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2016年3月 1日 (火)

トマト酢飲料(特定保健用食品)の広告表示に対する健康増進法に基づく勧告(消費者庁)

 本日は、認知症の高齢者の家族に対するJRの損害賠償請求訴訟の最高裁判決が話題になっています。最高裁が高裁判決を破棄自判して、JRが敗訴したという結果の報道だけで、判決の中身(裁判所の具体的な判断内容)がまだ読めていませんので、現時点でのコメントは差し控えます。


 さて、消費者庁は、本日、ライオン株式会社(東京都墨田区)に対し、同社が製造販売する特定保健用食品「トマト酢生活トマト酢飲料」に関する新聞広告が、健康の保持増進の効果について、著しく人を誤認させるような表示であり、健康増進法31条第1項(誇大表示の禁止)に違反するものとして、勧告(健康増進法32条1項)を行っています。

 報道によれば、特定保健用食品の広告をめぐる勧告や、健康増進法の誇大表示禁止の規定に基づく勧告はいずれも初めてとのことです。

  → 「ライオン株式会社に対する健康増進法に基づく勧告について」
                                        (消費者庁・PDF)

 健康増進法は、国民の健康の増進の総合的な推進に関し基本的な事項を定めるとともに、国民の栄養の改善その他の国民の健康の増進を図るための措置を講じ、国民保健の向上を図ることを目的とする法律(1条)ですが、中には、受動喫煙の防止(25条)という規定があって、学校や病院、百貨店など公衆が集まるような施設では 利用者の受動喫煙を防止する措置を講ずるように努めなければならない、とされています。なので、そういった施設では、禁煙にしたり、喫煙場所を限定したりしないといけないわけですね。

 そして、今回の勧告のケースですが、特定保健用食品というのは、よく「トクホ」と略称されているもので、健康増進法26条1項などに基づいて、特別の用途のうち、特定の保健の用途に適する旨の表示をすることについて、消費者庁長官の許可又は承認を受けた食品です。しかし、医薬品ではありませんので、その用途の表示にあたっては、健康の維持、増進に役立つ、又は適する旨を表現するものであって、明らかに医薬品と誤認されるおそれのあるものであってはならない、とされています。

 本件では、ライオンが平成27年9月15日から同年11月27日までの期間、日刊新聞紙に掲載した広告において、次のような表示をしていました。

  •  健康増進法に規定する特別用途表示の許可等に関する内閣府令(平成21年内閣府令第57号)別記様式第3号に定める特定保健用食品の許可証票とともに、「ライオンの『トマト酢生活』は、消費者庁許可の特定保健用食品です。」
  •  本件商品についてのヒト試験結果のグラフとともに、「臨床試験で実証済み!これだけ違う、驚きの『血圧低下作用』。」
  •  本件商品を摂取している者の体験談として、「実感できたから続けられる!10年くらい前から血圧が気になり、できるだけ薬に頼らず、食生活で改善できればと考えていました。飲み始めて4ヶ月、今までこんなに長続きした健康食品はないのですが、何らか実感できたので継続できています。今では離すことのできない存在です。」
  •  「50・60・70・80代の方に朗報!」、「毎日、おいしく血圧対策。」、「“薬に頼らずに、食生活で血圧の対策をしたい”そんな方々をサポートしようとライオンが開発した『トマト酢生活』。」

 しかし、この商品が特定保健用食品として、「本品は食酢の主成分である酢酸を含んでおり、血圧が高めの方に適した食品です。」を許可表示とし、食生活の改善に寄与することを目的として、その食品の摂取が健康の維持増進に役立つ、又は適する旨を表示することのみが消費者庁から許可されているのであって、血圧を下げる効果があると表示することについて許可を受けているものではありませんでした。また、高血圧は薬物治療を含む医師の診断・治療によらなければ一般的に改善が期待できない疾患であって、この商品を摂取するだけで高血圧を改善する効果が得られるとは認められないものでした。

 上記の広告表示では、あたかも、血圧を下げる効果があると表示することについて消費者庁から許可を受けているかのように示し、また、薬物治療によることなく、本件商品を摂取するだけで高血圧を改善する効果を得られるかのように示す表示をしていたことになる、と消費者庁は判断し、勧告を行ったものです。

 今回の勧告は、(1)上記表示は、健康の保持増進の効果について、著しく人を誤認させるような表示であり、健康増進法に違反するものである旨を、一般消費者へ周知徹底すること、(2)再発防止策を講じて、これを役員及び従業員に周知徹底すること、 (3)今後、上記表示と同様の表示を行わないこと、が内容となっています。景品表示法の措置命令などと同様ですね。

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