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2011年3月の記事

2011年3月31日 (木)

ペニーオークション事業者に対する景表法違反措置命令(消費者庁)

 景品表示法の権限発動に関して動きが鈍いように見えた消費者庁も、ここのところ措置命令を次々と出しています。ここで紹介した3月3日、4日の牛肉関連の事案以降も、カンノ蜜蜂園本舗(3/10)、ユナイテッドアローズ (3/24)、ガリバーインターナショナル(3/28)、アシックス(3/30)と一気に景品表示法に基づく措置命令を繰り出してきています。ひとまず、これらの事案の詳細は省きますので、興味のある方は消費者庁サイトでご覧ください。

 で、本日も景品表示法違反事案に対する措置命令が出されました。

 これは、これまでにも以下の通り当ブログでも取り上げ、国民生活センターも消費者に注意を呼びかけていた(下記1/7記事参照)「ペニーオークション」を運営する事業者に関するものです。

 → 「ペニーオークション」(1/7)
 → 「ペニーオークションと芸能人ブログ記事」(1/25)

 今回、消費者庁は、株式会社DMM.com(東京都渋谷区)、株式会社アギト(東京都文京区)、株式会社ゼロオク(東京都港区)の3社の運営するペニーオークションサービスの取引に係る表示について、景品表示法4条1項1号(優良誤認)および同項2号(有利誤認)に該当するものとして措置命令を行ったものです。
 なお、その他の事業者2社(Innovative Auction Limited(香港)、株式会社MEDIATRUST(本店不明))についても同様に不当表示に該当する事実が認められたとされていますが、前者は本社香港であり、後者は連絡が取れず、両社とも本件サービスを終了させていることから措置命令は行わないが、一般消費者に適正な情報を速やかに提供する観点から、その事実を公表する、としています。
 詳しくは、下記消費者庁発表資料をご覧ください。

 → 消費者庁サイト 報道発表資料(PDF)

2011年3月30日 (水)

「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」改訂案の意見募集(経済産業省)

 昨夜、うちで飼っているシマリスのチップが死にました。生まれてまもなくの頃から7年近く遊んでもらいました。リスの寿命はだいたいこんなもののようで、ここ1年くらいはちょっと動きが遅くなっていました。

 さて、経済産業省「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」の改訂案の意見募集が昨日から始まっています。なぜか、経済産業省サイトの報道発表資料には出ていないですね。

 → 電子政府総合窓口(e-Gov)
 「電子商取引及び情報財取引等に関する準則改訂案」に対する意見公募について

 意見募集期間は、平成23年3月29日(火)~4月27日(木)必着です。

 今回の改訂は(まだ、きちんと全部に目を通せたわけではないですが)、全体の構成の見直しもあり、また、裁判例や掲載文献の追加などかなりいろんな所の細かい修正、追加などがなされているようです。

2011年3月28日 (月)

悪質ドロップシッピング業者ウインドに対する判決を公開しました(特定商取引法)

 先日、悪質ドロップシッピング業者ウインドに対する訴訟の判決について触れました。 
 → 「悪質ドロップシッピング業者に対する勝訴判決(大阪地裁)」
                             (3/25)
 この大阪地裁平成23年3月23日判決について、原告弁護団において、Web上で公開(個人情報部分を除く)することが決まりましたので、ここに掲載しておきます。

 大阪地裁平成23年3月23日判決(PDFファイル)

 前に書きましたように、主要争点は、特定商取引法上の「業務提供誘引販売」の該当性です。

2011年3月25日 (金)

政府関連震災情報について

 震災以後においても、年度末ということもあってか、景品表示法違反措置命令や下請法違反勧告などがいくつか公表されておりますが、震災関連情報にとりまぎれて(?)ご紹介はしておりません。消費者庁や公正取引委員会の発表資料をご覧下さい。

 震災に関連する政府の公報関係については、次のサイトが有用ですね。
 → 首相官邸災害対策ページ
 なお、これの関連で、Twitterアカウントもあり、結構頑張っています。
 → 首相官邸(災害情報)twitterアカウント @Kantei_Saigai

 このような政府の震災関係広報のうち、今日見つけて注意を引いたのは、法務省関連では、以下のものです。
 → 「定時株主総会の開催時期について」
 → 「東北地方太平洋沖地震により滅失した戸籍の再製について」

