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2016年2月の記事

2016年2月27日 (土)

「忘れられる権利」を明記した仮処分認可決定(さいたま地裁平成27年12月22日)

 最近では、「忘れられる権利」という言葉は、情報法関係者以外の一般の場でも用いられるようになってきました。ただし、「忘れられる権利」といっても、必ずしも定義が一定しているわけではありません。EUでの議論ではかなり広範な権利として検討されているようですが、日本では、一般的には、まだ議論が始まったばかりというところかと思います。

 しかし、最近は、こういった過去の事柄に関する事項の削除を求める裁判所への申立(訴訟や仮処分)は日本でもいくつか出てきています。この場合、インターネット上の過去の犯罪歴などの情報元の記事等自体の削除を求める場合、GoogleYahoo!などの検索サイトにおいて検索結果に出ないよう削除を求める場合、同じく検索サイトの検索サジェストの候補に出てこないように求める、など事案に応じて請求の内容、相手方は違っています。

 そして、こういった事案の裁判では、既に、削除の申立が認められている例もあるのですが、これまで裁判所が「忘れられる権利」という言葉で権利を認めたものはなかったようです。

 ところが、昨年(平成27年)12月22日のさいたま地裁での仮処分事件に関する決定で、「忘れられる権利」があるとの判断が示されたことが、本日報道されています。
 この決定は、神田知宏弁護士公式サイト(後掲)によれば、平成27年6月25日のさいたま地裁決定に対する保全異議事件の認可決定とのことです。つまり、最初の仮処分決定で、申立人の削除請求が認められたのに対して、Google側が不服を申し立てた裁判で、さいたま地裁が再び申立人の請求内容を認めた、という形になります(認可決定)。なお、この事案は、Googleの検索結果から、自身の逮捕に関する記事の削除を求めた、というものですね。

 この認可決定の中で裁判所は、「一度は逮捕歴を報道され社会に知られてしまった犯罪者といえども,人格権として私生活を尊重されるべき権利を有し,更生を妨げられない利益を有するのであるから,犯罪の性質にもよるが,ある程度の期間が経過した後は過去の犯罪を社会から「忘れられる権利」を有するというべきである。」としてたようです(神田弁護士公式サイトによる)。

 なお、神田弁護士は既にTwitterで昨年12月24日にこの決定を報告され、今年1月2日の公式サイト記事で本決定について解説をされています。なので、マスコミ報道が今頃になってなされているのはなぜかな、とは思いますが。

 → 神田知宏公式サイト 「地裁決定が「忘れられる権利」に言及した理由の考察」

【追記】(2/29)

 報道によれば、上記認可決定に対して、Google側は不服を申し立て(保全抗告でしょうね。)、現在、東京高裁で審理中とのことです。高裁がどういう判断を示すか注目ですね。

消費者法ニュース106号(特集・スラップ訴訟の実態 ほか)

 雑誌「消費者法ニュース106号(2016/1)」が発行されました。今回も盛りだくさんで、内容は後記の目次の通りです。

 今回の特集は、「スラップ訴訟(恫喝訴訟・いやがらせ訴訟)の実態」、「日本の貧困とその克服(2015クレサラ被害者交流集会in群馬)」、「不招請勧誘規制(Do Not Call 制度、Do Not Knock 制度)」の3本です。 

 このうち、スラップ訴訟については、太陽光発電計画に反対した人に対する業者からの訴訟(長野地裁伊那支部)、サプリメント販売大手業者からの澤藤弁護士に対する訴訟(東京地裁)につき、昨年秋にそれぞれ判決が言い渡され、業者らの請求は認められず、太陽光発電事件については、原告の訴訟提起を不当提訴であるとして損害賠償の反訴請求を行った件について、原告に対して50万円の損害賠償支払いが命じられています。

  今回の消費者法ニュースでは、後記の目次の通り、これらの事件の解説(澤藤弁護士自身の解説を含めて)や、その他のスラップ訴訟事件の紹介、法律問題について深く論じられており、興味深いものとなっています。 

