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2015年12月の記事

2015年12月30日 (水)

「消費者情報」新年号(関西消費者協会)はマイナンバー・個人情報保護法特集

 おそらく今年最後のブログ更新かと思います(違うかも知れませんが)。   
 今年秋には、昨年から停まっていたブログ更新をようやく再開することができました。前ほどには更新しないと思いますが、こんな調子でぼちぼちと続けていこうと思いますので、よろしくお願いします。   
 ということで、最終の記事はステマ気味に(笑) もっとも、WOMJガイドラインの通りに、関係性明示は行いましたよ。

 では、良いお年を!! 


  (公財)関西消費者協会の雑誌「消費者情報」は、すっかり数少なくなってしまった紙媒体の消費者向け雑誌ですが、新年1月号が、「ビッグデータ時代 個人情報保護とマイナンバー」という特集を組んでいます。

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  関西消費者協会については、私も数年理事を務めており、この雑誌の表紙にも恥ずかしながら載ったことがありますが、今回の表紙と巻頭インタビューは、現在日弁連の情報問題対策委員会委員長の坂本団弁護士(大阪)です。目次を下に貼り付けておきましたが、他にも、立法を担当された水町雅子弁護士など個人情報保護法、マイナンバーに関する記事が、それぞれの立場から書かれています。マイナンバーに関する書籍、雑誌は、たくさん出ていますが、消費者問題の視点からの特集はあまりないかと思いますので、是非お読みいただければと思います。以下のサイトから購入できます。 

    → 関西消費者協会サイト「消費者情報」 

【目 次(抜粋)】
2016年1月号 消費者情報No.468   
  ビッグデータ時代 個人情報保護とマイナンバー 

巻頭インタビュー 弁護士 坂本  団   
◎個人情報保護法の問題点とマイナンバー制度の危うさ
                編集部   
特 集   
◎要点がわかる! 改正「個人情報保護法」   
                編集部   
◎ビッグデータの危うさを私たちはどれだけわかっているのか   
                中央大学准教授 岡嶋 裕史   
◎個人情報保護制度の世界の動き   
                慶應義塾大学教授 新保 史生   
◎個人情報をめぐる問題点とは何か  消費者団体からの主張   
     全国地域婦人団体連絡協議会事務局長 長田 三紀   
◎マイナンバー制度運用の主眼とリスクについて   
                弁護士 水町 雅子   
◎懸念・不安が解消されないマイナンバー制度   
     全大阪消費者団体連絡会 事務局長 飯田 秀男   

シリーズ   
◎がんばれ! 消費者委員会   
               消費者委員会事務局   
◎くらしあんぐる 2016 「マイナンバー利用拡大に不安」   
               中日新聞生活部 寺本 康弘   
◎団体訴権への展開   
               消費者支援機構関西(KC`s)   
◎現場からの情報 【相 談】 交流サイトをきっかけとする内職商法のトラブル   
◎現場からの情報 【テスト】 食品加熱時の突沸に注意   
◎生活力アップ豆知識 セルフガソリンスタンドでは吹きこぼれや引火にご注意!   
               日本ヒーブ協議会   
◎ADR機関を活用しよう!   
               民間総合調停センター   
◎判例に学ぶ 「無限連鎖講を運営した破産会社の破産管財人から利得のある上位会員に対する返還請求を認容した最高裁判決」   
               弁護士 辰巳 裕規   
◎Consumer's Eye    編集部   
◎ネット漂流 「“検索被害”に遭う子どもたち」   
     NIT情報技術推進ネットワーク 篠原嘉一

2015年12月29日 (火)

都道府県初の景品表示法に基づく措置命令(埼玉県)