 それと、消費者庁関連で、JAS法や食品衛生法に関して、食品容器入り飲料水についての取り締まり緩和が公表されています。

 また、岩手県、宮城県、福島県の震災に関連した消費者トラブルを対象として、3月27日(日)10時より国民生活センターに「震災に関連する悪質商法110 番」を開設するとのことです。
   電話番号 0120-214-888
   開設日時 土日祝日も含め毎日10時~16時
 → 「「震災に関連する悪質商法110 番」の開設について」

悪質ドロップシッピング業者に対する勝訴判決(大阪地裁)

 さて、悪質ドロップシッピング業者に対して、大阪の弁護士有志の弁護団によって起こした訴訟で、3月23日、大阪地裁が全面勝訴判決を言い渡したことは前回お知らせしました。判決文を受け取りましたので、簡単にですがご紹介しておきます。なお、本件は大阪、大津、東京の4名の原告が、株式会社ウインドを被告として提起したものです。なお、被告も代理人弁護士により全面的に争っていました。
 同様の悪質ドロップシッピング業者に対して、各地でいろいろな形での訴訟も起こっているようで、ネット上の情報などによれば既に判決もいくつか出ています。法律構成は、契約の錯誤無効や不法行為などもあるようですが、我々大阪の弁護団では、本件のドロップシッピング運営支援事業(ウインドシッピング)特定商取引法51条「業務提供誘引販売取引」に該当するので、クーリングオフ(58条1項)または不実告知による取消(58条の2第1項1号、52条1項5号)に基づき、原状回復請求または不当利得返還として既払い代金の返還を求めたものです。

 【追記】 判決文については、こちらを参照下さい。なお、その後、
     被告からの控訴はなく、判決は確定しました。

 大阪地裁判決が判断した争点は、

(A)各契約が業務提供誘引販売に該当するか。

(B)原告らが「事業所等によらないで行う個人」に該当するか。

(C)返還すべき金額

の3つです。不実告知の点は判断していません。

 (A)については、本件の「ウインドシッピングにおいては、購入者に対する関係では加入者が売り主となるものの、ネットショップの運営主体は、実質的には被告であり、原告ら加入者は、その運営の一部の作業を被告の指示のもとに被告に従属した立場で行っていたにすぎないというべきである。したがって、本件各契約において原告ら加入者が従事することとされている業務は、ネットショップの実質的な運営主体である被告が、原告らに対して提供する業務であるというべきである。」として、本件判決は、被告は業務の提供、あっせんをしていないという被告の主張を退けました。

 (B)は、提供、あっせんされる業務を「事業所等によらないで行う個人」でなければ特定商取引法58条1項による解除ができないことから、原告の一部がコンビニの経営者であったり、事業者法人の代表であったりする点を、被告が主張していたものです。しかし、判決は、コンビニ経営者については、自宅で私用パソコンを使用して業務を行っていた、また、法人の代表者については、ネットショップにおける商品売買は、法人の本来の業務とは異なるうえ、法人業務とも分離されている事情を認定して、いずれも「事業所等によらないで行う個人」であると認めています。

 (C)の返還すべき金額というのは、原告らが、既払い金全額の返還を求めたのに対し、(ア)作成したwebサイトの価値相当額や商品配送費用を、(イ)原告らが売却によって得た利益(わずかなのですが)を、それぞれ控除すべきと被告が主張していたものです。
 これについて判決は、本件請求は契約解除に基づく現状回復請求権であり(損害賠償請求ではない)、損益相殺による控除の主張は認められず、また、業務による利益があったとしても、これは、原告らが現実に業務に従事したことの対価として得た利益であり、原状回復請求権の額から控除すべき理由はない、としました。

2011年3月23日 (水)

「被災地への救援物資配送に関する業界での調整について」(公取委)

 今日は、ドロップシッピング関連の訴訟の判決が大阪地裁でありました。悪質ドロップシッピング業者ウインドに対して金銭返還を求めた訴訟の判決で、被告ウインドも全面的に争っていた事件ですが、大阪地裁は、私たち原告弁護団の主張を認めてくれ、全部認容の勝訴判決となりました。
 ただ、まだ今日の時点では判決が交付されておらず、詳しい中身はわかりませんので、明日以降、当ブログでもご紹介したいと思っています。

