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2011年7月の記事

2011年7月28日 (木)

東京スター銀行対三菱東京UFJ銀行事件判決(東京地裁)

 独占禁止法の関連では、一昨日、ベアリングの価格カルテルについて公正取引委員会が強制調査に入ったとの報道がありました。これについては神戸大の泉水教授が、早速ブログで書かれていますので、それをご紹介します。

 → 独占禁止法の部屋ブログ
   
「軸受け(ベアリング)価格カルテルの反則調査」

 さて、独占禁止法の関連でもう一つ、まだ報道でしか判りませんが、東京スター銀行が、三菱東京UFJ銀行に対して、現金自動預払機(ATM)の相互利用提携の再開などを求めた訴訟で、東京地裁が本日、請求棄却の判決を言い渡したようです。この事件は、三菱東京UFJ銀行がATMの提携を一方的に打ち切ったのは独占禁止法が禁じている「不公正な取引」に当たるとして、東京スター銀行が訴えていたものです。訴訟提起の当時は独占禁止法24条の差止請求事件と聞いていましたが、損害賠償請求を含まれているようですね。請求の内容については詳しくは判りませんので、早く判決を見たいですね。

 この訴訟については、訴訟提起の当時に当ブログで取り上げています。

 → 「東京スター銀行が三菱東京UFJ銀行に独禁法24条の差止請求訴訟」
                             (08/11/12)

 報道によれば、今回の東京地裁判決は、解約には正当な理由があり、東京スター銀行を市場から排除するという不当な目的で解約したとは認められず、独占禁止法違反には当たらない、と判断したもののようです。また、東京スター銀行は控訴する意向のようですね。

2011年7月26日 (火)

紳士服販売業者の「全品半額」広告と「打消し表示」(景表法)

 8月上旬に2回ばかり、広告・表示の関連で話をする仕事があり、配布資料をそろそろ完成させないといけないのですが、本日、消費者庁が大手の紳士服販売業者5社に対して、景品表示法違反(有利誤認)の不当表示があったとして、措置命令を行っています。また、これも資料に組み込まないといけないですね。

 → 消費者庁サイト報道発表資料(PDF)

 この5社は、株式会社AOKI(横浜市都筑区)、青山商事株式会社(広島県福山市)、株式会社コナカ(横浜市戸塚区)、はるやま商事株式会社(岡山市北区)、株式会社フタタ(福岡市中央区)で、いずれも全国のロードサイドなどで良くみかける紳士服販売の会社ですね。

【違反事実の概要】

 5社それぞれでもちろん違うのですが、概略を示しますと、テレビコマーシャルや新聞折り込みチラシに「全品半額」と大きく表示しながら、実際には、半額となるものが、一定の金額以上の商品に限られたり、割引券が必要だったり、一部商品に限られたりなど、「全品」が半額となるものではなかったものです。
 なお、各社とも、コマーシャルやチラシに、条件が限定される旨の表示を入れてはいたようですが、それらは、「全品半額」が強調された表示に鑑みれば、一般消費者に認識されないとされています。
 これは、いわゆる「打消し表示」の問題ですね。これについては、公正取引委員会が、2008年に「見にくい表示に関する実態調査報告書―打消し表示の在り方を中心に―」(PDF)というのを出していますので、興味のある方はご覧ください。なお、この報告書については当ブログでも当時取り上げています。
 → 「「No.1表示」と「見にくい表示」の実態調査(公取委)」(08/6/13)

2011年7月25日 (月)

悪質ドロップシッピング業者バイオインターナショナルに対する判決公開しました。

 悪質ドロップシッピング業者バイオインターナショナルに対する勝訴判決が大阪地裁で言い渡されたことは当ブログで紹介しました。

 → 「悪質ドロップシッピング(バイオ)に対する勝訴判決(大阪地裁)」
                            (7/6)

 大変遅くなりましたが、この判決文を公開しました。以下のリンクをクリックしてください(PDFファイルです。)。

 バイオインターナショナルに対する判決
(平成23年7月4日)

2011年7月23日 (土)

新幹線エクスプレス予約のスマートフォン対応

 東海道・山陽新幹線のエクスプレス予約が、スマートフォンからの操作ではできなかったり、不安定だったりしていましたが、サイト側でのスマートフォン対応がようやく本日から開始しました。

