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2011年10月の記事

2011年10月28日 (金)

「インターネット消費者取引に係る広告表示に関する景品表示法上の 問題点及び留意事項」の公表(消費者庁)

 インターネット上での電子商取引関連の景品表示法上の問題点に関しては、平成14年に公正取引委員会の公表した「消費者向け電子商取引における表示についての景品表示法上の問題点と留意事項」(PDF・平成15年改訂)がありました。これは、インターネットによる消費者向け電子商取引が広まりつつある中で、基本的な電子商取引上の表示やインターネット接続サービスに関する表示などについて、景品表示法上の考え方を示したものでした。ただ、平成15年改訂以後そのままですので、若干中身は古くなっている点も見られます。

 さて、本日、消費者庁は、「インターネット消費者取引に係る広告表示に関する景品表示法上の問題点及び留意事項」を公表しています。
 → 消費者庁サイト公表資料(PDF)

 今回の「インターネット消費者取引に係る広告表示に関する景品表示法上の問題点及び留意事項」は上記の平成14年公取委ガイドラインとは違い、最近になって新たに現れているインターネット消費者取引に関するサービス類型をいくつか個別的に取り上げたものです。

 取り上げているサービス類型は以下の通り。

  1. フリーミアム(無料サービスに付加的有料サービスを組み合わせたもの)
  2. 口コミサイト
  3. フラッシュマーケティング(クーポン)
  4. アフィリエイトプログラム
  5. ドロップシッピング

 4,5については、これまでも当ブログに取り上げてきた類型で、また、1については無料携帯ゲームの広告の問題で、2についてはブログなどのいわゆる推奨記事広告の問題、3のフラッシュマーケティングに関しては共同購入クーポンの話題(グルーポンおせち事件など)で取り上げてきました。

 今回消費者庁がこういった新しい問題に関して景品表示法上の問題に限定してではありますが、問題点と留意事項を取りまとめた資料を公表したものですので、興味のある方はご一読ください。

2011年10月26日 (水)

23年度上半期の下請法の運用状況等(公取委) 

 本日、公正取引委員会が、「平成23年度上半期における下請法の運用状況等及び今後の取組」を公表しています。現在の経済状況下では、下請事業者の立場は一層厳しいものとなっています。しかし、弱い立場の下請事業者から積極的に親事業者に対抗していくことは困難ですので、下請法(下請代金支払遅延等防止法)あるいは独占禁止法の優越的地位濫用規制公正取引委員会による実態把握や権限発動が重要なものとなります。

 → 公取委サイト報道発表資料
  「平成23年度上半期における下請法の運用状況等及び今後の取組」(PDF)

 まず、本年度上半期(4月~9月)の勧告件数は6件で、違反行為の内訳は、下請代金の減額が5件、下請代金の減額及び不当な経済上の利益の提供要請が1件。

 勧告までには至らない指導件数は2,714件(製造委託等2,082件,役務委託等632件。)で、半期としては過去最高の数ということです。

 このように勧告や指導が行われた下請代金減額事件について、下請事業者1,469 名に対し、総額4億8165 万円の減額分が返還されています。また、下請代金支払遅延事件については、下請事業者794 名に対し、総額8859 万円の遅延利息が支払われ、不当な経済上の利益提供要請事件については、下請事業者55 名に対し、総額2541 万円の利益提供分が支払われました。

 公正取引委員会の取組としては、下請法「優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の考え方」などに関する講習会・説明会等の開催(これらの案内は公取委サイトのトップページに出ています。)、下請法などに関する相談・指導、中小事業者のための移動相談会の開催など。また、東日本大震災に関するQ&Aの公表もされています。

 そのほか、優越的地位の濫用規制に関する実態調査等として、
(1) 金融機関と企業との取引慣行に関する調査(平成23 年フォローアップ調査)
(2) フランチャイズ・チェーン本部との取引に関する実態調査
(3) 食料品製造業者と卸売業者との取引に関する実態調査
(4) 荷主と物流事業者との取引に関する書面調査

