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2016年12月27日 (火)

コメダ喫茶店の外観等に酷似する店舗に対し使用差止の仮処分が東京地裁で認められた事案

 人気の飲食店チェーン「コメダ珈琲店」に外観や内装が酷似しているとして株式会社コメダ(名古屋市)が、株式会社ミノスケ(和歌山市)を相手取って、ミノスケによる和歌山市内の「マサキ珈琲中島本店」の営業は、関西地方におけるコメダ珈琲店の郊外型舗と酷似した店舗外装 、内構造及び店舗外装 、内構造等を用いて行われおり、不正競争防止法の定める不正競争行為に該当することを理由として、店舗外観などの使用差止を求めていた仮処分の申し立てについて、12月19日付で、東京地裁(嶋末和秀裁判長)が差止を命じる決定をした、とのことです。

 コメダは、不正競争防止法2条1項1号(周知表示)もしくは2号(著名表示)に該当するとして申し立てたようですが、今回の決定の報道の内容から見ると、裁判所は1号該当として決定を出したのだと思われます。

 なお、チェーン店の店舗外観が不正競争防止法上問題になった事件としては、フジオフーズの事案(「まいどおおきに食堂」事件)があげられます(大阪地裁平成19年7月3日判決大阪高裁平成19年12月4日判決)。

 → コメダホールディングス公表資料(PDF) (双方の外観写真も掲載されています。)

 さて、では、申し立てたのは名古屋コメダ、相手方は和歌山ミノスケ、そして似ていると主張された店舗も和歌山所在なのに、この差止の仮処分事件は、どうして東京地裁で審理、決定されたのでしょう。以下は、その点について推測を交えて書いておきます(間違いがあればご指摘ください。)。

 仮処分や仮差押といった民事保全事件の管轄は、本案の管轄裁判所又は仮に差し押さえるべき物若しくは係争物の所在地を管轄する地方裁判所が管轄する(民事保全法12条1項)、となっています。

 だとすると、通常の事件であれば、普通裁判籍(民訴4条1項)は、被告の本店所在地(住所)ですので、和歌山地裁となります。ただ、民訴5条にはその他の特別の裁判籍が規定されています。しかし、それだけだと、やはり和歌山地裁か、せいぜい名古屋地裁(義務履行地の裁判籍)しか無理そうです。

 さらに、不正競争防止法の不正競争行為に関する事件であるところから、民訴6条の2の適用がありますが、これを単純にみると、和歌山地裁に加えて大阪地裁が選択肢に入るだけですね。

 ここで行き詰まってはいけないので、コメダの上記公表資料をよく見ると、「コメダは、上記の申立と同時に、東京地方裁判所に、㈱ミノスケを相手取って、上記仮処分命令の申立と同様の差止及び損害賠償を求める本案訴訟を 訴訟を提起しており、現在もその審理が行われています。」とあります。

 つまり、差止請求だけだと、本案訴訟は東京地裁管轄にはならないはずなのですが、差止に損害賠償請求も本案訴訟では加えているために、損害賠償債権は「持参債務」として義務履行地が名古屋となり、それが民訴6条の2によって、東京地裁でも本案訴訟を提起することが可能になっているのだと思われます。この場合でも、本案訴訟の提起を後日にして、仮処分申立だけをする場合、裁判所は東京では駄目、というかもしれませんが、本件では上記の通り、同時に申し立てており、本案訴訟は東京地裁に適法に係属しますので、仮処分事件も東京地裁で審理することには何ら問題がない、ということになりますね。

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