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2012年2月 4日 (土)

ピンク・レディー事件【蛇足】

 前回取り上げたピンク・レディー事件は大々的に報道もされ、ワイドショーなどでも話題になっているようです。

 その一連の話題に触れていてちょっと気になる所は、一般の方には誤解を生じている部分があるのではないか、という点です。前回記事でもちょっと書いたように、この判決が結果的に著名人側が負けたということもありますし。

 まず、この事件を考える前提として、雑誌に使用された写真は、昔、正当に撮影されて、著作権も出版社側が有しているということを押さえておく必要があります。写真の著作権は被写体側にあるのではなく、撮影者側にあるというのは著作権の基本です。絵画の画家とモデルを考えてもらえば当然の話ですね。

 したがって、本件は著作権の侵害が問題になる事案ではありません。
 なので、勝手にどこかに掲載されていた写真を使用して掲載したというのであれば、パブリシティ権の問題とは別に、著作権者との間で著作権侵害の問題が生じます。本件では、写真自体のパクリはないわけです。この点は誤解のないよう注意してください。

 また、本件は、「人のパブリシティ権」を最高裁が判断した最初の判決ですが、1976年の「マーク・レスター事件」(東京地裁)、1989年の「光GENJI事件」(東京地裁)、1991年の「おニャン子クラブ事件」(東京地裁)など、下級審では古くからパブリシティ権についての判決はあり、法律学の分野でもかなり議論がされていて、パブリシティ権自体は認められてきているのであって、それほど新しい権利というわけではありません。ワイドショーで、「パブリシティ権が新たに認められた」的な紹介がされていたので付言しておきます。
 なお、人ではなく、競走馬の名前に関するパブリシティ権に関しては「ダービースタリオン事件」「ギャロップレーサー事件」があり、この両事件については、最高裁はパブリシティ権を認めていません。物についてのパブリシティ権の場合は、人と違って、人格権を根拠にできませんので難しいところです。もちろん、認めるべきだという考え方もあります。

 それと、人のパブリシティ権については、著名人について問題となるのですが、それでは、著名でない一般人の肖像権はどうなるの?という点が残ります。
 例えば、昔撮影された貴方の写真が勝手に広告に使われていた、という場合に、どのような権利侵害が考えられるか、という問題になります。数年前に関西のテレビ局のローカルニュース番組で取材を受けたことがありますが、以前、素人モデルとして写真を撮られた会社員男性が、後に新聞広告に写真を使われ、個人体験談を語る人物として掲載されていた、というのがありました。もちろん、無断使用だし、そんな商品の購入や使用はしていない人で、広告を見た人からいろいろ言われて迷惑した、というケースでしたね。結構むずかしい問題です。

 また、「人」ではなく、キャラクターはどうなるの?というのもありますね。(あえて書かないでおきます。)

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