が行われ、(1)~(3)については報告書の公表がなされています。

 なお、下請法や優越的地位濫用に関するパンフレットやテキストがいくつか公取委サイトのトップページに載っていてダウンロードできますので、ご利用ください。

2011年10月21日 (金)

公取委発表2題と通信販売の二重価格表示に対する措置命令(景表法)

 昨日の記事に、山陽マルナカが争うかどうか、というようなことを書きましたけど、争っているようですね。公正取引委員会が、10月19日付で審判開始決定を行ったことが公表されています(公表は本日)。

 ついでに、本日の公正取引委員会の公表事項に「スターアライアンス加盟航空会社8社における情報共有について」というのがありました。これは全日空も加盟する国際航空会社のグループ「スターアライアンス」の情報共有行為が独占禁止法3条違反にならないか、という点を検討したものです。結論的には問題なし、としています。事前相談制度に基づく全日空からの相談に対する公正取引委員会の回答です。詳しくは → 報道発表資料(PDF)

 もうひとつついでに、昨日、消費者庁が、景品表示法に基づく措置命令を出しています。これは、株式会社トップアート(東京都足立区)が、同社の販売する美術品、工芸品等の取引(通信販売)に係る価格表示に関するもので、いわゆる不当な二重価格表示の問題ですね。景品表示法第4条1項2号(有利誤認)の不当表示です。

 本件では、例えば、ルノワールの複製画について、特別謝恩価格9,800円で販売する際に、「当社通常販売価格」と称する比較対照価格を12,000円と併記しているなど、通常時よりも安価に購入できると消費者に認識させる表示をしていましたが、実際には、そうした価格で同社が販売した実績のない価格だったというものです。

 通信販売でしたので、同社は、このような表示を多くの商品について、新聞、雑誌、ダイレクトメール、ウェブサイトなどに広告表示を行っていました。

 なお、二重価格表示の問題については、当ブログでは次の記事あたりにも書いてますので興味のある方はご覧ください。
 → 「グルーポンのおせち事件」(1/3)
 → 「チラシの二重価格表示に関する措置命令(景品表示法)」(2/4)

2011年10月20日 (木)

日本トイザらスへの課徴金納付命令等の事前通知(独禁法)

 前回書きました携帯アドレスへの怪しいメールは続いており、昨日あたりは、一斉に、メール配信中止方法とか退会方法とかの案内メールが来てました。メールに記載されたリンク先で配信中止や退会の手続をせよ、という内容なのですが、だいたい、一斉に同様のが来るのがおかしいですし、慌てて手続したらかえって変なことになるのは目に見えてますので、もうしばらくウォッチングを続けていきたいと思います。

 さて、今朝は、公正取引委員会日本トイザらス(川崎市)に対して、独占禁止法違反(優越的地位濫用)に基づく数億円の課徴金納付についての事前通知を出したというのNHKニュースを見て、目が覚めました。

 ちょうど、昨夜、独禁法公正取引研究会の例会があり、優越的地位濫用による課徴金の第1号となった山陽マルナカ事件がテーマになっていたところでした。ただ、2件目もそろそろありそうだぞ、というのは、どこからかの噂では聞いたことがありましたが。そういえば、日本トイザらスには昨年9月に公正取引委員会が立入検査に入っており、当ブログでも紹介していました。
 → 「トイザらスへの立入検査(公取委)」(10/9/14)

 今回の報道によれば、日本トイザらスが値引販売した際、その値引分の一部を納入したおもちゃメーカーなどに負担させて、支払額から減額したり、売れ残り商品の一部を納入業者に不当に返品したという行為が優越的地位濫用の行為とされているようですね。報道では、公正取引委員会は、排除措置命令とともに、7億数千万円の課徴金納付命令を出す方針を固めて、同社に事前通知を送ったということです。

 日本トイザらスは、昨日付で公式サイト上、事前通知の事実を認めたうえで、優越的地位にあることの認識や、取引上の地位を意図的に不当に利用するような認識もなかったとし、「事前通知を受けた事実を真摯に受け止めており、内容を慎重に検討した上で今後の対応を決定する所存でおります。」としています。
  → 日本トイザらス公式サイト
      
