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2013年11月10日 (日)

牛脂等注入肉と成形肉の偽装表示に関して(景品表示法)

 有名ホテル、レストランのメニュー表示偽装(誤表示?)、食品偽装などが大きな話題になっています。直近の引き金となったのは、阪急阪神グループ系列ホテルの公表でした。しかし、同グループが叩かれたと思ったら、全国のホテル、レストランが同様の表示を行っていたことを次々に公表したという前代未聞の事態に拡がっています。

   このブログでは、以前から景品表示法違反に対する公正取引委員会消費者庁の処分(排除命令、措置命令)を紹介してきました。メニュー表示についても結構記事にしています。
(なお、景品表示法は、2009年9月に公正取引委員会から消費者庁に移管され、不当表示に対する処分も、排除命令から措置命令に変わっています。)

   たぶん一番最初が、2007年12月のこの記事でしょう。大手居酒屋チェーンのメニューの霜降り馬肉との表記の食材が脂肪注入肉だったというものです。
   → 「居酒屋馬肉の脂肪注入肉(景表法)」(07/12/14)

   実はこの2年前に、これも大手チェーンの店での「ビーフステーキ」が成形肉だったという事案で、公正取引委員会が不当表示(優良誤認)であるとして排除命令を出したものがあります(2005年11月15日)。このブログを本格的に始めたのは、2007年始めからですので、ブログにはこの事件は書いてません。

   このような牛脂等注入肉成形肉については、やはりステーキのチェーン店で消費者庁から措置命令が出された事案もありました。これは、「霜降りステーキ」に牛脂注入肉、「健康ステーキ」に成形肉を使っていた事例です。
   → 「連日の牛肉不当表示の措置命令(消費者庁)」(11/3/4)

   そして、今回の一連の騒動でも、同様の事例があったようです。

   なお、消費者庁の解説によれば、
   「牛脂等注入肉」とは、「牛脂や馬脂に、水、水あめ、コラーゲン、植物性たん白、PH調整剤、酸化防止剤、増粘多糖類等を混ぜ合わせたものを「インジェクション」という注射針が針山になったような機械により、牛肉や馬肉に注入し、人工的に霜降り状の肉質に変質させ、形状を整えたもの。「インジェクション加工肉」等ともいわれ、牛肉に牛脂等を注入した「牛脂注入加工肉」や馬肉に馬脂等を注入した「馬脂注入加工肉」等がある。」とされ、
   「成形肉」とは、「牛の生肉、脂身、横隔膜等に酵素添加物や植物たん白等を加えるなどして人工的に結着し、形状を整えたもの。成型肉、結着肉、圧着肉ともいわれる。」とされています。

   このように、牛脂等注入肉成形肉を使った料理の表示については、過去数年間にわたって、いくつかの処分事例があります。さらに、このような事件を踏まえて、2011年8月、消費者庁は、景品表示法についての解説「表示に関するQ&A」成形肉・牛脂等注入加工肉を使用した料理の表示に関するQ&A 4問(Q53~56)を追加しています。
   このQ&Aによれば、牛脂注入肉を使う場合は、「霜降り」表示はもちろん、「ビーフステーキ」との表示も問題があるとしていますし、成形肉を使って「ステーキ」と表示することは問題としています。もちろん、このような場合でも絶対に違法だ、としているわけではありませんし、このような厳格な解釈については異論も考えられるところです。

   ただ、少なくとも、高級をうたい文句にしているホテルなどのレストランが、このように現実に過去問題とされたような表記を続けていたことは当然批判されるべきであると思います。景品表示法違反の表示それ自体は刑罰の対象となりませんが、排除命令措置命令に違反すると刑罰が科せられることになっています。つまり、過去に同様の表示で排除命令、措置命令を受けた業者が同様の表示を継続したり、復活したりすれば、命令違反罪という犯罪に該当するわけです。直接その効果を受けないとはいえ、ブランドで売っている他業者はその重みを充分に受け止めて、そのような疑わしい表記は避けるべきだったと思います。
   また、牛脂等注入肉成形肉の場合、その加工のため「乳」などアレルギー物質が入っているとのことであり、健康被害にもつながりかねない危険もあるとのことです。

【追記】(11/10)
 なお、独占禁止法、景品表示法に詳しい植村幸也弁護士はブログで、この問題に関する消費者庁Q&Aにつき、疑問を呈しておられます。
   → 弁護士植村幸也ブログ:みんなの独禁法「牛脂注入肉と景表法」
 私は、これらの点がかなり微妙なところであり、一概に違法かどうかは確かに疑問だと思っております。
 ただ、本文に書いたように、このようなグレーゾーンで消費者の信用を失いかねないような表記を、過去の処分事例がありながら高級レストランが継続することは、企業コンプライアンスとしては非常に問題が多いものと考えます。

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