 さて、今月18日に、公正取引委員会が「被災地への救援物資配送に関する業界での調整について」というのを出しています。
 これは、被災地への救援物資配送に関する業界での調整に関して、独占禁止法上の問題が生じないかどうかについて公正取引委員会の考え方を明らかにしたものです。
 つまり、競争事業者同士の共同配送は、場合によっては、独占禁止法に違反する行為(私的独占、不当な取引制限)に該当してしまいますので、今回の大震災の状況のもとでの共同配送や事業者団体などによる配送の調整行為について、独占禁止法上問題とならない場合を明らかにしたわけです。

 → 公取委サイト 報道発表資料(PDF)

 短いものですので、本文部分をそのまま貼り付けておきます。

「今回の地震は前例のない大規模なものであり,その被害は広範囲に及び,被災地は必要な様々な物資が供給されにくい困難な状況に置かれています。
 このような緊急の状況に対処し,被災地に円滑に物資を供給するため,関係事業者が共同して,又は関係団体において,配送ルートや配送を担当する事業者について調整することは,①被災地に救援物資を円滑に輸送するという社会公共的な目的に基づくものであり,②物資の不足が深刻な期間において実施されるものであって,かつ,③特定の事業者に対して差別的に行われるようなおそれはないと考えられることから,独占禁止法上問題となるものではありません。」

 このことは常識的に考えても、当然と言えば当然なのですが、今の時期はいいとして、どの範囲まで、何時まで、という線引きは簡単ではありませんね。公正取引委員会は、取引部相談指導室で問い合わせに応じる、としています。

2011年3月22日 (火)

震災・津波による戸籍データの消失について

 震災の関連が続きますが、お許し下さい。

 津波により町役場などの行政機関の建物も流されてしまった所も多いようですが、報道によれば、最大級の津波被害を受けた南三陸町は町役場が建物ごと流されたということで、戸籍の資料が無くなってしまったとされています。
 そうだとすれば、当然、同じく重要な住民データである住民基本台帳(住民登録、住民票の関係です)のデータも一緒に流されたことになりますが、こちらは、住民基本台帳ネットワークのデータがあるはずなので、原則として残っているはずですね。

 しかし、戸籍については、現在は電子データ化も進んでいますが、自治体単位での保管が原則であり、また、相続関係などの調査に必要となる過去の戸籍については電子化されていませんので、役場が流されたとなるとそのようなデータが残っていない可能性があります。

 ただ、最近の報道によれば、戸籍の電子データに関しては、法務局にも保存されているようで(このあたりのシステムはよく知りませんが)、こちらが残っていれば、少なくとも電子データとなっている現在の戸籍については大丈夫ということになります。ただ、紙資料である過去の戸籍までバックアップしていないと想像しますので、やはり、相続関係等の証明などに大きな支障が出てくることになります。

 読売新聞の20日付の記事では、南三陸町以外のところは、役場か法務局かどちらかのデータは残っているとしています。
 南三陸町について、この読売の記事では、データ保存していた気仙沼の法務局も水没してデータ消失か、と報じています。
 ただ、今朝(22日)のフジテレビ「特ダネ」では、気仙沼の法務局は水没したもののデータは上の階にあり、濡れてもいない、との現地での職員のインタビューがありました。まだ、データ自体の無事を確認したわけではないようでしたので、正確なところは判りませんが、保存されているとすれば、南三陸町も含めて、電子化された戸籍データについては消失分はなかったということになりそうです。

 もちろん、上に書きましたように、過去の戸籍が消失してしまった地域は多いでしょうから、今後長期間にわたっていろいろな影響が生じるでしょう。また、他にも各種の行政関連などの資料が消失しているはずであり、復興の過程で同様に問題となってくるかと思います

【追記】(3/25)
 法務省から、「東北地方太平洋沖地震により滅失した戸籍の再製について」というのが出されています。
 → 法務省サイト
   「東北地方太平洋沖地震により滅失した戸籍の再製について」

【追記】(4/26)
 法務省から、「滅失した宮城県本吉郡南三陸町,同県牡鹿郡女川町,岩手県陸前高田市及び同県上閉伊郡大槌町の戸籍の正本について,管轄法務局において保存していた戸籍の副本等に基づき再製作業を行い,4月25日に戸籍の再製データの作成が完了した。」との発表がありました。
 → 法務省サイト
  
