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2012年3月の記事

2012年3月31日 (土)

RMT業者へのグリーの対応と雑誌「消費者情報4月号」宣伝

 いよいよ、平成23年度も数時間を残すばかりとなりました。なんだか大晦日の挨拶みたいですが、新年度が明るい年度であってほしいものです。

 当ブログの前々回(3月25日付)記事「『Google社に対する差止仮処分決定』と『ゲームアイテムに関する訴訟の和解』の報道」の後半で、オンラインゲームのアイテム売買に関する話を書きましたが、その後の動きと、それに関連して宣伝です(笑)

 上記記事で書きましたオンラインゲーム運営事業者の動きの後で、そのうちのグリーに関していくつかの発表がされています。

 まず、、グリーに関して刑事摘発が見込まれるとした週刊ダイヤモンドの記事に関し、グリーはすぐに否定するコメントを出しました。
 → 週刊ダイヤモンド掲載の当社関連記事への対応と当社の取り組みについて

 そして、3月30日には、RMT(リアル・マネー・トレード)に関する対応についてプレスリリースをしています。

 → グリー プレスリリース 2012年

 というようなことで、バタバタと事業者も対応をせざるを得ない状況となっている模様で、今後の動きも注目したいところですが、やはりRMTによる換金性という点は、賭博性との間連で極めて重要な要素ですので、そのあたりを睨んでの動きかと思われます。

 さて、そんな中で、雑誌「消費者情報」4月号(№430)が、これに関する特集を組んでいます。発行は私も理事を務めている財団法人関西消費者協会です。上記サイトから購入可能ですので、よろしくお願いしますm(_ _)m

 詳しい内容は上のリンクを参照いただきたいですが、特集部分の内容の概要は以下の通りです。

 【特 集】ネットコミュニケーション — 仕組みと危険

インタビュー 兵庫県情報セキュリティサポーター  篠原嘉一

ネット犯罪から子どもを守る!   編集部

モバイル決済のウラオモテ     株式会社サイバード 高野敦伸

オンラインゲームの仕組み     NHN Japan株式会社 高橋誠

オンラインゲームと法規制           弁護士 吉井和明

オンラインゲームトラブル! その現状と対処法
                    国民生活センター 黒川龍

SNSと対人距離 匿名性と距離感
       第一生命経済研究所ライフデザイン研究本部 宮木由貴子

スマホとケータイの特性と注意点を知る
                              NIT情報技術推進ネットワーク 篠原嘉一

                        ※ 敬称略 ※

2012年3月27日 (火)

大創産業(ダイソー)に対する下請法違反勧告(公取委)

 中小企業庁中国経済産業局が、100円ショップ「ダイソー」を展開する株式会社大創産業(広島県東広島市)に対して調査を行い、下請代金支払遅延等防止法(下請法)4条1項3号(下請代金の減額の禁止)に違反する事実が認められたとして、2月17日付で、中小企業庁長官公正取引委員会に対して、同法に基づく措置請求を行っていた件に関して、本日、公正取引委員会勧告を出しています。

 要するに、ダイソーで販売する商品の製造を委託している下請業者に対する下請代金を不当に減額したというものですね。

 下請法違反に基づく公正取引委員会の勧告は、今年に入って7件目ですね。7件とも、下請代金の減額の禁止に違反する事案です(別の違反を含んでいる件もありますが)。

 → 公取委サイト 報道発表資料(PDF)

【違反事実の概要】
 大創産業は、日用品等の製造を下請事業者に委託しているところ、下記行為により、下請事業者に責任がないのに、当該下請事業者に支払うべき下請代金の額を減じていた。減額した金額は、下請事業者178名に対し、総額2億7946万2435円である。

  •  下請代金の支払について、現金により行うこととしている下請事業者に対し、「歩引」として、下請代金の額に一定率を乗じて得た額を負担するよう要請し、この要請に応じた下請事業者について、下請代金の額から当該金額を差し引いていた。(なお、同社は、下請事業者に対し、減額した金額を、返還している。)

