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2014年8月の記事

2014年8月31日 (日)

「消費者情報№454(9月号)」(関西消費者協会)

 (公財)関西消費者協会の雑誌「消費者情報」№454(9月号)が発売されました。 高齢者社会の進展で、今後、認知症の方を含めた高齢者の消費者問題はますます増加し、多様化するのではないかと思います。

 現在、ネット関係の消費者問題は未成年など若い人が被害対象となることが多く、それに比べれば高齢者のネット被害の割合は低いわけですが、今後は、インターネットを使える世代が高齢化していくことから、高齢者とネットという問題も増えていくのではないか、と思います。認知症の高齢者の徘徊がよく話題になりますが、肉体的に現実の徘徊ができない高齢者でも、布団の中で、インターネットの世界に出ていくことができますので、様々な問題が生じることが容易に想像できます。私は、研修などの場でこれを「ネット徘徊」と名付けています。

 今回の消費者情報の特集はそういう点からも良いテーマであると思います。

 また、大分地裁で出た大学受験予備校の学費不返還条項差止に関する消費者団体訴訟判決の解説を、辰巳裕規弁護士が書かれていますね。

   → >2014年9月号 消費者情報No.454 

【目 次】

 もしや認知症?! 超高齢社会を生きる

巻頭インタビュー
認知症と共に生きる 臨床の現場から
   松本診療所(ものわすれクリニック)
              院長 松本 一生さん

  特 集

認知症と向き合いつながる社会へ
二つの事件から考えるこれからの課題
      介護ジャーナリスト 小山朝子

認知症高齢者に係る相談事例から
判断力が不十分な消費者の契約トラブル
  (独)国民生活センター 保足和之

認知症をめぐる消費者被害
宮城福祉オンブズネット「エール」
    消費生活専門相談員 和田英子

介護現場から見た、認知症と介護保険
京都ヘルパー連絡会 ホームヘルパー
               浦野 喜代美

まちで、みんなで認知症の人をつつむ
大牟田市の取り組み グループホーム ふぁみりえ
          ホーム長 大谷るみ子

一人で悩まず、仲間を求めよう
「認知症の人と家族の会」の活動
  (公社)認知症の人と家族の会 代表理事
                 髙見国生

超高齢社会を支える成年後見制度
成年後見支援・普及センター トムテ
            事務局長 堀 泰夫

介護保険サービスがあっても… 家族の苦悩   編集部

 

連続特集  消費者問題の原点・カネミ油症事件 4

カネミ油症被害者の救済に向けた市民運動と二つの法律
                     編集部

シリーズ

がんばれ! 消費者委員会  消費者委員会事務局

くらしあんぐる 2014 「電子マネー、親子でルールを」
  中日新聞生活部 福澤英里

ADR機関を活用しよう
 「交通事故の修理に係わる費用請求の解決事例」
              総合紛争解決センター

現場からの情報【相 談】 遠隔操作によるプロバイダ変更

現場からの情報【テスト】 キャンドルブッシュを含む健康茶

判例に学ぶ
  「大学受験予備校の学費不返還条項について
                消費者団体による差し止めを認めた事例」

                   弁護士 辰巳裕規

Consumer's Eye              編集部

団体訴権への展開              ひょうご消費者ネット 

ネット漂流 「無防備な大人の投稿が子どもを危険にさらす」
              NIT情報技術推進ネットワーク 篠原嘉一

 

2014年8月28日 (木)

平成26年司法試験合格発表について(法務省)

 平成26年司法試験の合格発表について法務省が公表しました。

 毎年、キーワード検索で古い年度の記事に迷い込まれる方がおられますので、恒例の道標的な記事です。

   → 平成26年司法試験の合格発表日時等について(法務省)

 発表日時 平成26年9月9日(火)午後4時
   (1) インターネット法務省ホームページ
                             ( http://www.moj.go.jp/ )
   (2) 掲示法務省司法試験合格発表掲示板ほか6カ所