 → エクスプレス予約ホームページ
   「スマートフォンからご利用のお客様はこちらをご覧ください。」

 もっとも、完全には対応できていないようで、サイトの記載によれば、

 iPhone端末はiOS4.2以上が対象です(iPhone3G・3GSは除く)。

 iPhone3G・3GSについては、OSのバージョンアップを行いiOS4.0以上にすると利用できません。古いバージョンでも、今後の状況により利用できない場合が想定されるため利用環境の対象外です。

 Android搭載の端末は、2010年秋以降、NTTドコモ、au(KDDI)、ソフトバンクモバイルから発売開始した Android2.1以上の端末が対象です。

 HTML5に準拠したブラウザを搭載した発売時期の新しい端末(BlackBerry Bold9780)では利用できる場合があります。

 ということになっています。

 私のスマートフォンは、昨年春発売のXPERIA(SO-01B)なので、上記の対象条件からすると、今回のサービス対象外のはずですが、一応、OSのバージョンアップで、android2.1にはなっています。
 ということで、試したところ(新規予約など全ての操作をした訳ではありません。)、問題なく見ることもでき、予約済の確認なども普通にできました。たぶん大丈夫でしょう(たぶん)。

 これまでも、当ブログに以前に書いていたように、無料androidアプリの「BooXpress」を使って、まずまず、エクスプレス予約も利用できていましたが、公式サイト側がスマートフォン対応をしてくれるのはありがたいですね。

 なお、私は利用していませんが、モバイルSuicaによるエクスプレス予約も、スマートフォンに対応したとのことです。

2011年7月22日 (金)

「特定保健用食品(トクホ)」の広告表示

 今日は、公正取引委員会が、VVFケーブルの製造業者及び販売業者に対する排除措置命令及び課徴金納付命令などというのを出していたりするのですが、それについてまとめる時間もありませんので、公取委サイトをごらんください(すみません)。

 また、なんでも今日は「著作権制度の日」ということらしいです。明治時代に最初の「著作権法」が制定だか何だかされた日のようですが、それまでにも版権法などの名前の法律はあったようですし、他の日に、「世界図書・著作権デー」とか「音楽著作権の日」とか、いろいろあるようなので、どうでもいいような気もいたします。

 さて、今日は午前中にとある消費者問題の勉強会にオブザーバーのような形で参加してきました。健康食品の広告表示関係のテーマだったのですが、その中で、「特定保健用食品」いわゆる「特保(トクホ)」のことが話題になりました。これは名前はお聞きになったことがある人は多いと思いますが、ちゃんと理解されている人は少ないかと思います(私も偉そうなことはいえません。)。しかし、このごろは大新聞の広告欄やテレビCMに、いろいろな会社の健康食品の広告が出ており、この「特定保健用食品」もよく見かけますね。

 「特定保健用食品」は、健康増進法という法律の26条1項の消費者庁長官の許可又は同法29条1項の承認を受けて、食生活において特定の保健の目的で摂取をする者に対し、その摂取により当該保健の目的が期待できる旨の表示をする食品ということになっていて、普通の食品では、薬事法の関係があって、効能効果の表示はできないのですが、「特定保健用食品」の場合は、医薬品ではないけれども、一般の食品と医薬品との中間的な表示が特別にできる食品であるということがいえます。

 → 厚生労働省「特定保健用食品」

 なお、食品衛生法施行規則21条1項4号では、「特定保健用食品」などと紛らわしい名称、栄養成分の機能及び特定の保健の目的が期待できる旨の表示をしてはならないことが規定されており、新聞広告などで、許可対象でないような商品も、許可商品であるかのように広告表示することは許されません。

 また、もちろん、実際に「特定保健用食品」だからといって、これらは医薬品ではありませんし、「特定保健用食品」だからといって、健康にとっての万能の食品でありませんので、その食品が健康のどういう面にどういう場面で良い効果が期待できるのか、ちゃんとした医薬品を利用するのとどう違うのか、ということをよく理解したうえで利用する必要があります。

 「特定保健用食品」に関連しては、「健康増進法」、「特別用途食品」、「保健機能食品」、「栄養機能食品」などについても、広告表示に関連してまとめておかねばならないのですが、今日のところはこの辺で・・・・・・

2011年7月21日 (木)

放射性物質除去などをうたう広告・勧誘についての注意(国民生活センター)