 私も、「マイナンバー制度と個人情報保護」というのを書いてますので(あまり深い話ではないのですが)、よろしくです。

【追記】(3/7)
 すっかり忘れていたのですが、上記の太陽光発電計画に関するスラップ訴訟については、当ブログで記事にしておりました。

 → 「不当な訴訟提起として慰謝料請求を認容した判決」

 

  巻頭言 

  • 情報提供義務と消費者保護…今川 嘉文(龍谷大学法学部教授)

  特集1:スラップ訴訟(恫喝訴訟・いやがらせ訴訟) 

  • スラップ概論…青木 歳男(弁護士[福岡])   
  • 伊那太陽光発電スラップ訴訟…木嶋 日出夫(弁護士[長野])   
  • スラップに成功体験をさせてはならない─DHCスラップ訴訟の当事者として─…澤藤 統一郎(弁護士[東京])   
  • ホームオブハート事件─消費者被害者に対する加害者側によるSLAPP事例─…山本ゆかり(MASAYA・MARTHこと倉渕グループ問題を考える会(旧ホームオブハートとToshi問題を考える会)代表 日本脱カルト協会(JSCPR)理事)   
  • 第一商品株式会社からの不当訴訟について…荒井 哲朗(弁護士[東京])   
  • スラップ訴訟と名誉毀損の法理について…飯田 正剛(弁護士[東京])   
  • カルト問題とスラップ…鈴木エイト(ジャーナリスト やや日刊カルト新聞主筆)   
  • スラップとメディア…藤倉善郎(フリージャーナリスト)   
  • アメリカにおける「戦略に基づく公的参加封じ込め訴訟」(SLAPP)…藤田 尚則(創価大学法科大学院教授)

  特集2:不招請勧誘規制(Do Not Call制度、Do Not Knock制度)

  • オーストラリアの不招請勧誘規制と日本へのエール…ジェラード・ブロディ(コンシューマー・アクション・ロー・センター所長)・翻訳者 浅田奈津子(司法書士[大阪])   
  • 大阪府議会の不招請勧誘の禁止を求める決議   
  • 奈良県生駒市の訪販お断りステッカーと消費者保護の取り組み…山﨑 敏彦(弁護士[大阪])   
  • イギリスでのCold Callsに関する現状…上杉 めぐみ(愛知大学准教授)   
  • 「ストップ!迷惑勧誘」滋賀シンポジウム…伊藤 慧(弁護士[滋賀])   
  • STOP!迷惑勧誘─勧誘規制強化の実現を!─…赤井 カホル(消費生活相談員)   
  • Do-Not-Call制度・Do-Not-Knock制度の実現に向けて─近弁連大会シンポジウムと決議の報告─…大濵 巌生(弁護士[京都])   
  • シンポジウム「ストップ ! ザ 泣き寝入り~訪問押し売りで不要なものを買わされた!!~」in豊岡の開催報告…吉江 直記(ひょうご消費者ネット理事) 

特集3:日本の貧困とその克服に向けて   

  • 第35回全国クレサラ・生活再建問題被害者交流集会in群馬 誰もが安心して暮らせる社会を求めて…樋口 和彦(実行委員長 弁護士[群馬])   
  • 群馬クレサラ・生活再建問題被害者交流集会 日本の貧困の現場と社会、これを克服する道…斎藤 匠(弁護士[群馬])

  シリーズ1:消費者庁・消費者委員会・国民生活センター・地方消費者行政   

  • 商業施設内の遊戯施設における消費者安全に関する建議…坂本 健(消費者委員会事務局)・上野 正一(消費者委員会事務局)   
  • 消費者安全調査委員会の活動…小田 直子(消費者庁消費者安全課事故調査室1課長補佐)   
  • 新たな消費者基本計画のスタート…鈴木 一広(消費者庁消費者政策課長)   
  • 消費者庁と国民生活センターの徳島移転に反対する消費者契約法・特定商取引法改正と立法事実…池本 誠司(消費者委員会委員 弁護士[埼玉])

  シリーズ2:サラ金・商工ローン
 1 サラ金判例   

  • 過払金・残された論点と最近の裁判例⑮─借主本人による訴外和解の無効(前編)─…瀧 康暢(弁護士[愛知])

  2 武富士判決   

  • 武富士役員の責任を認めた大阪地裁判決の紹介…植田 勝博(大阪弁護団団長 弁護士[大阪]) 