 勧告では、本件行為が下請法違反行為であり、今後行わない旨を取締役会決議で確認すること、本件に基づいて採った措置を自社役員、従業員に周知徹底し、今後違反行為を行わないよう研修等の必要な措置を講じ、周知徹底すること、などが大創産業に対して命じられています。

【追記】(3/29)
 昨日も別件の下請法勧告が出され、また、今日は、中小企業庁から公取委への措置請求の案件が公表されていますね。どちらも下請代金減額の案件ですが、別記事にするほどでもないので、追記で書いておきます。

 昨日の下請法勧告は、福岡造船株式会社(福岡市中央区)による、船舶製造、設計等の下請事業者に対する下請代金の減額事案(24名に対し、総額約1346万円)。

 今日の中小企業庁の措置請求は、紳士服量販大手の株式会社コナカ(横浜市戸塚区)につき、下請代金減額の事実が認められたとして、下請法に基づき公正取引委員会に措置請求を行ったものです(10名に対して、総額約3074万円)。

2012年3月25日 (日)

「Google社に対する差止仮処分決定」と「ゲームアイテムに関する訴訟の和解」の報道

 インターネットに関する裁判がらみのニュースも増えてきましたが、今日も(もちろん日曜なので今日の裁判ではありませんが)、Twitterfacebookで、興味深い裁判の話題に接しました。

 1つは、毎日新聞の報道による3月19日付の東京地裁の仮処分決定とのことで、米Google社に対して、Google検索の「サジェスト機能」に関して、日本の男性がプライバシーを侵害されたとして、表示の差止の仮処分を求めていたのに対して、認容決定がを出されたというもの。

 インターネットでグーグル検索をするときに検索キーワードを入れると、予測の検索語が表示されるように現在はなっていますが、これが「サジェスト機能」です。たとえば「川村哲二」と検索窓に入力すると、その下に「川村哲二」とか「弁護士 川村哲二」とか出てきます。いろんな言葉でやると結構とんでもないのが出てきて面白いのですが、今回の事件の男性の名前を入れると、犯罪行為を連想させる単語が表示され、そこをクリックして検索すると、男性を中傷するサイトの検索結果が出るとのことです。

 これについて、東京地裁が差止の仮処分を認めたと言うことで、それ自体、極めて注目されるものですが、報道によれば、どうやら米Google社は、この決定に従わないとしたようで、国境のないネットの世界での紛争の難しさが現れたという意味でも今後の経緯が注目されます(ただし、既に男性に関する表示は出ないようになっているとの話もありますが詳細は不明です。)。

【追記】(3/25)

 NHKニュースがネットに出ています(そのうち消えると思いますが)。
 鈴木正朝教授のお顔もコメントとともに出ています。

 → NHKサイト


 もうひとつは、岡村久道弁護士が先程tweetされていた神戸新聞(昨日付)の記事ですが、これは、オンラインゲームのアイテムに関する裁判の和解の話題です。記事中に岡村弁護士のコメントが出ています。

 事案の詳細は省きますが、オンラインゲームでIDとパスワードを無断で公開された兵庫県の男性が、これにより、武器などの希少アイテムを失ったとして、愛知県の少年に計約350万円の損害賠償を求めていたというものです。記事によれば、神戸地裁において、少年側が原告に慰謝料など70万円を支払うことで和解が成立していた、とのことです。

 当ブログでも、オンラインゲームの問題については、何度か触れたと思いますが、今年に入って一気にいろんなところで問題が取り上げられており、特に、いわゆる「ガチャ」など、アイテムを巡る問題が中心になっているといってもいいと思います。この問題は、こういったゲーム内でのアイテムをネット外で金銭と交換する市場(RMT=リアル・マネー・トレード)ができていることから、一層問題となります。なお、ゲーム運営会社側は、RMTは禁止行為としています。

