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2012年2月27日 (月)

チュッパチャプスvs楽天商標権侵害訴訟知財高裁判決について

 楽天が運営するインターネット上のモール(商店街)への出店者が商標権侵害商品を販売していたことにつき、商標権侵害の責任を負うか否かが争われていた事件について、知的財産高裁が2月14日に判決を言い渡したことは先日ご紹介しました。
     → 「チュッパチャプス対楽天商標権侵害事件の知財高裁判決と

阪急の名称に関する裁判」(2/15)

 判決文が公開されたら改めて書くといいながらブログ更新が遅くなりすみません。もっとも判決は100ページに及ぶものであり(裁判所サイトに出ています。)、今後専門の先生方がいろいろ書かれるところかと思いますので、判決を読んだ雑感的な紹介ということでご勘弁ください。こういったモール事業者やオークション事業者などネットショッピングの関与事業者の責任というのは今後もいろいろ議論されるところかと思いますので、一つの重要な判断がなされたことは間違いありませんね。

 判決では、まず原判決の判断に対する控訴人(チュッパチャップス側)の主張が整理されています。原判決は、楽天が、「譲渡のための展示」「譲渡」の行為を行ったといえるか、という点での判断において、楽天はその主体ではないとして責任を認めなかったのですが、これについて詳細に反論しています。
 この控訴人の反論主張部分は、あの「カラオケ法理」関連の「ロクラクⅡ事件」最高裁判決を引用したり、諸外国(欧米、韓国)での関連判決例の紹介もあったりで大変参考になります。オークション事業者のイーベイに関する偽ブランド品事件は以前に当ブログでも紹介しましたが、他の同種裁判例とともに、この控訴人主張部分でまとめられており、ありがたいことです。

 その他、プロバイダ責任制限法などとの関連主張などもあり、対する楽天側の反論主張とともに、当事者の主張部分もなかなか読み応えがあります。

 で、知財高裁の判断部分は、判決の77ページ以降となりますが、規約等を詳細に検討して「楽天市場」の運営などについて事実認定したうえで、最後に検討、判断を示しています。この最後の結論の骨の部分は、99ページ以降の4ページです。

 この部分を抜粋して貼り付けておきます。省略、下線等は川村によるものです。

(商標権侵害について)
「本件における被告サイトのように・・(略)・・場合において,上記ウェブページに展示された商品が第三者の商標権を侵害しているときは,商標権者は,直接に上記展示を行っている出店者に対し,商標権侵害を理由に,ウェブページからの削除等の差止請求と損害賠償請求をすることができることは明らかであるが,そのほかに,ウェブページの運営者が,単に出店者によるウェブページの開設のための環境等を整備するにとどまらず,運営システムの提供・出店者からの出店申込みの許否・出店者へのサービスの一時停止や出店停止等の管理・支配を行い,出店者からの基本出店料やシステム利用料の受領等の利益を受けている者であって,その者が出店者による商標権侵害があることを知ったとき又は知ることができたと認めるに足りる相当の理由があるに至ったときは,その後の合理的期間内に侵害内容のウェブページからの削除がなされない限り,上記期間経過後から商標権者はウェブページの運営者に対し,商標権侵害を理由に,出店者に対するのと同様の差止請求と損害賠償請求をすることができると解するのが相当である。」

「もっとも商標法は,その第37条で侵害とみなす行為を法定しているが,商標権は「指定商品又は指定役務について登録商標の使用をする権利を専有する」権利であり(同法25条),商標権者は「自己の商標権・・・を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し,その侵害の停止又は予防を請求することができる」(同法36条1項)のであるから,侵害者が商標法2条3項に規定する「使用」をしている場合に限らず,社会的・経済的な観点から行為の主体を検討することも可能というべきであり,商標法が,間接侵害に関する上記明文規定(同法37条)を置いているからといって,商標権侵害となるのは上記明文規定に該当する場合に限られるとまで解する必要はないというべきである。」

(本件においては)「ウェブサイトを運営する一審被告としては,商標権侵害の事実を知ったときから8日以内という合理的期間内にこれを是正したと認めるのが相当である。」

(不正競争行為について)

「(前記同様)一審被告の本件での対応を前提とすれば,一審被告による「楽天市場」の運営が一審原告に対する不正競争行為に該当するとはいえず,上記主張は理由がない。」

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