今年も残るところ後3日となりました。私の事務所は、公式には昨日で仕事納めになっていますが、私自身は本日も来客との打合せを含めて仕事モードです。


  さて、埼玉県は、12月25日付で、中古自動車販売業者株式会社ローランインターナショナル(埼玉県比企郡ときがわ町)に対し、景品表示法に基づく措置命令を出しました。    

 事案は、同社の販売する中古自動車(計61台)に修復歴があるのに、中古車情報においては、修復歴がない旨との表示(優良誤認表示)をしていたというものです。 

    → 埼玉県サイトの公表ページ 

 この埼玉県による措置命令は全国初の都道府県が行う措置命令となります。 

 昨年6月の景品表示法改正(施行昨年12月)以前は、都道府県は措置命令を出す権限はなく、調査権限と「指示」という行政指導の権限しかありませんでしたが、改正により、都道府県も措置命令を出すことができるようになっていたものです。正確にいうと、景品表示法12条11項により、消費者庁の権限の一部を政令により都道府県知事にさせることができるとされていて、この規定による政令において、合理的資料提出要求権限(景品表示法4条2項)や措置命令権限(景品表示法6条)などが都道府県で行えるようになったものです。 

 この改正は、偽装メニューが社会問題化する中で、行政の監視指導体制を強化する目的のものです。しかし、現実には、昨年12月1日の施行後の1年間、全くこの権限発動は行われてきませんでした。改正前の「指示」についても、さほど多くが行われていたわけではありませんが、最近でみると、平成20年度21件、平成21年度26件、平成22年度36件、平成23年度22件、平成24年度29件、平成25年度64件とそれなりには出されていました。しかし、中途で改正された平成26年度(改正施行前の11末まで)は、わずかに3件で、施行後の措置命令は、平成27年度を含め、上記事案に至るまで0件となっていたのです。これでは監視指導体制の強化という改正目的の逆の結果となっています。 

 しかも、都道府県のみならず、本体の消費者庁による措置命令も、先日の当ブログ記事「消費者庁は景品表示法への課徴金導入でお忙しい?」(平成27年10月25日付)でも指摘しましたように、平成27年度は平成26年度の30件からみて急減しており、このブログ記事の後で消費者庁が4件の措置命令は出しているものの、それを含めて本日まででわずかに6件となっています。9ヶ月で6件ということは年度換算すると12件ですから、昨年度の半分以下のペースですね。 

 いよいよ来年4月1日からの課徴金制度導入(こちらは、昨年11月改正によるもの)を控えているわけですが、逆に消費者庁や都道府県が萎縮することなく、不当表示等に対して権限を発動していただくことを願っています。

2015年12月27日 (日)

裁判官と検察官の任官(採用)状況〔68期〕

 最高裁判所と法務省が、それぞれ先日司法修習を終えた司法修習生(68期)の裁判官、検察官への任官状況を発表しています(裁判官については報道による。)。

 私たちの頃は(私は37期ですので、31年前ということになりますね。)、司法修習生全体で女性が1割くらいでしたし、特に検察任官者は少なかったように思いますので、かなり女性が増えてきました。今後ますます増えることと思います。


   裁判官については、91人が判事補として採用されています。 

 そのうち女性は、38人(42%)で過去最高の割合となっています。全体の女性裁判官はこれで770人(21%)となったとのことです。 

 年齢は23歳から36歳、平均は26.44歳となっています。 

 また、出身法科大学院は、東大19人、京大14人、慶応大13人、中央大・一橋大各8人の順で、予備試験合格者からの任官は7人。 


 検察官については、76人が採用されています。 

 そのうち、女性は、25人(32.9%) 

 年齢は、24歳から34歳、平均は26.8歳(うち女性の平均は27.0歳)となっています。

 出身法科大学院は、東大11人、慶應大・中央大各9人、京大8人、一橋大 ・早大各6人、阪大・神大・東北大各3名、首都大・立命大2名などとなっており、予備試験合格者からの任官は7人です。

 なお、法務省の公表ページはこちら。 

   → 法務省「第68期検事任官者について」

2015年12月26日 (土)

「独占禁止法審査手続に関する指針」の公表(公取委)

 昨日(12/25)、公正取引委員会から、「独占禁止法審査手続に関する指針」(以下「指針」)が公表されました。 

 これは、公正取引委員会の行う行政調査手続(排除措置命令等の行政処分の対象となり得る独占禁止法違反被疑事件を審査するための手続)の適正性をより一層確保する観点から、これまでの実務を踏まえて行政調査手続の標準的な実施手順や留意事項等を本指針の策定により明確化しようとしたものです。 