 この神戸地裁の裁判でも、原告の損害を算定するにあたっては、アイテムの経済的価値を考えないといけませんが、これが微妙に難しいことになりますね。

 ネットゲーム業界も先日、大手6社が「ソーシャルゲームの利用環境向上等に関する連絡協議会」を設置するとの発表をしました。
 → グリーのプレスリリース

 この問題は、まだまだこれから大きく動いていくような感じがします。4月1日に発行される雑誌「消費者情報」4月号にも、ゲーム間連の記事が掲載される予定と聞いています。発行されれば、またご紹介したいと思います。

2012年3月19日 (月)

いわゆる「写り込み」などに関する著作権法改正法案公表

 今の国会に著作権法の一部を改正する法律案が提出されています。

 → 著作権法の一部を改正する法律案:文部科学省

 改正の趣旨としては、

デジタル化・ネットワーク化の進展に伴い、(1)著作物の利用形態の多様化等が進む一方、(2)著作物の違法利用・違法流通が常態化している中、以下のとおり規定を整備。
 (1)の観点から、著作物等の利用を円滑化するため、いわゆる「写り込み」等に係る規定等を整備。
 (2)の観点から、著作権等の実効性確保のため、技術的保護手段に係る規定を整備。
」ということです。

 著作権に関しては、以前から、いわゆる「フェアユース」の導入が問題になっているわけですが、今回の改正のうち、上記(1)の観点は、「フェアユース」の議論の中で出てくるいくつかの具体的な事例の場合における著作物の利用を認める内容になります。しかし、「フェアユース」の導入という点からはあまりにもわずかな部分ではあります。

 このうち、広く一般の人に関係するのは、いわゆる「写り込み」に関する改正です。写真撮影したときにたまたま背景に他の著作物が写り込んでいた場合にその著作物に関する著作権侵害についての問題です。
 もっとも、一般の人の場合は、このようなことがあっても、実際にはこれまでも問題にされることはほとんどなかったと思われますが、たとえば、ホームページやブログに自分で撮影した写真や戸外での録音をアップロードしたりした場合には問題となりうるもので、これが著作権侵害に該当するとすれば大変なことになります。

 「写り込み」問題についての現行法上でのこれまで議論については、経済産業省「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」(平成23年6月改定)の『Ⅱ-10-3 著作物の写り込み』を参照いただきたいですが、今回の改正法案では、次のとおり著作権法30条の2(付随対象著作物の利用)を新設することになっています。
 

第30条の2(付随対象著作物の利用)

 写真の撮影、録音又は録画(以下この項において「写真の撮影等」という。)の方法によつて著作物を創作するに当たつて、当該著作物(以下この条において「写真等著作物」という。)に係る写真の撮影等の対象とする事物又は音から分離することが困難であるため付随して対象となる事物又は音に係る他の著作物(当該写真等著作物における軽微な構成部分となるものに限る。以下この条において「付随対象著作物」という。)は、当該創作に伴つて複製又は翻案することができる。ただし、当該付随対象著作物の種類及び用途並びに当該複製又は翻案の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。

2 前項の規定により複製又は翻案された付随対象著作物は、同項に規定する写真等著作物の利用に伴つて利用することができる。ただし、当該付随対象著作物の種類及び用途並びに当該利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。

 ちょっと括弧書きが多くて読みづらいですが、写真撮影や録音をするにあたって、その対象となる事物や音から分離することが困難な他の著作物(これを「付随対象著作物」と定義しています。)は、本来の写真や録音に伴って複製、翻案が(著作権者の承諾なくても)できる、ということです。

 具体的には、何かの写真や映画の撮影する場合に、背景にあるポスターも撮影してしまうとか、街角のインタビュー録音などの際にバックに音楽が流れていて一緒に録音してしまうような場合ですね。
 ただし、規定では、本来の写真や録音等での軽微な構成部分に限られるとされています。また、著作権者の利益を不当に害してはならない旨の縛りもされています。「写り込み」の名目で、バックの写真などの著作物を複製することが目的であるような利用法までは許されませんのでご注意を。

 なお、上記の「写り込み」に関する規定などについては、平成25年1月1日が施行日として予定されています(まだ成立してませんので、あくまでも予定です。)。また、他の改正部分も仕事の場面では結構関係するところもありますが、今回は省略します。