 あのGoogleが、Facebookに対抗すべく(かな?)展開し始めた「Google+」ですが、先日、招待してもらったので、ちょっとずついじっています。どうも、Gmailというのが苦手で放置していたこともあり、また、TwitterFacebookで手一杯の状況ですので(mixiはほとんど放置状態の非国民です。)、まだ何にどう使うかについては考えていません。
 TwitterFacebookにない機能として「Sparks」というのがあって、要するにキーワードを登録しておくと関連情報が集められるというものですが、これは仕事、趣味などでの情報収集に役立ちそうです。

 さて、本日、国民生活センターは、震災関連の消費生活相談の中で、“放射能”に関する相談が、全国の消費生活相談窓口に多数寄せられていると公表しています。

 → 「放射性物質への不安につけこむ広告や勧誘にご注意を!」

 この中には、野菜、お茶等の食品や水の安全性に関する相談も多く含まれているようですが、中には、放射性物質への不安を抱く消費者に対して、「体内被ばくに効果がある」「放射性物質を完璧に除去可能」「チェルノブイリ原発事故の際に使われた商品」等とうたう広告や勧誘によるトラブルもみられる、とのこと。4月には「体内被曝に効果がある」等とうたって商品を販売して薬事法違反で逮捕されたケースもあります。
 今回公表されている相談事例を見ると、放射性物質を除去するとうたう健康食品等だけではなく、放射線測定器の広告についてのものあり、インターネットで注文して商品代金を先に振り込んだが商品が送られてこず、後に業者から解約を申し入れられたのに返金されない、などといったものもあるようです。また、市役所の放射能検査などという「かたり商法」で換気扇のフィルターを販売しようとしたケースも、一般消費者の不安な心理を利用して不要な商品を買わせるもので、極めて悪質なセールスだと思います。

 国民生活センターでは、これらの事例の問題点として、

  1. 根拠もないのに「放射性物質の除去可能」等とうたう広告や勧誘がみられる
  2. 不安を利用したインターネット通販特有のトラブルが多発している

といった点を挙げており、消費者へのアドバイスとしては、放射性物質の除去等をうたう広告や勧誘をうのみにしない こと、「放射線量を測定する」等と言われても、簡単に家に入れたり、慌てて契約をしないことを挙げています。

 なお、これとは別の話ですが、消費者庁は、消費者の安全・安心の確保に向けて、消費者の立場に立ったリスクコミュニケーションを推進する一環として、被災地などで生産・製造されている食品について、それらを介した放射性物質の健康への影響をテーマとして、消費者・流通事業者・専門家等の情報共有・理解促進のための意見交換会を開催することを発表しています。

 8月28日(日)13:30~16:30:かながわ労働プラザ
 8月29日(月)15:00~18:00:大宮ソニックシティ

の2回ですが、詳しくは消費者庁資料をご覧ください。

 →  「食品と放射能に関する意見交換会」の開催について(PDF)

【追記】(7/25)

 7月20日付で東京都もこのような発表をしていますね。

  → 東京都生活文化局

「根拠なく「放射性物質完全除去」などとうたい、消費者を誤認させる広告・表示を行ったインターネット通販事業者を指導」

 5月に東京都が、そのインターネット広告・表示監視事業(毎月2400件検索・調査)において、家庭用の放射性物質対策商品に関するインターネット上の広告・表示で景品表示法に抵触するおそれのある広告・表示の調査を行い、合理的な根拠なく放射性物質除去等をうたい、実際の商品よりも著しく優良であると消費者を誤認させるおそれがあると認められた広告・表示58件について、53事業者に表示の改善を指導した、というものです。

2011年7月20日 (水)

エアコンの省エネ性能表示(消費者庁)とイカタコ

 今日は、イカタコウイルス事件で、ウイルス作者が、刑法上の器物損壊罪で有罪判決が出たというのが大きな話題です。まだ判決文を直接読めませんので、報道記事によるしかありませんが、ハードディスクの効用が害されるとして、器物損壊罪に該当するとしたようです。ここのところは、器物損壊罪に関する従来の判例の経緯などを知っていないと難しいところですね。今日のところは、岡村久道弁護士のブログの記事を紹介しておきますね。

 → 情報法学日記「イカタコウイルス事件-東京地判平成23年7月20日」

 さて、消費者庁は、景品表示法関連の公表資料として、本日「エアコンの省エネ性能表示に関する調査について」を発表しています。7月5日に中間的な報告をしていたのに続いてのものですが、今日の公表資料では明確に、「エアコンメーカー11社が、エアコンの販売に際して、消費者が通常知り得ない操作を行った上で実施したエアコン能力試験により算出された省エネ性能を表示していたことが分かった。」と不適切な省エネ表示を各社が行っていたことを明言しています。

