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2016年3月 4日 (金)

クロレラチラシ配布差止請求事件の控訴審判決

 本日、特定商取引法消費者契約法の改正案が、閣議決定され、国会に提出されました。法案などの資料は、消費者庁サイトに掲載されています。これについては、また改めて書きたいと思います。

  → 消費者庁サイト(改正法案等) 

 ところで、本年(平成28年)2月25日、適格消費者団体の京都消費者契約ネットワークが原告となって、サン・クロレラ販売株式会社に対して、「日本クロレラ療法研究会」が作成名義の新聞折込チラシを配布することが、景品表示法の優良誤認表示および消費者契約法の不実告知に該当するものとして、チラシの配布の差止等を求めた消費者団体訴訟の控訴審判決が大阪高裁でありました。

 この訴訟の一審判決は、平成27年1月21日に京都地裁(橋詰コートですね。)で言い渡され、原告の請求が全て認められています。当ブログでは、景品表示法関係の行政処分や判決はほとんど記事にしていっているので、本来ならば、当然この一審判決も書いているはずのものなのですが、一昨年9月から昨年8月の間、ブログ更新が停まっていた期間の判決でしたので、残念ながら書いておりません。

  さて、今回の控訴審判決は、原告の完全勝訴だった一審判決を取り消して、請求を全て棄却する判決となりました。なお、京都消費者契約ネットワークでは、最高裁に上告したとのことです。一審判決、控訴審判決などは、京都消費者契約ネットワークのサイトに掲載されています。 

 → 京都消費者契約ネットワーク

  今回の控訴審判決は、「日本クロレラ療法研究会」名義のチラシの配布主体が、サン・クロレラ販売株式会社であることは一審同様に認定しました。 

 しかし、景品表示法の優良誤認に基づく差止に関しては、当時の表示内容のチラシは現時点では配布していないこと(一審判決後に配布をやめた。)、今後そういった内容のチラシを配布する(優良誤認表示を行う)おそれがあるとは認められず、差止の必要性がない、という理由でこれを否定しました。なお、チラシの表現が優良誤認表示に該当していたかどうかについては判断をしていません。

  そして、消費者契約法で規制されている勧誘の際の不実告知に該当するか否かについては、この規制の対象となる「勧誘」には、「事業者が不特定多数の消費者に向けて広く行う働きかけを指すものと解される。」、「不特定多数向けのもの等、客観的に見て特定の消費者に働きかけ、個別の契約締結の意思の形成に直接影響を与えているとは考えられないもの」は「勧誘」に含まれない、とし、新聞折込のチラシの配布は、特定の消費者に働きかけるものではなく、新聞を購読する一般消費者に向けられたものであり、個別の消費者の契約締結の意思の形成に直接影響を与える程度の働きかけとはいうことができないので、「勧誘」とは認められないとしました。また、ここでも、不実告知に該当するかどうかの判断はなされていません。

 つまり、景品表示法に基づく差止に関しては、差止の必要性がない、ことを理由に、消費者契約法に基づく差止に関しては、チラシ配布行為が「勧誘」に該当しないことを理由に、請求を認めなかったということになります。

 消費者契約法における「勧誘」の範囲の考え方としては、従前から政府解釈では、上記判決のように一般向けの広告、宣伝は該当しない、としていたのですが、これは狭すぎる、という解釈はあり、また、今回の消費者契約法改正作業の中でも立法的に範囲を拡大しようという声はあがっていました。ただ、一方で、経済界からの反対も大きく、結局、今回の改正案では「勧誘」の範囲拡大はなされないままとなっています。

【追記】(3/4)

 京都地裁の一審判決では、景品表示法の優良誤認を認定して差止を認めましたので、消費者契約法の不実告知についての判断を行っておらず、「勧誘」の解釈もしていません。

 今回の控訴審判決は、「逆転判決」というよりは、一審判決後に当該表示のチラシ配布をやめたことが差止の必要性がなくなったと判断されたもので、必ずしも、一審判決の判断を誤りとしたというわけでもないことになりますね。

【追記】(2017/1/24)

 最高裁判決が出ましたので、ブログを書きました。上告棄却ではありますが、「勧誘」要件についての新判断が出ました。

  → 「広告も消費者契約法上の「勧誘」に含まれるとの新判断(最高裁)」

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