2012年3月14日 (水)

携帯ゲームの「魚の引き寄せ画面」の著作権(グリーvsDeNA著作権侵害事件東京地裁判決)

 先日、携帯電話の釣りゲーム「釣りゲータウン2」を運営するDeNA(ディー・エヌ・エー)らに、このゲームの配信停止等と約2億3400万円の損害賠償の支払を命じる東京地裁判決がありましたが、この判決が裁判所サイトに掲載されたようです。なお、報道によれば、原告、被告双方とも、この判決に対して控訴をしているようです。勝訴と報じられたグリーについても、後述の通り、その主張のかなりの部分は排斥されており、グリーも控訴せざるを得ないというところでしょう。

 事案は、DeNAらの「釣りゲータウン2」がグリーの携帯電話釣りゲーム「釣り★スタ」を模倣したものだとして、グリーDeNAらに対して、配信停止や約9億4000万円の損害賠償などを求めていたもの。

 平成24年2月23日東京地裁判決 著作権侵害差止等請求事件

 判決文を見ると、グリーの主張のうち、DeNA作品の「魚の引き寄せ画面」が、グリー作品の「魚の引き寄せ画面」の著作権及び著作者人格権を侵害する、という点については、侵害を認めました。

 判決は、双方の「魚の引き寄せ画面」を比較して、共通点、相違点を指摘したうえで、

 グリー作品につき、「・・・特に,水中に三重の同心円を大きく描き,釣り針に掛かった魚を黒い魚影として水中全体を動き回らせ,魚を引き寄せるタイミングを,魚影が同心円の所定の位置に来たときに引き寄せやすくすることによって表した点は,原告作品以前に配信された他の釣りゲームには全くみられなかったものであり,この点に原告作品の製作者の個性が強く表れているものと認められる。」とし、

 DeNA作品について、「・・・上記のとおり原告作品との相違点を有するものの,原告作品の魚の引き寄せ画面の表現上の本質的な特徴といえる,水面上を捨象して,水中のみを真横から水平方向の視点で描いている点」,「水中の中央に,三重の同心円を大きく描いている点」,「水中の魚を黒い魚影で表示し,魚影が水中全体を動き回るようにし,水中の背景は全体に薄暗い青系統の色で統一し,水底と岩陰のみを配置した点」,「魚を引き寄せるタイミングを,魚影が同心円の一定の位置に来たときに決定キーを押すと魚を引き寄せやすくするようにした点」についての同一性は,被告作品の中に維持されている。」として、

したがって,被告作品の魚の引き寄せ画面は,原告作品の魚の引き寄せ画面との同一性を維持しながら,同心円の配色や,魚影が同心円上のどの位置にある時に魚を引き寄せやすくするかという点等に変更を加えて,新たに被告作品の製作者の思想又は感情を創作的に表現したものであり,これに接する者が原告作品の魚の引き寄せ画面の表現上の本質的な特徴を直接感得することができるものと認められる。また,これらの事実に加えて,被告作品の製作された時期は原告作品の製作された時期の約2年後であること,被告らは被告作品を製作する際に原告作品の存在及びその内容を知っていたことを考慮すると,被告作品の魚の引き寄せ画面は,原告作品の魚の引き寄せ画面に依拠して作成されたものといえ,原告作品の魚の引き寄せ画面を翻案したものであると認められる。」としています。

 そして、DeNAらが、これらについて、いずれも単なるアイデア、又は、平凡かつありふれた表現にすぎず創作的表現とはいえないと主張した点については、

・・・魚の引き寄せ画面の共通点は,単に,「水面上を捨象して水中のみを表示する」,「水中に三重の同心円を表示する」,「魚の姿を魚影で表す」などといったアイデアにとどまるものではなく,「どの程度の大きさの同心円を水中のどこに配置し」,「同心円の背景や水中の魚の姿をどのように描き」,「魚にどのような動きをさせ」,「同心円やその背景及び魚との関係で釣り糸を巻くタイミングをどのように表すか」などの点において多数の選択の幅がある中で,上記の具体的な表現を採用したものであるから,これらの共通点が単なるアイデアにすぎないとはいえない。」として排斥しました。