「公正取引委員会からの事前通知について」(PDF)

 昨夜の研究会でも、課徴金の要件となっている「継続して」の意味や、行為の個数と課徴金の算定、法律改正前の行為と課徴金の算定などが議論されていました。山陽マルナカは公正取引委員会の命令に対して争うのではないかといわれていたところ、先日、イオンが同社を買収して子会社化することが発表になり、イオングループとして、どのような対応をするのかは注目されるところですね。

 もちろん、今回の日本トイザらスの件も同様の問題があるのではないかと思われますので、注目です。ただ、今回の報道は、公正取引委員会からの事前通知がなされたという段階ですので、公正取引委員会の正式の命令の内容については、もうちょっと先にならないとわからないということになります。

 なお、ついでですが、優越的地位の濫用の関連としては、公正取引委員会は昨日付で、「食料品製造業者と卸売業者との取引に関する実態調査」を公表しています。詳しくは、公正取引委員会の報道発表資料をご覧ください。

【追記】(12/13)
 本日、公正取引委員会が、本件につき、排除措置命令と課徴金納付命令を出しました。ただし、課徴金の額は、上記の約半分の3億6908万円でした。
 → 「日本トイザらスに対する排除措置命令・課徴金納付命令
    (独占禁止法:優越的地位濫用)」
(12/13)

http://stuvwxyz.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/post-b752.html

2011年10月18日 (火)

迷惑メールが届きだした話と、「契約用語使い分け辞典」(新日本法規)の訂正情報

 先日(10月3日付)、当ブログでもご紹介した新日本法規の「契約用語使い分け辞典は、よく売れているのか、Amazonでも売り切れたり、少し在庫が入ったり、という状況のようですね。この本について、本日、新日本法規が、初版第一刷の訂正・補筆をアナウンスしています
 購入された方は、ご確認ください。数カ所ですが、言葉が逆になっているなど、結構重要な訂正です。
 → 新日本法規 「正誤・商品情報(お詫び)」

 さて、これと無関係な話題ですが、昨日あたりから、携帯のメールアドレスに変なメールがたくさん届くようになりました。私はdocomoですが、スマートフォンなので「SPモードメール」です。このメールアドレスは全くといっていいほど使っていませんし、公開したり人に教えたりもしていません(なので、自分でも正確に覚えていない)。PCで使っているメールアドレスのものを携帯に転送してますので、携帯独自のアドレスは不要なのです。

 したがって、どこかのサイトに登録したりする際に携帯アドレスを特に使うことはありませんし、最近、変なサイトにアクセスした覚えも全くありません(苦笑)送信者は複数ですが、調べてみると、その内の一つは有名なスパムメールの送信者らしく(出会系が主らしい)、たぶん他も同じようなものでしょう。docomoSPモード・フィルタというサービスがあったので、すぐに登録して、フィルタリングしてくれるかどうか見ているところです。(追記:このSPモード・フィルタはメールのフィルタではなく青少年用のサイトのフィルタだったようです(笑)。メールは相変わらず来ております。)

2011年10月17日 (月)

情報ネットワーク法学会研究大会参加してきました(北海道大学)

 先週末10月15日に北海道大学で開催された情報ネットワーク法学会第11回研究大会に参加してきました。この法学会には第1回から参加しており(もっとも毎年参加できているわけではありませんが)、いつも刺激を受けています。

 今年はテーマが午前3つ午後2つに分かれての分科会方式で、聴きたい報告やパネルディスカッションが重なっていて、当然ながら全てを聴くわけには行かず残念でした。

 午後の後半のパネルディスカッションは、「大震災とソーシャルメディア:その意義と課題」を選択しました。大震災後のソーシャルメディアの役割などについては、いろいろなところで語られてはいます。そういえば、先日、大阪弁護士会館で行われた電子商取引問題研究会などのシンポで津田大介氏もこのテーマの話をされていましたね(当ブログの9/9記事参照)。
 今回は、下記の通り多彩なパネリストが、被災地の現場での実際の支援活動の体験も踏まえて、ソーシャルメディアの役割や課題、今後の在り方などについて、報告、議論がなされました。話は、災害発生後の支援活動時に個人情報保護法や著作権などによる諸規制をどのように考えるか、という今後の課題にまで及び、活発な討論がなされていました。

