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2017年6月14日 (水)

医療機関の広告規制強化(医療法改正)

 本年6月7日に、国会で、医療機関がwebサイト(ホームページ)で治療効果に関する誇大な表現をすることを規制する改正医療法が可決、成立したことが報じられています。

 今回の医療法改正は広告以外の他の点の改正もあるのですが、ここではこの医療機関の広告の規制拡大についてご紹介します。

 今回の広告規制の改正は、医療法第2節 医業、歯科医業又は助産師の業務等の広告 のところが改正されるものです。

 改正の理由は、主に、美容整形手術など美容医療を巡るトラブルが増えていることを踏まえたものとされています。ただし、改正は美容医療のみを対象とするものではなく、医療機関等全般に対する規制強化となっていますので、その他の医療機関等も注意が必要です。

 従来の規制は、「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関しては、文書その他いかなる方法によるを問わず、何人も次に掲げる事項を除くほか、これを広告してはならない。」として、列挙された13項目以外は広告することを禁止する、という形での規制のみでした(改正前6条の5第1項)。

 そして、ここでいう「広告」について、これまで厚生労働省のガイドラインでは、webサイトや院内でのパンフレット、新聞・雑誌記事などについては該当しないものとされていました。webサイトに関し、厚労省は、「インターネットが広く普及している状況において、医療機関のウェブサイト等については、当該医療機関等の情報を得ようとの目的を有する者が、URLを入力したり、検索サイトで検索した上で閲覧するものであるため、当初より情報提供や広報として取り扱い、医療法の広告規制の対象としていない。」という立場を取っていたものです。

 今回の改正では、まず、 「何人も、医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関して、文書その他いかなる方法によるを問わず、広告その他の医療を受ける者を誘引するための手段としての表示(以下この節において単に「広告」という。)をする場合には、虚偽の広告をしてはならない。」とされ(新6条の5第1項)、虚偽広告の禁止を明確に規定しました。
 この条文をよく読むと、最初に出てくる「広告」とカッコ内に略称として出てくる「広告」は範囲が違うことがわかります。最初に出てくる「広告」は従来の厚労省のいう医療法上の「広告」であり、それを含めて、患者を誘引する手段としての表示も合わせて、略称としての「広告」ということになっています。それならば、なぜ、「広告等」の略称にしなかったか、よくわかりませんが。いずれにせよ、医療法第2節において、広い意味での「広告」について規制がかかるようになりました。

 そして、新6条の5第2項として、次の条文が入れられています。これと前項の「虚偽の広告」との関係は(そこまで調べてきれてませんので)よくわかりませんが、内容が虚偽というものに限定はされていないですね。

2 前項に規定する場合には、医療を受ける者による医療に関する適切な選択を阻害することがないよう、広告の内容及び方法が、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。   
 一 他の病院又は診療所と比較して優良である旨の広告をしないこと。    
 二 誇大な広告をしないこと。    
 三 公の秩序又は善良の風俗に反する内容の広告をしないこと。    
 四 その他医療に関する適切な選択に関し必要な基準として厚生労働省令で
   定める基準

 そして、従来の改正前6条の5第1項(上記)に該当する条文は、新6条の5第3項に移されました。少し変わりましたが、当然ここでいう「広告」も第1項での略称としての広義の「広告」ということになりますね(列挙事項も14号に増えてますが、6号が挿入されたくらいで、ほぼ変更なしです。)。
 「医療に関する適切な選択が阻害されるおそれが少ない場合として」省令で除外される事項があるようなので、それについては広告OKということにはなります。

3 第一項に規定する場合において、次に掲げる事項以外の広告がされても
 医療を受ける者による医療に関する適切な選択が阻害されるおそれが少
 ない場合として厚生労働省令で定める場合を除いては、次に掲げる事項
 以外の広告をしてはならない。 (1~14号略)      

   
なお、6条の7の助産師、助産所に関する広告についても、同様の改正がなされています。

 美容医療関連としましては、医療法とは別ですが、特定商取引法特定継続的役務契約の指定役務に、「美容医療」が追加指定されようとしています(政令で指定)。

 また、医療ではなく、美容エステの関係では、昨年度は、小顔矯正の広告について、消費者庁および広島県が複数の業者に対して、不当表示(優良誤認表示)であるとして、景品表示法に基づく措置命令を行っています。

「小顔矯正サービス事業者の不当表示に対する措置命令(消費者庁)」
                                   
(2016/6/30)

 このように、美容医療、美容エステの分野の広告については、規制も強化されましたので、今後、行政も厳しい対応を行う可能性が高いものと思われます。

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