「東日本大震災により滅失した戸籍の再製データの作成完了について」

2011年3月21日 (月)

弁護士会の地震緊急対策研修

 日本弁護士連合会(日弁連)から、「東京三会における東北地方太平洋沖地震緊急対策研修会」の案内が来ました。
 阪神大震災の時も大阪弁護士会で研修に参加したことを思い出します。
 今回の研修は東京の三弁護士会が開催するもののようですが、当日は、ユーストリーム(Ustream)中継がされるようですので、私は、それを見たいと思います。また、後日eラーニングやDVDの方法により、各地の弁護士会で利用できるようにする予定とのことです。

[日時] 2011年3月23日(水)午後7時~午後8時30分
[場所] 弁護士会館17階 1701A、B
[テーマ] 震災時における法律問題
[講師] 津久井 進(兵庫県弁護士会)・森川 憲二(兵庫県弁護士会)
[受講料] 無料

 今回の震災は、津波で街が全部流されるなど(戸籍が流されたとの報道もあります)、阪神大震災のときとはかなり違う被害もありますが、地域によっては阪神大震災の経験を生かせるのではないかと思います。

2011年3月19日 (土)

義援金目当てのフィッシング・サイトにご注意

 前回、前々回にもちょっと触れていて繰り返しにはなりますが、震災義援金を目当てにした詐欺行為にはくれぐれもご注意下さい。本当にこんなことをする人間がいること自体、腹立たしいことですね。
 街頭募金だけでなく、インターネット上にフィッシング・サイトも出来ているようなので、web経由で義援金を送ろうとされる方も、サイトの真偽の点にも充分に気をつけてください。折角の暖かい善意なのに、詐欺師のカモになってしまうかもしれません。

 フィッシング対策協議会によれば、フィッシングとは、「金融機関(銀行やクレジットカード会社)などを装った電子メールを送り、住所、氏名、銀行口座番号、クレジットカード番号などの個人情報を詐取する行為」です。

 そのフィッシング対策協議会の緊急情報によれば、日本赤十字を騙るフィッシングサイトなども報告されています。この情報が挙げているサイトはどうやら英語サイトのようですけれども、日本語サイトも含めて他にもあるかもしれません。もちろん、義援金関連以外のフィッシングサイトもあります。

 → フィッシング対策協議会 緊急情報

    「日本への義援金を騙るフィッシング(2011/3/14)」

    「日本赤十字社を騙るフィッシング(2011/3/18)」

 → フィッシング対策協議会 トップページ

 → フィッシング対策協議会 消費者の皆様へ

 ちょっと蛇足なのですが、これを書いている今の今まで、「フィッシング」というのは当然「魚釣り」のことで「fishing」だと思っていました。
 しかし、何と、英語のスペルは「phishing」なのだそうです。語源自体は「fishing」からという説が正しそうですけども、スペルが変わった理由には複数の説があるようですね。

 と、義援金フィッシングサイトについての話を枕にして、別の話を書くつもりだったのですが、長くなったので、別記事にいたします。

2011年3月17日 (木)

非嫡出子(婚外子)の相続分についての最高裁大法廷判決が出なくなった件など

 震災の影響は直接の被災地はもちろんのこと各地に拡がってきています。首都圏を中心に食料品やトイレットペーパーの買い占めの話が報じられていますが、今は被災地への物資を優先にして、身勝手な行動は差し控えたいものです。前のエントリーで募金先の一覧をリンクしておきましたが、ちょっとでも役に立てればと思います。
 募金に関して、Twitterで話題になっていることの一つに、募金先の銀行口座を直接tweetに書かないこと、というのがあります。これらは、他の人がコピーして(RTして)拡がっていくのですが、その過程で、口座番号を書き換えられる恐れがあるので、直接書かずに、信頼できるリンクを貼るべき、ということです。もちろん、リンク先がフィッシング・サイトである可能性もないわけではないので、各自充分に注意しなければなりません。

 また、いろいろイベントが中止や延期になってきており、私が直接関係するのだけでも、次の日曜に開催予定であった「とくしまマラソン」は私もフルを走る予定だったのですが、延期とされました。また4月9日に予定されていた日弁連での消費者団体関係のシンポジウムも延期となったようです。