 3 活動   

  • 多重債務にならないために(6)─家庭の金銭管理・金銭感覚に関するアンケート調査結果の分析と提言─…手塚 宣夫(東海大学法科大学院教授)   
  • 日本の民主主義運動の強化のために(7)―民主主義運動のリーダーの資質について―木村 達也(弁護士[大阪])

  シリーズ3:反貧困・再生   

  • 静岡エイプリル・フール訴訟勝訴確定─保護停止処分と稼働能力活用要件─…笹沼 弘志(静岡大学教授)   
  • さいたま市住宅扶助費減額事件…鴨田 譲(弁護士[埼玉])   
  • 「全国一斉生活保護110番」実施報告─あきらめないで、あなたの命のために─…丸尾 公彦(福岡県青年司法書士協議会人権擁護委員会委員長)   
  • 当事者の声─学生のブラックバイトの現場と脱却…岡 樹志(関西学生アルバイトユニオン執行委員)   
  • 高校生のアルバイトの現状と労働法学習…姜 聖律(大阪府立高校教諭)   
  • ブラックバイト問題の現状と対策…大内 裕和(中京大学教授)   
  • 生活保護世帯の子どもの奨学金はどうあるべきか…倉持 惠(弁護士[福島])   
  • 奨学金問題─電話相談から見えてきたこと…佐野 修吉(奨学金問題と学費を考える兵庫の会事務局長)   
  • 所得連動返還型奨学金制度とその課題…岩重 佳治(弁護士[東京])   
  • 国民(消費者)を収奪するカジノを推進する利権…井上 善雄(弁護士[大阪])   
  • ギャンブル依存症について、最近思うこと…野末 浩之(精神科医師)

  シリーズ4:クレジット・リース(割販法・特商法)被害   

  • マンスリークリア取引被害と割賦販売法改正の動向…池本 誠司(弁護士[埼玉])   
  • 最近のクレジット契約―相談事例から(3)―…クレジット研究会(NPO法人消費者情報ネット)

  シリーズ5:消費者契約法・悪質商法   

  • 初期費用と消費者契約法9条1号の「平均的な損害」─インターネット接続サービス契約における解約料条項使用差止請求事件─…伊吹 健人(適格消費者団体NPO法人京都消費者契約ネットワーク(KCCN)事務局 弁護士[京都])   
  • 「えっ、こんな契約あり?なんでやめられへんの?~消費者のための、消費者契約法改正を目指して~」…志部 淳之介(弁護士[京都])   
  • 消契法「中間とりまとめ」に対する意見…中里 功(司法書士[静岡])   
  • KC'sのこの間の差止請求活動…消費者支援機構関西(KC's)   
  • 適格消費者団体と行政との連携…青山 定聖(適格消費者団体 NPO法人消費者支援ネットくまもと理事長)   
  • (株)サンクによる複合決済端末・投資ビジネスについて…加納 雄二(弁護士[大阪])   
  • ニホン画廊被害対策弁護団活動報告…間宮 静香(ニホン画廊被害対策弁護団事務局長 弁護士[愛知])   
  • K&A投資被害弁護団活動報告‥正木 健司(K&A投資被害弁護団事務局長 弁護士[愛知])   
  • シンポジウム「詐欺・悪質商法&ネットトラブル~なんで騙されちゃうの?~」…六倉 有二(消費者問題対策委員会委員長 司法書士[東京])   
  • 成人年齢の引下げに反対する…植田 勝博(弁護士[大阪])   
  • 大学生の後出しマルチ被害にみる成年年齢引き下げへの疑問…田村 康正(弁護士[大阪])   
  • 消費者法からみた民法の成年年齢の引下げ問題…中村 新造(弁護士[東京])   
  • 改正景品表示法・消費者安全法の概要について…拝師 徳彦(弁護士[千葉])   
  • マイナンバー制度と個人情報保護について…川村 哲二(弁護士[大阪])