 → 消費者庁サイト 公表資料(PDF)

 これは、調査した11社全部が、「消費者が通常知り得ない操作を行った上で実施したエアコン能力試験により算出された省エネ性能を表示していたことが分かった。」とするもので、その詳細は資料を見ていただきたいのですが、ちょっと素人にはわかりにくい部分もあり、消費者庁もせっかく公表するのであれば、もう少しわかりやすく書いて欲しいな、と思います。

 これらの表示は、もちろん東日本大震災前からのものであり、現在の節電が迫られている状況下で作為的になされたものではありませんが、仮に震災前であれば消費者の省エネ感覚をくすぐるということで許される範囲であったとしても、現在は全く状況が異なっています。メーカーも、節電、省エネの効果のテストの方法、表示の仕方については、従前以上に消費者に対してわかりやすくしていただきたいですね。このような点での企業の社会的責任は重大になってきていると思います。

2011年7月15日 (金)

住宅用太陽光発電システムの不当表示措置命令(消費者庁)

 今日は、最高裁で賃貸住宅の更新料に関する事件と橋本徹弁護士に関する事件と注目の判決が出ています。これらについては、まだ概略をTwitterを通じて知っただけですので、ここでは触れません。今夜あたりからニュースでも取り上げられることと思います。なお、先程ちょっと見たら、更新料判決については、既に裁判所の判決速報ページに出ているようです。

 さて、本日、消費者庁は、株式会社日本ホットライフ(福岡市博多区)に対して、住宅用太陽光発電システムの取引に係る表示について、景品表示法4条1項2号(有利誤認)に該当するとして措置命令を行っています。節約できる金額や導入費用回収期間などの算定が不適切なものであるとするものです。

 → 消費者庁サイト報道発表資料(PDF)

 原発事故の影響により、現在、太陽光発電システムも大きな注目を集めています。今後、一般向けの太陽光発電についてもシステム設置希望者が増えるかもしれませんし、事業者側も積極的なセールスを行うような状況になると思われます。今回の措置命令の対象事件は、東日本大震災とは無関係の平成21年10月頃から平成22年6月頃までの宣伝表示に関するものですが、太陽光発電システムの導入によって節約ができたり利益を得ることができるかのような広告表示は今後一層増える可能性がありますので、この事件のような不当表示等による悪質セールスには消費者側も充分警戒しなければならないと思います。

【違反事実の概要】
 日本ホットライフは、自ら供給し又は子会社を通じて供給する住宅用太陽光発電システムの販売に関して、戸建て住宅への投函等により配布するチラシにおいて、「電気買取り価格2倍引き上げで、192,000円/年の節約(利益)!」「単純利回りは、なんと約8.0%!!」「導入費用の回収期間は13年となり、回収後の13年以降は、しっかり貯蓄にまわせます。」等の表示を行っていたが、

 買取り価格の金額は、全量買取りを前提としているが、本件発電システムの場合、電力会社が買い取る余剰電力量は、通常、全発電電力の過半を超える程度であり、年間192,000円の利益を得ることはできないものであり、その利益額の面と、機器の破損や経年劣化などにより保証期間経過後に機器の交換、修理に費用負担が発生する場合もあることから、8.0%の利回り及び13年の回収期間を実質的に達成できず、恒常的かつ安定的に利益を得ることができないものであった。

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 なお、この事件の当時、国民生活センター「ソーラーシステムの訪問販売のトラブルが増加-「売電収入」や「補助金」の過剰なセールストークに惑わされないで-」(09/10/7)という情報提供を行い、同時に経済産業省消費者庁も対応を公表しています。これについては、当時、当ブログでも取り上げていますので、そちらをご覧ください。
→ 「ソーラーシステム(太陽光発電装置)セールスの悪質勧誘(消費者庁など)」

2011年7月14日 (木)

ブロガーの商品推奨記事に関する韓国の動き(韓国公取委)

 偶然に興味深い韓国の公正取引委員会のニュースを見つけたので、今日2つ目の記事を書きます。韓国の公正取引委員会といえば、先日も、芸能人と芸能事務所間の標準専属契約書の改正が話題になりました(児童・青少年の芸能人に過度な露出などの行為を要求してはならないというような部分が日本でも特に話題になっていましたね。)。