 さて、昨年に大法廷に回付され、新たな大法廷の判断が出るのではということで注目を集めていた事件が意外な形で終わったようです。先日、報道もされましたが、裁判所Webサイトに掲載されました。

   平成23年3月9日最高裁判所第三小法廷決定

 これは、非嫡出子(婚外子)と嫡出子との間に、親からの法定相続分の割合が異なっている現行民法の規定(900条4号但書)は、憲法14条1項(法の下の平等)等に違反するということが争われていたものです。
 この規定の違憲性については、以前も最高裁の判断がなされ、合理的理由のない差別とはいえないとして合憲の結論が出されています(平成7年7月5日最高裁大法廷決定)。今回は、これが覆るのではないか、と注目されていたものです。先日、当ブログでも取り上げた「最高裁の暗闘」(朝日新書)の中にも、第4章で関連の話題が取り上げられており、2度目の最高裁判決が今年中にも出る、という紹介がなされていました。

 ところが、どうやら昨年6月に当事者双方間で、和解が成立していたらしく(このあたりの経緯は今回の決定にも記載されていて、いろいろな意味で興味深いのですが)、今回、最高裁が弁論期日を開くべく当事者に連絡したところ、そのことが判明し、結局、元の第三小法廷が抗告却下の決定を行ったものです。決定の最後のところをそのまま貼り付けておきます。

・・・本件和解は,Aの遺産相続及びCの遺産相続に関する紛争につき,原決定を前提とした上,相手方が支払う代償金を増額することなどを合意してこれを全面的に解決する趣旨に出たものであることは明らかであって,抗告人において本件抗告事件を終了させることをその合意内容に含むものであったというべきである。仮に,抗告人が,本件抗告の結果,自らの主張が容れられる可能性の程度につき見通しを誤っていたとしても,本件和解が錯誤により無効になる余地はない。
 そして,
抗告人と相手方との間において,抗告後に,抗告事件を終了させることを合意内容に含む裁判外の和解が成立した場合には,当該抗告は,抗告の利益を欠くに至るものというべきであるから,本件抗告は,本件和解が成立したことによって,その利益を欠き,不適法として却下を免れない。
 よって,大法廷から本件の回付を受け,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。

 本件は、大法廷が弁論期日を開こうとしていたというのですから、違憲判断が出る可能性が高かっただけに個別事案の解決の是非とは別に、何とも・・・という感想ですね。

 おそらく、この最高裁の判断を待っていた下級審や同種案件の当事者らもたくさんあったのではないかと思われ、影響は結構大きいかもしれません。

【追記】(10/4)
 今年8月に、大阪高裁が違憲の判断をしたことが報道されました。
 → 「非嫡出子の相続差別規定の違憲判断(大阪高裁)」(10/4)

2011年3月14日 (月)

地震被害に便乗した悪徳商法(国民生活センター)

 地震の被害は当初の予想をはるかに上回るもので言葉もありません。あのような津波が来ることを予想できるものではありません。少しでも多くの方の命が助かることを祈ります。また、犠牲となられた方のご冥福をお祈りします。
 被災地から遠く離れた我々としては、ひとまず募金くらいしか協力できませんので、前回同様、募金先のリンク集を挙げさせていただきます。日本赤十字の義援金募集も始まったようです。

 →  ◎ Google 募金情報まとめ
 ※追記※ 大阪市役所、区役所にも募金箱が置かれているようです。

 ただ、今回に限らずこういった災害などが起こると必ず募金をかたった詐欺行為が横行します。ネットでも、本当に信頼できる団体の真実のサイトかどうか十分に確認して募金されるようお願いします。

 悲惨な被害が生じたときの多くの人たちの善意につけ込んで騙して儲けようなどという人間の気がしれませんが、募金に限らず、残念ながらこういった輩は常にいます。
 あの阪神大震災の時にも、被害復旧に便乗して不当に家屋修理工事をさせたりした事例が問題になりました。被災地や周辺地域を対象にして、不安な住民の審理につけ込むものです。

 国民生活センターも、こういった詐欺的商法について啓発しています。

 → 国民生活センター
    「震災に便乗した悪質商法や詐欺などにご注意ください!」

 被災者や周囲の人たちはお気を付け下さい。

2011年3月12日 (土)