  シリーズ6:民法改正   

  • 法務省に対する質問状─法務省が国会に提出した、債権法改正法案の改正「理由」は、本物か?─…加藤 雅信(名古屋学院大学法学部教授)   
  • 「よりよい民法改正のため」から「民法体系の総入れ替え反対」へ 特に、保証についての私たちの立法提言を考える…茆原 洋子(弁護士[神奈川])   
  • 債権法改正案について─原始的不能概念の廃棄を中心に─…角 紀代恵(立教大学法学部教授)   
  • 法定利率と中間利息控除…辰巳 裕規(弁護士[兵庫])

  シリーズ7:銀行・証券・保険・先物   

  • 通貨デリバティブ取引に関する時価評価に係る説明義務を認めた事例─東京高判平成26年3月20日金融・商事判例1448号24頁(確定)─…津田 顕一郎(弁護士[東京])   
  • 連載 証券取引被害救済の現状(32)…田端 聡(全国証券問題研究会 弁護士[大阪])

  シリーズ8:欠陥住宅   

  • すべりやすい店内の転倒─レストランですべって右手首骨折のOLに400万円の和解金─…山口 広(弁護士[東京])   
  • 欠陥住宅全国ネットの大会アピール…三浦 直樹(弁護士[大阪])   
  • 連載 欠陥住宅紛争の基礎知識(32)…河合 敏男(弁護士[東京])

  シリーズ9:食の安全   

  • 食品表示法施行と機能性表示食品…神山 美智子(弁護士[東京])   
  • 「機能性表示食品」を買ってはいけない!―健康増進効果も安全性も問題だらけ─…岡田 幹治(ジャーナリスト)   
  • 特定保健用食品の広告問題と制度について…梅垣 敬三(医薬基盤・健康・栄養研究所)   
  • トランス脂肪酸対策に潜む食品の危険性…奥山 治美(名古屋市立大学名誉教授 金城学院大学教授)   
  • 集団調理現場から─食の安全に挑み続ける調理員たち(5)─…大矢 安昌(食育インストラクター 消費生活専門相談員)

  シリーズ10:電子商取引   

  • 電気通信事業法の改正…土井 裕明(弁護士[滋賀])

  シリーズ11:宗教   

  • 「青春を返せ訴訟」─札幌第2陣1次訴訟1審及び控訴審判決について─…郷路 征記(弁護士[札幌])
  • 統一教会の名称変更と現状…山口 広(全国霊感商法対策弁護士連絡会事務局長 弁護士[東京])

  シリーズ12:ペット・動物法   

  • 「野良猫」を無くしたい…植田 嘉巳(動物法ニュース編集)   
  • THEペット法塾・平成27年11月21日動物問題交流会報告 「警察庁丁地発第238号」はマヤカシ…溝渕 和人(動物ボランティアCat28代表[静岡])

  シリーズ13:裁判所と消費者問題・法曹制度   

  • 法曹養成制度の現状の主な問題点とその原因…和田 吉弘(元青山学院大学法科大学院教授 元法曹養成制度検討会議委員 弁護士[東京])

  シリーズ14:国際消費者問題   

  • 米国の消費者運動の歴史をテーマとしたドキュメンタリー映画─ヘレン・E・ネルソンが残したレガシー─…タン・ミッシェル(NPO法人消費者ネットジャパン(じゃこネット)理事長)   
  • 2015年イギリス消費者権利法の新体制(1)―不公正な取引行為をめぐる契約法上の効果―…菅 富美枝(法政大学経済学部教授 オックスフォード大学法学部客員研究員)   
  • ラテンアメリカの消費者法制ピックアップ─コロンビアとアルゼンチンの消費者撤回権(クーリング・オフ)―…前田 美千代(慶應義塾大学法学部准教授)   
  • 中国消費者法事情(その5)─消費者権益保護法─…白出 博之(弁護士[大阪])

  学者の目   

  • 消費者法の今後の発展の行方―イギリスの2015年消費者権利法の制定を契機として―…カライスコス・アントニオス(関西大学法学部准教授)   
  • 「消費者の権利」第幕…田口 義明(名古屋経済大学教授 消費者問題研究所長)

  相談員の目   

  • 旅行の契約とトラブル事例─消費生活センターに寄せられる相談から─…石田 緑((公社)全国消費生活相談員協会旅行研究会代表) 

Q&A   

  • 高齢者を狙ったサクラサイト詐欺…岡田 崇(弁護士[大阪])