 そして、DeNAらが、ゲームを共同製作して公衆に送信した行為は、グリーの魚の引き寄せ画面に係る著作権(翻案権、公衆送信権)を侵害し、また、DeNAらが、グリーの魚の引き寄せ画面を改変して魚の引き寄せ画面を作成した行為は、グリー同一性保持権を侵害するものと認められる、として、DeNAらのゲームの複製及び公衆送信の差止、記憶媒体の廃棄の請求を認め、さらに損害賠償として2億3460万円の支払を認めました。

 ただ、グリーの以下の主張については、東京地裁は認めませんでした。

  1.  DeNA作品における主要画面の変遷は、グリー作品における主要画面の変遷に係る原告の著作権及び著作者人格権を侵害している。
  2.  DeNAらのウェブページに魚の引き寄せ画面を掲載する行為は、他人の商品等表示として周知のものと同一又は類似の商品等表示を電気通信回線を通じて提供し、他人の商品又は営業と混同を生じさせる行為(不競法2条1項1号)に該当する。
  3.  DeNA作品を製作し公衆に送信する行為は、グリーの法的保護に値する利益を侵害する不法行為に当たる。

 また、損害額についても、グリーの請求額が約9億4000万円であったのに対し、無形損害1億円の主張を排斥するなど、判決での認容額は2億3460万円となっています。

 さらに、謝罪広告を求めた点についても、「・・・原告作品の魚の引き寄せ画面に係る原告の著作権の侵害の内容,態様等に照らすと,上記差止め及び損害に対する賠償金に加えて,原告の名誉,声望を回復するために適当な措置として,原告の請求する謝罪広告を掲載する必要性はない」として、請求を認めませんでした。

【追記】(8/8)

知財高裁が本日、著作権侵害を認めない逆転判決を出しました。

 → 釣りゲームのデザイン著作権控訴審判決(グリーvsDeNA:知財高裁判決)

2012年3月 9日 (金)

3月9日は初音ミクの日

 今夜は事情があって予定外に東京で泊まることになりました。天候などなどの関係ですが。

 さて、今日は3月9日で、ミク、初音ミクの日だとか(笑) 初音ミクもここ数ヶ月で一気に国際的にメジャーになってきました。今日もいろいろなイベントで盛り上がったようです。

 ということで、週末ネタでお気楽に、当ブログでこれまで初音ミクを取り上げた記事をあげておきたいと思います(それが何になるのか、とか考えずに)。

 → 「『初音ミク』2題」(9/12/27)

 → 「金星探査衛星「あかつき」明朝打上予定」(10/5/20)

 → 「『あかつき』の金星軌道投入は(JAXA)」(10/12/7)

 → 「SFマガジン8月号「初音ミク特集」」(11/6/25)

と、こんなところでしょうか。少し漏れてるかもですが。

 金星探査衛星「あかつき」ネタが中心ですが、結局、「あかつき」は金星軌道投入に失敗して、今後、JAXAもわずかなチャンスを狙っているようです。あの「はやぶさ」の奇跡の再来となるか、というところですね。初音ミクと共に私のメッセージも乗っているので私も奇跡を信じたいところです。

 もっとも、私は、ボーカロイドとしての初音ミクはいじったことないんですけどね(苦笑)

 

2012年3月 7日 (水)

クラウドコンピューティングの法律(岡村久道・編)

 2ちゃんねるの関連先への警視庁の家宅捜査があったことが報道されていますね。どうやら2ちゃんねる掲示板に大麻か何かを販売する投稿が削除されなかったことに関しての強制捜査のようです。まだ詳しくはわかりませんが、報道によれば、麻薬特例法違反のほう助の疑いでということなので、単なる販売者に対する捜査のための証拠集めではなく、2ちゃんねる関係者を被疑者としての捜査ということになりそうです。今後が注目されます。

