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2016年11月16日 (水)

窓用断熱フィルムの不当表示に対する措置命令の取消を求めた訴訟の判決

 「窓に貼るだけで冷暖房効率が30~40%アップする」などとする窓用断熱フィルムの表示に関し、平成27年2月27日に消費者庁から景品表示法違反(優良誤認表示)として表示の差止等の措置命令を受けた翠光トップラインとその子会社が措置命令の取消と約3億円の損害賠償を求めていた訴訟について、今月10日に東京地裁の判決が出ました。結果は原告両社の請求棄却。 

 この措置命令は、いわゆる「不実証広告制度」(景品表示法7条2項・現行法)に基づいて出されたもので、消費者庁が事業者に対して、その表示についての合理的な裏付け根拠資料の提出を求め、それが期間内に提出されなかった場合(資料提出があっても、それが合理的な資料でなかった場合を含む)には、その表示が優良誤認表示であるとみなされ措置命令を出すことが認められている規定です。この提出期間は原則として15日間とされており、事業者にとっては、かなり短い期間となっていますので、予め根拠資料を用意しておく必要があり、要注意です。 

 判決そのものが未公表であるため、報道の情報によりますが、判決は、両社が提出した資料が「学術界や産業界で一般的に認められた方法の実験ではなく、根拠となる資料には当たらない」と判断した模様です。 

 不実証広告制度において求められる「合理的な根拠資料」の判断基準については、消費者庁不実証広告規制に関する指針が公表されており、その中では、①提出資料が客観的に実証された内容のものであること、②表示された効果、性能と提出資料によって実証された内容が適切に対応していること、が求められており、この①の「客観的に実証された内容のもの」については、「試験・調査によって得られた結果」、「専門家、専門家団体若しくは専門機関の見解又は学術文献」のいずれかに該当するものとされています。そして、この指針の判断基準は従来の裁判例でも妥当であるとされています(オーシロ事件。東京高判平成22年10月29日。)。 

 今回の判決も、おそらくは、この指針の判断基準にのっとって、提出された資料が合理的な根拠資料には該当しない、と判断したものと思われます。 

 なお、原告の公式サイトによれば、控訴を検討しているとのことです。また、判決内容について、「判決報道において、「効果や性能を裏付ける資料がないという判断を裁判所が行った。」旨の報道がなされておりますが、正確には、・・・・「処分当時に」提出された資料では「表示」の合理的根拠として足りないという趣旨の判決になります。」としています。   
 これは、不実証広告制度に基づく措置命令を争う場合に、合理的根拠資料は、上記提出期間内に提出された資料に限定されるのか、その後、訴訟において根拠資料を提出した場合にはそれも含まれるのか、という問題があり、その点を示しているものと思われます。しかし、上記のオーシロ事件高裁判決は、この点に関して、提出期間内の提出資料が審理の対象となる、としています。このオーシロ事件判決については、私も、 「実務に効く公正取引審決判例精選」(泉水文雄・長澤哲也編/有斐閣)に簡単にですが解説を書いておりますので、よろしければお読み下さい。 

※景品表示法は最近の何度かの改正の度に条文番号が動いています。御注意ください。※

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