 今日のは、朝鮮日報の日本語版サイトで見つけた「パワーブロガー、広告主からの対価に公表義務」という記事です。

 記事によれば、7月13日に韓国公正取引委員会「推薦・保証などに関する表示・広告審査指針」を改正し、ブロガー等(記事によれば、「パワーブロガー」に限るわけではなさそうです。)が、広告主から金銭などの対価を受け取って文章を掲載した場合、対価を受け取った事実を公表することが求められ、違反した場合は、広告主が制裁を受ける、というものです。ツイッターやフェイスブックなども広く含まれるとのこと。さらに、公正取引委員会は、パワーブロガー側にも制裁を科すことができるように法改正を進める方針であることも報じています。

 このニュースを読んでまず思い出すのは、一昨年秋に改正された米国の連邦取引委員会(FTC)の広告ガイドラインですね。当ブログでも少し触れたことがあります。

 → 「米「広告ガイドライン」改訂と「隠された広告」」(09/10/18)

 今回の韓国の指針改正も、このFTC広告ガイドラインを参考にしたのだろうと想像できます。日本でも考えたほうがいいのではないでしょうか。
 こういうのも最近ありましたし。
 → 「ペニーオークションと芸能人ブログ記事」(1/25)

梅の購入代金カルテルで立入検査(和歌山・公取委)

 先週末に島根、今週前半に東京と遠方出張が続いたこともあって(どちらも研修の講師でしたが)、ブログ更新ができませんでした。

 一昨日の報道になりますが、和歌山県の梅干し加工業者が、農家から梅の購入価格を抑えるために、購入価格のカルテルを結んでいた疑いで、公正取引委員会が農協や加工業者ら十数カ所に立入検査に入った、とのことです。
 紀州みなべ梅干協同組合と紀州田辺梅干協同組合に加盟する加工業者が対象となっており、農協(JAみなべいなみ、JA紀南)も組合加盟業者に含まれているようです。報道によれば、業者らは毎年、南高梅の大きさや品質ごとに農家からの購入価格を話し合いで決めていた、とのことです。

 まだ立入検査の段階ですので、公正取引委員会の処分が出るのはまだ先のことと思われますが、本事案は、「購入カルテル」であるところが特徴ですね。よく見られるカルテルは、入札談合も含めて、事業者などが、自分たちの商品の価格や工事の代金を高値安定させる目的で、価格を取り決める、というものですが、「購入カルテル」は、本件のように原料や資材を仕入れる際の購入価格を事業者間で低く取り決めておくというものです。

 このような「購入カルテル」については、以前は課徴金の対象とはされていませんでした。しかし、平成17年の独占禁止法大改正(自主申告による課徴金減免制度の導入や審判手続の見直しがなされた改正です。施行は18年。)で、「購入カルテル」に対しても新たに課徴金が課されることとなりました。
 「購入カルテル」で課徴金が課された前例としては、溶融メタルの談合事件があります。これは、地方自治体が売却する溶融メタル等の購入代金のカルテル事件でした。
 → 「溶融メタル等入札談合の排除措置命令・課徴金納付命令(公取委)」
                             (08/10/18)

【追記】(7/14)

 神戸大泉水文雄教授が、ブログに取り上げておられます。
 → 独占禁止法の部屋ブログ
   「ガス絶縁開閉装置カルテルと、南高梅購入カルテル」

2011年7月 7日 (木)

飲食品等小売フランチャイズ・チェーン取引の加盟店実態調査報告(公取委)

 本日、公正取引委員会「フランチャイズ・チェーン本部との取引に関する調査報告書-加盟店に対する実態調査-」という報告書を公表しています。

 → 公取委サイト(両方ともPDF)
 ・「フランチャイズ・チェーン本部との取引に関する調査について」
 ・ 報告書本文

 フランチャイズ・システムについては、平成13年にコンビニエンスストアを対象に行った実態調査報告がなされていますが、その後、取引環境に変化が生じている可能性もあることや、本部による加盟者に対する独占禁止法違反行為(セブン・イレブンの優越的地位濫用事案)が発生している事情も踏まえて、フランチャイズ・ガイドラインに記載されている事項を中心に、本部と加盟者との取引実態を把握するための調査を行い調査結果を取りまとめた、とのことです。