  ◎パネリスト

小林 啓倫氏 ((株)日立コンサルティング コンサルタント)
西條 剛央
 (早稲田大学MBA専任講師、ふんばろう東日本支援プロジェクト代表)
谷脇 康彦氏 (総務省大臣官房企画課長)
藤代 裕之氏 (ジャーナリスト)

  ◎司 会 一戸 信哉氏(敬和学園大学人文学部准教授)

 なお、大阪弁護士会の弁護士も数名参加しており、その内の壇俊光弁護士もブログに記事を書いています。壇さんも、上のパネルディスカッションに参加されていました。

 → 壇弁護士の事務室「情報ネットワーク法学会2011終了」

【追記】(10/18)

 大分の吉井正明弁護士のブログにも書かれていますね。2人でtsudaっていました(笑)

2011年10月13日 (木)

弁護士費用のお話

 顧問契約の話の反応が予想外に良かったので、引き続き弁護士業務関係のお話です。

 弁護士へのアクセスがしにくい1つの理由に、弁護士の費用(着手金、報酬、法律相談料、など)がわかりにくい、というのが、あります。最近は、webサイトに料金表的なものを掲げている法律事務所もあるようです。私もやったほうがいいのかな、とは思っているのですが、まだできていません。

 弁護士サイドからいえば、受任事件は千差万別で、同じような事件でも、それぞれ事情はいろいろで、どういう手続を取るのかも違うし、かかる手間や時間も違う、ということで、具体的な事情、依頼者の希望などを聞かないで、一律料金は決めにくいという問題があります。また、着手金や報酬の算定の際には、一般的に依頼者が受ける経済的利益というものを基準にするのですが、この経済的利益というものをどう考えるかが結構難しいケースが多いのです。
 しかし、個々の事件を受任する場合には、弁護士は依頼者に費用についてはきちんと説明しなければいけません。ですから、弁護士に相談される場合には、弁護士に対して、費用の点も含めて納得いくまで説明を聞かれればいいと思います。そういった質問をすることで、別に弁護士に失礼だとか、気を悪くされるということはないと思います(そうでない弁護士がいれば、依頼しなければいいと思います。)

 ここでは、一般の方に、どういった事件で、弁護士費用がどの程度になるものかという目安を示した日弁連の資料をご紹介しておきます。

 → 日本弁護士連合会サイト 「弁護士費用について」

 → リーフレット
   「市民のための弁護士報酬ガイド」[2008年アンケート結果版]
(PDF)

 → 市民のための弁護士報酬の目安 [2008年度 アンケート結果版](PDF)

 → 中小企業のための弁護士報酬目安[2009年アンケート結果版](PDF)

 ここには弁護士費用についての説明と、2008年、2009年のアンケート結果をもとにした弁護士報酬の目安の資料が載せられています。私も目を通していますが、概ね私の感覚とも合致するような結果となっていると思います。
 なお、以前には、弁護士会が「報酬基準」というものを作成していたのですが、独占禁止法に抵触するおそれがあるとして、現在は廃止されています。ただ、個々の弁護士がそれを基準にすること自体は問題がありませんので、私も、以前の「報酬基準」を参考にして費用を決定する場合がよくあります。

 なお、企業法務などの場合には、タイムチャージ制を取る場合がありますが、これは、その業務にかかった時間について、1時間当たりいくらと取り決める方式です。アメリカなどはこういった算定も一般的らしいですが、日本で、一般市民の人が弁護士に依頼する場合にはあまり使われていないと思います。私の場合、1つの会社の仕事についてだけが、この方式になっています。