  判例・和解速報(№2182〜2192)

  国民生活センター情報   

  • 消費生活相談におけるトラブル事例から(21)…青山 陽子(国民生活センター広報課)

  意見・活動   

  • 消費者と安保関連法…植田 勝博(弁護士[大阪])

  消費者運動の歴史   

  • 全大阪消費者団体連絡会…木村 達也(弁護士[大阪])
   

2016年2月18日 (木)

おじゃる丸コピーライトワールド(CRIC)は今はないですよ、という告知

 このブログを開設したのは、2006年7月。もっとも継続的に更新を始めたのは翌2007年1月20日からなので(それ以前のは消えています。)、実質的には9年を経過して10年目に入ったことになります。

  最近はブログを書かれる人も多くなり、有名人やタレントなどのブログを除けば、わざわざ1つのブログを丹念に記事更新される度に読む人というのも少なくて、当ブログも、何かのキーワード検索で表示されたので訪問される人が大半です。
 ですので、結構古い記事でも、長期間にわたってアクセスが多いという記事が当ブログでもいくつかあります。 

 ほぼ毎日のように誰かが訪問されるのは、一連の某取材商法雑誌関連の記事で、これも2007年から2008年にかけての一番古いクラスの記事です。
 それと季節物もいくつかありますが、ちょうど今月初めあたりが旬の恵方巻き判決関連の記事は、2008年の一審判決と2010年の控訴審と最高裁の判決の3本の記事で、毎年1月終わり頃から節分あたりまでの間だけアクセスが急増します。
   過去28日間のアクセスページのランキングをアクセス解析で見てみると、1位がトップページなのは当然として、2位、11位、18位が、恵方巻き関連3記事で、某取材商法関連が3位、24位、27位、31位となっています。

  そして、過去28日間の8位に入っているのが、何故かここ数年(かな?)増えている2008年の「KIDS-CRICコピーライト・ワールド(おじゃる丸編)」という記事。これが何故増えたのかわからなかったのですが、どうやら、このおじゃる丸のコピーライトワールドというCRIC(公益社団法人著作権情報センター)の子ども向け著作権勉強ページがなくなっていて、しかも、その案内も見当たらないので、これを探してさまよっている人が、当ブログのこの記事を訪問されているようです。したがって、当然、記事中のリンクをクリックしても、おじゃる丸は出てきません(CRICのトップページに飛びます。)。 

 おじゃる丸の作者の方は、記事より以前の2006年には亡くなっていまして、その著作権を誰が引き継いで、その後のNHKなどとの権利関係がどうなっているのか私は知りません。たぶん、CRICとの契約関係も終了したのでしょうね。ただ、CRICのサイトを見ても、コピーライドワールドがいつ終了したのかがわかりません。   
 著作権勉強ページの著作権がよく判らないというのも面白いのですが、ちょっと他のサイトなどで関連の記述があるのを読んでみると、どうやら2013年の途中で終わっているみたいです。なので、探して、当ブログに来られる方が増えたのは、その頃からかもしれません。

  その後、CRICのサイト上では、一般の人の学習用ページとして、アンパンマンの作者やなせたかしさんのキャラクターによる 「みんなのための著作権教室」 が引き継いでいます。ということで、おじゃる丸コピーライトワールドを探して、これを読んでいる人は、こっちへ行ってみて下さい。一般の人が著作権の基本的な勉強をするには悪くないですよ。

2016年2月17日 (水)

A法律事務所の広告が不当表示(有利誤認)とされた事例

 景品表示法に課徴金制度が導入される改正の施行は今年の4月1日ですが、この改正に関する消費者庁の説明会が昨日京都駅前のキャンパスプラザ京都であり、私も参加してきました。 

 ちょうど、昨夜に私が代表を務めている「独禁法公正取引研究会」の例会で新人弁護士さん相手に景品表示法の話をするところでしたので、タイミングの良い機会となっていたのです。Photo_3

