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2017年7月 8日 (土)

芸能プロダクションと芸能人との契約について公取委が調査との報道

〔※【追記】続報を別記事で書きましたのでご覧下さい。「芸能プロ契約問題と「人材と競争政策に関する検討会」(公取委)」 (7/13)〕

 

 先日、AKB48のメンバーの突然の結婚宣言があった際には、当ブログの今年初めの記事「アイドルの恋愛禁止条項の効力についての判決(その2)」 (2017/1/7)への訪問が増えたという現象が起こりました。

 若干それとも関連するのですが、NHKが、昨日(7月7日) 「大手芸能事務所など不公正な契約ないか調査 公取委」というニュースを報じています。(注:ニュースのリンクは一定期間経過後、切られるかと思います。)   
また、同様の内容で、NHK「クローズアップ現代」 「芸能人が事務所をやめるとき ~“契約解除”トラブルの背景を追う~」を放送しています(2017年3月1日)。

 この調査開始の報道は、公正取引委員会からの正式発表ではなく、関係者からの取材で判明、とするものですが、このNHKの報道によれば、「芸能人の所属事務所からの独立や移籍をめぐってトラブルになるケースが相次いでいることから、公正取引委員会が大手芸能事務所などを対象に独立や移籍を一方的に制限するなど、独占禁止法に抵触するような不公正な契約が結ばれていないかどうか、調査を始めた」とのことです。

 この記事の中で、「業界団体の統一契約書」というのが出てきますが、これは音楽芸能プロダクションなどの業界団体「日本音楽事業者協会(音事協:JAME)」が作成している「専属芸術家統一契約書」という標準契約書のことですね。もちろん、事業者団体の作成するこういった標準契約書は、各プロダクションに対して強制力を持つものではなく、あくまでも「ひな形」だろうと思いますが、ネットで検索しても、音事協のサイトを含めて、統一契約書は見つかりませんでした(あればご教示下されば幸いです。)。

 NHKの報道によれば、この統一契約書では、事務所と芸能人の関係について一般的な雇用関係ではなく、「互いに対等独立の当事者どうしの業務提携」と位置づけており、契約期間満了の翌日から自動的に契約が延長されるとしていて、芸能人側が契約の更新を希望しない場合であっても、事務所側が期間の延長を求めることができるとしている、とのことですし、タレントが芸能活動を休業したり事務所との契約を解除したりする際には、「事前に書面によって事務所側の承諾を得なければならない」としていて、ほかの事務所に移籍するなどして芸能活動を再開しようとする際にも、一定の期間は前の事務所の承諾を得る必要があるとしているようです。

 今回は、こういった契約内容が、独占禁止法上問題とならないか、についての調査検討を公正取引委員会が始めた、ということですね。

 なお、この動きにも関連するのだと思いますが、公正取引委員会に置かれている競争政策研究センター(CPRC)では、今年3月に、内部向け研究の一環として、フリーライターの星野陽平氏の講演を開催しており、その際の資料「独占禁止法をめぐる芸能界の諸問題」 (PDF)がサイトにあげられています。これはSMAP事件など最近の芸能界で起きた事件、芸能界の歴史、芸能事務所のビジネスモデルなどを踏まえて、アメリカの状況との比較を行って、提言がなされています。(蛇足:文中、「レッツゴー三匹」とあるのは、正しくは「レツゴー三匹」です。)

 お隣の韓国でも、以前から芸能人の契約が「奴隷契約」などと呼ばれて問題視されていますが、そういった中で、韓国の公正取引委員会は、「大衆文化芸術家標準専属契約書」を作成しており、2011年には、青少年芸能人の人権を保護する内容への改定がなされています(中央日報日本語サイト)。    
 また、先日の報道では、韓国大手芸能事務所が、芸能プロダクションと「練習生」との間の不公正な契約慣行に関して、公正取引委員会による是正措置を受けて契約内容を修正した、と報じられています(朝鮮日報日本語サイト)。

 さらに、韓国では、「大衆文化芸術産業発展法」(2014年1月公布)が作られており、これによって、上記の標準契約の普及や、女性や未成年の芸能人の人権保護が図ろうとしています。   
 → 国立国会図書館立法情報「【韓国】 大衆文化芸術産業発展法の制定」海外立法情報課藤原夏人(PDF)

 さて、日本の公正取引委員会は今後どういった動きを見せるのでしょうか。

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コメント

SMAPは、事務所から出て行けと言われたから正式な法的手続きを進めていたのに、事務所がワザと反故し、SMAPと他の所属タレントに対しての見せしめとして公開謝罪をさせて、解散はしないと言っててファンクラブ会費を集めた上、急に解散をして(本人達の意志で無く)、会費返還を求めれば、初めは無視をし、余りに要望が多かったので、渋々返還に応じてくれたが、勝手に手数料引きの金額だったり、人によって金額が違ったりと可笑しな話である。まともなマネジメントもせずCMもドンドン後輩タレントに挿げ替えられている。今回の公正取引委員会の話を言ったのはNHKだけだ。民放はスルーしている。才能有る人達が(SMAPだけで無く)安心して健全な活動が、出来る様になることを望みます。そうでなければ人に夢を与えられないから。

今回の報道は公取が発表したものではなく、NHKの独自報道ですからね。
また、ファンクラブとの契約とは無関係だと思います。芸能人と芸能プロの間の契約の問題です。

統一契約書の内容でしたら、星野陽平氏の著書『芸能人はなぜ干されるのか』に載っていますよ。
気楽にテレビが楽しめる日が戻ることを祈っています。専門家の先生が気にして下さることがとても心強いです。ありがとうございます。

ありがとうございます。
確認してみます。

星野氏の芸能人はなぜ干されるのか(増補新版)を確認してみましたが、残念ながら契約書自体は載ってませんでした。一部の内容の紹介のみでした。
付録にカリフォルニアの資料は付いているのに。
他所でもみないから、音事協は公開していないのかも知れませんね。

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