東北地方太平洋沖地震情報

 大変な地震が起きました。朝からのテレビの映像は信じられないような惨状を映し出しています。被災者の皆様、お見舞い申し上げます。少しでも被害が少なくなるよう祈るばかりです。

 大阪でも揺れた地震発生直後から、TwitterFacebookなどを見ていましたが、これまでのメディアとの違いを感じさせました。電話やメールが充分に機能を果たせない中で、インターネットの価値を認識できる状況でしたが、悪質なデマや不確かな情報が多数繰り返し流されるというネット情報ののマイナスの側面も結構見られたことが残念です。一方で、テレビによる報道の重要性も再認識できた面もあります。このあたりのことは、落ち着いてくれば議論されていくことでしょう。

 なお、東京電力では、発電設備が大きな被害を受けたことにより今後の電気の供給力が不足する恐れがあるとして、節電を呼び掛けています。一部で停電の恐れがあるということです。
 → 東京電力、節電呼びかけ 「極めて厳しい電気の需給状況」(ITmediaニュース)
 → 東京電力プレスリリース(節電、原発関連が載ってます)

 何の役にも立たないかもしれませんが、ひとまず、関連情報のリンクをしておきます。
                  (更新 3/13 午後0時45分)

 ◎ 首相官邸HP(政府関連の地震対応情報)

 ◎ 気象庁HP

 ◎ Google Crisis Response 東北地方太平洋沖地震

Googleが災害に関する情報や被害状況のリンクをまとめています。

 ◎ Google 募金情報まとめ

募金先のまとめ。詐欺的な募金活動にはご注意ください。

 ◎ 通信各社の災害用伝言板(ITmediaニュース)

 ◎ 被災地への募金受付、ネットで始まる(ITmediaニュース)

ヤフー、ニフティ、グルーポン、ミクシィなど。

 ◎ 岩手県広聴広報課 Facebookページ

岩手県関係の情報のFacebookページです。

 ◎ 東北地方の自治体関連ツイッターアカウント集(「がばったー」より)

2011年3月 9日 (水)

「キュレーションの時代」(佐々木俊尚)一気読みしました。

 佐々木俊尚氏の「キュレーションの時代-「つながり」の情報革命が始まる」(ちくま新書)を一気に読み終えました。2月に出版されてすぐに増刷されている話題の本です。

 佐々木さんの本は、これまでも「ネットvs.リアルの衝突」(文春新書)「ウェブ国産力」(アスキー新書)や「2011年新聞・テレビ消滅」(文春新書)などを読んできましたが、いつもインターネット社会の最先端を見事に切り取って呈示してくださいます。今回の「キュレーションの時代」も大変面白くて、朝の通勤電車で読み始め、さきほど読み終えました。

 ひとことで言ってしまえば、マスコミからツイッター、フェイスブック、フォースクエアなどへの時代の変化をテーマにしたものです。「キュレーション」とは何かいな、とまず思いましたが、本の冒頭には、「【curation】無数の情報の海の中から、自分の価値観や世界観に基づいて情報を拾い上げ、そこに新たな意味を与え、そして多くの人と共有すること。」とされています。本文では、アーティストとキュレーターとのそれぞれの役割を美術や音楽での実例でわかりやすく示されており、なるほど「キュレーション」とはそういうものか、と納得できました。
 著者の「2011年新聞・テレビ消滅」の続編のような感じもしましたね。

 私自身、このようなブログを4年前から書きだし、2年前からTwitterを始め、今年になってFacebookも、というところですので、本に書かれている状況はよく理解できます。
 今のSNSは、昔のパソコン通信と極めて似た感覚であると、私には思えるのですが、違うのは、言うまでもなくその拡がりですね。パソコン通信でもいろんな分野をテーマとしてtweetのようなものが交わされていましたけれども、その参加者は、当時はまだまだ少数であったパソコン愛好者(オタク?)という限定された層に限られていました。私もnifty-serveのランニングや山関係のフォーラムやパティオに参加していましたが、そこにいるのは市民ランナーや登山家であり、また、他のフォーラムには別の趣味、目的を持つ参加者がいるわけですが、いずれにせよ、全員が大なり小なりパソコンマニアという共通の土台にいる人たちに限られていました。
 しかし、今は、別にパソコン自体のマニアでなくても広く安価にインターネットを利用することができますので、情報を発信するにせよ、受信のみというにせよ、社会の広い層が参加しているという点が決定的に異なります。
 こういった現在のインターネットにつながった多数かつ多種多様の人達の中にある小さなビオトープ捜しが本の前半に出てきましたが、触発されるところがありました。