 発表内容 合格者の受験番号

 試験地ごとの合格発表掲示場所一覧
               
(当該試験地で受験した合格者の受験番号)
  札幌市札幌第三合同庁舎掲示板
                     (札幌市中央区大通西12丁目)
  仙台市仙台高等検察庁掲示板
                     (仙台市青葉区片平1-3-1)
  東京都法務省司法試験合格発表掲示板
                     (東京都千代田区霞が関1-1-1)
  名古屋市名古屋法務合同庁舎玄関前掲示板
                     (名古屋市中区三の丸4-3-1)
  大阪市大阪中之島合同庁舎玄関前掲示板
                     (大阪市福島区福島1-1-60)
  広島市広島法務総合庁舎掲示板
                     (広島市中区上八丁堀2-31)
  福岡市福岡高等検察庁掲示板
                     (福岡市中央区舞鶴2-5-30)

【追記】(9/10)
発表ありましたね。合格された方おめでとうございます。
以前は、合格者氏名が中国新聞などの地方新聞に掲載されていたところもありましたが、私が、現在まで見た限りでは一般的には読めなさそうですね。登録会員限定という場合はあるのかもしれませんが。

2014年8月27日 (水)

電子商取引準則の改訂(経済産業省)

 8月からブログの更新再開をしたところ、景品表示法の関連記事が重なったこともあって放置してましたが、8月8日に経済産業省が、「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」の改訂を公表しています。ここで簡単に紹介しておきます。

   → 「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」を改訂しました(経産省) 

 今回の改訂内容は、以下の各論点についての修正・追加です。、今回はあまり大きな改訂ではありません。

  1. 消費者の操作ミスによる錯誤(一部修正)      
  2.    
  3. 未成年者による意思表示(一部修正)      
  4.    
  5. 情報財の取引等に関する論点(一部修正)      
    ・ デジタルコンテンツ(新規追加)       
    ・ デジタルコンテンツのインターネットでの提供等に       
    おける法律問題について(新規追加)       
    ・ デジタルコンテンツ提供サービス終了後のデジタル       
    コンテンツの利用(新規追加)       
    ・ 電子出版物の再配信を行う義務(新規追加)       
    ・ オンラインゲームにおけるゲーム内アイテムに関       
    する権利関係(新規追加)

   詳しくは、経産省サイトをみていただくとして、最後のオンラインゲーム内アイテムの権利関係についての追加部分を転載しておきますね。


 

(4) オンラインゲームにおけるゲーム内アイテムに関する権利関係 

 オンラインゲームにおいては、ユーザーは料金を支払って得たアイテムをあたかも「所有」しているような理解をすることがあるが、実際にはアイテムはゲーム内の「情報」にすぎないことから、ゲーム内アイテムには民法上の所有権は認められないことを明示した上で、事業者とユーザーとの間の契約の解釈によっては、ユーザーが事業者に対して一定の権利・法的保護に値する利益を主張し得る可能性があることを記載した。   
加えて、ユーザーが有償でアイテムを取得した直後にサービスが終了した場合、事業者のシステムの不具合によりユーザーが有償で取得したアイテムが消滅した場合についての記述を追加した。

     (以下、本文新規追加部分) 準則iii.97頁 

 オンラインゲームにおけるゲーム内アイテム(以下、「アイテム」という。)には所有権は認められない。   
 アイテムの利用については、事業者とユーザーとの間に成立した契約の解釈によっては、ユーザーが事業者に対して一定の権利・法的保護に値する利益を主張し得る可能性がある。   
 ユーザーが有償でアイテムを取得した直後にサービスが終了した場合には、事業者の事前の告知の状況、ゲームにおけるアイテムの位置付け等により、債務不履行に基づく損害賠償が認められることがあり得る。   
 また、事業者のシステムの不具合によりユーザーが有償で取得したアイテムが消滅した場合には、オンラインゲームのサービス提供においてシステムに不具合が生じることは不可避であるともいえるから、不具合が生じたからといって直ちに事業者に当該有償アイテムの消滅に係る義務・責任が生じるということにはならない。ただし、事業者が故意又は重過失によりシステムの不具合を生じさせたような場合には、損害賠償の免責規定がある場合でも、事業者が当該有償アイテムの消滅についての損害賠償責任を負うことが考えられる。

2014年8月26日 (火)

景品表示法への課徴金導入に関する意見募集(消費者庁)

 本日、消費者庁が、景品表示法への課徴金制度導入に関する改正法案についての意見募集を公表しています。

  → 「景品表示法における課徴金制度導入に関する意見募集」 

 意見募集期間は9月4日までと1週間ちょっとしかありませんね。 

 6月の消費者庁の答申で明確でなかった点について、今回の案では、課徴金の率を売上の3%とし、リニエンシー(自主申告制度)により半額免除制度を導入、対象期間は3年間、規模基準として課徴金が150万円未満は免除除斥期間は5年間一定の被害回復措置を講じた場合の課徴金免除、といったような具体的な案が示されています。

