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2016年1月 5日 (火)

マイナンバーの取扱と刑罰について

 今回もマイナンバーのお話で恐縮です。 

 マイナンバーの取扱に関して、法律に違反した場合に刑罰が科せられるのか、つまり、犯罪になるのか、という点ですが、このあたりのところは、ネット上で見ていると、結構いい加減な情報が飛び交っています。要は条文を見ればいいのですが、少なくとも、うっかりとマイナンバーを関係ないところに渡してしまったとか、人から受領したとかいうだけでは刑罰の対象にはあたりません。 

 マイナンバーを含む個人情報の取扱については、マイナンバー法(個人番号法)個人情報保護法を見ていく必要があります。マイナンバー法個人情報保護法の特別法の地位にあるもので、マイナンバーを含む個人情報、すなわち「特定個人情報」は、個人情報保護法上の「個人情報」でもあるからですね。 

 それでは、まず、個人情報保護法に定められた民間事業者の義務に違反した場合に刑罰が科せられるか、というと、それほど多くの行為が刑罰の対象となっているわけではありません(本年1月1日施行分を含む)。現時点で施行されている個人情報保護法で、民間事業者が罰せられるのは、同法に基づく行政命令に違反した場合などに限られており、単に同法に定める義務に違反したというだけでは犯罪とはなりません。   
 ただし、現在は未施行の改正同法では、個人情報データベース等の取扱事務に従事する者などが、そのデータベース等をもち出して第三者に提供して利益を得る行為などが新たに刑罰の対象となっています(将来施行後の個人情報保護法83条。1年以下の懲役または50万円以下の罰金。)。これは、企業が保有する個人情報データベースなどを名簿業者に売って利益を得るような場合が想定されています。 

 次に、マイナンバー法違反での刑罰を見ていきますと、個人情報保護法よりも罰則の数は多くなっており、法定刑も懲役刑を含む重いものとはなっています。ただ、国などの職員に主体が限定されていたり、悪質な不正事案に限られています。なので、個人や民間事業者が、うっかりマイナンバーを流出させてしまった、とか、単に法定の対象外の目的で提供した、とか、取得してしまったというだけでは犯罪とはなりません。犯罪となるのは、故意犯であり、それも、番号利用事務、関係事務の従事者が正当な理由なく「特定個人情報ファイル」を提供したり、業務に関して知り得たマイナンバーを不正な利益を得る目的で提供、盗用したりした場合です。また、詐欺や暴力、不正アクセスなどの不正行為を用いてマイナンバーを取得したり、なりすましなど不正手段で番号カード等を取得したりする行為を行えば、犯罪となります。

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