 さて、今回も本の話ですが、「クラウドコンピューティングの法律」(岡村久道編 民事法研究会発行)を買いました。

 もちろんまだ全部に目を通したわけではありませんが、執筆陣も豪華ですし、現在のクラウドに関する法律問題が幅広く扱われています。
 最近は、一般個人がパソコンを利用していても、常時インターネットにつながっていることが普通になり、何らかの形でクラウドを利用していることも多くなっていますので、このような形で法的な問題を整理していただけるのはありがたいことです。また、第13章には技術的な説明もなされています。

 章立ては、以下の通りです。

第1章 総 論
第2章 情報システムの構築とクラウド─契約実務を中心に 
第3章 情報セキュリティとクラウド
第4章 知的財産権とクラウド
第5章 個人情報保護法制とクラウド
第6章 消費者保護とクラウド 
第7章 電子自治体―自治体クラウド
第8章 会社法上の内部統制とクラウド
第9章 金商法上の内部統制とクラウド
第10章 パブリッククラウドと内部統制およびその保証
第11章 裁判管轄と準拠法
第12章 クラウドと民事訴訟上の留意点
第13章 クラウド・コンピューティングの技術的側面
第14章 諸外国の機関とEUの動向
第15章 米国法制の動向
第16章 カナダ法制の動向

 そして、執筆者は(敬称略)、以下の通りです。

岡村 久道(弁護士、国立情報学研究所客員教授)
大谷 和子(株式会社日本総合研究所法務部長)
宮川美津子(弁護士)
鈴木 正朝(新潟大学教授)
坂東 俊矢(京都産業大学教授、弁護士)
猿渡 知之(地方公共団体金融機構資金部長、元総務省総合通信基盤局高度通信網振興課長)
梶本 政利(独立経営コンサルタント、日本ITガバナンス協会事務局長)
丸山 満彦(デロイト トーマツ リスクサービス株式会社取締役・執行役員、公認会計士)
町村 泰貴(北海道大学教授)
下道 高志(日本オラクル株式会社)
新保 史生(慶應義塾大学准教授、経済協力開発機構(OECD/WPISP)副議長)
岡本 守弘(富士通株式会社法務本部コンプライアンス法務部シニアマネージャー)
石井夏生利(筑波大学准教授)

 新しい問題にどのように従前の法律の適用を考えていくのか、また、従前の法律では不十分な点はどこなのか、といったことを考えるにもいい材料ではないかと思いますので、やや難しいかもしれませんが、法律学を学ぶ学生さんたちにも読んで考えてもらいたい本ですね。

2012年3月 5日 (月)

消費者情報3月号「特集 食品安全の明日を考える」

 悪質ドロップシッピング業者「サイト」の元社長らが警視庁に逮捕されたというニュースが3日にありました。もっとも、この業者は2年前に家宅捜索を受け、営業は終了している会社です。私たち弁護団も、裁判はしませんでしたが、この業者の名前は聞いていました。今後の捜査の中で、彼らの実態、特に詐欺的な営業体制、勧誘方法などを明らかにしていってほしいと思います。
 しかし、先日、さるところから聞いた話では、最近また悪質なドロップシッピング運営業者による被害や苦情が各地の消費者センターなどに届いているようです。是非ご注意ください。ネットショップを開くだけで簡単に利益が出るなんてことは絶対にありません。


 さてここからは、宣伝気味ですが、私も関係している財団法人関西消費者協会の雑誌「消費者情報」3月号が出ました。今回の特集は「食品安全の明日を考える-放射性物質から食品表示」です。

 → 消費者情報3月号

 原発事故による放射性物質の問題や、現在検討が進められている食品表示制度の一元化の動きなどに関する下記のような記事が掲載されています。なお、次の4月号はネット取引関連が特集の予定です。