   意見募集の対象となっている改正法案の概要は以下の通りです。

不当景品類及び不当表示防止法及び独立行政法人国民生活センター法の一部を改正する法律案(仮称)の概要      
 不当な表示を防止するため、不当な表示を行った事業者に経済的不利益を賦課するとともに、不当な表示により消費者に生じた被害の回復を促進する課徴金制度を導入する。

骨子
     商品及び役務の取引に関する不当な表示を防止するための方策として、不当景品類及び不当表示防止法(昭和37 年法律第134 号。以下「景品表示法」という。)に定められている措置命令に加え、不当表示を行った事業者に経済的不利益を賦課すべく、課徴金制度を導入する。

   (1) 対象行為
 ア 景品表示法において既に定められている不当表示の類型のうち告示によって指
    定される不当表示の類型を除き、課徴金を賦課するものとする。
   イ 不実証広告規制(効果又は性能に関する表示について事業者に一定の期間内に
    当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出がない場合に、当該表
    示を不当表示とみなして措置命令の対象とするもの)に係る表示行為について、課
    徴金賦課処分との関係においても、一定の期間内に当該表示の裏付けとなる合
    理的な根拠を示す資料の提出がない場合には、当該表示を不当表示と推定する
    規定を設けるものとする。

    (2) 賦課金額の算定      
    ア 対象商品又は役務の売上額に一定の率を乗じるという算定式により、一律に算
     定する。当該乗じる率を100 分の3とする。      
    イ 違反行為について自主申告した事業者に対し、課徴金額の2分の1を減額する。
    ウ 課徴金算定の対象期間は、違反行為により一般消費者による自主的かつ合理
     的な選択を阻害するおそれがあると認められなくなる日から遡って3年間を上限と
     する。      

    (3) 主観的要素      
     違反行為を行った事業者が自らが注意義務を尽くしていたことの証明があったときは、例外的に課徴金賦課の対象から除外するものとする。      

    (4) 規模基準      
     課徴金の額が150 万円未満となる場合には課徴金を賦課しないこととする。      

    (5) 賦課手続      
     違反行為を行った事業者に対する手続保障として弁明の機会を付与するものとする。      

    (6) 除斥期間      
     違反行為がなくなった日から5年を経過したときには、課徴金の納付を命じることができないものとする。      

    (7) 被害回復      
     景品表示法は、課徴金制度のある他法(公正かつ自由な競争の確保を目的とする私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22 年法律第54 号)、証券市場の公正性・透明性を確保し、投資家の信頼が得られる市場の確立を目的とする金融商品取引法(昭和23 年法律第25 号)及び公認会計士法(昭和23 年法律第103 号))と異なり、消費者庁への移管に伴い、消費者の利益の擁護及び増進を目的とすることとなった。このことを踏まえ、商品及び役務の取引に関する不当な表示によって消費者に生じた被害の回復を促進するため、違反行為者が、以下の(Ⅰ)から(Ⅲ)までの要件を全て満たす場合に、課徴金の納付を命じないこととする。      

    (Ⅰ)当該違反行為に係る、課徴金算定の基礎となる「売上額」の算定期間における
     商品又は役務の取引の相手方のうち、返金手続開始時点に違反行為者が当該相
     手方及び取引額を特定できる者(以下「特定返金対象者」という。)を対象として、
     次の(a)から(e)までの要件を満たす適正な返金手続を適切に履行していること。      
    (a) 返金を受けるのに必要な情報をあらかじめ周知すること。      
    (b) 明らかに不当な申出を行う者を除き、返金申出者に対し返金を実施すること。      
    (c) 返金に当たって、金銭の交付以外の手段を用いていないこと。      
    (d) 返金申出者各人に対し、各人に係る違反行為に係る商品又は役務の売上額に
     前記課徴金算定率を乗じた金額以上の金額を返金すること。      
    (e) 返金期限が不当なものではないこと。      