2011年10月 9日 (日)

新たにWEBサイト作りました。

 前回の「顧問契約」に関する記事は沢山の方々に読んでいただいたようです。自分としては当たり前のような内容なので意外だったのですが、それだけ、一般の方と弁護士との認識がずれているということでしょうか。普通の業務のことも書いていくほうがいいのかもしれない、と思い直した次第です。個々の弁護士も依頼者、相談者からのアクセスがしやすいように考えていかなければならないと思います。

 さて、そのこととは全く無関係だったのですが、ちょっとしたきっかけがあり、先日、私のWEBサイト(ホームページ)を作ってみました。これまでも事務所のサイトはあり、また、今年になってからFacebookページも作っていましたが、Facebookページでは、まだまだ一般的でもなさそうですので、一般的なサイトを試験的な意味も含めて作ったものです。当ブログの左側バーにもリンクいたしました。

 → 弁護士川村哲二 WEBサイト

 もっとも、内容的には、このブログのほうが情報は詰まっているので、ここを見ていただいて下さっている方には余り意味はないかもしれません。広くいろんな人にとっての入り口(ポータル)サイトになればいいな、と思った次第で、当ブログの記事のフィードのページも作っています。

 Facebookページのほうは(これも左バーからリンクさせています。)、ブログ記事の更新のお知らせと、ブログに書いていないようなトピックス的なもの、法律関係のニュース、行事の案内などを載せています。

 そして、この機会に、昨年から実験的に行っていましたメール法律相談のシステムをやめました。その代わりに、上記のWEBサイト問い合わせフォームのページを作り、このブログの右上からもリンクさせていますので、ご相談等に関するご連絡はこちらからお願いします。よろしければ、ご利用ください。

 あまりややこしくならないようにしないと、更新に手間がかかるうえ、頭がこんがらがってしまいそうですので、無理のない範囲でぼちぼちと運用していきたいと思います。よろしくお願いします。

2011年10月 6日 (木)

弁護士の顧問契約のお話

 東京の法律事務所で、顧問契約が月額3980円という安さで宣伝をはじめているところがあるという話を聞いていました。それを思い出して、さきほど、そのようなサイトを覗いてみました。ちょっと、一般の顧問契約の場合と比べてみました。なお、あくまでも当該サイトの表示を見た限りでの感想的な意見です。

 私も含めて通常の顧問弁護士の場合には無料(量が多い場合は別でしょうが)が普通の一般的な法律相談についても、その事務所では、10分あたり1575円(つまり1時間で9450円)とのこと。また、サイトの記載では「契約書作成支援」は無料のように読めますが、「作成支援」の限定ということは、弁護士が契約書を作成する場合は別途費用が必要ということでしょうね。契約書の内容にもよりますが、簡単な内容の契約書その他の書面であれば無料で作成する場合が私の場合は多いですし(もちろん、これも量や内容、所要時間によりますが)、一般的な顧問弁護士業務も同じだろうと思います。
 さらに、弁護士費用が10%offとも書かれています。しかし、弁護士費用の算定は事件に応じて様々なので、10%offの基準がよくわかりません。また、私に関して言えば、顧問会社の案件での弁護士費用(着手金、報酬、手数料など)は一般に比して2,3割は下げています。
 したがって、実際には相談や訴訟など追加の費用を払う必要がほとんどないけれども、いざというときの保険的な意味や顧問弁護士がいるという立場がほしいという企業にはかなり割安ということになりますが、実際に相談や交渉、訴訟などの需要がある程度あるという企業にとっては、お得とはいえないことになるような気がします。

