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2011年4月 1日 (金)

ストリートビューのプライバシー侵害についての福岡地裁判決(請求棄却)

 一時期、Googleストリートビューについて、いろいろ議論がされましたが、最近は少し落ち着いてきたようです。今回の震災(本日の持ち回り閣議で「東日本大震災」と名称が決定したようですが)では、津波被害の地域の被災前のストリートビュー画像を残すようGoogle社に要請する活動もあるようです。

 さて、裁判所Webサイトの下級裁判所裁判例に、このストリートビューに関して、Googleの日本法人(グーグル株式会社)を被告としたとみられる判決が載っています。平成23年3月16日の福岡地方裁判所判決です。掲載された判決文だけでは、よく判りませんが、報道によれば、20代の女性が原告のようですね。下記の通り、本件行為については権利侵害・違法性がないとして、請求は棄却されています。

 事案は、原告が自宅アパートのベランダに洋服や下着を干していたところ、グーグル社がストリートビューの画像撮影時に撮影し、インターネット上で公開したというもの。

 原告は、これをプライバシー権(憲法13条)が侵害するものであり、また、グーグル社の上記行為は、個人情報保護法16条、18条、21条、22条、24条、29条等に違反していることを根拠として、不法行為に基づく損害賠償(損害の一部60万円)を求めたものです。

 福岡地裁の認定事実は、以下の通り。

  1.  原告は本件居室に居住していた頃,ベランダに洗濯物を干していたところ,被告は公道を走行する撮影車から撮影し,遅くとも平成22年3月上旬までに,本件画像をストリートビューのサービスとしてインターネット上で公開した。
  2.  被告は,一般人から画像の公開停止依頼を受けた場合にはこれを削除することとしており,本件画像についても平成22年11月12日に本件訴訟の訴状の送達を受けた後,公開停止の措置をとった。

 そして、原告の権利又は法律上保護すべき利益が侵害されたか、については、

原告は,本件居室のある建物の敷地前の公道は道幅が狭いことから,その路上で本件画像を撮影することはできないなどとして,被告が本件画像を私道上から撮影した旨主張するが,証拠によれば,上記認定のとおり,公道上から撮影したことが明らかに認められるのであって,その主張は採用できない。
 そして,本件画像によれば,本件住居のベランダに洗濯物らしきものが掛けてあることは判別できるものの,それが何であるかは判別できないし,もとより,それがその居住者のものであろうことは推測できるものの,原告個人を特定するまでには至らない。
 そして,元来,当該位置にこれを掛けておけば,公道上を通行する者からは目視できるものであること,本件画像の解像度が目視の次元とは異なる特に高精細なものであるといった事情もないことをも考慮すれば,被告が本件画像を撮影し,これをインターネット上で発信することは,未だ原告が受忍すべき限度の範囲内にとどまるというべきであり,原告のプライバシー権が侵害されたとはいうことができない。したがって,本件においては,不法行為の要件である,権利又は法律上保護すべき利益の侵害が認められないというべきである。
 なお,原告は被告の行為が個人情報保護法の諸規定に違反するとも主張するが,同法にいう個人情報とは「生存する個人に関する情報であって,当該情報に含まれる氏名,生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ,それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)」をいうところ同法2条1項),上記判示のとおり,本件画像の内容に鑑みれば,せいぜい洗濯物が干してあり,誰かが同居室に住んでいることが分かるといった程度の情報にすぎないから,上記個人情報に当たるといえるか疑問であるし,仮にこれに当たるとしても,上記認定の事実からすれば,原告との関係で,その情報取得の態様,取扱いの方法,管理の態様等が個人情報保護法の諸規定に違反して違法であるとは到底言えない。

 として、原告の主張を排斥し、請求を棄却しています。

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» 【下級裁判所事件/福岡地裁/平23・3・16/平22(ワ)4971】 [判例 update]
事案の概要(by Bot): 本件は,原告が被告によって,原告の住居のベランダに干してあった洗濯物を盗撮されたことにより,精神的苦痛を受けたとして,不法行為に基づく損害賠償を求めた事案である。 http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20110331092253.pdf <裁判所ウェ…... [続きを読む]

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