商品やサービスを提供する事業者による表示ですので、アフィリエイターのように独自に広告を行う者は措置命令などの対象とはなりません。しかし、薬機法健康増進法の広告・表示規制は、そのような限定はなく、「何人も」となっているものです。

 今回のJAROの公表内容でも、その点を指摘しつつ、アフィリエイトサイトの不適切な表示であっても、本来の商品等提供事業者が、「表示内容に関与」した場合には、その事業者が景品表示法上の措置を受けるべき事業者に当たると考えられる、としています。このような点は、既に消費者庁「インターネット消費者取引に係る広告表示に関する景品表示法上の問題点及び留意事項」において指摘している点でもあります。

【追記】(8/30)

 読み直してみて、最後のところがちょっと説明不足で誤解を生じると思いますので、追記します。

 消費者庁「インターネット消費者取引に係る・・・・・留意事項」では、口コミサイトに関して、「商品・サービスを提供する事業者が、顧客を誘引する手段として、口コミサイトに口コミ情報を自ら掲載し、又は第三者に依頼して掲載させ、当該「口コミ」情報が、当該事業者の商品・サービスの内容又は取引条件について、実際のもの又は競争事業者に係るものよりも著しく優良又は有利であると一般消費者に誤認されるものである場合には、景品表示法上の不当表示として問題となる。」などとしていて、商品等供給事業者が関与している場合には景品表示法に違反する場合のあることを指摘しています。
 それで、その指摘のことを本文最後に記載したのですが、今回のJAROの公表内容は、そのような積極的な関与がなくても、場合によっては、当該事業者の不当表示に該当する、としており、より踏み込んだ内容になっていますので、その点の表現が欠けていました。

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