 一般の方にはピンとこない話かと思いますが、弁護士との顧問契約のメリットは、なんといっても気楽に相談ができるという点です(かかりつけのお医者さんというイメージでしょうか。)。気軽に電話やメールでの相談もしやすいと思います。
 日本では弁護士にわざわざ相談するというのは何となく敷居も高い感じがして、早い内に相談しなかったために紛争が生じたり、こじれたりすることがよくありますが、まだ大きな問題になっていない間に気軽に相談したり、紛争予防的な相談をしておくことができ、それによって法的リスクの予防や被害拡大を回避できるというのが、顧問契約の最大の目的です(この点もお医者さんと一緒ですね。)。
 また、理屈上は本来は顧問契約の範囲外と思われるようなもの、例えば、経営者の家族、親族、知人や従業員の個人的な問題についても簡単なものであれば、実際には無料や通常より低い金額で相談してもらえたりするのが普通だと思います。

 以前の弁護士会報酬基準(今は独占禁止法違反の恐れがあるため廃止)では、企業の顧問料は月額5万円以上と記載されていましたが、実際には、3~5万円(税別)が多いようです(もちろん企業規模や弁護士の利用の仕方などの個別事情により、上下いろいろです。)。私の場合も同様で、月額顧問料は、月額3万円か5万円(税別)がほとんどです。
 中には、事業者性の薄い個人の顧問契約というのも1件あって、これは月額1万円(税別)にしていますが、こういうケースは特殊でしょう。けれども賃貸不動産収入の多い個人の方などであれば、こういった顧問契約をしておくと、普段から賃貸借問題や相続問題などについて気軽に相談できてよいかもしれません。

 なお、各地の弁護士会でも顧問弁護士の紹介のサービスをしているところも多いかと思います。

2011年10月 4日 (火)

貴金属の訪問買取りトラブル規制についてのパブリックコメント(消費者庁)

 先日(9/27)、当ブログにて、ジュエリー販売に関して書いた記事「日本ジュエリー協会『2010年度お客様相談室相談概要』」中に、消費者庁「貴金属等の訪問買取りに関する研究会」のことに触れましたが、本日付でパブリックコメント募集が公示されました。(この商法の実態などについては、前記事にリンクした国民生活センターの資料などをご覧下さい。)

 「・・・消費者庁において、「貴金属等の訪問買取りに関する研究会」を開催し、トラブルの実態を把握・分析するととともに、当該トラブル解決のための規制のあり方について検討を行い、「貴金属等の訪問買取りに係るトラブルに対する法的措置について(案)」として、論点整理の案を研究会で提示しました。
 今後、研究会でのとりまとめに向け、広く国民の皆様から、貴金属等の訪問買取りに係るトラブルに対する法的措置を検討する際の論点について、御意見を募集いたします。
 お寄せいただいた御意見については、研究会でのとりまとめにおいて、参考にいたします。
」とのことで、意見締切は、10月21日まで。

 → 「貴金属等の訪問買取りに係るトラブルに対する法的措置に
    ついて(案)」に関する御意見募集
 
 

 → 研究会論点整理案(PDF)
 「貴金属等の訪問買取りに係るトラブルに対する法的措置について(案)」

 この論点整理案によれば、これらの業者についての苦情は昨年度から激増しており、勧誘の目的や事業者の氏名、買取る商品等について、訪問買取業者からきちんと告げられないまま勧誘を受けたといったものや、売渡者が勧誘を断っても退去せずに勧誘を続ける、勧誘が長時間にわたるなど売渡者が迷惑と感じるような勧誘を行う、威迫的な勧誘を行う、あるいは、認知症等の高齢者への勧誘を行うといった、訪問買取業者の勧誘方法についての苦情・相談が寄せられているようです。また、訪問買取業者の勧誘の際のトークの内容(日本一高く買い取る、など)について、真実であるかどうか疑義がある苦情・相談が寄せられているとのことです。

 しかし、消費者保護法の代表格である特定商取引法は、このように消費者が売渡者となる形態の取引には対応していないなど、自宅での貴金属等の買取りに関して、不当と考えられる買取り及びその勧誘から売渡者である消費者を保護するための効果的な法令の規定が存在しないため、新たな法的措置が必要であるとしています。