 そして、京都での説明会を終えて、研究会出席のために大阪に戻るJRの車内で、これまた景品表示法に関する以下のニュースをスマホで見たのです。 

 なお、消費者庁による景品表示法の措置命令は今年に入って、株式会社ユーコーの空気洗浄機の事例に続いて2件目です。 


   昨日(2/16)消費者庁は、弁護士法人A法律事務所に対し、景品表示法6条に基づき、措置命令を行いました。 

 同事務所が供給する債務整理・過払い金返還請求に係る役務の表示について、景品表示法に違反する行為(有利誤認)が認められたというものです。 

  → 消費者庁公表資料(PDF) 

 A法律事務所は、旧来型の法律事務所とは違って、日本各地に事務所を開き、テレビや車内広告など各種の宣伝・広告を積極的に行う営業方針を採っていることで有名な事務所で、その宣伝の仕方については、業界内でも賛否いろいろの意見があるところですが、今回はまさにその広告の方法が違法とする行政処分が出たことになります。 

 事例としては、1ヶ月のキャンペーン期間中に債務整理・過払い金請求等に関して契約すると着手金を無料にするなどと自己のホームページに掲載していましたが、実は、平成22年10月から平成27年8月までの5年近くにわたり、ずっとこのキャンペーンを継続してきていた、というものです。これが有利誤認に該当するとして、これらの表示をしないようにとの措置命令が出されました。 

 実は、この件は昨年に既に報じられているもので、消費者庁の指摘を受けたA法律事務所は昨年10月に全国紙において、顧客に解約、返金等に応じることを含めて謝罪の広告を掲載しています。 

  → 国民生活センター公表記事(平成27年10月22日) 

 ただ、今回の措置命令の報道を見ると、A法律事務所は、毎月、継続を判断していて、不当表示にあたるとの認識はなかった、とコメントしているのですが、約5年間ずっと引き続いてこのようなキャンペーンを行うことについて、景品表示法上の問題がないと判断するというのは私としては信じられないものです。

 ところで、実は、私の事務所の南50メートルの西天満交差点角には、50年くらい前からずっと「店じまいセール」をやっている有名な「靴のオットー」があるのですが、最近関西では報道されているとおり、後3日ほどで本当に閉店してしまうようです。それとこれと、どう違うのか同じなのかは皆さんで考えてみてください。

Photo_2

 ※  文中、法律事務所名を匿名にしている点については特に深い意味はありません。

2016年2月15日 (月)

「エロスと『わいせつ』のあいだ 表現と規制の戦後攻防史」(園田寿・臺宏士 著・朝日新書)

甲南大法科大学院の園田寿教授とフリージャーナリストの臺宏士さんの共著による新書が出ましたので早速買ってきて読みました。 

    エロスと「わいせつ」のあいだ 表現と規制の戦後攻防史 (朝日新書) 

  Amazonサイト〔タイトルの関係上、本屋で買うのが恥ずかしい人用です(笑)〕

Photo_2

  写真の本の帯を見ていただいたら、本の内容はおわかりいただけるかと思いますが、古くて新しい問題の「わいせつ」について、ジャーナリストと刑法学者の目から見た最新の議論が詰まっています。 

 最近の「春画展」(今ちょうど京都・細見美術館で開催されていますね。)の問題および東京地裁の一審判決待ちのろくでなしこさんの女性器作品刑事裁判の問題など、最近の「わいせつ」問題を詳しく紹介するとともに、私が学生時代に勉強していたようなチャタレイ裁判悪徳の栄え裁判四畳半襖の下張裁判といった過去の代表的な「わいせつ」の議論を踏まえて、新しい時代の「わいせつ」を児童ポルノサイバーポルノなどを題材にして展望しています。

  内容的には大変真面目な本ですので、男女問わず、法律を勉強している人から一般の方まで広く読んでいただきたい本ですね。「わいせつ」というのは法律上どのように考えられているのか、ということに興味ある方は是非。 

 今年5月9日に予定されている東京地裁での、ろくでなし子さんの判決が待たれます。

【追記】(2/28)

 毎日新聞の書評にもとりあげられましたね。

2016年2月10日 (水)

タトゥーの著作権に関する日米の裁判

 ギズモード・ジャパンが、タトゥー(刺青・入れ墨)の著作権に関するアメリカの裁判のニュースを掲載しています。

 米プロバスケットNBAのゲームに登場する選手の身体に、実際の選手と同じタトゥーが描かれており、そのタトゥーのオリジナルデザインをした会社が、ゲーム制作会社を相手取って裁判を起こしたようです。 

