安愚楽牧場への出資者向け説明会(9/7・大阪弁護士会)
和牛委託オーナーシステムの事業を運営していた「株式会社安愚楽牧場(あぐらぼくじょう)」が支払停止となり、8月9日に東京地方裁判所に民事再生手続開始を申し立てたことは既に報道されています。また、同社による出資者向け説明会も神戸と東京で先日開催されました。
この安愚楽牧場のシステムは、黒毛和牛の売買と飼育委託の名目で出資を募り、その出資者は、生まれた子牛の買取代金の名目で毎年配当を受け取ることができるうえ、契約期間が満了すると出資額と同じ金額で牛を買い取ってもらえるということで、高配当が得られ、実質的な元本保証があるという内容で、全国約7万人の出資者を集めていたものです。
今回の民事再生手続申立は、会社側によれば大震災の被害が原因としているようです。
しかし、実は、こういったシステムの会社については、和牛預託商法として以前も大きな社会的な問題になり、法改正などによって多くの業者は破綻して消えていきました。また、一部の経営者は出資法違反や詐欺罪で刑事責任まで問われています。その中で、唯一、ここは生き残りとなっていました。
既に各地の弁護士会などで出資者への説明会や弁護団の結成などが行われているようですが、大阪弁護士会でも被害者説明会を開催することになっていますので、ご紹介します。なお、現時点での情報による限りは、民事再生手続によっても出資者に返還される金銭の有無、配当割合については厳しいと言わざるを得ません。大阪以外での各地での説明会等の有無、日程、弁護団結成の状況などについては、地元の弁護士会にお問い合せください。
また、安愚楽牧場の出資者に対して、電話などで、出資金が取り戻せるなどといって、先に費用を支払わせる悪質な商法の相談も多いとのことですので、充分にお気を付け下さい。
→ 大阪弁護士会
「安愚楽牧場の民事再生手続にともなう出資者説明会」
日 時 9月7日( 水)午後6時~(受付午後5時30分)
場 所 大阪弁護士会館2階ホール(大阪市北区西天満1-12-5)
※ 車での来館不可)
(参 考)
→ 国民生活センター「安愚楽牧場に関するトラブル速報!第1弾」
【追 記】(8/29)
本日、東京の被害対策弁護団が、この民事再生手続に関して、東京地裁に「管理命令」を出すことを求める申立を行ったようですね。
この管理命令は、民事再生手続を会社側に任せるのではなく、裁判所に選任された管財人が財産管理と行うようにするものです。会社に任せると財産が散逸、毀損する可能性があると判断しての申立と思われます。
【追 記】(8/29)
被害対策の弁護団が各地でぼちぼちと立ち上がっているようです。
報道などで私がわかる範囲で弁護団が発足、又はその方針であるのは(間違いがあればご指摘ください)、栃木、東京、埼玉、千葉、栃木、静岡、兵庫などでしょうか。大阪でも弁護団が立ち上がるというように聞いています。また、他の地域でも弁護団結成の検討をしている所があるようです。
【追 記】(9/9)
上記の国民生活センターの情報提供の第2弾が出ました。
→ 国民生活センター「安愚楽牧場に関するトラブル速報!第2弾」