  → 「『独占禁止法審査手続に関する指針』の公表について」 

 この公表についての報道記事の見出しが面白かったのですが(本日、私が見たネット配信記事による)、日本経済新聞「公取委、弁護士同席を一部容認」としているのに対して、時事通信「弁護士立ち会いは例外的」としています。なんだか逆のことを書いてあるようです。これについて、指針の内容を見ていきます。 

 まず、今回の指針の策定にあたって、企業(および企業側弁護士)からは、調査手続における弁護士の立ち会いを認めるよう強い要望が出されていました。それに対して、公取委がどうするかが今回の注目点のひとつとなっていました。その点については、上記リンク先の「『独占禁止法審査手続に関する指針』(案)に対する意見の概要及びそれに対する考え方」にも一部出ています。 

 そして、結局、今回の公表指針では、まず、立入検査における弁護士の立会いに関しては、 

「審査官は,立入検査場所の責任者等を立ち会わせるほか,違反被疑事業者等からの求めがあれば,立入検査の円滑な実施に支障がない範囲で弁護士の立会いを認めるものとする。ただし,弁護士の立会いは,違反被疑事業者等の権利として認められるものではないため,審査官は,弁護士が到着するまで立入検査の開始を待つ必要はない。」 

とされ、供述聴取時の弁護士等の立会いに関しては、 

「供述聴取時の弁護士を含む第三者の立会い(審査官等が供述聴取の適正円滑な実施の観点から依頼した通訳人,弁護士等を除く。),供述聴取過程の録音・録画,調書作成時における聴取対象者への調書の写しの交付及び供述聴取時における聴取対象者によるメモ(審査官等が供述聴取の適正円滑な実施の観点から認めた聴取対象者による書き取りは含まない。)の録取については,事案の実態解明の妨げになることが懸念されることなどから,これらを認めない。」 

としました。 

 つまり、立入検査時には、弁護士の到着、立ち会いを待つ必要はないし、供述聴取時にも、公取委側が供述聴取の必要上認めた弁護士等を除いては、弁護士の立ち会いを認めない、というものです。
 とすれば、上記ふたつの記事見出しのどちらが正しいかははっきりしていると私は思えるのですが。

2015年12月25日 (金)

平成27年版犯罪白書から少年犯罪件数を見てみた。

 法務省サイトに、平成27年版犯罪白書がアップされています。 

    → 平成27年版犯罪白書 

 この中には、犯罪についてのいろいろな統計資料がありますので、関心のある方はじっくり読んでいただければと思います。   
 また、平成27年版の特集は、「性犯罪者の実態と再犯防止」ですが、強制わいせつや強姦などの犯罪件数の推移や再犯率など興味深い資料となっています。 

 今回の白書のはしがき冒頭には次の通り書かれています。 

「我が国の犯罪情勢は,刑法犯の認知件数が平成14年に戦後最多を記録した後,国民と政府が一体となって治安の回復に取り組むなどした結果,刑法犯の認知件数は大きく減少するなど,一定の改善傾向が見られるが,凶悪な殺傷事件の発生が後を絶たないほか,特殊詐欺やサイバー犯罪,危険ドラッグに係る犯罪の発生等,依然として予断を許さない状況にある。犯罪者の動向について見ると,平成26年における一般刑法犯の検挙人員は戦後最少を記録し,初犯者や初入者の人員が減少傾向にある一方で,検挙人員に占める再犯者の比率や入所受刑者に占める再入者の比率は上昇し続けている。」 

 このように、最近の刑法犯の数は戦後最低となってきているわけですが、一方で、マスコミの報道などを通じて、最近は凶悪化したとか、急増しているとか、と思われている少年犯罪の部分を見てみましょう。 

 少年による刑法犯の検挙人員(触法少年の補導人員を含む。以下同。)の推移には、昭和26年の16万6,433人をピークとする第一の波、39年の23万8,830人をピークとする第二の波、58年の31万7,438人をピークとする第三の波という三つの大きな波が見られ、59年以降は平成7年まで減少傾向にあり、その後、若干の増減を経て、16年から毎年減少していて、26年は戦後最少の7万9,499人(前年比12.1%減)となっています。人口比についても、16年から毎年低下し、26年は、678.4(前年比85.4pt低下)となり、最も人口比の高かった昭和56年(1,721.7)の半分以下となっています。 