    (Ⅱ)①特定返金対象者のうち返金申出者に対し、合計で、課徴金額以上の返金を
     行ったこと、又は、②返金合計額が課徴金額未満であるときには、補充的に、独立
     行政法人国民生活センターに対し、次の(a)及び(b)の要件を満たす寄附を行ったこ
     と。      
    (a) 景品表示法に関する消費者被害の防止や回復のための活動への助成に充てる
     ことを条件とした寄附であること。      
    (b) 寄附金額が、課徴金額から返金合計額を控除した残額相当額以上であること。      
    (Ⅲ)内閣総理大臣が指定する日までに前記各要件を満たす旨を報告したこと。      

    (8) その他
     経過措置その他所要の規定の整備(例えば独立行政法人国民生活センター法の改正)を行うものとする。      

2014年8月23日 (土)

「景品・表示の法実務」(丸橋透・松嶋隆弘編著/三協法規出版)

 本日は、キャンプラザ京都で、京都弁護士会主催のシンポジウム「不当表示は許さない!-消費者のための表示規制のあり方を考えるー」に出席しています。
 最近の不当表示事案に対する消費者の関心の高まりから開催されたものですね。6月の景品表示法の改正およびまもなく国会に提出されるであろう課徴金制度の導入のための改正作業もあり、ビビッドなテーマです。

 ところで、景品表示法についてのまとまった解説書は限られたもの(代表的なものは、景品表示法〔第3版〕 景品表示法〔第3版〕 片桐 一幸  編 )しかなかったのですが、そのような中、新しい本が出版されたので、私もさっそく購入しました。

 この本は、従来の解説書とは異なり、はしがきに書かれていますように実務家らによる「ユーザー目線」で書かれた点に特色があるかと思います。特に、全体の景品表示法の解説の後に置かれた、各論的な業界の取組(公正競争規約、航空業界、 エンタテインメント業界、電気通信事業、口コミマーケティング業界)具体的なQ&Aの各編は一般読者の理解のためにも有用であると思います。
 ただ、私も、最近2つばかり景品表示法についての原稿を書きましたが、ちょうど改正作業が進められている最中で、そのうち一部が先行的に改正され、また、食品表示法の立法などの動きもある中で、原稿を確定するのには悩ましい時期といえます。しかも、先日の改正は未施行であり、かつ、新旧条文で条文番号の移動があるため、形式的にも書きにくいのです。本書でも、改正についてはフォローされていますが、過渡期ゆえのわかりにくさは見られます。次回の課徴金導入改正が落ち着いてからの改訂を待たないと仕方のないことかもしれませんね。

 本書で上記の口コミマーケティングに関して山口浩駒大教授が書かれていますが、もちろん私は自費購入で、かつ、何らの宣伝依頼は受けておりませんので、当記事はステマではないことを蛇足的に表明しておきます(笑)

2014年8月15日 (金)

『詐欺の帝王』(溝口敦・文春新書)

 お盆休みですね。とはいっても、私の事務所は休みにはなっていないのですが。

   こんな本を読んでみました。

      詐欺の帝王 (文春新書) 溝口 敦   

 暴力団などの裏社会に関する取材の得意なフリージャーナリスト溝口敦氏の本です。

  この本の主人公は、匿名にはなっていますが、オレオレ詐欺業界の頂点に立っていたという30代後半の男性です。彼への直接の取材から本書は成り立っています。 

 まず、冒頭の学生のイベントサークルやらチーマーやらの話は、時々、事件がらみでマスコミ報道で見聞きするくらいで、世代的にいっても私はよく知りませんので、学生にそんな世界があったのか、という感じで少々驚きました。

  その後の、ヤミ金、オレオレ詐欺、イラク・ディナール詐欺に至る数々の話は、私自身、被害事案の面からそれなりに見てきたものですが、それを業者(犯罪者)側から見るとこうなるのかと大変に興味深く読みました。商売がしずらくなったヤミ金業者が、オレオレ詐欺に移っていったという話自体は当時から聞こえていた話で、それらの点についても具体的に触れられています。   

 もちろん、自殺者を含めた多くの被害者から巻き上げた金銭が、女性とのデートでディズニーランドを借り切って数千万円が消えていくなどといった話などは、非常に腹立たしい、というレベルをはるかに超えるのですが。

 よく、詐欺商法の事件に対して、「騙される方が悪い」という声があがります。

 もちろん、そういう一面もあるでしょうし、消費者側も充分に防衛する必要はあります。ただ、詐欺商法を次々に編み出す連中は、この本の主役のように極めて頭が良く、どうやれば人からお金を吸い上げることができるかについて智恵を巡らせてきます。そして、そうやって集めたお金が大量に裏社会に消えていくことは、直接の被害者だけではなく、(騙されなかった人も含めて)社会全体に大きな損失を与えているものですので、やはり、叩いていく必要があると思います。 