  →  著作権侵害だ! NBAゲームに登場する選手のタトゥーで裁判沙汰 

 元ネタはロイターの記事のようですね。 

  →  ロイターの記事(英文) 

 選手の肖像権とかキャラクター権的なものは、たぶんNBAで管理されていてゲーム制作会社にライセンスを与えているのだと思いますが、タトゥーまでは権利処理の対応をしていなかったということかと思います。 

 タトゥーのデザインに著作権が生じるのか、という問題ですが、実は、似たような裁判が日本でも起こされて、著作物性を認める知的財産高裁の判決が出ています。なお、一審判決については、当ブログでも記事にしています。 

一審判決   
  平成23年7月29日 東京地裁判決   

  → 当ブログ記事「入れ墨の著作権に関する判決(東京地裁)」(2011年8月4日)

控訴審判決
  平成24年1月31日 知的財産裁判決
 

 事案は、彫物師である原告が、Aの大腿部に入れ墨(仏像)を施したところ、Aは自分の来歴を記した書籍を出版するにあたり、原告の許諾を得ずに、入れ墨の画像を書籍の表紙カバーなど2ヶ所に掲載するなどしたとして、書籍の発行、販売業者と共に被告として、著作者人格権等を侵害するとして、訴訟を起こしたものです。 

 そして、本件入れ墨は、仏像写真を参考にしているが、原告の思想、感情が創作的に表現されているとして、一審、控訴審共に著作物性を認めました。そのうえで、著作者人格権(氏名表示権、同一性保持権)を侵害するものとして、被告らに対して損害賠償を命じています。なお、本件訴訟では、複製権侵害などは主張されていません。 

 さて、アメリカのタトゥー裁判はどうなるでしょうか。

2016年2月 5日 (金)

日弁連 シンポジウム「ステルスマーケティングを考える」参加しました。

 今日の昼間は会長選挙投票日であったのですが(私は先日大阪で不在者投票済みです。)、午後6時から、日本弁護士連合会シンポジウム「ステルスマーケティングを考える」に参加してきました(ちょっと遅刻。)。ちょうど、今朝、東京地裁での裁判期日があって、参加できたものです。

 内容は後記の通りです。

 当ブログでは、以前からステマについては何度か書いてきましたが、日弁連などでステマに関するシンポを開催したのはおそらく初めてだろうと思います。

 日本では、芸能人ブログによるペニーオークション問題で一気に広まった「ステマ」ですが、現在は、口コミサイトの投稿やネイティブ広告の問題などステマとして問題とされる対象は拡がっています。

 一方で、このブログも含めて、誰でもがステマ発信者となりうる時代になり、他人事ではなくなってきています。今回、藤代さんからも、公的団体などによるブロガーへの広報事例が紹介されていました。私も著者から「謹呈」いただいたような書籍をブログで紹介する場合にどこまでそれを公開するか、については悩んだりしています。

 また、今回は消費者問題対策委員会によるシンポでしたので、インターネットでの広告だけではなく、広くテレビ番組などにおけるステマの問題にも触れられていました。テレビの場合は自主規制により広告の時間の割合が制限されており、番組枠で実質的に広告がなされることは自主規制に触れる可能性もあり、単なる直接の消費者問題というだけでなく、電波免許の公共性の観点からも考えていかなければいけない問題です。

【シンポ概要】

(1)基調報告1「JAROに寄せられたいわゆる”ステマ”的な事例)」

報告者:野崎佳奈子氏(日本広告審査機構(JARO)審査部)

(2)基調報告2「ステルスマーケティングをめぐる諸問題について」

報告者:藤代裕之氏(法政大学社会学部准教授)

(3)パネルディスカッション「マーケティング活動の公正さをいかに確保するか」

コーディネーター:土井裕明弁護士(日弁連消費者問題対策委員会副委員長)

パネリスト:藤代裕之氏

       黒岩達哉氏(日本広告審査機構(JARO)審査部)

       板倉陽一郎弁護士(日弁連消費者問題対策委員会幹事)

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