 50頁ほどの報告書ですが、詳細は本文を読んでいただくとして、まず、この調査の対象は、コンビニの他に、100均一ショップ、ドラッグストア、スーパーマーケット、酒小売店など飲食料品等を小売販売していると考え得るフランチャイズ・チェーンとなっています。このような店舗10000店に書面調査を実施し、フランチャイズ加盟店からの回答は1389店となっています。結果的には、コンビニと100円均一ショップが圧倒的多数の回答結果となっていますね。調査期間は平成22年12月~平成23年5月。

 この調査を踏まえて、公正取引委員会では、「本部及び本部の経営指導員に対する業種別講習会を実施するなどにより,本部と加盟者の取引の公正化を推進し,違反行為の未然防止に努める。」「本部と加盟者の取引については,取引実態及び本部の加盟者に対する問題行為の更なる把握に努めるとともに,仮に,独占禁止法に違反する行為が認められた場合には厳正に対処する。」としています。

 調査報告内容のうち、公取委による報告概要では、以下の点などが取り上げられています。

「本部が加盟希望者に対して開示した情報のうち,「予想売上げや収支モデルの額」について,本部が提示した額よりも実際の額の方が低かったと回答した加盟店の割合が5割程度と最も高かった。」

「「経営指導の内容」,「再契約(契約更新)の条件」,「経営支援の内容」,「ロイヤルティ」等についても,本部が開示した内容と実際の内容が異なっていたと回答した加盟店の割合が高かった。」

「本部が加盟希望者に対して開示した情報の内容や説明が正確性を欠いている又は十分でないことにより,実際のフランチャイズ・システムの内容よりも著しく優良又は有利であると誤認させ,競争者の顧客を自己と取引するように不当に誘引する場合には,独占禁止法上問題となるおそれがある〔ぎまん的顧客誘引〕。」

「本部が加盟店に対して,商品の仕入数量,商品の廃棄,商品の販売価格等に関し各種の制限を課す又は新規事業を導入することが多く見受けられる。」

「 取引上優越した地位にある本部が加盟店に対して,商品の仕入数量,商品の廃棄,商品の販売価格等に関し各種の制限を課す又は新規事業を導入する際に,フランチャイズ・システムによる営業を的確に実施するために必要な限度を超えて,正常な商慣習に照らして不当に不利益を与える場合,加盟店の販売価格(再販売価格)を拘束する場合又は加盟店が供給する商品(役務)の価格を不当に拘束する場合には,独占禁止法上問題となるおそれがある〔優越的地位の濫用,再販売価格の拘束,拘束条件付取引〕。」

2011年7月 6日 (水)

悪質ドロップシッピング(バイオ)に対する勝訴判決(大阪地裁)

 前にもちょっと書きましたが、私の小・中・高の同級生に、紫綬褒章受章作家である渡邊明氏がいるのですが、今日から、JR大阪三越伊勢丹の美術画廊で個展「渡邊明ガラス展 LUCENT BREEZING」が始まっています。今日午後にちょっと時間が空いたので、行ってきました。他の個展などもやってますので、お時間があれば是非お寄り下さい。
 → JR大阪三越伊勢丹 Art Information

 さて、7月4日に、ドロップシッピング被害弁護団では、悪質ドロップシッピング業者のバイオインターナショナルに対する大阪地裁判決を得ました。先日ご紹介したウインドに対する判決に次ぐものです。

 → 「悪質ドロップシッピング業者に対する勝訴判決(大阪地裁)」(3/25)

 今回の判決は、特定商取引法上の業務提供誘引販売に該当するとしてクーリングオフを認めて、既払の契約金約73万円の返還を命じています。 

 相手方業者に代理人弁護士がついて全面的に争ってきたウインドの裁判とは異なり、この訴訟は、被告業者が廃業して現実の送達ができなかったため、「公示送達」の手続がなされました。なので、被告側からの反論等はありませんが、いわゆる「欠席判決」(被告に実際に送達が出来たのに被告が反論書面も出さず、第一回期日にも出頭しなかった場合です。)とは異なり、裁判所も当然に原告の主張のままに認定してはくれませんので、我々原告側としては、主張事実を立証していかなければなりません。裁判所も、主張事実について判断していくことになります。