2014年8月11日 (月)

事業者が講ずべき管理上の措置についての指針(案)【景品表示法】

 消費者庁が、8月8日付で、景品表示法7条2項に基づく「事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置についての指針(案)」を公表し、この指針案に関する意見募集を開始しています。 

  不当景品類及び不当表示防止法第7条第2項に基づく「事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置についての指針(案)」に関する意見募集の開始について (PDF) 

 これは、先日も当ブログで紹介しましたが、本年6月に成立した景品表示法改正(本年12月1日施行)で新設された景品表示法7条では、事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針を定めることとされていますので、消費者庁が、指針の案を作成したものです。   
(※ なので、六法に載っている現在の同法7条は別の規定(都道府県知事の指示)   
ですので、ご注意ください。)

  改正法の7条1項、2項は以下の通りです(3項以下は略)。 

(事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置)    
第7条 事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、景品類の提供又は
   表示により不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を
   阻害することのないよう、景品類の価額の最高額、総額その他の景品類の提供
   に関する事項及び商品又は役務の品質、規格その他の内容に係る表示に関す
   る事項を適正に管理するために必要な体制の整備その他の必要な措置を講じ
   なければならない。
  2  内閣総理大臣は、前項の規定に基づき事業者が講ずべき措置に関して、その
   適切かつ有効な実施を図るために必要な指針(以下この条において単に「指針」
   という。)を定めるものとする。

   意見募集(パブリックコメント)の期間は、平成26年8月8日(金)から9月16日(火)まで(必着)です。 

 全部を詳しく読んでませんし、あくまでも指針の案ですので、ここでは個々の内容には触れませんが、第2 基本的な考え方 1 必要な措置が求められる事業者 の第2段落で、

  「なお、自己の供給する商品又は役務について一般消費者に対する表示等を行っていない事業者(広告媒体事業者等)であっても、例えば、当該事業者が、商品又は役務を一般消費者に供給している他の事業者と共同して商品又は役務を一般消費者に供給していると認められる場合は、景品表示法の適用を受けることから、景品表示法第7条第1項に基づき必要な措置を講じることが求められることに留意しなければならない。」 

と注意的に書かれている点がちょっと気になりました。    
 ここに例示的に「広告媒体事業者」を入れた意味、そして、他の事業者と共同で商品等を供給していれば景表法の適用事業者であることは当然と思えるのにわざわざ注意的に書かれている点です。      
 この段落を入れたことに特別な意味があるのか(例えば、クーポン事業者や、モール運営事業者などを含める余地を認めるとか)、それとも単なる注意書きなのか、いずれにしても明確にしておかないとわかりにくいのではないかと思っています。

2014年8月 8日 (金)

景表法に課徴金制度導入の答申(消費者委員会)

 さて、いよいよ景品表示法への課徴金導入の答申のお話です。

 これは、内閣府の消費者委員会「景品表示法における不当表示に係る課徴金制度等に関する専門調査会」で審議されて、本年6月10日に出されました 

「不当景品類及び不当表示防止法上の不当表示規制の実効性を確保するための課徴金制度の導入等の 違反行為に対する措置の在り方について (答申)」

です。 ※答申、概要などは、こちらの上記専門調査会ページから   

 この答申の内容を踏まえて法案化が進められるのですが、まだ法案は公表されていません。なので、細かい具体的内容はわかりませんし、また、答申の内容そのままで立法化されるかどうかも分かりません。おそらく秋の国会では審議されることと思いますので、近々法案も公表されるのではないかと思われます。

 答申の中身について詳しくは、上記リンク先の答申や概要をご覧いただきたいのですが、ここで、いくつかの点を簡単に見ておきます。

 まず、対象行為としては、不当表示行為のうち、優良誤認(4条1項1号)、有利誤認(同項2号)を対象とし、指定告示行為(同項3号)は含まないとされています。

 いわゆる不実証広告制度(4条2項・優良誤認のみ)は、課徴金賦課の場合にも一応適用されるものの、企業がその後の根拠資料をもって争うことを可能にする、としています。この点は、現在の不実証広告制度の判例上の解釈では、事後的な資料では覆せない、としていますので、何らかの手続規定を入れることになるようです。 