 つまり、事件報道から受け取られる印象とは異なり、少年犯罪の件数についても、これまで減少してきており、平成26年は戦後最小の件数となり、昭和26年の半分以下、昭和58年の約4分の1となっています。これは一般刑法犯のみならず、特別刑法犯(薬物、銃刀、軽犯罪等)や交通犯罪も同様の減少傾向にあります。 

 したがって、少年犯罪が最近急増しているとの印象は、統計的にも全く誤った認識であり、おそらく、日本の歴史上、少年犯罪が最も少ない時代となっているのではないかとも思われます。

2015年12月18日 (金)

夫婦同氏規定が憲法に違反しないとした最高裁大法廷判決(最判平27.12.16.)

 同日に言い渡された女性待婚期間一部違憲判決と並んで、判決当日からマスコミ報道も大きくされている判決ですので、皆さん御存じだとは思いますが、判決文をちゃんと読んでる一般の人は少ないだろうと思いますので、概要の紹介です。 

 なお、この判決は、現在の夫婦同氏の規定が憲法違反とはいえない、とする判断を行ったものであり、選択的な夫婦別氏(別姓)制度の導入がダメだ、けしからん、としたものでは全くありませんので(後記の通り、多数意見においても、制度導入は国会で審議すべきことだとしています。)、そこのところはご注意ください。 

 この問題について、どういう立場をとるにせよ、意見、反対意見を含めて、判決全体を読んで理解したうえで御議論いただければと思います。 

 判決全文はこちらからPDFで見ることができます。 → 裁判所サイト 

 なお、法務省サイトの以下のページも、この問題を考えるうえでは重要かと思います。特に後者によれば、明治3年に平民にも氏の使用が正式に許され、明治8年に氏の使用が義務化された直後の明治9年には少なくとも法的には夫婦別氏制がとられ、明治31年の旧民法成立で初めて夫婦同氏制が正式なものとなったことが注目されますね。

 → 選択的夫婦別氏制度(いわゆる選択的夫婦別姓制度)について

 → 我が国における氏の制度の変遷

【事案など】

  まず、この事件は夫婦別姓による婚姻届出を行ったが不受理とされた原告(上告人)ら(5名)が、夫婦同氏を定める民法750条(以下、本件規定)は憲法13条、14条1項、24条1項・2項等に違反し、この民法規定を改廃する立法措置を国がとらないという立法不作為の違法を理由として、国家賠償請求を行ったものです。   

 日本の裁判所には違憲立法審査権はありませんので、形式的には金銭請求訴訟の形をとっていますが、この訴訟の目的とするところは、本件規定が憲法違反であることを確認するためのものといっていいでしょう。 

【結論】 

 判決主文は、「本件上告を棄却する。」です。 1審東京地裁、2審東京高裁が、いずれも本件規定は合憲であるとして、原告(上告人)らの請求を認めなかったために、最高裁に上告されたもので、最高裁はこの上告を棄却しました。理由は、本件規定が憲法違反ではなく、違法な立法不作為ではない、ということです。 

 ただし、後記の通り、15名の裁判官のうち、5名が本件規定は憲法違反であるとし、そのうち4名は国家賠償責任が生じる違法性は認められない、として結論的には上告棄却を支持しました。そして、1名の裁判官は国家賠償上の違法性があり原判決を破棄して損害額算定のため本件を東京高裁に差し戻すべきとの反対意見を述べています。 

【判決の概要】 

1 上告理由(憲法13条〔基本的人権の尊重〕違反)について 

  本件規定が、憲法上の権利として保障される人格権の一内容である「氏の変更を強制されない自由」を不当に侵害し、憲法13条に違反する旨の上告理由については、「現行の法制度の下における氏の性質等に鑑みると,婚姻の際に「氏の変更を強制されない自由」が憲法上の権利として保障される人格権の一内容であるとはいえない。」として、憲法13条に違反するものではないとしました。 