【特集】食品安全の明日を考える  放射性物質から食品表示

 インタビュー 美作大学大学院教授 山口英昌さん

       “いのちの食”をどう守るのか

 『複合被曝』における放射能汚染食の現状と課題

    消費者問題研究所代表 垣田達哉

 食物アレルギーと子どもの暮らし

    アレルギー児を支える全国ネット「アラジーポット」

    専務理事 栗山真理子

 守られない日本の食卓 食品添加物等の規制は大丈夫か

    鈴鹿医療科学大学客員教授 中村幹雄

 消費者が求める食品表示制度のあり方

  食の安全・監視市民委員会代表 神山美智子

 消費サイドで安全を確かめる原発事故と食品の安全

  消費者庁長官 福嶋浩彦

 食に関する年表

2012年3月 4日 (日)

インターネット広告などに関するシンポ、意見書など(日弁連)

 昨日(3/3)、日本弁護士連合会(日弁連)においてシンポジウム「ネット消費者被害を考える」が開催されました。私も出席するつもりでいたのですが、幸いにして、Ustream中継(ust)とニコニコ生動画(ニコ生)でネット中継がされましたので、わざわざ東京に行かず、自宅でゆっくりと拝見できました。中身とは関係ありませんが、ustとニコ生の両中継の雰囲気を見比べていても面白かったですね。今後の弁護士会などのイベント公開の議論の材料としても意味があったかと思います。
 おなじみの町村泰貴教授、壇俊光弁護士はもちろんですが、東京都消費生活センター木村嘉子さんの相談現場の実態を踏まえた報告は大変まとまっていて参考になりました。また、ヤフー別所直哉さんから事業者側の現在の取組みや企業としての考え方を直接お聞きすることができました。期待以上に面白く、かつ、役立つ内容であったと思います。ありがとうございました。

 今回のテーマに関しては、2月17日付にて、日弁連から「インターネットを用いた商取引における広告の適正化を求める意見書」が出されています。くわしくはリンク先をごらんいただきたいですが、インターネットによる通信販売に関して特定商取引法の改正を求める内容になっています。

 また、月刊雑誌「ビジネスロー・ジャーナル4月号」(レクシスネクシス発行)の第2特集は「インターネット広告規制の現在」として、森亮二弁護士や上記のヤフー別所氏などの論稿が掲載されており、これも参考になります。

 なお、この雑誌の第1特集は「契約審査の着眼点・無難な書式の落とし穴」で、企業法務でよく出てくる5類型の契約書について、田路至弘弁護士、浅見隆行弁護士など企業法務経験豊かな弁護士が解説されている。実務法務に携わる方にとっては必見です。ただ、さっきamazonで確認したら、新品は品切れになっていましたね。大きな書店には在庫があるかもしれません。

2012年3月 2日 (金)

リーボック「イージートーン」の再販売価格拘束に対する排除措置命令(公取委)

 消費者庁が設置されて2年半になりますが、消費者庁の手による立法、法改正作業も進みだしました。消費者安全法の改正案は2月14日、「押し買い」行為を新たに規制する特定商取引法改正案は本日、それぞれ国会に提出されています。 → 参 照

 また、集団的消費者被害救済訴訟制度についての立法化作業も進められています。先日の会見では、福嶋消費者庁長官は今国会中に提出したいと述べられていたようです。


 さて、本日、公正取引委員会がアディダスジャパン株式会社に対して、リーボックブランドのシューズ「イージートーン」再販売価格拘束独占禁止法2条9項4号)を理由として、排除措置命令を出していますね。昨年の4月に公正取引委員会が立ち入り検査に入っていたことが報道されていた件です。リーボックは世界的な有名ブランドですが、現在はアディダスの傘下に入っています。
 → 公取委報道発表資料(PDF)

  また、今回の対象行為とは関係ありませんが、この「イージートーン」に関しては、昨年、アメリカ連邦取引委員会(FTC)が、「履いて歩くだけで通常以上の運動効果がある」などとの宣伝行為が不当表示に当たるとし、リーボック・インターナショナルが2500万ドル(約19億円)を支払うことで合意したというのも公表されていたところです。