 課徴金の算定方法は具体的に示されていませんし、小規模事案について適用外とすること(裾切り)は書かれていますが、具体的基準は記載されていません。なお、廃案となった平成20年改正案のときには、売上金額の3%とし、この算定金額が300万円未満の場合は賦課しないこととなっていました。

 また、課徴金賦課の主観的要件としては(景品表示法違反の不当表示に措置命令を発するについては過失は不要とされています。)、平成20年改正案においては、故意または重過失が必要でしたが、今回の答申では、「原則として課徴金を賦課することとし、違反行為者から、不当表示を意図的に行ったものではなく、かつ、一定の注意義務を尽くしたことについて合理的な反証がなされた場合を、例外的に対象外とすれば足りる。」としています。この「一定の注意義務を尽くしたことについて合理的な反証がなされた場合」というのが、具体的にはどのような程度の注意義務が要求されるのかについて、企業側としては関心のあるところになるでしょう。 

 さらに、支払われた課徴金を消費者被害回復などに使うような制度についても答申は触れていますが、これが実際に法制化されるのか、どのような制度になるのかも注目したいところです。

2014年8月 7日 (木)

税金の争い方についてのあれこれ

 最近、競馬の払い戻し所得の課税について外れ馬券が経費にあたるかどうかの刑事事件で経費にあたるとした判決が大阪高裁で出ましたが、この事件については、刑事事件だけでなく、税務訴訟も継続しているようです。
 競馬の外れ馬券が経費に該当するかどうかという点では、この事件は特殊なケースであり、一般の競馬愛好家には無関係といったほうがよさそうですが、この件のように税務当局の課税処分に対して争う場合はあります。

 ただ、税務当局の決定に歯向かうというのは、なかなか難しいこともあり、まだまだ多くはないのですが、適正な納税はすべきとはいえ、不当な課税には争うべきことは当然です。そういった税務訴訟に関する研修が、今夜(6日)、大阪弁護士会であり、出席してきました。講師の関戸一考弁護士がわかりやすくお話されて、大変参考になりました。課税処分に対する不服申し立ては民事訴訟とは異なるものですので、なかなか一般の弁護士は扱わないことも多いのです。

 たまたま、つい先日まで数年間、国税不服審判所審判官をされていた松井淑子弁護士が、税務の不服調査手続きに関する本を出版されたところであり、昨夜の研修でも、この本をペラペラ見ながら、講演を聞いていた次第です。

 松井淑子弁護士は、私も所属する大阪弁護士会消費者保護委員会の後輩であり、また、ランナー仲間でもありますので、以下は宣伝です。宣伝と言ってますので、ステマではありません(笑) でも、実務を十分に見てこられた弁護士の最近の著書ですので、類書はあまりないのではないかと思います。   

  

 この本は、税務調査から税務訴訟に至るまでの、不服申立手続(異議申立、審査請求)を中心に記載されており、弁護士、税理士が手続的には苦手なところに注目して平易に解説されています。
 実際に、税務当局と争うかどうかは別として、このような基本的な手続は、我々としては理解しておかないといけないのは当然ですので、大変有益な書籍だと思います。

 納税者というのはタックスペイヤーですので、国や自治体を介した消費者でもあります。住民訴訟もそうですが、税金の払い方、使われ方は広い意味で消費者問題ですね。

2014年8月 5日 (火)

平成20年の景品表示法への課徴金導入法案について

 景品表示法への課徴金制度導入については、消費者委員会の今年6月の答申が現段階としては検討状況の最新版ということになりますので、これについて、ここで紹介しないといけないのですが、その前にということで、本エントリーです。

  今回の課徴金導入のきっかけとなったのは、一連の偽装メニュー問題だろうと思いますが、実は、景品表示法への課徴金制度導入については、まだ景品表示法独占禁止法の特例法として公正取引委員会の所管であった平成20年に改正直前まで行ったことがあります。しかし、当時のねじれ国会の状況の中で廃案となり、その後、景品表示法消費者庁に移管されたこともあって、そのままになっていたものです。 

 この平成20年改正案の内容については、今回の改正を考えるうえでも、参考になるものですので、これをまとめる・・・・のは面倒なので、この平成20年改正案に関する当ブログの過去記事のリンクを以下に貼っておきましたので、興味のある方はご覧ください。