 この事件では、ウインドの事件と同様に、この業者との契約に基づく取引が特定商取引法業務提供誘引販売(同法51条1項)に該当するか否かが一番の問題になります。

 これについて、今回の大阪地裁判決(裁判官3名の合議体です)は、問題点として、本件では、原告ショップの販売業務や受注業務、入金管理業務などの業務運営自体は、法形式上、原告が事業主体であり、被告が事業主体ではなく、この原告業務が特商法51条1項にいう業務に該当するか否か疑問がないではない、としました。

 そして、この点について、同条項の趣旨に照らせば、「ある業務が、役務の提供等を事業者が自ら提供を行うものであるというためには、当該事業者が、当該業務に係る事業の主体であることがその不可欠の要素になるということはできず、むしろ、当該業務に当該事業者が関与し影響力を及ぼすことを通じて、相手方をしてその収受し得る利益が事業者より保証されるかのように期待させる程度に、事業者が当該業務に関与し、相手方が収受し得る利益について影響力を及ぼすものであるか否かという観点から、当該業務が事業者から提供されたものであるか否かを判断すべき」としました。この点は、従来のウインド判決などとはちょっと異なっていますね。ウインドの判決では、原告と被告との間の関係では、消費者に対する売り主は被告業者であるというような相対的な判断を行いました。この両方の判決の微妙な違いは今後検討が必要なところですが、業務提供誘引販売の適用対象を拡げる可能性のある判断ではないかと思います。

 大阪地裁判決は、本件の事情から、原告従事業務は、原告の収受し得る利益が保証されることを期待させる程度に、被告が同業務に関与し、相手方が収受し得る利益について影響力を及ぼすものということができ、被告が自ら提供を行うものというべきであるとして、原告ショップの収益は、業務提供利益に当たるとしました。

 このような判断に基づいて、大阪地裁は原告のクーリングオフを認めたものです。

【追記】(7/25)

 判決文を公開いたしました。
 → 「悪質ドロップシッピング業者バイオインターナショナルに対する
    判決公開しました。」(7/25)

2011年7月 3日 (日)

「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」改訂(経済産業省)

 今日は日曜日ですが、昨日に引き続き事務所に出て仕事してます。1人だけなので、節電というより経費削減のため、冷房は最小限にして、Tシャツ姿での執務です。

 さて、経済産業省「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」が、先日(6/27)に改訂が公表されました。

 → 経済産業省
 「『電子商取引及び情報財取引等に関する準則』の改訂について」

 この準則は、電子商取引や情報財取引等に関してのいろいろな法的問題点について、民法をはじめとする関係法律がどのように適用されるのかを明らかにするために経済産業省が公表し、改訂を続けてきたもので、今回、さらに改訂が公表されたものです。

 改訂内容としては、概略、以下の通りです。

 ・項目の並び順(目次)の修正
 ・ウェブサイトの利用規約の有効性に関する論点の修正
 ・未成年者による意思表示 に関する論点の修正
 ・CGMサービス提供事業者の責任に関する論点の修正
 ・電子商取引の返品に関する論点の追加・修正
 ・インターネット上の著作物の利用、掲示に関する論点の 修正
 ・国境を越えた商標権行使 に関する論点の追加・修正
 ・法改正、新たな裁判例への対応、その他軽微な修正

2011年7月 2日 (土)

NPO「消費者ネット関西」Facebookページ作りました。

 先日、特定非営利活動法人(NPO)「消費者ネット関西」の定時総会を終えたところです。私も引き続き理事を務めることとなりました。こちらでもよろしくお願いします。

 この消費者ネット関西は、弁護士を含め、消費者問題に携わる人達により、2000年に設立されたもので、もう10年以上継続して活動しています。
 ところが、ここについて当初からホームページは専門家に依頼して作ってあったのですが、諸般の事情で最近は更新できていないうえ、検索にもひっかからない状態になっています。さすがに今時、ホームページがないというのは格好悪いですし、いい加減な団体ではないかというような信用の問題にもなり得るので、懸案事項となっていました。団体運営に関係している皆さんは、それぞれに大変忙しいこともあって、なかなかホームページの対応に手が回らないのですね。

 そこで、ちゃんとしたホームページの作成は将来の課題としておいて、私のほうでFacebookページを作ってみました。もっとも、定款など最低限のデータを入れただけで、まだまだ手を入れないといけないのですが、ひとまず今後の行事等の案内はできるようになりました。

 → 特定非営利活動法人「消費者ネット関西」

【追記】(7/4)

 URLは、

 http://www.facebook.com/snetkansai

 です。

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