 今回の排除措置命令は、アディダスジャパン、「イージートーン」の販売に関し、自ら又は卸売業者を通じて、小売業者に対して、(モデルの発売時期により、)アディダスジャパンの定めた値引き限度価格以上の価格で、あるいは、同社の定めた本体価格どおりの価格で、それぞれ販売するようにさせていた、というものです。

2012年3月 1日 (木)

通信料金高額化に対する注意喚起・情報提供義務違反を認めた京都地裁判決(ソフトバンクモバイル)

 1月の判決で、どうやら報道もされたようですが、見逃していました。原告代理人は京都の長野浩三弁護士のようです。先週、長野弁護士の別の判決(セレマに対する消費者団体訴訟判決)についての研究会に参加し、その後、食事も一緒にしましたので、知っておれば、この判決についてもお聞きできたのに残念です。

 携帯電話をパソコンにつないでインターネット通信をするサービス「アクセスインターネット」を利用して約20万円のパケット通信料を請求され支払ったとして、ソフトバンクモバイル社に返還を求めた訴訟ですが、京都地裁は、約10万7千円の返還を命じる判決を言い渡したというものです(裁判所サイトの下級裁判所判例集に掲載。)。
 結論的には、通信契約に基づく料金高額化への注意喚起のための情報提供義務の不履行による損害賠償請求部分の損害(原告の過失相殺3割有り)が認められています。通信事業者に対して、このような注意喚起義務を認めた点で大変重要な判決であろうと思います。

 京都地方裁判所平成24年1月12日判決 通信料金返還請求事件

 この裁判で、原告は、下記1または2を理由として、通信料金のうち1万円を超える部分に相当する19万6571円と法定の遅延損害金の請求を行っています。

  1.  通信契約における通信料金を定める契約条項のうち、一般消費者がサービスを利用する際に通信料金として通常予測する額である1万円を超える部分は、消費者契約法10条若しくは公序良俗に反し無効であることによる不当利得返還請求権。

  2.  サービスを利用する際の通信料金を具体的に説明する義務若しくは同サービスの利用により通信料金が高額化することを防止するための措置を採るべき義務の履行を怠ったとする、通信契約の債務不履行による損害賠償請求権。

 この原告の主張に対し、判決は、1の消費者契約法違反、公序良俗違反は認めませんでした。

 しかし、2に関して、判決は、契約時点での説明、情報提供義務は果たしており、義務違反はないとしたものの、料金が高額化した段階での情報提供義務に関して、ソフトバンクモバイルは、「遅くとも,原告のアクセスインターネットの利用によるパケット通信料金が5万円を超過した(略)段階において,原告が,誤解や不注意に基づきアクセスインターネットを利用し,通信料金が予測外に高額化したことを容易に認識し得たといえる。」とし、「被告は,原告に対し,パケット通信料金が5万円を超過していることをメールその他の方法により通知することにより,原告に通信料金の高額化に関する注意喚起をする義務があったというべきである。」として、原告への注意喚起義務を認めました。ソフトバンクモバイルが実際に警告メールを発したのは通信料金が10万円を超過した翌日だったようです。

 そして、ソフトバンクモバイルが、通信料金が5万円を超過した旨の電子メールを送信するなどして注意喚起義務を果たしていれば、原告は直ちにアクセスインターネットの利用を中止したものと認められるとして、15万3055円の通信料金相当額は債務不履行と相当因果関係のある損害と認めています。

 ただし、原告が、アクセスインターネットを利用した場合の通信料金について問い合わせをしたり、パケット通信料金の確認をすることなく、アクセスインターネットの利用を継続しており、パケット通信量に従って通信料金が発生することは知悉し、携帯サイトの閲覧よりアクセスインターネットによるPCサイト等の閲覧の方が画面に表示される情報量が大きいことも認識していたのであるから、通信料金の高額化については十分な注意を払うべきであったから、累積パケット通信料金額を把握するなど一切行わなかった点で過失があるとして、原告の過失相殺(3割)を認定しています。

 そのため、上記損害額約15万円の7割、10万7138円が、この判決の認容額となりました。

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