 「08年独占禁止法改正(その4 景表法の課徴金)」 2008年 3月19日

 「独禁法・景表法の改正されず、の整理」 2008年 7月 2日

 「独占禁止法の改正のまた先送り」 2008年12月15日

2014年8月 4日 (月)

今年6月の景品表示法改正

 ぼちぼちと、景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)の改正について書きたいと思います。

             → 消費者庁サイト 景品表示法 

 まず、今年6月6日に国会で可決成立した改正についてです。

  先に言っておきますと、この今回の改正では景品表示法違反の不当表示について課徴金制度はまだ導入されていません。 

 今回の改正は、「不当景品類及び不当表示防止法等の一部を改正する等の法律」の可決成立という形で行われています(法律家でない一般の人は、ここのあたりは、スルーしてもらっていいところですが)。   
 この法律は、タイトルに「等」がついていますように、景品表示法の改正だけではなくて、他に、消費者安全法独立行政法人国民生活センター法の改正も含まれています。法律の中身を見ると、3つの法律それぞれの一部改正が、1条、2条、3条に分けて書かれています。   
 そして、最後の4条に「政府の措置」として、

「第一条の規定(※川村注 景品表示法改正部分)により講じられる措置のほか、政府は、この法律の施行後一年以内に、課徴金に係る制度の整備について検討を加え、必要な措置を講ずるものとする。」 

という規定が置かれています。
  施行日については、既に決まっており(この点をご指摘いただきありがとうございました。)、改正自体の施行日は本年12月1日になっています。ただし、上記の4条についての施行日は7月2日(施行についての政令公布日)とされました。したがって、それから1年以内となると検討等の期間は最長でも来年7月までとなります。
 つまり、今回の改正では課徴金制度の導入はされなかったものの、この4条によって、政府としては、遅くとも、来年中には課徴金制度の整備について検討および必要な措置(改正など)を行わなければならない、ということになります。この課徴金導入については、既に消費者委員会の答申が出ていますが、これについては、別記事で後日書きたいと思います。 

 さて、それでは、今回の改正で実際に改正されたのは、どういう点かというと、以下の通りです。ちょっと地味な部分の改正ですが、重要であろうと思います。
 特に、5(2)の都道府県知事への権限委任に関しては、これまで都道府県では行えなかった事業者に対する措置命令を発することができるようになりますので、注目されます。ただ、これまでも都道府県には指示という権限がありましたが、都道府県によってはほとんど活用されていないところも多く、結局の所、人と予算がなければ執行できないことになりますので、実効性を持たせるためには財政など都道府県の執行体制の支援がなければ絵に描いた餅になる可能性もあります。

 


【今回の景品表示法改正の概要】

1 事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置 

(1) 事業者は、自己の供給する商品等について、表示等により不当に顧客を誘引し、
  一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害することのないよう、体制の整
  備その他の必要な措置を講じなければならないこととされたこと。

(2) 内閣総理大臣は、事業者が講ずべき措置に関して、必要な指針を定めるととも
  に、指針を定めようとするときは、事業所管大臣等に協議し、消費者委員会の意
  見を聴かなければならないこととされたこと。(第7条関係) 

2 指導及び助言

   内閣総理大臣は、事業者が講ずべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を
  図るため必要があると認めるときは、必要な指導及び助言ができることとされたこ
  と。(第8条関係) 

3 勧告及び公表

   内閣総理大臣は、事業者が正当な理由がなくて講ずべき措置を講じていないと認
  めるときは、表示等の管理上必要な措置を講ずべき旨を勧告できることとするとと
  もに、当該事業者がその勧告に従わないときは、その旨を公表できることとされたこ
  と。(第8条の2関係) 

4適格消費者団体への情報提供

   消費生活協力団体等は、適格消費者団体に対し、情報を提供できることとすると
  ともに、適格消費者団体は、当該情報を差止請求権の適切な行使以外の目的のた
  めに利用し、又は提供してはならないこととされたこと。(第10条関係) 

5 権限の委任等

(1) 消費者庁長官は、緊急かつ重点的に不当な表示等に対処する必要があること等
  の事情があるため、措置命令等を効果的に行う上で必要があると認めるときは、政
  令で定めるところにより、報告の徴収等の権限を事業所管大臣等に委任できること
  とされたこと。 

(2) 消費者庁長官に委任された権限に属する事務の一部は、政令で定めるところによ
  り、都道府県知事が行うこととすることができることとされたこと。(第12条関係)