 もうひとつ付け加えると、この本を読むと、「ジスモンチ」を聴きたくなり、「ハングオーバー」を観たくなり、「田中眼鏡本舗」に行ってみたくなります。

2011年3月 4日 (金)

連日の牛肉の不当表示措置命令(消費者庁)

 読売新聞販売店の地位保全仮処分に関する保全抗告事件に関して、福岡高裁が、読売新聞社の申立を認めなかったようです。具体的な中身を読むことができましたら、また取り上げるかもしれません。なお、この事件は以前、当ブログでも取り上げました催告書の著作権が問題となった裁判と関連しているものです。
 → 「「催告書』の著作権に関する判決(東京地裁)」(9/3/31)

 さて、昨日に引き続き、消費者庁景品表示法違反の措置命令を出しています。年度末にかけて連投でしょうか。ちょっと留意しておきたいのは、消費者庁独自調査によるものではなく、公正取引委員会の調査に基づいた処分が多いところですね。
 なお、昨日の記事の途中に、「牛肉、焼き肉関係が多いような気がしますですね(笑)」と入れました。ちょっと冗談が過ぎるかな、と思ったのですが、なんと本日のも牛肉ステーキでありました(苦笑)広い意味では焼き肉続きですね。。

 消費者庁は、本日、株式会社パークジャパン(岡山市北区)が運営する飲食店で提供する料理に関する表示について、景品表示法4条1項1号(優良誤認)に該当するとして措置命令を行いました。
 → 消費者庁サイト報道発表資料(PDF)

【違反事実の概要】

 パークジャパンが運営する飲食店「アメリカンステーキ ミスター・バーグ」において提供する霜降サーロインステーキ、健康ステーキ料理当について、店内メニュー、自社ウェブサイト、新聞折り込みチラシに、以下の表示を行った。

  1. 霜降ステーキ料理について、例えば、店内メニューにあっては、その写真を掲載するとともに、「霜降サーロインステーキ」等と表示。
  2. 健康ステーキ料理について、例えば、店内メニューにあっては、その写真を掲載するとともに、「「健康ステーキ」等と表示。

 しかし、霜降ステーキ料理に用いた牛肉は、牛脂を注入する加工を行ったものであり、健康ステーキ料理に用いた牛肉は、牛の横隔膜の部分の肉を食用のりで貼り合わせる加工を行ったものであった。
 これにより、一般消費者は、霜降ステーキ料理には「霜降り」といわれる一定の飼育方法に飼育方法により脂肪が細かく交雑した状態になった牛肉が用いられていると、また、健康ステーキ料理には牛の生肉の切り身が用いられていると、それぞれ誤認するものであり、これらの表示は、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示すものである。

【措置命令の概要】

  1. 前記表示は、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示すものである旨を周知徹底すること。
  2. 再発防止策を講じること。
  3. 今後、同様の表示を行わないこと。

2011年3月 3日 (木)

焼き肉セットの等級についての不当表示(消費者庁)

 昨日の「最高裁の暗闘」について蛇足を付け加えると、タイトルがどうかな?という気はしますね。なんか最高裁内部でのドロドロした権力争いとか利権だとかが出てきそうな感じですが、別にそんなことが書かれているわけではありませんもんね。

 今日、ヤフー知恵袋を利用したカンニング事件で不正受験者が逮捕されたようです。今回の逮捕の是非や業務妨害罪の適用に関しては法律家としてもいろいろと議論のあるところかと思います。
 ただ、今後同種の行為を防ぐことの検討は大事ですけれども、この受験者やその周辺について、これ以上マスコミが大騒ぎをする必要はないかと思います。今、マスコミには、他にもっとやるべきことがあるのではないかと思います。もちろん、我々のほうもですが。。