 そして、今後の法的措置として、論点整理案が示しているのは、

  1. 規制対象商品としては指定商品制(但し、新たなものについても柔軟かつ機動的に対象とできるような設計)
  2. 事業者名・勧誘目的等の明示義務
  3. 再勧誘・迷惑勧誘の禁止
  4. 契約書面の交付義務
  5. 不実告知・重要事項不告知の禁止
  6. 威迫・困惑を伴う勧誘の禁止
  7. 高齢者など判断力の不足する売渡者(消費者)への勧誘の禁止
  8. 債務不履行などへの是正(解約、返品対応の問題)
  9. 訪問買取りに係る売渡者(消費者)によるクーリング・オフ

などとなっています。その他に、このような商法については、消費者側が招請した場合を除いて、一律禁止すべきとの議論なども記載されています。

 一般市民から買い取るという、これまでとは反対方向の取引でのトラブル事案であり、従来の消費者保護法などでは対処が難しいという場面であり、有効な規制を検討する必要がありますね。「売渡者によるクーリングオフ」などというのはとても興味深い制度ですね。

非嫡出子の相続差別規定の違憲判断(大阪高裁)

 朝日新聞の朝刊に、大阪高裁が婚外子(非嫡出子)についての民法の相続差別が違憲である旨の決定をしていたことが報じられていますね。今年の8月24日付の決定のようです。記事によれば、嫡出子側当事者もこの決定に特別抗告はしなかったので、最高裁に行くこともなく確定したとのこと。

 この問題については、最高裁の大法廷に回付された事件があり、今年中には違憲の最高裁判断が出されるのではないか、と注目が集まっていた事件がありましたが、当事者の裁判外の和解により、結局大法廷判断がなされないまま終了してしまっていました(報道もされたのですが、大震災の直前の決定だったこともあって、ご存じない方も多いようです。)。最高裁の最終的な決定の内容については、当ブログでも3月17日付記事でご紹介していますので、興味のある方はご覧下さい。

 「非嫡出子(婚外子)の相続分についての最高裁大法廷判決が出なくなった件など」(3/17)

 今回の事件も最高裁の判断はなされないままとなりますが、高裁としての違憲判断が出たことから、今後の実務運用に相当大きな影響があるものと思われます。このような問題は事例も稀ではなく、また、当事者間の利害も対立する場合も多いですので、弁護士業務的にも悩ましい問題です。現在の流れから考えて、非嫡出子差別の現行法を維持する理由は乏しく、早く立法的な解決をしてほしいものです。

【追記】(10/4)

 朝日のスクープだったようで、他社が後追い取材をしているようですね。このブログ記事を見た報道機関複数から、この事件の代理人弁護士が誰か尋ねる電話が入っております(苦笑)
 現在のところ、私は全然知りませんので、よろしく。

【追記】(12/1/29)

 名古屋高裁が、平成23年12月21日判決で、適用違憲判決を出したようですね。別記事を書きました。

 → 「非嫡出子相続差別規定についての新判決(名古屋高裁)」

2011年10月 3日 (月)

「契約用語 使い分け辞典」(新日本法規)

先日、ネット上で紹介されていたので、買ってみました。
 「契約用語 使い分け辞典」(編集 高橋均・稲田博志 新日本法規刊)

 監修が日本組織内弁護士協会ということで、要するに企業の内部で社員として勤務されている弁護士で組織された団体で、そういった企業内弁護士の方々が執筆されています。

【追記】(10/17)
 新日本法規から、この本の初版第一刷について、訂正・補筆の情報が公表されています。お手持ちの方はご確認ください。
 → こちら

 契約などのビジネス文書でよく使われる用語をわかりやすく解説したもので、法律用語の解説的なものもありますが、その他にも「とき・時・場合」や「等・など」の語句の使い分けや、「製作・制作」のような同音で少し意味が違うような言葉の使い分けについて書かれています。

 法律用語に関しては弁護士であれば常識的なものですが、他の語句の解説は面白いものもあり、また、平易に書かれていますので、気楽にネタ本としても読めますね。企業の方にとっては、契約書に限らず、社内の決裁文書や報告書などを書くときにも参考になるので、法務担当者以外の方も役立つ本かと思います。

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