6 関係者相互の連携 

   内閣総理大臣、関係行政機関の長、関係地方公共団体の長等は、必要な情報交
  換その他相互の密接な連携の確保に努めることとされたこと。(第15条関係)

2014年8月 3日 (日)

日本消費者法学会第7回大会の案内が届きました。

 日本消費者法学会第7回大会の案内が昨日届きました。「会費等納入のお願い」も同封されていますけど。

  テーマは、製造物責任法(PL法)ですね。もう制定20年ですか。 

 大会の案内は、まだ日本消費者法学会のサイトには出ていないようです。
 今回の大会は、東京経済大学国分寺キャンパスで開催されます。概要は、以下の通りです。 

今の所、私も参加する予定にしております。

【日 時】 2014年11月8日(土)10:00~17:30 

【場 所】 東京経済大学国分寺キャンパス2号館B-301教室

【テーマ】 制定20周年を迎える製造物責任法の現状と課題 

【参加費】 学会員 無料 / 一般 2000円 / 学生1000円(開催校が無料)

【学会次第】 

 ◇開会挨拶

  ◇報告 

   1 「シンポジウムの趣旨」 朝見行弘(久留米大学教授)

    2 「欠陥の判断要素」 土庫澄子(消費差安全問題研究会・代表) 

   3 「欠陥の立証」 吉岡和宏(弁護士)

    4 「欠陥化と損害論」 神田桂(愛知学院大学准教授) 

   5 「製品別にみる被害救済と製品安全の枠組み」 山本雄大(弁護士)

    6 「製品事故による消費者被害の救済と製造物責任法のあり方」 中村雅人(弁護士) 

 ◇ディスカッション

  ◇閉会挨拶

2014年8月 1日 (金)

「実務に効く 公正取引審決判例精選 (ジュリスト増刊)」有斐閣

 ブログ再開すぐに本の宣伝で誠に恐縮ですが、先日、有斐閣から泉水文雄教授、長澤哲也弁護士編の「実務に効く 公正取引審決判例精選 」が出版されました。

  目次は末尾の通りで、私は、第3章 顧客誘引行為 の 17 不当表示による顧客誘引 を執筆担当しました。   

 私はともかくとしても、共著者の皆さんは、バリバリの実務家ばかりですので、独禁法、景品表示法の一般的な本とは、ちょっと違ったものになっていると思います。

 よろしくお願いします。 

◎ 有斐閣サイトの書籍案内ページはこちら

 
        

【 目  次 】 

  第1章 競争者との協調的取組み   
     1 不当な取引制限(総論)(佐藤水暁)   
     2 競争者との無意識的・抽象的な取決め(山本浩平)   
     3 カルテルや談合を発見した場合の対応(内田清人)   
     4 適正取引のための競争者との取決め(大東泰雄)   
     5 外国におけるカルテル(宮川裕光)   
     6 競争者との共同研究開発(浜中孝之)   
     7 競争者との共同生産・OEM取引(那須秀一)   
     8 競争者との共同販売・共同調達(島田まどか)   
     9 企業結合(石井 崇)   
     10 共同ボイコット(樋口陽介)   
  第2章 取引先の選別   
     11 単独での取引拒絶・差別的取扱い(宇都宮秀樹)   
     12 知的財産権のライセンス拒絶(平山賢太郎)   
  第3章 顧客誘引行為   
     13 低価格の設定(伊藤憲二)   
     14 総販売原価を上回る対価による顧客の奪取(服部 薫)   
     15 抱き合わせ取引の誘引(木村智彦)   
     16 不当利益による顧客誘引(中嶋 弘)   
     17 不当表示による顧客誘引(川村哲二)   
  第4章 取引相手方に対する制限的行為   
     18 取引相手方に対する価格指示(植村幸也)   
     19 取引相手方に対する販売方法の指示(大軒敬子)   
     20 取引相手方に対する販売先や販売地域の制限(池田 毅)   
     21 取引相手方に対する競業制限(山島達夫)   
     22 取引相手方への排他的拘束による競争の排除(中野雄介)   
     23 取引相手方に対する著しい不利益の賦課(籔内俊輔)   
  第5章 複合的問題   
     24 フランチャイズ(酒匂景範)   
     25 二次的市場における顧客の囲い込み戦略(多田敏明)

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