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2011年9月25日 (日)

最高裁の2つの判断の報道(広告掲載責任と預金差押に関する事件)

 9月は何故か出張が多くなってしまったこともあって、いろいろとご迷惑をおかけしています。ブログの更新もできないままになっています。

 さて、最高裁の判断についての報道が2つばかりありました。まだ、判決文等が公開されていませんので、新聞報道からの情報のみですが。

 1つは、当ブログで控訴審までの判決については取り上げました「平成電電事件」についての大手新聞社の広告掲載責任に関する訴訟です。
 この事件の控訴審判決については、このブログの右上の欄の
 「【コラム2】消費者に対する広告媒体者の法的責任(平成電電事件控訴審判決)」
 をご覧下さい。今回は、新聞社に対して損害賠償を求めていた原告らが控訴審での敗訴判決について上告受理申立を行っていたものですが、最高裁は上告受理を認めない決定をした、というものです。

 もう1つの最高裁事件は、ちょっと一般的には興味が少ないかも知れませんが、民事執行手続による債権の回収の実務では、結構重要な判断です。

 債務者が債務(借金でも売買代金でもいいのですが)に関して、債権者が判決をとっても債務者が任意に支払わないような場合に、債務者の財産(土地や建物の場合もあります)を差し押さえて強制執行するという方法がありますが、債務者が金融機関に保有している預貯金などを差し押さえて回収するという方法があります。
 この場合、差押をしようとすれば、もちろん、どこの金融機関かについては特定する必要がありますが、従来からの差押の実務では、一般的に、取り扱い店舗(支店など)も特定していました(口座の種類や番号は不要です。)。したがって、債務者がどこの支店に口座を持っているかがわからなければ差押が困難です。しかし、金融機関の支店などは営業の場所が分かれているだけで、預金を預かっているのは、それぞれの金融機関です。法人としては全体で1つですので。したがって、債権回収をしようとする債権者からすれば、支店などの特定をせずに、どこの支店であろうが預金があれば差押できれば便利です。
 そこで、こういった複数の支店の預金の差押の申立を試みる例が最近見られるようになりました。そして、これに対する裁判所の判断は高裁レベルでも分かれていました。

 今回の最高裁(第3小法廷)の判断は、このような複数支店についての差押は許されないと否定的な結論となったようですね。ただ、どこまでの射程範囲の判断なのか報道内容だけでは不明ですので、恐らく近々公表されるであろう決定の内容が注目されるところです。

【追記】(9/26)
 裁判所サイトに決定が掲載されましたね。
 田原裁判官の補足意見がついています。

 債権差押命令申立て却下決定に対する執行抗告棄却決定に対する許可抗告事件
  平成23年9月200日 最高裁判所第三小法廷 決定 棄却 

「民事執行規則133条2項の求める差押債権の特定とは,債権差押命令の送達を受けた第三債務者において,直ちにとはいえないまでも,差押えの効力が上記送達の時点で生ずることにそぐわない事態とならない程度に速やかに,かつ,確実に,差し押さえられた債権を識別することができるものでなければならないと解するのが相当であり,この要請を満たさない債権差押命令の申立ては,差押債権の特定を欠き不適法というべきである。」

「本件申立ては,大規模な金融機関である第三債務者らの全ての店舗を対象として順位付けをし,先順位の店舗の預貯金債権の額が差押債権額に満たないときは,順次予備的に後順位の店舗の預貯金債権を差押債権とする旨の差押えを求めるものであり,各第三債務者において,先順位の店舗の預貯金債権の全てについて,その存否及び先行の差押え又は仮差押えの有無,定期預金,普通預金等の種別,差押命令送達時点での残高等を調査して,差押えの効力が生ずる預貯金債権の総額を把握する作業が完了しない限り,後順位の店舗の預貯金債権に差押えの効力が生ずるか否かが判明しないのであるから,本件申立てにおける差押債権の表示は,送達を受けた第三債務者において上記の程度に速やかに確実に差し押えられた債権を識別することができるものであるということはできない。そうすると,本件申立ては,差押債権の特定を欠き不適法というべきである。」

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