2 上告理由(憲法14条1項〔法の下の平等〕違反)について 

 本件規定が、96%以上の夫婦において夫の氏を選択するという性差別を発生させ、ほとんど女性のみに不利益を負わせる効果を有する規定であるから、憲法14条1項に違反する旨の上告理由については、「本件規定は、夫婦が夫又は妻の氏を称するものとしており、夫婦がいずれの氏を称するかを夫婦となろうとする者の間の協議に委ねているのであって、その文言上性別に基づく法的な差別的取扱いを定めているわけではなく、本件規定の定める夫婦同氏制それ自体に男女間の形式的な不平等が存在するわけではない。我が国において、夫婦となろうとする者の間の個々の協議の結果として夫の氏を選択する夫婦が圧倒的多数を占めることが認められるとしても、それが、本件規定の在り方自体から生じた結果であるということはできない。 」から憲法14条1項に違反しないとしています。 

3 上告理由(憲法24条〔家庭生活における個人の尊厳と両性の本質的平等〕違反)について 

 本件規定が、一方が氏を改めることを婚姻届出の要件とすることで、実質的に婚姻の自由を侵害するものであり、個人の尊厳を侵害するものとして、憲法24条に違反する旨の上告理由については、概略以下の通りに判断しました。 

 まず、「婚姻及び家族に関する法制度を定めた法律の規定が憲法13条,14条1項に違反しない場合に,更に憲法24条にも適合するものとして是認されるか否かは,当該法制度の趣旨や同制度を採用することにより生ずる影響につき検討し,当該規定が個人の尊厳と両性の本質的平等の要請に照らして合理性を欠き,国会の立法裁量の範囲を超えるものとみざるを得ないような場合に当たるか否かという観点から判断すべきものとするのが相当である。 」としたうえで、家族の呼称をひとつにまとめることについては合理性が認められ、 本件規定の夫婦同氏制それ自体に男女間の形式的な不平等が存在するわけではなく、夫婦となろうとする者の間の協議による自由な選択に委ねられており、一方で、妻となる女性が上記の不利益を受ける場合が多い状況が生じているものと推認でき、さらには、これらの不利益を受けることを避けるために、あえて婚姻をしないという選択をする者が存在することもうかがわれるが、近時、婚姻前の氏を通称として使用することが社会的に広まっているところ、上記の不利益は、氏の通称使用が広まることにより一定程度は緩和され得るものである、として、直ちに個人の尊厳と両性の本質的平等の要請に照らして合理性を欠く制度であるとは認めることはできず、本件規定は憲法24条に違反するものではない、としました。 

 なお、これに続けて、判決は原告(上告人)らのいう「選択的夫婦別氏制度」についても言及しており、上記の判断は「そのような制度に合理性がないと断ずるものではない。上記のとおり,夫婦同氏制の採用については,嫡出子の仕組みなどの婚姻制度や氏の在り方に対する社会の受け止め方に依拠するところが少なくなく、この点の状況に関する判断を含め、この種の制度の在り方は、国会で論ぜられ、判断されるべき事柄にほかならないというべきである。 」として、選択的別氏(別姓)制度の導入は国会で議論すべき立法的問題であるとしています。 

【反対意見など】 

 本判決には、本件規定が憲法24条に違反するという意見が5名の裁判官から述べられています。 

 そのうち、櫻井龍子裁判官、岡部喜代子裁判官、鬼丸かおる裁判官(以上3名女性)、木内道祥裁判官の4名は、本件規定は違憲ではあるが、国家賠償法上の賠償責任が生ずるまでの立法不作為の違法性はなく、国家賠償請求は認められない、とするもので、したがって結論的には、原告(上告人)らの賠償請求は認容できないので、上告棄却という結論は多数意見と同じとなり、この4名は「反対意見」ではなく、判決上の扱いは「意見」という扱いになります。

 もうひとりの山浦善樹裁判官は、憲法違反で、かつ、立法不作為の国家賠償法上の違法性も認められ、原審を破棄して、賠償金額を算定するために原審東京高裁に差し戻すべきとの「反対意見」を述べています。

2015年12月11日 (金)

ダスキンの窓用遮熱・UVカットフィルムの不当表示(消費者庁)