 さて、先週、景品表示法に関して、続けて消費者庁が措置命令や警告などを発したことを当ブログに書きましたが、今日も措置命令が出されていますね。
 → 消費者庁サイト 報道発表資料(PDF)

 これは、通信販売業者を通じて牛肉加工食品を供給しているシンワオックス株式会社(大阪市住之江区)が、その牛肉加工食品の表示について、景品表示法4条1項1号(優良誤認)に違反したということで、措置命令が出されたものです。具体的な表示内容は上記リンク先に出ています。

 牛肉、焼き肉関係が多いような気がしますですね(笑)

【違反事実の概要】

 シンワオックスが、通信販売業者を通じて供給していた牛肉加工食品につき、平成21年7月頃から同年12月頃までの間、通信販売業者のカタログ及びウェブサイト並びに対象商品に同封した商品説明書における「ランクA4以上の高級黒毛和牛、焼肉セット」、「国内産のA4・5の黒毛和牛のみを使用しました」等の表示をしていたが、実際には、牛肉の大部分がA4又はA5等級以外の格付がなされた牛肉であったため、一般消費者は、当該商品にはA4又はA5等級の格付がなされた牛肉のみが用いられていると誤認するものであり、これらの表示は、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示すものである。

【措置命令の概要】

  1. 前記表示は、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示すものである旨を周知徹底すること。
  2. 再発防止策を講じて、これを役員及び従業員に周知徹底すること。
  3. 今後、同様の表示を行わないこと。

2011年3月 2日 (水)

「最高裁の暗闘」読み終えました。

 当ブログの2月3日記事にご紹介しました「最高裁の暗闘 少数意見が時代を切り開く」(山口進・宮地ゆう著・朝日新書)ですが、2月もバタバタしていたため、今朝ようやく読み終えました。
 おせち事件じゃありませんが、正直いって中身スカスカの新書も多い中、この本は値打ちがありました。

 ネット上を含めて結構書評もあるようですが、これまで余りマスコミも踏み込まず、また、一般市民もほとんど覗こうともしなかった最高裁判所での裁判の形成過程、ここ最近の動きが、記者の取材により立体的に迫るものとなっています。

 日本の最高裁判所をテーマにしていますが、アメリカ連邦最高裁との比較も面白い内容になっていますので、その点に関連して思い出話など。
 私は、いずれも消費者問題の関係で弁護士会の視察の際、(公式訪問ではなく個人的観光で)ワシントンの連邦最高裁を訪れています。
 最初の約20年前の時は、裁判所の中に簡単に入ることができ、社会見学の小学生の団体もいました。使用していない時は法廷も見学可能で小学生たちと一緒に見ることが出来ました。
 地下には、立派な司法博物館のような施設があり、ミュージアムショップにはいろんな最高裁マーク入りグッズを販売しています(ゴルフボールや食器、文房具などいろいろ)。印象的だったのは、最高裁判事のブロマイドまで売っていたことでした。先日韓国の最高裁を訪問された学者さんのお話では、韓国も同様のグッズを売っているとのことです。日本の最高裁を知るものにとっては、全く違う世界ですね。
 その米国滞在の時にアメリカにいた知人の弁護士の話では、最高裁判事が選ばれると、テレビのニュースにもなり、その人の若い頃の関係者(恩師など)のインタビューまで流れるということでした。日本での総理大臣と同列の扱いのようです。日本であれば最高裁判事が選ばれても新聞に地味に載るだけで、テレビのニュースではほとんど紹介されませんよね。

 次に訪問したのはちょうど9・11事件の直前でした。相変わらず、連邦最高裁は普通に入ることができ(前はなかった金属感知器が設置されていましたが)、私がちょっと通路でうろうろしていると屈強な身体の警備の人がニコニコと親切に教えてくれたのを覚えています。

 「最高裁の暗闘」の話に少し戻りますが、最後のほうで、竹崎長官の長官就任前の裁判官としての人物描写に、こんな記述があります。
「・・・一方で、検察官の言いなりにもならなかった。被疑者・被告人の身柄に関する令状請求をきちんとチェックしていたと、80年代末当時の同僚は証言する。」

 竹崎長官をさらっと評価している部分ですが、検察官の言いなりにならず、きちんと令状請求をチェックするという、裁判官として当たり前の仕事をすることが、評価ポイントになるのだ、という現実を再認識しました。

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