 消費者庁は、本日、株式会社ダスキン(大阪府吹田市)に対し、同社が供給する「遮熱・UVカットタイプ(Nano80S)」と称する窓用フィルムの施工サービスに係る表示が優良誤認表示であるとして、措置命令を行いました。 景品表示法4条2項(不実証広告)の規定によるものですね。

 

 これは、当該施行サービスについてのダイレクトメールやチラシにおいて、あたかも、室温の上昇が最大で摂氏5.4度又は摂氏6度抑えられるかのように示す表示をしていたところ、消費者庁が景品表示法4条2項に基づき、同社に対して、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、同社から資料が提出されたが、当該資料は当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものとは認められなかった、というものです。

 

 窓用断熱フィルムに関しては、別の事業者2社が今年2月27日付で、冷暖房効率に関する表示が優良誤認表示だとして消費者庁から措置命令を受けています(これも不実証広告規定によるもの)。そして、報道に寄れば、この2社は、この措置命令を不服として、措置命令の取り消しと3億円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしているようです。今回のダスキンがどのような対応をするか、ですが、同社は、公式サイトにおいて、「弊社は、今回の措置命令を真摯に受け止め、すべての広告表示について法令等の指針を順守するよう再徹底するとともに、社内のチェック体制を強化し、再発防止に努めてまいります。」としていますので、おそらくは争わないものと思われます。

2015年12月 8日 (火)

不当表示に対する措置命令2件(消費者庁)

 11月10日に半年ぶりに消費者庁から景品表示法違反事件の措置命令が出たことは当ブログで紹介いたしましたが、12月になって、2件の措置命令が出ました。   
これでようやく措置命令が本年度(4月~)5件となりました。 

 1件は、12月3日付で出された健康食品に関する不当表示(痩身効果)に対する措置命令です。 

 源平製薬株式会社(富山県射水市)は、情報誌等で、同社の健康食品「LAPURA」の痩身効果に係る表示において、あたかも、対象商品を摂取するだけで、特段の運動や食事制限をすることなく、短期間で容易に痩身効果が得られるかのように示す表示を行っていたため、消費者庁から当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求められ、同社から資料は提出されたが、当該資料は当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものとは認められなかった、というものです。景品表示法4条2項(不実証広告)に基づいて、優良誤認に該当するとされたものですね。


   もう1件は本日付で、雑誌の懸賞企画において、誌面上に記載された当選者数を下回る数の賞品等の提供を行っていたことに対する措置命令です。こちらは、有利誤認事案です。 

 アイア株式会社(東京都渋谷区)は、同社発行の懸賞付きパズル雑誌の誌面上で実施した懸賞企画において、あたかも誌面上に記載の当選者数と同数の賞品等が提供されるかのように表示していたが、実際にはほとんどの商品を提供したかった、というものです。 

 今年3月13日にも、漫画雑誌を発行する竹書房が同様に当選者を水増していた事件で、消費者庁は不当表示(有利誤認)として措置命令を出しています。ひょっとすると、この事件の報道がきっかけで、今回のアイア株式会社の件についても内部告発か何かがあったのかもしれません(あくまでも想像ですよ。)。

2015年12月 6日 (日)

「優越的地位濫用規制と下請法の解説と分析(第2版)」(長澤哲也著)

 いろいろと忙しくしており、ブログの更新がなかなかできず申し訳ありません。

 お世話になっている長澤哲也弁護士が「優越的地位濫用規制と下請法の解説と分析」の第2版を出版され、お送りいただきました。ありがとうございます。 

優越的地位濫用規制と下請法の解説と分析〔第2版〕

 

Photo  

 4年前に出版されました初版については、当ブログでも紹介させていただています。

 → 「『優越的地位濫用規制と下請法の解説と分析』(長澤哲也)」(2011/8/15) 

 今回の第2版は、その後出された先例、特に今年6月に出た日本トイザらス事件審決を踏まえた改訂となっています。   
 この審決は、数年前に優越的地位濫用に課徴金制度が適用されるようになって初めての課徴金納付命令に関する公正取引委員会の審決という点で重要であり、もちろん実務的にも注目すべきものです。

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